(ロ)状態性動詞のばあい
「〜た」の形の連体法で状態をあらわす状態感動詞は,ほぼ同じ意味を表わす用法として
「〜る」の形,「〜ている」の形iが別にあるかどうかで,つぎの四つにわけることができる。〜ている A群の例
あり なし 異った昧 ちがった感じ スポーツに関した文芸 最も適し
〜る あり A C た分野動機を持。たノ欄川に沿。た道
なし B D
B群の例
しっかりした人物 猟犬に似た本能 馬鹿げた輿似 ハムVットじみた心境 素人放れの
した芸 婦人を連れたインド入 すぐれた映爾 角ばった顔 見えすいた妨害 浮き浮き した表情 しゃれたアンサンブル きわだった転換 ふっくらとしたポケット まちがっ 一一一 1 67 一た心得 下卑た言葉 気の利いたこと 才たけた女 手のこんだデッサン
C群の例
そらいった場合は 日本の神経中継といった感じ それに因んだ昔話 D群の例
大ソレた考え 表だった動き ちょっとした思いつき ふとした機会 こうした人々 ざつ
としたいでたち ほのぼのとした愛情 主だったバラ図体 レッキとした右翼の闘士
(22. 2]
層 l A B C D (〔22.2〕の異なり語数の計算では,「こういつた」「…とい 一 7 13 10 8 つた」や「ちょっとした」「ほのぼのとした」などをそれぞれ
二 418 913 別識した.)
; 1 3 5 8 13
四 8 23 5 13 「〜ている」の形をもっているA群・B群につL て 五 13 40 14 31 も,実際の文例では,おきかえ可能なものが少な
全「359§46・8・・.・櫨,・れら㈱・曙)に属する語が,上に 異なり酬・86452・あげ醐からもわかるように,藤法で「一た」,終
止法で「〜ている」という使いわけをされることが多いからである。
(23)接続のちがい……「まい」「べし」の接続
助動詞「まい」は一段活用型の活用語につくとき,未然形・終止形の立方につくことができる。
たとえば,「見まい〜見るまい」「なぐられまい〜なぐられるまいあ標本にあらわれたところで
は,δ例とも夫然形接続であった。(うち3例は意志,2例は推量)また,サ変の動詞につくとき には,「すまい」「するまい」「しまい」の三つの形がありうる。標本では3例とも「すまい」であっ た。(いずれも意志)力変についた例はない。助動詞「べし(べき)」は,文語において終止形と連体形とが別々の形をとっていた力変・サ変。
ナ変の動詞や二段活用型の活用語につくばあい,終止形接続のものと連体形接続のものとがあり
6るQ標本の井田ではつぎのとおりであった。なお,F見べき亙受けべき」のよ弓に連用形につい
文語の 文語の 口語の たものは出てこなかった。終iヒ形に 悼体形に 終臣連体形に
(例)→「回るべき」「流るるべき」「流れるべき」 二段活用につくばあい,文語
二段活用 5 − 13 終止形接続を残していること
力 変 1 一 は,「べし」の口語文中での位
サ 変 34 一
置,その文体的な古さをものが
たっている。(上の数字はみな日当文脈の中に出てきたものの数である。純粋の文語文中に出て
きたものは除外した。)○毛物を洗ったときのすすぎは,温度を変えず,三。四十度の湿水を用らべきで,オーバーフロー武だから といって,水道の冷水を使うことは禁物である(婦人公論 6月 320)
○但しそれは,単に「一般的.iに行われているといらものに過ぎないのであって,それが,この種の解雇処分 に本質的必然的に附帯するものと考うべきではない(ジューJスト 9月IH 43)
一方,サ変のばあいに「するべき」という形がなかったことには,むしろこれとはちがつた解釈 _168一
をすることができる。つまり,サ変に関するかぎり,文語の終止形「す」が,文語の連体形の後身 である口語の終止連体形「する」とはちがつた機能をもつものとして一いわば「連べき形」として 臼語文法の体系の中に生きているといえるのではないかとおもわれる。
(24)文体のちがい……接続助詞の前の「です。ます」体
「です・ます」体でおわる文の中に接続助調がつかわれるとき,その接続助詞の前には「です・
ます」体がくる場合と「だ・である」体がくる場合とがある。
○姉の女学校時代のクラスメートで特にお親しくしていますのでよく嫡と一繕にコンサートにお招ばれして いましたけれど,昨日姉から今度の切符を二二枚送ってよこしましたの(スタイル 4月 208)
○それでレコードかけてたんだけど,向うは見えないんですよ(人生手帖 10月 44)
つぎの例では,一つの文中にその両方が見られる。
○戦後建てたバラックですので,一〇年経ったので,いまにもっぶれそうなのです(嬬人公論6月 131)
この「です・ます」体になる度合は,助詞によってちがう。すなわち,「ながら」「つつ」などは「で す・ます」体につくことがなく,rば」もほとんどない(特に,「ですれば」という形はない)のに対
して,「が」「けれど」などではその度合が高い。標本に現れたところでは,〔24・ 1〕のとおりであ る譜2)(「であります」体も「です。ます」体にくわえる)なお,助動詞「た」の仮定形「たら」も,接
続助詞と同様のはたらきをもっているのでtここにくわえた。また,「だが∫ですけれども」な
どが接続詞として使われているものについては集計の対象としなかった。
前にくる語は,次のように分類した。
名詞(代名調,形容動詞語幹をふくむ):「山だ」「山でした∫山であろう∫山ではない」など 準体助詞「の」:「行くのだ」「寒いのでしょう∫静かなのでした」など
動詞:y行った」「行かない∫行きません」「行ったでしょう」など 形容詞:1 寒かろう」「寒くありません」「寒いです」など
注2) これと嗣じ調査をした先例には,三尾砂r話しことばの文応(1942)ジ十五 接続部における「です体」
形」がある。
一 169 一
〔24.1〕\
勘・,
会
謂 詞詞 例容
﹁名 卜形
も
カ
が
です体
だ体
です体
だ体
けれど
す だ で 体 体
博す体
てだ体
です体
し
だ体
話
地
の
文
全
体