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ハイブリッド固相接合装置を用いたアルミニウムパイプの接合

第 7 章 アルミニウム合金を用いたハイブリッド固相接合

7.3 ハイブリッド固相接合装置を用いたアルミニウムパイプの接合

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Fig.7-14 Test equipment schematic

Fig.7-15 に接合時の圧力,温度,超音波振動の付加サイクルを示す.50N の予圧(P1

を加えた後,高周波誘導加熱装置を用いて接合部を加熱すると同時にサーボプレスにて荷 重(P2)を加えた.接合部が設定温度(T1)になったのち,所定の接合時間(t1=60s),温 度と圧力を保持しながら超音波を印加した(振動子への入力Ip).60s経過後,各動作を終 了させ,供試材は大気中で放冷した.

Fig.7-15 Temperature, pressure and input power to the transducer as a function of time during the application of ultrasonic vibration

接合部の強さは,引張試験にて比較した.引張試験は,万能試験機(島津製作所製:UH-50A)

を用い,3回の平均破断荷重を接合部直径から算出した断面積で割り,を接合強度(Bonding strength)とした.

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7.3.2 実験結果

接合温度を,733K,773K,853Kと変化させ,その他の接合条件は,一定とし接合させ た.その時の接合温度と接合強度の関係をFig.7-16に示す.温度が上がると接合強度も上 昇していることがわかる.853K以上では材料が軟化し変形してしまった.温度の上昇に伴 い,引張強さ,耐力が低下し,塑性変形領域が増すため,接合強度は上昇する.しかし,

温度上昇に伴う材料の軟化が一定量以上進むと,供試材が座屈しパイプ形状を保持できな くなると考える.

Fig.7-16 Relationship between bonding strength and bonding temperature

また,接合温度を733Kとし,加圧荷重を113N,170N,226Nと変化させて接合した.

その時の加圧力と接合強度の関係をFig.7-17 に示す.加圧力が上がると接合強度が上昇し ていることがわかる.加圧力の上昇に伴い,接合面での密着度が高まり接合箇所が増加し たため,接合強度が上昇したと考える.(前述 3.3.4 章にて加圧力と接合強度の関係を述べ たが,その時の加圧力は50~80MPaである.本実験での加圧力は1MPa~2MPaであり,

加圧力は接合部の形成に用いられると考えた方が妥当と考える.)

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Fig.7-17 Relationship between the pressure and the bonding strength

次に,接合強度の比較として,熱交換器用アルミニウムパイプの接合によく用いられて いる,ろう付け接合品の接合強度を調べた.ろう付け接合品は,本実験と同じ供試材を用 いてトーチによるろう付け接合を行ったものである.ろう付け接合では,フラックスは日 本フラックス製 AF500 を使用し,アルミニウム接合用ロウ材は日本スペリア社製 NH-12 を用いた.接合部断面はFig.7-18に示すように健全な状態であった.

Fig.7-18 Microscope image of Brazing cross section

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Fig.7-19 に母材の破断応力とロウ付接合品の破断応力,新たな接合法である高周波誘導

加熱と超音波振動を用いた固相接合にて接合した破断強度を示す.母材強度は,納入され た時の状態で測定したものである.また,ろう付け接合品は母材部にて破断し,固相接合 品は接合部で破断した値である.母材は冷間引抜加工による加工硬化にて高い強度を示し ているが,ろう付け接合品は入熱による焼きなまし効果により強度は低下している.なお,

固相接合品の破断強度は,ロウ付接合品の65%にとどまった.

Fig.7-19 Strength comparison by base material and Bonding method

接合強度を向上させるために,接合温度や加圧力を変化させると,Fig.7-20 に示すよう な座屈が生じてしまう問題がある.供試材のようなパイプ形状の座屈に関する研究は,古 くからおこなわれており,Timoshenkoらによって15),式7.1に示す薄肉円筒殻の古典的局 部座屈応力σcrが導き出されている.

𝜎𝑐𝑟= 𝐸

√3(1 − 𝜈2)∙𝑡

𝑟 ≅ 0.6𝐸𝑡

𝑟 ⋯ (式7.1)

ここで,E:ヤング率,ν:ポアソン比,r:半径,t:肉厚

金属材料の弾性係数(ヤング率,ポアソン比,剛性率)は温度依存性のある材料定数で ある.例えばアルミニウム合金のヤング率は,室温では70GPa程度であるが,773Kでは

50GPa程度に低下する16).また,実際の構造物では,真円度のばらつきや肉厚のばらつき

などが引き金となり,実験によっては,古典的局部座屈応力σcrの10~60%の低い荷重で座 屈してしまうことがある.したがって,パイプ形状試験片を接合するには,接合物の断面 特性と接合温度を考慮し,加圧力及び加振力を選択する必要がある.今後,実験データの 収集を重ねて,ロウ付接合に匹敵する接合強度を実現させることを期待する.

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Fig.7-20 Deformation of bonding part by heating and pressurizing