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中国の介護ビジネスにおける IoT 活用の提案

以上をふまえて,中国の介護ビジネスにおける,IoT活用の提案を行う.第三者介護評価機関(図 6-3)で はまず,消費者(患者)からの,老人介護施設(以下,施設)利用に関する問い合わせをコールセンターで 対応する.コールセンターへの内容は録音される.問い合わせ内容に応じた資料等を用意し,第三者介護評 価機関スタッフが消費者の自宅まで訪問しする.訪問時にはIoT端末の使用説明と本人,家族・友人からの 端末利用の同意を得た後,消費者への提供と,消費者に対する心理テストを行う.これらの情報は健康関連 データ,心理的データ,さらに家族情報や消費者ニーズと共に,データを施設,政府機関,第三者介護評価 機関へ提供する.これらのデータをもとに施設のサービスを開始する.施設利用時等に上記データを定期的 に採取し,ビッグデータ解析などを経て消費者へのフィードバックを得る.

図 6-3 第三者介護評価機関

結果番

アンケート結果

UTAUT2モデルに基づく質問結果

「IoT端末の使いやすさ」と「国家がIoTを介護サービス方面に運用 しようとする宣伝」

「IoT端末が価値あるデータを提供してくれる」と「IoT端末の防 水,壊れにくさ」

「国家がIoTを介護サービス方面に運用しようとする宣伝」と「IoT 端末のその他の機能」

「スマートフォンの使用に慣れていること」と「親戚・友人意見」

「IoTの知識に関連する本を読むこと」と「IoT端末のその他の機能

「サービス品質」と「IoT端末の提供されるデータ情報が簡単」

「当該機関との契約における責任と義務の明確化」と「IoT端末が価 値あるデータを提供してくれる」

「苦情受付と改善システム」と「国家がIoTを介護サービス方面に運 用しようとする宣伝」

「評価の公平性」と「IoT端末の防水,壊れにくさ」

「評価基準の標準化」と「周囲の人の意見」

「自分管理意識の可能性を向上できる」と「年齢」

「国家がIoTを介護サービス方面に運用しようとする宣伝」と「年齢

「高齢者ビッグデータの応用」と「年齢」

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老人介護 サービスシステムの内部構造(図 6-4)では,政府機関から第三者介護評価機関に対して老人 介護施設サービスシステム(以下,システム)の指導・管理を行う.第三者介護評価機関は,政府機関に対 して当該システムの報告を行う.政府機関は老人施設に対してサービスの指導・管理を行う.老人施設は,

政府機関に対して活動の報告を行う.第三者介護評価機関は,収集したデータを利用し,消費者がどの施設

(リハビリ施設,自宅訪問のみ,フランチャイズ型介護ホテル,老人ホーム,デイサービス)を利用したら 良いかを評価し,消費者を各施設に分配する.施設の利用状況は,各老人施設によって,第三者介護評価機 関へ報告することで,今後の施設利用者分配に関する判断材料とする.

図 6-4 老人介護 サービスシステムの内部構造

苦情処理システム(図 6-5)では,老人介護施設に問題がある場合は,苦情を申し立てることができる.

第三者介護評価機関は,老人介護施設への指導,老人介護施設利用者本人からや,利用者家族からの苦情の 受付,またそれに対する意見や相談をすることができる.また,第三者機関から老人介護施設利用者家族に 対し,他の老人介護施設の紹介を行うこともできる.

図 6-5 苦情処理システムの構造

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終わりに

本研究ではICT活用による医療介護システムを,中国国内の事例と海外事例を文献から比較調査し,次に IoT端末を活用した第三者による要介護認定システムの運用と,IoT端末による高齢者の連続的な身体情報の データ収集の是非に関するアンケート調査を実施した.以上の調査を通じ問題点等を議論し,中国における 介護ビジネスにおけるIoTの活用を提案した.医療介護システム運用体制では,苦情受付に対応する一方 で,苦情自体を減らす体制を構築する必要があるとわかった.IoT端末自体に対する要求では,日常的に身 に着けられるものであり,耐久性の高いものが求められていることがわかった.サービスに対する要求で は,IoT端末提供後のアフターサービスが求められていることがわかった.以上を考慮した,中国の介護ビ ジネスにおけるIoT活用の提案を行った.第三者介護評価機関を設けることを提案し,当機関が老人施設,

政府機関らと情報を共有し連携することを提案した.

今後はIoT端末を利用して,データの収集を行い,ビッグデータを活用する方面での研究を進めたい.

124 参考文献(第6章)

[1] ホームページhttp://data.stats.gov.cn/search.htm?s=人均消費

[2] 王菲菲:「Research on intelligent apartment for the elderly monitoring system based on Internet of things tech-nol-ogy」,天津大学大学院論文 (2016)

[3] 趙英,劉任華,田蜜,胡利佳:「中国で介護の現状と開発動向——文献と知識の図解」山東財経大学学 報年第29卷,第2期,PP107-117(2017)

[4] 孫文柱:「RFID技術に基づく健康診断管理システムの開発と応用」ソフトウェアガイドジャーナル6 期,第9巻,PP77-78(2010)

[5] 陳四清:「介護分野における国内外のインターネット技術の応用と展望」中国老年学雑誌9月,第35 巻,PP5349-5352(2015)

[6] 愉磊,陸陽,朱暁玲,馮琳:「医療分野における技術のインターネットに関する研究」Application Research of ComputersV01,29,No1,Jan(2012)

[7] ホームページhttps://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/nintei/gaiyo2.html

[8] 石秦川,徐桂華:「高齢者における介護の等級を分けるシステム現状の研究」广西医学10期,第38 巻,PP1473-1475(2016)

[9] 孫欣然,孫金海:「海外の介護システムと中国のシステムを比較する啓発」中国全科医学,第20 卷,第30期,PP3719-3724(2017)

[10] 童立紡:「高齢者における老人ホームの入院評価システムの研究」介護学雑誌5期,第30

巻,PP87-90(2015)

[11] 刘娜娜:「高齢者介護施設における高齢者介護ニーズ評価指数システムの構築」済南山東大学大学院

論文(2016)

[12] Viswanath Venkatesh,Michael G, Morris,Gordon B,Davis and Fred D,Davis,“User Acceptance of Infor-mation Technology: Toward a Unified View”, MIS Quarterly Vol,27, No,3,PP425-478(2003),

[13] Anderson,J,E, and Schwager,P,H and R,L,Kerns,“The Drivers for Acceptance of Tablet PCs

by Faculty in a College of Business”, Journal of Information Systems Education,PP425-440(2006)

[14] 高橋信:「Excelで学ぶコレスポンデンス分析」オーム社(2005)

1. 医療向けのビッグデータでは,血圧,心拍数,体温,問診情報,各種検査結果,画像記録,薬の処方 記録,手術記録等,患者1人から幅広いデータを収集し,患者の治療に役立てる取り組みがなされて いる.2003年に厚生労働省はでは,DPC(Diagnosis Procedure Combination,診断群包括分類)データの 導入を開始.年間800万件を超えるデータが医療機関から蓄積されており,患者の異常検知等に活用 される.

2. 問巻星は,中国最大級のオンラインアンケートサービスであり,累計では29,15億件のアンケート 回答数がある.回答者はパソコンやスマートフォン端末上で回答を行う.4,222万人のサービス利用 者がおり,企業ユーザーには,通信会社大手China Telecom,家電メーカーMideaなど,研究機関ユー ザーには,清華大学,北京大学,中国科学院,上海情報研究センターなど,中国における約90%の研 究機関での利用実績がある.

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3. サンプルサイズをn,カイ二乗値をχ2とし,r行×c列のクロス集計表における行要素と列要素の関 連の強さを示す指標であるクラメールの連関係数V算出式は

𝑉 = √ 𝜒2

𝑁 × min(𝑟 − 1,𝑐 − 1)

0≦V≦1の値をとり,1に近いほど関連性が強い.関連性の判断は高橋[13]によるとVが0,25以上で

「関連性がある」といえる.

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中国の介護ビジネスにおける IoT 活用―チェーンホテル型養

老施設における活用提案―