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第 5 章 世界のゴム市場と商品先物取引所

第 1 節 国内市場

第 1 項 東京商品取引所

世界の天然ゴム市場にとって最も指標性が高い市場が東京商品取引所(TOCOM)のゴム市場である。

東京商品取引所の前身の一つである旧東京ゴム取引所は、1952 年 12 月 12 日、ゴム輸入業者による東京 ゴム取引所設立世話人会が母体となり、輸入ゴム取扱協議会による取引所設立準備委員会を経て設立され た。

現在は、1984 年 11 月に、経営基盤の強化と経済的合理性を目的とした旧東京繊維商品取引所、旧東 京ゴム取引所ならびに旧東京金取引所の統合により設立された、東京商品取引所で運営されている。

出来高は 1995 年に 1428 万 7783 枚と過去最高を記録、取組高も同年 3 月 8 日に 50 万 3388 枚の 過去最高を記録した。2016 年の東京ゴム市場の年間出来高は 236 万 6,213 枚で、取組高は 2016 年 12 月末で 2 万 6,392 枚であった。

東京ゴム市場の特徴としては、海外からの当業者参入割合の高い点が挙げられ、東京市場が世界のマーケッ ト・プライスリーダーであることから、ヘッジ市場としての役割を担っているといえる。海外からの当業者として、タイの シッパーを中心に、シンガポールのブローカー等も積極的に取引に参加している。

60 第 2 項 東京商品取引所の取引ルール

1.RSS3

(1)取引要綱

東京ゴム市場は、昭和 27 年(1952 年)12 月 12 日に旧東京ゴム取引所に上場以来、長年にわたり、

世界の天然ゴム価格の指標として貢献してきた。立会時間は、日中立会が午前 8 時 45 分から午後 3 時 15 分まで、夜間立会は午後 4 時 30 分から午後 7 時までとなっている。なお、日中立会は昼休憩を設けない、連 続立会である。

ゴム取引要綱(別ページ)

(2)建玉制限

「ゴム市場管理細則」第 2 条 参照

(3)ヘッジ玉の取扱い

「ゴム市場ヘッジ玉取扱要領」 参照

(4)受渡制度

現物先物取引では、当月限の建玉について納会日までに差金決済を行わず、「売り」「買い」の建玉を保有 した場合、現物の受渡しを行うことになる。(詳細はこちら)

また、受渡当事者間の合意に基づき、柔軟な受渡しが可能な申告受渡制度(納会前)及び受渡条件調 整制度(納会後)並びに受渡当事者間の責任で受渡しを行う ADP 制度(納会後)も導入されている。

(詳細はこちら)

ゴムの受渡しに関する規定については、東京商品取引所ホームページに掲載されている業務規程・ 第 2 編 第 7 章第 1 節「現物先物取引における受渡し」、ゴム市場管理細則及びゴム受渡細則を参照のこと。

(5)EFP 取引

①EFP 取引とは

「Exchange of Futures for Physicals」の略であり、現物取引の売買契約を締結した売方及び買方が、

当社に対して同一価格の先物の買付注文と売付注文の申出を行い、当社の承認をもって、当該申出価格に 基づき、個別競争売買によらずに当該注文の売買約定を成立させる取引をいう。

② EFP 取引について(別ページ参照)

③ EFP 及び EFS 取引実施細則(別ページ参照)

※EFP・EFS 取引については、東京商品取引所 「業務規程」第 32~35 条も参照のこと。

(6)立会外取引(別ページ参照)

61 2.TSR20

東京商品取引所は、天然ゴムの RSS から TSR へのシフトといった需給環境の変化を背景に 2018 年度中 頃を目途として、TSR20 先物取引を上場する予定である。

TSR 取引要綱 (案)(2017 年 11 月現在) 取引の対象物品 TSR20

限月 連続6限月制

取引単位 5,000キログラム(1枚)

受渡単位 20,000 kg(1枚)=取引単位4枚分 呼値及び呼値の単位 呼値:1キログラム   呼値の単位:10銭

当月限納会日 当月限の前月の最終営業日

受渡日時 船積み完了日が当月限の第1営業日から末日までの間であって、船積み日 から起算して第9営業日までの間に受渡しを行う。

標準品(受渡供用品) 指定生産国(タイ)であって、当社承認の工場で製造されたTSR20である STR20

受渡方法 FOBバンコク(FOB=Free on Board 本船積み込み渡し)

バンコク港において受方が指定した船

当事者間で合意すれば他港(レムチャバン港、ペナン港、パレンバン港等)も 可

受渡場所

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