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先行研究 従来の議論

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中国医薬品サイトに関する考察―安全性状況に着目して―

はじめに

2014年6月に日本の薬事法[1]の改正により,消費者が安全に医薬品サイトを使用できるために,ネット販 売業者は医薬品の安全性情報を確実かつわかりやすく消費者に提供することが求められる.

同じ時期に中国の医薬品ネット販売も急速な発展期を迎えている.現在中国では,オンライン上の店舗で 購入した医薬品が,体に合わないと言った問題が起こった場合,サイトの情報の正確性,医薬品の質,安全 性情報等の問題が指摘されている.

従来の研究は,日本の一般用医薬品のネット販売における情報提供および品質管理課題研究と,日本のサ イト運営者の法的責任に関する先行研究がある.本研究はまず,日本と中国の医薬品ネット販売の方法を調 査し,それがどの程度法律に準じているかを比較する.具体的には,Alibaba・天猫医薬館(yao.tmall.com)と

Amazon.co.jpを取り上げ,サイトの基本情報,適正使用情報及び品質管理情報を考察する.更に日本と中国

における医薬品ネット販売に対する安全性情報に関する方法を比べて,日本の医薬品ネット販売の安全性情 報に関する特徴を参考する.次に,中国OTC医薬品のオンライン販売に関する消費者の意識調査をアンケ ート形式で行い,考察を行う.最後に先行研究およびアンケート調査結果に基づき,安全性を改善できる医 薬品ネット販売の方式を提案することを本研究の目的とする.

先行研究

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① 情報提供内容を理解

② 購入者に再質問がないことの確認

③ 指定第2類について,禁忌の確認

④ 情報提供の要否

⑤ 販売個数の制限

⑥ 使用期限の表示・使用期限切れ

⑦ オークション形式での販売の禁止

⑧ レビューや口コミ,レコメンドの禁止

⑨ モール運営者の薬事監視への協力

さらにネット販売サイトに関する留意事項を明らかにした.

① 現在勤務中の薬剤師・登録販売者別の氏名表示

② 医薬品の使用期限の表示

③ 検索画面における医薬品の区分の表示

サイト運営者は,医薬品について詳しい情報の提供が必要とされている.

中国における医薬品ネット販売のルール

最初の医薬品ネット販売は1999年に登場し,その大半は米国にあった.中国も1999年に医薬品ネット販 売の探索に着手し,医薬品電子商取引を始めた.1999年から2015年まで中国における医薬品ネット販売の ルールを示す(表 4-1).京衛大薬局は2005年12月1日,「インターネット医薬品取引サービス資格証」を率 先して入手し,国内初の医薬品ネット販売となった.その後,数十の薬局もこの資格証を入手した.

2009年7月までは,医薬品ネット販売の成長は比較的緩やかで,2009年下半期には,食品医薬品監督管理 総局による医薬品ネット販売サイトの認定件数が増加し,医薬品ネット販売で医薬品を購入する消費者が急 速に増加傾向にあり,一部の医薬品ネット販売が低価格を提示し価格戦に乗り出した.2009年8月以降,医 薬品ネット販売のサイトが急増し始めた.その経営状態を見ると,多くのプラットフォームが,商品展示,

電話相談,ネット予約,オンライン決済などの医薬品ネット販売に求められる基本特徴を備えた.

2014年には,「インターネット食品医薬品経営監督管理弁法(意見募集稿)」が公布された.該当資格を取 得したインターネットのプラットフォームで販売される処方薬は,第三者物流配送プラットフォームによっ て医薬品や医療機器を配送できることが明らかになった.

2015年には,国務院は「電子商取引を大いに発展させ,経済の新しい原動力を加速的に育成することに関 する意見」を発表し,電子商取引の発展を強力に推進することを提起した.

国務院弁公庁は2016年12月30日に「医薬品の生産流通使用をさらに補完し改革する政策に関する若干の 意見」発表した.そのうち,「インターネット+医薬品の流通」について,公衆の安全で便利な医薬品使用 需要を満足させることを中心に,「インターネット+医薬品の流通」が取引コストの低減,流通効率の向 上,情報公開の促進,独占局面の突破などにおける強みと役割を積極的に発揮することを目的とした.「イ ンターネット+医薬品の流通」の規範発展を引導し,医薬品流通企業とインターネット企業との協力強化を サポートし,オンラインとオフラインの融合発展を推進し,新興業態を育成する.小売薬局のインターネッ ト販売サービスを規範化し,「ネット注文−店舗受け取り」,「ネット注文−店舗からの配送」などの新しい 配送方式を普及させていく.

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表 4-1 中国における医薬品ネット販売のルール

発表年 法律名 概要

1999 年 12 月 『処方薬と非処方薬流通管理暫定規定』 インターネットでの処方薬や非処方薬の販売を 禁止

2000 年 6 月 『医薬品電子商取引試験区監督管理方法』

医薬品電子商取引を定義し,広東省,福建省,

北京市,上海市で薬品監督管理を実施し,薬品 電子商取引の試験的な仕事を規範

2004 年 5 月 『インターネット医薬品情報サービス管理方法』 インターネットを通じてインターネットユーザーに 医薬品(医療機器を含む)情報を提供するサービ スを許可

2005 年 9 月 『インターネット医薬品取引サービスの認定暫定 規定』

企業のインターネットで医薬品取引サービスの 申告を許可する.一般的な電子商取引のモデル によると,医薬取引ライセンスは,B2B,B2C及び 第三者電子商取引プラットフォームの3つに分け られ,オンライン薬局は B2C モデルに属する

2013 年 10 月 『インターネット医薬品販売管理強化に関する通 知』

小売単体薬局はインターネット販売をしてはいけ ない.ネット販売医薬品の配送管理を強化する.

インターネットでの違法販売に対する取り締まり を強化

2014 年 5 月 『インターネット食品医薬品経営監督管理方法』

該当資格を取得したインターネットのプラットフォ ームで販売される処方薬は,第三者物流配送プ ラットフォームによって薬品や医療機器を配送で きることを明らかにした

2014 年 9 月 『2014 年度医療改革重点任務の実行,薬品流 通サービス水準と効率性向上に関する通知』

医薬分業を推進し,良い小売薬局を記録し,医 療機関外来薬局サービスとその他専門サービス の様々な形での改革を推進する.小売薬局の発 展とチェーン経営を奨励

2015 年 1 月 『医師の多点勤務の推進と規範化に関する若干 の意見』

末端部,辺遠地区,医療資源の数少ない地区及 びその他の需要のある医療機関への医師の多 点勤務を奨励し,優秀な医療資源の安定的かつ 秩序ある移動と科学的配置を促進

2015 年 3 月 『全国医療衛生サービス体系計画綱要(2015-2020 年)』

健康中国クラウドサービス計画は,モバイルイン ターネット,物的インターネット,クラウドコンピュ ーティング,ウェアラブル(着用可能機器)などの 新技術を積極的に応用する.2020 年までに,全 人口情報,電子健康プロフィール,電子カルテの 3大データベースによって全人口を基本的にカバ ーし,情報の動的な更新を実現

2015 年 5 月 『電子商取引を大いに発展させ,経済の新しい 原動力を加速的に育成することに関する意見』

電子商取引は「インターネット+」行動計画の 1 つ の重要な核心内容で,中国の電子商取引のイノ ベーション・発展は今後「伝統を融合させ,新興 を育成し,国際に向かう」ことができるようにしな ければならない.

出所:各種資料を基に筆者作成

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2016年頃,高齢者の人口は絶えず増加し,医薬業界は新しい発展の機会が到来した.市場参加者が増加す るだけでなく,注目度が高まり,投融資が増加し,モバイル端部が急成長した.製薬会社が大規模に病院を 脱出し,医薬品電子商に転換していくこととなった.

2016年,医薬品電子商取引監督管理は強化されつつあったが,政策は徐々に緩和されつつあった.「2016 中国医薬電子商取引発展青書」は複数の業界にとって有利な要素となり,業界の発展する風向きが見られ た.

2016年には医薬品ネット販売企業が選別診療サービスを提供するなどといった「インターネット病院」が 誕生し,医薬品B2Cに大きな影響を与えた.同年末,発展改革委員会は「互聯網市場准入負面清単の意見募 集稿」を発行した.同意見募集稿では「医薬品製造,経営企業は郵送,インターネット取引などの方式で直 接処方薬を公衆に販売してはならない」と規定された.2017年から,政府は医薬品ネット販売に対して監督 管理を強化してきた.

2017年1月21日,国務院は「第3陣の中央から地方へ実施を促した行政許可事項39件を取り消す決定」

を発行した.リストには,「医薬品ネット販売取引サービス企業(第三者プラットフォームを除く)の審査承 認を取り消すこと」を明確に指摘した.すなわち,「医薬品電子商取引B証,C証は承認を必要としない が,A証は依然として承認を必要とする.同通知は「すでに医薬品ネット販売取引サービス資格を取得した 企業は,「医薬品経営品質管理規範」及び関連書類に基づき,医薬品ネット販売取引サービスに従事し,保 管,配送などの関連制度を強化し,管理責任を着実に履行し,販売される医薬品の品質と安全を保障しなけ ればならない」と指摘した.まだ医薬品ネット販売取引サービスの資格を取得していない企業に対しては,

「医薬品メーカー,医薬品卸売企業が,自分自身のホームページを通じて他の企業と医薬品ネット販売取引 をし,個人消費者に対して医薬品ネット販売取引サービス提供してはならない」と規定された.一方チェー ン薬局は「個人消費者に対し,医薬品ネット販売取引サービスを提供することができる」と規定された.

処方薬に関しては,処方薬の規定である「通知」のルールや要求によると,処方薬は販売してならない.

『通知』は,「ホームページの取引関連ページに処方薬や国による専門管理要求のある市販薬に関して,展 示・販売してはならない」と強調した.

以前,企業は申請,材料提出,評価などプロセスを経る必要があり,C証を取得するために少なくとも半 年間かかった.しかしC証取得の規制緩和後,企業が早く市場に参入できるため,消費者がインターネット で直接医薬品を選択する余地が大きくなる.将来,医薬品B2B企業や医薬品ネット販売サイトの数が爆発的 に増加することが見込まれている.医薬品ビジネス企業と医薬品ネット販売サイトのサービス範囲がより広 くなるが,従来の医薬品電子商取引者が直面した採算問題も新入場者を苦しめる問題の一つになるだろうと 予想できる.

中国の Alibaba・天猫医薬館(yao.tmall.com)と日本の Amazon.co.jp 医薬品ネット販売 比較

本研究は消費者の視点から日本と中国の医薬品ネット販売に関して,サイトの問題点を具体的にAlibaba 天猫医薬館(yao.tmall.com)とアマゾンジャパン(Amazon.co.jp)を取り上げ,3つの観点―サイトの基本義 務,医薬品販売分類,医薬品ネット販売物流―を用いて比較考察する.更に日本と中国における医薬品ネッ ト販売に対する安全性情報に関する方法を比べて,日本の医薬品ネット販売の安全性情報に関する特徴を参 考する後に,中国の医薬品ネット販売の安全性を適合させるための考察をする.(表 4-2)(表 4-3)