(3) 将来の処理・保管方法の決定
プール内燃料には、健全な使用済燃料、事故前から破損している燃料、使用済燃料プールへの ガレキ落下の影響が懸念される燃料などが存在する。また、事故発生時に2, 3, 4号機の使用済燃 料プールに海水注入を行った履歴等から、腐食に関する懸念があり得る。これらの燃料について 通常の使用済燃料と同等の扱いを阻害する技術的な要因の有無を整理・確認する必要がある。
この結果を踏まえ、取り出した燃料の長期的な健全性の評価及び処理に向けた検討を進め、
2020年度頃に将来の処理・保管方法を決定する。
iii. 分野別戦略を推進する上での技術課題と今後の計画
(1) プール内燃料の取り出し
<1号機>
ガレキ撤去に際し、燃料取扱装置(FHM)、天井クレーンの落下防止等の対策として、支保等 について慎重に検討する必要がある。また、周辺環境への影響の観点では、ガレキ撤去時のダ スト飛散、ウェルプラグ上のガレキ撤去やウェルプラグのずれによるスカイシャインの増加等 が懸念されることから、ダスト飛散防止対策や線量モニタリングと連携させた中でガレキ撤去 及びウェルプラグの処置を進める必要がある。
また、震災前より保管されていた破損燃料の取り出しについて適切な対応が必要である。
<2号機>
原子炉建屋において、プール内燃料取り出し用のコンテナを燃料デブリ取り出し用のコンテ ナと共用するプランと、プール内燃料取り出し用カバーを個別に設置するプランを選択するこ ととしている。プラン選択に際しては、燃料デブリ取り出しとの関係やプール内燃料の取り出 し時期を踏まえ、適切な時期までに判断していく必要がある。
また、コンテナ設置又はカバー設置の前段で実施する建屋上部解体において、安全な解体方 法を選択するため、オペフロ上の調査結果を踏まえながら、上部建屋解体計画に反映させてい く必要がある。
なお、プール内燃料の取り出しに先立って、1/2号機排気筒解体を行うこととしている。
<3号機>
使用済燃料プールから燃料集合体を取り出す際には、プール内燃料上部のガレキを撤去しな がらの作業となることから、ガレキの撤去を踏まえた燃料集合体の取り出し順序等を検討して いく必要がある。
(2) 取り出した燃料の適切な保管
敷地全体で保有する使用済燃料・新燃料を計画的に移送・保管するために、5/6号機も含めた 燃料移送計画を策定するとともに、それに合わせた設備面の増容量や調達を進める必要がある。
(3) 将来の処理・保管方法の決定
これまでに海水注入やガレキ落下履歴のあるプール内燃料の長期健全性についての研究開発が 実施され、共用プールの環境条件において長期間の保管が可能であることや、乾式キャスク貯蔵 を行う際にもガレキによる傷や海水の付着による影響は小さく乾式保管時の燃料健全性への影響
は小さいことが確認されている。また、取り出したプール内燃料の処理の可能性に関する研究開 発も実施されており、燃料の震災履歴による影響は少ないとの見通しが得られている。
今後、事故による爆発の影響が大きくガレキによる燃料の損傷可能性もある3号機から取り出 した燃料を確認し、長期的な保管等における検討の要否を判断していく必要がある。
本節に述べた主な技術課題と今後の計画を整理すると、図10のとおりである。
図10 使用済燃料プールからの燃料取り出しに係る主な技術課題と今後の計画(工程表)
年度 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025
1号機
2号機
周辺環境
3号機
2号機プラン選定
取り出した燃料の 適切な保管
将来の処理・
保管方法の検討
燃料取り出し カバー設置等
ガレキ撤去等
カバー/コンテナ設置工事へ 建屋上部解体等
コンテナ設置等 カバー設置等
燃料取り出し
準備工事
1・2号排気筒上部解体 海洋汚染防止対策等
燃料取り出し
プラン① プラン②
乾式キャスク調達
共用プールから乾式キャスク仮保管設備へ移送
取り出した使用済燃料の
将来の処理・保管方法の決定(2020年度頃)
カバー設置等 オペレーティングフロア内 調査等
3号機燃料を踏まえた 長期健全性等に関する検討
処理・保管方法の検討
設計/実施計画認可申請/工事準備 プラン選定検討
現場作業
各項目の現場工事等に関わる技術的検討等
1~3号機の作業に影響を与えない範囲で実施 5/6号機燃料取り出し
乾式キャスク仮保管設備増設