• 検索結果がありません。

3. 福島第一原子力発電所の廃炉に向けた技術戦略 1 燃料デブリ取り出し

3.1.3 分野別戦略を展開する上での技術課題と今後の計画

3.1.3.1 ステップ・バイ・ステップのアプローチの考え方

燃料デブリ取り出し方針においては、今後、内部調査等と燃料デブリ取り出し作業は相互に連 携させながら一体的に実施することとされ、また、燃料デブリ取り出しは小規模なものから始め、

燃料デブリの性状や作業経験などから得られる新たな知見を踏まえ、作業を柔軟に見直しつつ、

段階的に取り出し規模を拡大していくこととされている。

各号機の燃料デブリ取り出しに関する作業要素については詳細検討中であるが、そのイメージ の一例を次に示す(下記及び表2)。なお、これらは必ずしも1~3号機全てについて一律に適用 されるものではない。

(1) 内部調査等(内部状況の調査と燃料デブリの性状把握等)

現場環境を変えない範囲で、PCV内部の状態や内部構造物の損傷状況の調査・観測を行う。こ れにより、燃料デブリの取り出し方法の検討等に用いられることとなる、PCV底部の燃料デブリ

分布状況とアクセス性を確認するための情報や、燃料デブリ取り出し作業の安全性確保の判断材 料となる情報等の取得を目指す。

また、PCV 内部の各所より燃料デブリを採取し、分析等を行うこと(サンプリング)により、

その性状(形状、存在状態、組成、機械的・化学的性質等)を把握する。

燃料デブリの採取に当たっては、これが燃料デブリを移動させる行為を伴うものであることか ら、次段階における安全確保の評価に資する重要な情報として、取り出した燃料デブリを一時的 に保管するための移送方法や安定保管に係る情報、燃料デブリの気相・液相への移行状況や臨界 可能性に関する情報等の取得を目指し、これにより燃料デブリ取り出し方法の実現性の精度向上 や安全確保のための防護対策の信頼性向上を図る。

(2) 燃料デブリ取り出し

燃料デブリ取り出しの初期段階では、まずは現場環境を大きく変えない範囲で小規模な燃料デ ブリ取り出し作業を行う。これにより、燃料デブリ取り出し作業・装置の有効性確認と作業効率 の評価や、燃料デブリ取り出し作業の規模拡大に対する安全確保への影響評価、一時的な保管に よる収納・移送・保管に向けた事前確認等、その後に予定される大規模な取り出しにおける作業・

装置を見極めていくための各種情報の取得や検証を行い、燃料デブリ取り出し期間を通じた作業 の効率化等を図る。

小規模な取り出しまでの作業で得られた情報に基づき、燃料デブリ取り出し装置、安全確保の ためのシステム等を検討した上で、目標とする1日当たりの燃料デブリ取り出し量に対応可能な 大規模な設備を設置し、より効率的な燃料デブリ取り出しを行っていく。

なお、この大規模な取り出し段階に入るに当たっては、現場の状況を随時確認しながら、まず は少量の燃料デブリ取り出し作業から始め、徐々に規模を拡大していくステップ・バイ・ステッ プのアプローチに留意する必要がある。

表2ステップ・バイ・ステップのアプローチによる燃料デブリ取り出しのイメージ(2号機の例) 図は東京電力, 特定原子力施設監視・評価検討会(第602-1, 2018518. (資料提供:IRID)より抜粋