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3) 更なるコミュニケーションの広がりと風評への対応

1.2 戦略プランについて

1 NDF, 「平成29年度 廃炉等積立金の取戻しに関する計画」の承認について, 2018411.

1.2.1 戦略プランの位置付け

NDFではこれまで、政府の中長期ロードマップに確固とした技術的根拠を与え、その円滑・着 実な実行や改訂の検討に資することを目的として、「東京電力ホールディングス㈱福島第一原子力 発電所の廃炉のための技術戦略プラン」(以下「戦略プラン」という。)を2015年以降毎年取りま とめてきた(添付資料1)。

初版となった戦略プラン 2015 では、それまで十分な検討がなされていなかった廃炉の中長期 的な主要課題に関する具体的な検討を行い、リスク低減戦略としての方針を打ち立てた。その後 も、中長期ロードマップで定められたマイルストーン(主要な目標工程)である燃料デブリ取り 出し方針の決定及び固体廃棄物についての基本的な考え方の取りまとめに向け、戦略プラン2016 では現場の取組や技術開発等の様々な取組の進捗を踏まえた改訂を行い、戦略プラン 2017 では これら 2つの事項の決定・取りまとめに資するべく技術的根拠に基づく戦略的提案を行った。こ れらの戦略的提案の内容は、2017年9月に改訂された中長期ロードマップに反映され、同方針が 決定、同基本的な考え方が取りまとめられたところである。

このように、これまでの戦略プランでは、NDFが取り組むべき中長期的な廃炉戦略として燃料 デブリ取り出しと廃棄物対策という2つの主要課題に重点を置き、上記の2つのマイルストーン に向けた検討を進めてきたところであるが、今後、燃料デブリ取り出しの具体化を進めていくに 当たっては、これらの課題のみならず、汚染水対策や使用済燃料プールからの燃料取り出しの取 組等との関連性、整合性を踏まえた検討が必須となる。このため、今後の戦略プランにおいては、

汚染水対策及び使用済燃料プールからの燃料取り出し等も含めた構成とし、福島第一原子力発電 所廃炉の取組全体を俯瞰した中長期的視点での方向性を提示することとした。なお、これらの検 討を通じて当面取り組むべき事項として抽出された課題等は、NDFが東京電力に対して提示する 取戻し計画作成方針に反映していく(図2)。

図2 廃炉等積立金制度を踏まえた戦略プランの位置付け

1.2.2 戦略プラン2018の全体構成

戦略プラン2018は、7つの章から構成されている。

1章(はじめに)では、福島第一原子力発電所の廃炉は、今後燃料デブリ取り出しの具体化を進 めていくに当たって、プロジェクト間の関連性・整合性を考慮し、より俯瞰した視点で中長期を 見据えた課題に取り組むべきフェーズに移行しつつあることや、廃炉等積立金制度の導入により NDFにはこれまで以上の役割や責任が課せられることとなったことについて述べた。また、この ような背景から、戦略プラン 2018 では、これまで戦略プランの主な対象としていなかった汚染 水対策や使用済燃料プールからの燃料取り出しといった取組も対象とし、廃炉プロジェクト全体 の円滑な推進に向けた戦略を記載することとしたことについて述べた。

2章(リスクの低減戦略としての福島第一原子力発電所の廃炉)では、リスクの低減戦略として の福島第一原子力発電所廃炉の基本方針を示すとともに、これを遂行するに当たってのリスク低 減戦略として、当面の目標、リスク低減の基本的考え方、優先順位の考え方、一時的なリスクレ ベル増加への対応の考え方などを示している。

3 章(福島第一原子力発電所の廃炉に向けた技術戦略)では、燃料デブリ取り出し、廃棄物対 策、汚染水対策、使用済燃料プールからの燃料取り出しという4つの分野ごとに分野別目標を定 め、これに向けた分野別戦略と、分野別戦略を展開する上での技術課題と今後の計画をそれぞれ 述べている。また、その他の具体的な対策と、これら同時並行的に進められる取組の廃炉プロジ ェクト全体としての整合性を確保しつつ、かつ、中間的な目標を可能な範囲で想定しながら最適 化を目指した全体計画を策定していくことの必要性について述べている。

3章のうち3.1節(燃料デブリ取り出し)では、燃料デブリ取り出し方針に従い、2019年度の

初号機における燃料デブリ取り出し方法の確定に向けた検討の進め方と、このための予備エンジ ニアリング及び技術開発の重点化・加速化の取組の方向性と進捗状況を記載している。併せて、

ステップ・バイ・ステップのアプローチで進める燃料デブリ取り出しのイメージの例と技術的な 検討課題を提示している。

3章のうち3.2節(廃棄物対策)では、固体廃棄物の処理・処分の基本方針に従い、2021年度 頃の廃棄物処理・処分の技術的見通しを得るための、具体的目標とその研究開発の進め方を提示 している。

3章のうち3.3節(汚染水対策)では、2020年内の建屋内滞留水処理完了に向けた進捗が見ら れる中、燃料デブリ取り出し作業開始以降における原子炉建屋の汚染水対策について、取組の方 向性を提示している。

3章のうち3.4節(使用済燃料プールからの燃料取り出し)では、各号機において取り出し作業 を計画的に進めることはもとより、5, 6 号機も含めた福島第一原子力発電所全体としての使用済 燃料の適切な保管に向けた取組や、使用済燃料の長期的な健全性の評価等の将来の処理・保管方 法の決定に向けた取組の方向性を提示している。

4章(プロジェクトの円滑な推進に関わる重要事項への対応)では、3章に述べた技術的検討の みならず、プロジェクト全体の円滑な推進に寄与する重要事項について、昨年版まで述べていた 研究開発、国際連携、地域コミュニケーション等に加えて、より広範な分野について議論を展開 した。

5章(研究開発への取組)では、予備エンジニアリングの成果等に基づき、これまで以上にニー ズ指向型で研究開発を進め、プロジェクト管理体制の下で進捗管理や成果の評価を行う等、今後 の研究開発の取組について提示している。また、中長期的観点から、基礎研究拠点・研究開発基 盤の構築や、基盤的な研究開発の重要性について述べている。

6章(国際連携の強化)では、国内外の叡智の結集を図るため、海外のレガシーサイトの廃止措 置等に取り組む各国の廃止措置関係機関とのパートナーシップ強化等、国際連携強化の必要性と そのための取組について述べている。

7章(地域との共生及びコミュニケーションの一層の強化)では、燃料デブリ取り出し等の取組が 本格化する中で、一層丁寧なコミュニケーションの在り方を検討し、実践していくことが必要で あり、このために関係機関が連携して取り組んでいく際の考え方について記載している。

2. リスクの低減戦略としての福島第一原子力発電所の廃炉