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城浜団地の見守りの仕組みづくりと緩やかな見守り活動者

ドキュメント内 生活の場における終末期ケアの現状と課題 (ページ 55-59)

第 2 章 住民による見守りの仕組づくりと見守り活動

4.3 城浜団地の見守りの仕組みづくりと緩やかな見守り活動者

サロンボランティアであるH、I、Jを緩やかな見守り活動者と区分して分析を進めてき たが、緩やかな見守りは日常生活の付き合いや交流の中で行われる安否確認や声掛けであ

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り、サロンのような交流の場を用いない場合も多い。

中には見守りをしているという意識がない場合もあり、見守る側と見守られる側の区分 が曖昧とも言える。城浜団地の緩やかな見守り活動者達がサロンボランティアをすること に負担を感じていない理由も、担い手自身が65歳以上であり、サロン参加者を見守る-見 守られるという関係ではなく、住民同士の楽しい交流であると考えているためである。こ れは調査協力者全員にも当てはまる。

ただ、H、I、J を始めるサロンボランティア達には、サロンボランティア同士の交流か ら得られる喜びが緩やかな見守り活動者として見守りを維持するもっとも大きい要因であ るように思われた。

実際にサロンボランティア達(A、D、E、F、G、H、J)は30年前ほどに子供達を同じ団 地内の小学校に通わせ、PTA や児童会の活動で多く顔を合わせていた。しかし、子供達が ある程度成長してからは各自パートに出て、それほどお互い共通の関心事もなく、交流す る時間も機会も以前よりは少なくなった。60歳すぎてから再び集まって卓球をしたり、個 人的な付き合いはあったが、見守り活動は彼らにとって有意義に仲間と交流できる良い機 会であったと推測できる。

城浜団地のサロンボランティア達のように以前から地域にある様々なつながりを活用し、

複雑な規則や役割を与えるより緩やかなネットワークの中で楽しくできるように支援する ことも、担い手の確保・育成の一つの方案であると考えられる。

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おわりに-見守りの仕組みづくりから支え合う地域へ-

城浜団地では見守り活動の開始後も孤立死は発生したが、仕組みづくりの前とは異なり、

町内会長たちは孤立死を公表するようになった。孤立死を誰かの責任にするのではなく、

孤立死を防げなかったことを互いに悔しく思い、早期発見したことに安心し、見守りの仕 組みや対応について再度話し合うようになった。

見守りの仕組みの構築により孤立した人々につながりや適切な対応ができるようにな ったことに加え、見守り活動者、地域全体にもつながりをもたらし、地域の問題について 主体的に向かい合うようになったことを高く評価したい。

しかしながら、このような成果が得られた要因として既存の町内会の組織が維持されて いたことや見守り活動者になった人々の多くは居住歴が長いため活動以前からのメンバー 間のつながりが深かったという城浜団地の特徴があった。このような取り組みが他の地域 で同様に進められるとはかぎらない。合わせて、城浜団地もこの世代が活動できなくなっ たら、見守り活動の継続ができるかという不安があり、関心や協力の少ない若年層の参画 をどのように促せるか、支援を拒否する対象者への対応など、課題は残っている。

城浜団地の事例から見出せる地域住民による見守りの仕組みづくりの意義としては、① 孤立・孤立死を防ぐなどの地域課題の解決のみとどまらず、②それまで地域課題に関心の なかった住民の関心を引き寄せ、理解と協力を得られる啓発を行い、③住民(高齢者)が

「見守られるニーズを有する当事者」としてのみではなく「地域課題に取り組む主体」と して参画を促す意義がある。さらに、④地域における様々な住民層や団体が交流・協力し あうことによって地域の相互扶助の基盤づくりを進め、⑤地域においてこれまで疎外され、

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孤立していた人々が地域住民として受容され、包摂される仕組みが形成されることが挙げ られる。

そして、見守りづくりや見守り活動の経験は今後の他の地域の課題に対する対応時にも 活かされる可能性がある。今後地域にはますます少子高齢化、単身世帯や孤立した人々、

認知症や死期の迫っている人々が増加することが予想される。城浜団地は地域住民が地域 の課題を調べ共有し、当事者として主体的に取り組み、地域の様々な団体や専門機関、行 政と協働する一歩を踏み出したと考えられる。

本章では、見守られる側の視点で見守られることや見守りの仕組みづくりについての検 討は行わなかったが、今後の課題としたい。

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【参考資料】2 章、3 章のインタビュー調査の項目

■見守り活動者、「よかよか」サロン活動者への調査項目

1.見守りの仕組づくり、見守り活動(または、サロンのボランティア活動)を行ったこ とはありますか。具体的な活動内容をお話しください。

2.見守り活動(又はサロンのボランティア活動)を行うようになったきっかけは何です か。

3.見守り仕組みづくりや見守り活動で良かったと思うことは何ですか。

(つながりマップ会議、拡大会議、校区の目標を決めたこと、住民アンケートを実施、

福祉相談会の定期開催、ようこそ城浜への作成、見守りカルテの作成、つながりマッ プ作成、見守りカード作成、町内定例会での見守りに関する情報交換、研修会、サロ ンの立ち上げ、馬男木さんによる支援 など・・・・)

4.見守り活動(または、サロンのボランティア活動)をする中でやりがいやよかったこ とは何ですか。

5.見守り活動(またはサロン活動)で負担を感じたこと、困ったことはありますか。

6.見守り仕組みづくりや活動(または、サロンのボランティア活動)によって城浜団地 にどのような変化がありましたか。

①3 年間の見守り仕組みづくりや活動(または、サロンのボランティア活動)開始前 と比べて、あなたの町内・地域で変わったことは何ですか。

②3 年間の見守り仕組みづくりや活動(または、サロンのボランティア活動)開始前 と比べて、あなた自身変わったことはありますか。

7.見守りのツールについてどう思いますか。(活動する上で有効であったのかなど)

8.地域福祉ソーシャルワーカーの活動についてはどのように思いますか。

(役に立ったところ、もっと支援がほしいところ)

9.見守り仕組みづくりや活動(サロン活動も含めて)を通して、記憶に残るエピソード があったら、紹介してください。

10.居住歴、家族構成、年齢、職業、町内での役割

(以上)

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