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6. 国際連携の強化 1 国際連携の意義

6.2 国際連携活動の推進

6.2.1 海外の廃止措置関係機関とのパートナーシップの強化

長期にわたる福島第一原子力発電所の廃炉においては、海外の廃止措置関係機関との連携は一 過性のものではなく、継続的なパートナーシップの構築を見据えながら取り組む必要がある。特 に、前述したレガシーサイトの廃止措置は、福島第一原子力発電所の廃炉に先行する取組のモデ

ルとして、技術面や運営面などにおいて多くの知見が参考になる。

レガシーサイトの廃止措置においては、国としての長期的な対応が必要であるとともに、原子 炉や核燃料サイクル施設の運転・保守とは異なる専門的知見や考え方、新技術等が必要となるこ とから、各国では公的な廃止措置関係機関を設置してこれらを推進しているところである。この ためNDFは、前節に述べた観点から、英国NDA、フランス原子力・代替エネルギー庁(以下「CEA」

という。)、米国DOEといったこれら廃止措置関係機関と、政府間の枠組みの下で、継続性のある パートナーシップを強化していくことが重要である。併せて、東京電力においても、海外の廃止 措置事業者と長期的なパートナーシップを構築し、これらを広範な協力の基盤としていくべきで ある。

これまでも、NDFはNDAやCEAと協力覚書を締結するとともに、東京電力においても英国セ ラフィールド社などと協定を締結しており、定常的な意見交換を行う枠組みが構築されていると ころであり(表5)、今後も各国が得てきた教訓等を学び、福島第一原子力発電所の廃炉に活用し ていくべきである。また、我が国が福島第一原子力発電所の廃炉で得た技術・経験を共有し、双 方向の協力関係に発展させていくことが重要である。

表5 福島第一の廃炉に関する機関間の協力関係

政府間枠組み

枠組み 内 容

日英原子力年次対話 2012年4月の日英首脳会談における共同声明の付属文書として発 出された「日英民生用原子力協力の枠組み」に基づき開催(第1回:

2012年2月)

原子力エネルギーに関する 日仏委員会

2012年 10月の日仏首脳会談の際に発表された共同宣言に基づき 設立(第1回:2012年2月)

日米廃炉及び環境管理ワー キンググループ

2011年3月の原子力事故後の日米協力関係に基づき、民生用二国 間協力を一層強化するため、2012年4月に設立が決定。同委員会 の下に「廃炉及び環境管理ワーキンググループ(DEMWG)」が設 置された(第1回:2012年12月)

日露原子力ワーキンググル ープ

2016年9月の日露首脳会談で承認された8項目の協力プランの一 つとしてエネルギー分野が掲げられたことに基づき、原子力ワー キンググループが設置された(第1回:2016年9月)

組織間の協力協定・取り決め

国内機関 海外機関 内 容

NDF NDA 廃炉等に関わる様々な技術的知見に関する情報交換、人材交流な どについて定めている(2015年2月締結)

NDF CEA 廃炉等に関わる様々な技術的知見に関する情報交換、人材交流な どについて定めている(2015年2月締結)

東京電力 DOE アンブレラ契約を締結し、必要に応じて情報交換を実施(2013年 9月締結)

東京電力 セ ラ フ ィ ー ルド社

廃止措置時のサイト運営等に関する分野での情報交換協定を締結

(2014年9月)

東京電力 CEA 廃止措置に関する分野での情報交換協定を締結(2015年9月)

JAEA NNL 原子力の研究開発に関する先進技術、先進燃料サイクル、高速炉、

放射性廃棄物に関する包括的取り決め

JAEA CEA 溶融炉心-コンクリート相互作用等に関する特定技術課題に関する

協力取り決め

JAEA ベ ル ギ ー 原

子 力 研 究 セ ンター

原子力研究開発分野及び福島事故の研究に関する協力取り決め

JAEA 原 子 力 安 全

問 題 研 究 セ ンター(ウク ライナ)

福島第一原子力発電所とチェルノブイリの廃止措置研究等に関す る覚書の締結

JAEA IAEA 燃料デブリの特性把握に関する研究取り決め

6.2.2 世界の叡智の結集と活用

福島第一原子力発電所の廃炉に関して我が国が獲得すべき世界の叡智には、技術面のみならず、

運営面においても、制度・政策、戦略策定と事業の計画・運営、安全確保、地域コミュニケーショ ンといった様々な取組がある。これまでにも、国際社会においては福島第一原子力発電所の廃炉 を支援していくとの機運があり、IAEAによるDARODプロジェクトやOECD/NEAによる共同プ ロジェクトなど、これまでに海外の政府機関や有識者から様々な支援を受けてきたところであり、

これらの支援に深く感謝したい。

運営面のうち制度・政策については、表5にあるような政府間会合等による各国との情報交換 や、制度の在り方についての海外機関への委託調査などを行ってきたところであり、戦略策定と 事業の計画・運営としては、NDAなどとの意見交換や事例調査、海外のエンジニアリング企業の 取組に学び、プロジェクト管理手法の導入等に活用している。また、地域住民とのコミュニケー ションの取組については、7 章に述べるように福島第一原子力発電所の廃炉は地域住民の皆様の 幅広い理解と支持をいただきながら行われるものであることを踏まえ、海外の事例等を参考に、

諸外国の地域社会の取り組みを学びつつあるところである。

また、安全確保については、国際機関における活動等を通じて得られた国際的な基準に関する 情報や、海外の事故炉やレガシーサイトに関わる規制活動や許認可の実例に学び、我が国の廃炉 に関連する制度や4.2節に述べた安全確保の考え方の策定のための参考としているところである。

技術面では、レガシーサイト等の廃止措置での技術の活用状況を学ぶとともに、国の事業や大 学等における共同研究からも多くの示唆を得てきた。例えば5.3.1項に述べたとおり、チェルノブ イリにおける燃料デブリが経年により粉体化しているとの情報も参考に、我が国でも重要研究開 発課題として「燃料デブリの経年変化プロセス等の解明」プロジェクトを立ち上げたところであ る(添付資料12)。そのほかにも、経済産業省の廃炉・汚染水対策事業では国際公募が行われ、複

数の海外企業が補助事業者としてプロジェクトに参加している。また、我が国は燃料デブリの性 状把握などの観点から OECD/NEA が進める国際共同研究 PreADES プロジェクト等に参加して いる。文部科学省が実施する英知事業では英国や米国等の海外機関との国際共同研究も実施して いる。

我が国は、今後もこのような世界の叡智の結集と活用を行いながら、福島第一原子力発電所の 廃炉を進めていくべきである。そのため、国際機関における活動や政府間会合への参画、国際共 同研究を推進するとともに、海外専門家を招へいして助言・評価を受けるほか、海外の廃止措置 等に関する知見・経験の収集を行う(添付資料13)。最近では2018年4月にOECD/NEAがCDLM

(Committee on Decommissioning of Nulear Installations and Legacy Management)という廃止 措置に関して意見交換を行う委員会を立ち上げており、このような場にも積極的に参加していく べきである。

また今後は、5.3.2項に述べたとおり、国内外の多様な人材が交流するJAEA/CLADSを中核と した国際研究開発拠点を育成することにより、廃炉に関する国内外の叡智を集約する環境を形成 していくことが重要である。廃炉に関する新たな技術的知見を効果的・効率的に得るためには、

引き続き国際共同研究を推進することも重要であり、その際、燃料デブリを活用した研究などに 対する海外のニーズにも留意することが必要である。さらに、研究開発成果の現場への適用に向 けては、5.1.1項でも述べたとおり、国と事業者が適切に役割分担し、着実に進めることが必要で あるが、これに関しては、海外の廃炉に関する研究開発システムの在り方を参考にすることも重 要である。

なお、国内外を問わず、廃炉は多数の企業と廃止措置事業者との契約の下で実施されており、

その世界市場は大きな広がりを見せている。数多くの企業が国を跨いで廃止措置を実施している 現在においては、世界最高水準の技術や人材の活用に向けて、その最新状況を把握していくべき である。

6.2.3 国際社会への情報発信

福島第一原子力発電所の事故を起こした我が国の国際社会に対する責任として、また、廃炉を 牽引し得る人材の関心を惹きつけ、世界の叡智の結集に寄与するという観点からも、国際社会に 開かれた形で廃炉を進めることが重要である。このことは、7.3節に述べる風評被害の発生を防ぐ ためにも必要であり、国際社会の正確な理解が形成されるよう、分かりやすい情報の発信をより 一層強化していくべきである。

このためNDFでは、IAEA総会における福島第一原子力発電所廃炉に係るサイドイベントの開 催や、OECD/NEA運営委員会、米国NRC主催の原子力安全規制情報会議(RIC)、フランスの原 子力廃止措置フォーラムなど主要な国際会議での登壇や、政府間会合での発表等を通じて、福島 第一原子力発電所の廃炉に関する情報発信に取り組んでいる。また、福島第一原子力発電所の廃 炉の状況を世界に分かりやすく伝え、地域との共生に向けた対話に取り組むため、NDFは「福島 第一廃炉国際フォーラム」を2016年より毎年開催している。同フォーラムは、地域住民の皆様と の対話を通じて、廃炉に関するコミュニケーションの在り方を国際的に発信していく試みであり、

国際的にも重要なイベントであるとの評価を受けている。

さらに、外国語広報、英語版ウェブサイトやメーリングリスト等を通じて、世界が福島第一原