第 3 章 接合条件と接合強度の関係
3.2 供試材および実験方法
3.2.1 供試材
供試材は,φ20㎜の工業用純アルミニウムA1070-H112丸棒押出し材を用いた.使用し たアルミニウム材の化学組成をTable 3-1に示す.供試材の長さは,超音波ホーンに接する 側を68㎜,固定側の長さを73㎜とした.供試材の接合面は,接合圧力を高める目的で直 径5㎜の円錐状に旋削した.接合面は旋盤仕上げのままとし,その表面粗さの測定値Raは 0.37㎛程度であった.供試材の形状をFig.3-1に示す.加工後に接合面を0.1㏖/ℓの水酸化 ナトリウム溶液で90s間脱脂洗浄を行った.
Table 3-1 Chemical composition of aluminum
[mass%]
Materials Si Fe Cu Mn Mg Cr Zn Ti V
A1070 0.06 0.10 0.00 0.00 0.00 - 0.00 0.01 0.01
Fig.3-1 Shape of specimen
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3.2.2 接合装置及び接合実験方法
実験に用いた接合装置の概略図をFig.3-2に示す.発振機出力10kw,発振周波数30kHz の高周波誘導加熱装置(日本サーモニクス製:NT210)を用いて,接合部を加熱した.昇
温速度は16.7K/ sとし,赤外線放射温度計にて接合部の温度を監視しながら,温度調節計
を介して温度が一定になるよう制御した.供試材を加圧する機構は,最大加圧力5kNのサ ーボプレス(蛇の目ミシン製:JP-S0501)を用いた.常に一定の荷重が接合面に加わるよ うに,内蔵のロードセルとコントローラで制御した.また,接合に用いた超音波接合機(エ コー技研製)は出力1000W,発振周波数20kHzで,無負荷時におけるホーン先端での振幅 は20㎛(peak to peak)である.振動振幅は,常に一定になるよう発振機内の回路にて,
制御されている.
Fig.3-3に接合装置の圧力,温度,超音波振動の負荷サイクルを示す.接合面が互いに合
うように供試材を接合装置内に配置し,供試材の一方を超音波ホーンに固定した.500Nの 予圧(P1)を加えた後,加熱(T1),加圧(P2),加振(Ip)を,設定値にて同時に動作さ せた.接合部の温度は接合部近傍をK種熱電対にて測定し設定値から逸脱していないか監 視した.また,接合部の圧力はすべての試験で50MPaとし,その時の供試材の変位を変位 センサーにて監視した.超音波の振幅および出力は発振機内の電流値をモニターし,設定 値から逸脱していないか監視した.一定時間経過後,各動作を終了させ,供試材は大気中 で放冷した.
Fig.3-2 Schematic illustration of the apparatus for solid state bonding
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Fig.3-3 Temperature, Pressure and Input power to the transducer as a function of time during the application of ultrasonic vibration
3.2.3 接合強度の測定方法
接合された供試材(以後,接合材と呼ぶ)の接合部の強さは引張試験にて比較した.引
張試験はFig.3-4に示す精密万能試験機(島津製作所製:AG-250kNG)を用い,歪速度は
4.9×10-4s-1とした1).引張試験で得られた接合材の破断荷重を,接合部直径から算出した
断面積で割ったものを接合強度とした.接合部直径およびその面積算出方法をFig.3-5に示 す.後述の接合強度の試験結果(Bonding strength)は,同一条件で3回行った平均値を 用いた.また,引張試験後の破断面は,Fig.3-6に示す走査型電子顕微鏡(日本電子製:
JSM-6500F)を用い,加速電圧15kVにて観察した.
Fig.3-4 Tensile testing machine
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Fig.3-5 Measurement points of bonded part diameter, and bonded part area calculation formula
Fig.3-6 Exterior Photos of SEM
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