本研究で議論を行った先行研究の問題点・課題点,アンケート結果および考察をもとに,改善型の医薬品 ネット販売ビジネスシステムを設計し提案する.
医薬品ネット販売ビジネスシステム概念図を図 5-2示す.
図 5-2 医薬品ネット販売ビジネスシステム概念図
Q5とQ6の結果から,消費者の要求を満たす医薬品ネット販売ビジネスシステムは,まず商品販売サイト に関して主に2つの側面に焦点を当てたシステムの提案を行う.商品選択補助システム,苦情処理システム
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である.商品選択補助システムはさらに,個人情報監督システム,遠隔医療システム,商品評価閲覧システ ムによって構成されている.
商品選択補助システムの詳細を図 5-3示す.
図 5-3 商品選択補助システム
(1) 個人情報管理システム
医薬品を販売するプロセスでは,まず消費者は個人情報を登録する必要がある.目的は,医薬 品販売サイトと消費者とのつながりを強化し,長期使用を提供するために,消費者の情報を記録 するためである.名前,性別,年齢,病歴といった個人情報に密接にかかわる部分は,情報の匿 名処理を行う.また,匿名処理後の個人情報も監視し,個人情報の漏洩がある場合は、即時サイ ト管理者に対して通報を行う.
(2) 遠隔医療システム
消費者は医薬品を選択する際にアドバイスが必要な場合,医者・薬剤師の意見を聞くことがで きる.消費者は,会員登録時に自身の過去の症例等を含む個人情報を入力できる.この情報は消
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費者自身のみがみることができ,医師は個人の情報をみることができない.そのため,遠隔医療 では消費者と医師・薬剤師とのコミュニケーション(消費者はビデオ電話・電話・メール等の中 から任意で手段を選択できる)を通じて消費者は任意で個人情報を医師・薬剤師に伝え,医者・
薬剤師らは消費者とのコミュニケーションを通じて医薬品選択のアドバイスを行う.
(3) 商品評価閲覧システム
商品評価閲覧システムでは,商品の評価情報提供を行う.各メーカーや商品の評価キーワード の閲覧ができる.なお,医薬品の評価を直接行うことは法律により禁止されているが,医薬品の 形・用法・用量など本来説明書中に記載のある内容は表示できるため,購入経験のある消費者 が,これらを評価キーワードとして入力することで,判断の補助を行うことができる.
(4) 苦情処理システム(医薬品販売サイト)
医薬品販売サイトの苦情処理システムを図 5-4に示す.医薬品の場合,主たる苦情は副作用で あるが,副作用情報に関しては中国の政府機関(食品・医薬品監督管理部門)が各省・市・県に 管理部門を設置しており,医薬品の苦情情報を収集し必要に応じて対応を行っているため,苦情 管理システムではこれを考慮しない.
消費者が医薬品販売サイトで購入した商品に不満(例えば商品の破損,使用期限が切れている などの苦情)がある場合,苦情処理システムから苦情を受け付け,対応を行う.消費者は,電 話・メール等の中から任意で手段を選択して苦情を伝えることができる.医薬品販売サイトは苦 情を受け付け,返品に関する苦情の場合は医薬品販売サイトから第三者物流会社に通知をし,第 三者物流会社が返品対応を行う.返品対応ではない場合,医薬品販売サイトが保有する苦情デー タベースを参照し参考した上で,対応策を検討する.
図 5-4 苦情処理システム(医薬品販売サイト)
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Q12のアンケート結果から,消費者が最も医薬品を買いたい販売元が医薬品メーカーのオンライン店舗だ ったものの,他の選択肢も2割程度ずつの回答であった.消費者は①最寄りの薬局,②医薬品メーカー,③ 第三者プラットフォームのうち,任意の場所を医薬品の配送元として選択できることとした.図 5-5は物流 システムの概念図である.
①最寄りの薬局から配送
消費者の安心感が高くなる.この方式ならば,普段から行く薬局から配送されるため,消費者は安心感が ある.医薬品ネット販売に対して慣れていない消費者に対して,医薬品購入の習慣を変えることなく医薬品 ネット販売に移行することができる.
②医薬品メーカーから配送
オンラインで購入した消費者にとっては,信頼を高めるために,医薬品メーカーから直接医薬品を出荷す ることができるとする.医薬品メーカーから直接配送されることにより,医薬品が正規品であることを保証 することができる.
③第三者プラットフォームから配送
第三者プラットフォームから配送する場合は,先述の2方式と比較し,製品バリエーションが多い.第三 者プラットフォームの利用に抵抗がない消費者はここから購入することで最適な医薬品を購入することがで きる.消費者の購入の習慣からみると,①および②は従来からある購入方式をもとにしたシステムである.
料金回収フロー概念図を(図 5-6)示す.消費者はインターネットで直接支払う.医薬品販売サイトは医 師の医薬品ネット販売サイト上での勤務時間に応じて給与を決済する.第三者物流企業は一定期間内に医薬 品販売サイトに請求書を送り,医薬品販売サイトは医薬品メーカー,薬局に直接決済する.
図 5-5 物流システムの概念図
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図 5-6 料金回収フロー概念図