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分析結果の整理――立場別の特徴

ドキュメント内 西洋史若手研究者問題アンケート最終報告書 (ページ 105-112)

第 6 章 本アンケートの総括と提言

第 1 節 分析結果の整理――立場別の特徴

本アンケート調査の対象と 西洋史領域に属すると自認する若手研究者 大学院 生 非常勤講師 機関研究員 常勤教員等 多様 立場の者を含 西洋史の若手研究者 置 現状と課題 その立場に 異 い 女性研究者に特有の課 題 見い

1 大学院生の現状と課題

本アンケート調査 大学院に属する若手研究者の現状とし 以 の う 特徴 浮 び 女性研究者にと 」1 という年齢 大学院を る一 の 契機と いる点を指摘 い い 国立大学の大学院に所属する者の割 合の高 関東 信越地方の大学院に所属する者の割合の高 倒的 ある と 目 を引

西洋史系大学院生 基本的に研究者志望 大学院に進学し いる 全体的 傾向とし 西洋史系大学院生にと 研究職以外のキャ ア イ ー い状況 看取

大学院生の現状とし 注目に値するの 経済的サポートへの不満 強 現 点 あ る 大学院生 経済的に安定 自立を確保し いると 言い難い状況にある 大学院のハ ー ェア環境に対し 概 満足度 高いという結果 出 指導内容 研究室の雰 気 カ キュ に対する満足度に 多い し 満足度 学年 いほ る傾向 あ 女性研究者 不満を覚え いる点に関し 注意を喚起し い

西洋史という領域に特徴的と思わ る点とし 6 割弱の大学院生 「 年 いし 1 年の留 学を経験し その資金 日本国内の奨学金 留学先政府奨学金に自己資金を併 る

形 わ いる

以 の結果 大学院生への経済的支援 キャ ア選択肢の開拓 研究環境を整備す

る の る具体的 調査 望 る

「 非常勤講師の現状と課題

非常勤講師に い 以 の四 の点 特徴とし る 第一に 貧困の問題 ある 男性の 60% 女性の 80%強 個人収入 「00 万 未満に属し 世帯収入

男性の 」5% 女性の 40%強 「00 万 未満と いる の要因とし 収入を支 える大学 の授業コ 数 考え る 男女と にコ 数の 均値 通年 約 7 コ 半 期に換算す 一 間当 約 」.5 コ あ 非常勤講師とし の給 と

生活を支える と い

第二に 収入に関連し 多 の非常勤講師 研究を進 る際に困難 を実感し い 特に調査を行 文献購入 文献収集環境 調査資金 学会 研究会参加 の項目に

い 非常勤講師 最 困難 を感 い

第 とし カ ー内部に る男性と女性の環境の違い 浮 彫 と 男 性 」0 代前半 女性 」0代後半の割合 多い 男性 親 兄弟との同居 多 いのに対し 女性 配偶者との同居 多 子 との同居の割合 女性の方 高い傾 向 明 に の問題に い 研究者とし のキャ ア形成と出産 育児の影 響という問題とし あ 検討する必要 ある う

第四に 主に大学教員との比較に い 取得学位と現在の専門 所属との関係を問う 回答に違い ある と 分 の違いの要因 今回の調査 明 にする と い の課題に対し 改 調査を行う必要 ある う

」 研究機関研究員の現状と課題

研究機関研究員に い と わ 女性に い 限 調査サンプ 数の に限 界 ある のの 分析結果 ある程度 とし 特徴 見え 大学 院生 非常勤講師 そし 常勤職の大学教員と比較し と に 研究機関研究員の相対的 多数 海外 研鑽を積 機会を経 その立場に い 有給 あ 研究環境の点

比較的恵 立場にある その分 自負心を 研究に邁進する自意識 う える その 面 他のカ ーと比較し 研究機関研究員 際 家族形成を

い い事実 明 に 特筆す そし 今後と に注目する 点 ある に 研究機関研究員の出身大学院の所在地の分析 示唆する地域間格差

101

す わ 留学 そし 海外 学位を取得 するの 前提と いる う 地域 とそう い地域との違いに 注視し い 必要 ある

4 大学教員 常勤 の現状と課題

大学教員の現状と課題を以 に列挙する 第一に 大学教員の 8 割以 研究時間の確 保に困難を 7 割以 学校運営業務 の項目 負担を感 いる と ある そ

と関連し 学会 研究会への参加に困難を感 いると回答し 割合 7 割弱に いる 第二に 文献購入 文献収集環境 調査資金 専門分野間の交流 二極化の傾向

る と ある 本アンケート回答者のう 大学教員の 4~5 割 研究の遂行に一 定の困難を感 いる 第 に 地方 の大学教員へのキャ ア育成に深刻 状況 現

いる と ある 第四に 男性に比 女性の就職年齢 高 る傾向 る と ある 」6 以 就職し 割合 男性 「9%に対し 女性 40%以 に る 第五に 常勤の大学教員にと 家族形成 困難 状況 う える と ある と に 女性 の場合 非常勤講師と比較し 配偶者 び未婚の子の項目 10%以 減少し いる

5 女性研究者の現状と課題

女性研究者の現状と課題に い 第一に 女性の回答数の少 挙 る 回答 者の男女比 約 7:」 第二に 大学院生の 研究室 研究科の雰 気 への満足度 女性 の方 い と 大学院時代の 居 女性の研究職への意欲を失わ 結果 的に女性研究者の少 に いる可能性 指摘 る 第 に 経済状況に い

と に非常勤講師の女性の場合 家族 の支援 少 個人収入 い と 厳しい経済状況にある と 示 職業とし の研究者を す とに対する家族の 理解 女性の方 い可能性 考え る 第四に 晩婚化 非婚化の傾向 男女と に る 男性 大学教員の場合 他の立場に比 家族形成率 高いのに対 し 女性 大学教員の立場 い の と と に女性の場合 経済状況以外の 理 家族形成に大 影響を え キャ ア形成との両立 困難と いると いえる 女性の場合 配偶者 いる 子 い 学会 研究会への参 加や研究時間の確保を困難と感 る割合 男性 高いという結果 その とを示唆 し いるといえ う

第 「 節 自 記述欄に寄 歴史学関係諸学会に対する若手研究者の要望

本アンケート 歴史学関係の諸学会に対する要望を自 に記述する欄を設 自 発言の内容 アンケート回答者個々人の特定へと結び とを防 他質問項 目との ロ チェッ を行わ とを鑑 当該欄に寄 コ ント 若 手研究者の貴 意見とし 関係諸学協会 西洋史系の研究に携わる全 の研究者に紹 介し い 全コ ント 本報告書の資料編 単純集計表 の Q75 歴史学関係の諸学会 に対する要望 15」-159 頁 に い 提示 いるの 参照し い

その中 特に複数の若手研究者 寄 コ ントや 要と思わ る のを い 紹介する

1 諸学協会に る 若手研究者問題 への対応の要望

少 若手研究者 若手研究者問題 と呼 る のに対し 諸学協会 何 の見解を提示する とを求 いる その に 若手研究者 抱える問題を顕 在化する に 諸学会に る実態調査を求 る声 複数寄 本アンケート調査

その嚆矢と る とを期待する声 あ 若手研究者問題に い 大規模 網羅的 実態調査 喫緊の課題とし 要望 いる

「 学会 研究会運営のあ 方

学会 研究会の運営に い 多数の声 寄 い 学会 研究会に参加する 事務運営その他の雑用を負担する と 若手研究者にと 大 負担と い るという の ある あるい うし 実務負担を忌避するの ある種の 竜門 の うに感 いる若手 存在し いる その場合 学会運営に携わる若手の選 別に 学閥 の う のの存在を疑う声 寄 い に 学会運営に若手 携わる場合 経済力や人間関係その他を考慮し 過剰 負担を避 人選に あ る程度の透明性を担保する と 要望 いる

」 学術雑誌に対する要望

学術雑誌に対する要望 複数寄 学術雑誌の将来を懸念し 早期に電子化 フ

10」

ーア セ 化を望 声 投稿機会の拡大や その前提と る年会費負担の軽減 査読の 透明性担保を望 声 寄 同様に 学会大会に い ポ ターセッ ョンの 導入や 修士課程段階 応募 る報告機会 を望 声 あ に 若手研究者

大会に参加する の経済的負担を考慮し 欲しいという声 多

4 非常勤講師に い

非常勤講師とし 授業を担当する と 多 の若手研究者にと 教育経験を獲得する 要 機会 ある 非常勤講師と専任教員との格差是正 あるい そ そ 若手研究者 非常勤講師の職を得 る機会の拡大を求 る声 あ

5 大学図書館の利用

大学図書館の利用に関し 多 の声 寄 特に 博士課程を修了し 後に 大学図書館を利用する権利 失わ る と 多 の若手研究者の研究生活に取

的 問題と いる と 指摘 いる の点に関し 学協会の 各 大学へ 改善を求 る声 多い

6 学問分野間 学会間の交流

西洋史系若手研究者に固有の問題 不明 ある 学問分野間 学会間の交流を 盛 にす との声 複数寄 研究の 化 危ぶ る声 既に多 の研究者 発 いる 若手研究者 交流の機会 少 いと感 いると言 え う

7 ハ ントほ

本アンケート調査に寄 自 記述欄コ ントに ハ ントへの言及 あ 若手研究者とし の自 の立場に絶望する声 学界自体の将来を悲観する声 あるい その とへの怒 を の 複数寄 し し 本アンケート調査を契機 とし 西洋史系若手研究者の現状の具体的 実態調査 行わ 状況 改善する とを 期待する声 あ 本アンケート調査 うし 声を 研究界 学協会 社会 へと提示する と その責任の一端を果 し と考え い

第 」 節 本アンケートの限界

今回のアンケート調査全体を通 と 大 限界 歴史学 び西洋史系の立 場別研究者の人数を概算 推定 と ある その母数 把握

今回のアンケート調査の妥当性を 明確に る ある

1 大学院生

大学院生に関し 以 の う 調査の限界 あ 大学院生に対し 設定 大学院の満足度を問う質問に い 研究室 研究科の 雰 気 への満足度 い場合 具体的 問題 にあるの を 抽出 る質問項目 必要 あ う 同様に

ーバー ターの立場 回答し 者 大学院のカ キュ に対する満足度 る傾向 見い ーバー ターの立場 大学院カ キュ への 関わ 方 多様 と想定 る 現行のカ キュ を の う 形 利用し いる し

い い を含 問題 あるの あ そ を具体化 る調査 望 しい 同 文献収集環境の不備に い の不満 見い 大学院生 利用し いと望 文献 収集の方法 専門に 多様 あ 細 調査 必要 あ う

2 研究機関研究員

研究機関研究員に い 」 点の限界 ある 第一 女性の研究機関研究員の調査サ ンプ 数 非常に小 と ある 次回調査 行わ る場合に 広報を徹底し サンプ 数を大 する と 実態の 正確 把握の に必要 ある 第二 研究 機関研究員 教育活動に 携わ いる場合 多いに わ アンケートに 教育 に割 時間や労力に い の質問項目 設 い と ある 第 に 今回 学術振興会特別研究員の う 有給研究員と 各大学 設 いる無給の専門研究員 あるい 特別研究員とを同 カ ーとし 分析する とに 次回 分析の精 度をあ る 有給と無給の回答選択肢を設 る う

」 大学教員

大学教員の場合 最大の問題 回答者 所属する機関の地域 種別を い と ある その 研究活動 校務負担 学会研究会活動 の地域間 種別間

ドキュメント内 西洋史若手研究者問題アンケート最終報告書 (ページ 105-112)