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会場 : 神戸市

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会場 神戸市

Vol. 36 No. 135 2012/4 第24回 下水汚泥の有効利用に関するセミナー

させていただきました。スライド1に示すように、日 本では下水処理場数が増加しているにも係わらず、こ こ20年程度嫌気性消化槽を有する下水処理場数は増加 していません。この間、増加した下水処理場の多くは、

流入水量が10,000m3/日以下のもので、OD法(オキ シデーションディッチ法)を採用しているケースがほ とんどです。OD法では、好気的に安定した余剰汚泥 しか発生しないため、嫌気性消化を導入してもバイオ ガス発生量が比較的少ない傾向があります。したがっ て、OD法の下水処理場で、嫌気性消化を導入してい るケースはほとんどありません。

しかしながら、今後は、下水汚泥を安定化、減量化 するという考え方から、バイオマスとして利用すると いう考え方への転換が必要です。これは、下水道分野

のみでなく、他のバイオマスも含め総合的に実施する 必要があります。農林水産省は、バイオマスタウン構 想に力を入れていますが、下水処理場等が地域のバイ オマス利活用の中核になることが重要です。

また、スライド2に示しますように、10,000〜

100,000m3/日規模の下水処理場では、約半数の下水 処理場で嫌気性消化を導入していますが、より大規模 になると一般的には焼却炉を設置するので、その前段 で嫌気性消化は必要ないという考え方から、嫌気性消 化槽の設置数が少なくなっています。海外では、100 万m3/日規模の下水処理場でも、下水汚泥を資源と とらえエネルギー回収する考え方が定着しており、焼 却していても固形燃料として利用するなど、エネル ギー利用を重視する考え方に向かってほしいと思います。

スライド1(島田講師発表資料より)

スライド2((社)日本下水道協会作成資料)

○座長 ありがとうございました。小規模、大規模、

それぞれについて問題提起がありました。小規模と言 えば、(社)地域環境資源センターの米田さんから、

農業集落排水施設をはじめとした農村地域におけるメ タン発酵やその他のバイオマス利活用の取り組みにつ いて報告をいただきました。米田さんから、講演の補 足やメタン発酵導入の状況についてコメントいただき たいと思います。

○米田 スライド3にバイオマ スタウン構想(283地区)に取り 上げられているバイオマスの変 換手法を示しています。バイオ マスタウン構想は、平成23年4 月までで計画策定を締め切って おり、全国の318地域で構想が策 定されました。スライドは、少 し古いデータを示していますが、

農村地域におけるバイオマスのエネルギーへの展開方 法としては、バイオディーゼル燃料化、木質チップ・

ペレット燃料化、メタン発酵が多く計画されています。

農業集落排水施設では、汚泥有効利用方法としては、

堆肥化が主流であり、メタン発酵槽の設置については、

検討している事例はありますが、実績はありません。

先ほど、説明したように家畜ふん尿等のメタン発酵施 設に農業集落排水施設からの汚泥を受け入れている ケースがあります。

○座長 ありがとうございました。農業集落排水汚泥 だけでは厳しく、農村地域の様々なバイオマスを集約 してメタン発酵する取り組みが進んでいることについ

て、ご説明いただきました。 

ここで少し話題を転じまして、嫌気性消化の推進あ るいはエネルギー利用の推進のため、下水道サイドと してどのように取り組んでいくかについて考えたいと 思います。国土交通省の西廹さんの講演の中では、制 度面あるいは推進施策についてご説明いただきました が、改めて特にどの辺りに力点を置いて取り組んでい くのかお話しいただきたいと思います。

○西廹 まず、国交省としては バイオマスリサイクル率の向上 を目指しています。社会資本整 備重点計画では、2012年までに バイオマスリサイクル率を39%

に上げることを目標としていま すが、2009年時点では24%にと どまっており、現状はあまり進 んでいる状況ではありません。

国交省の取り組みとしては、新世代下水道支援事業 制度(未利用エネルギー活用型)でメタン発酵施設の 設置などを補助しています。また、情報発信としては、

平成23年3月に「下水汚泥エネルギー化技術ガイドラ イン(案)」を取りまとめました。基礎技術の解説か らコスト評価まで行っていますので、下水汚泥等のエ ネルギー化を検討されている場合は、ぜひ見ていただ ければと思います。最後に、大きな取り組みとして平 成23年度からB-DASHプロジェクト(下水道革新的技 術実証事業)を行っており、エネルギー自立型下水処 理場の構築を目指しています。汎用性が高くコストを 大幅に削減できる技術を実規模レベルで実証するもの

スライド3(米田講師発表資料より)

米田講師 西廹講師

Vol. 36 No. 135 2012/4 第24回 下水汚泥の有効利用に関するセミナー

で、創エネルギー技術を発展させたいと考えています。

現在、神戸市と大阪市の下水処理場で実証実験を行っ ています。(スライド4)

○座長 西廹さんのご講演では、エネルギー利用を推 進する様々な法令や制度を紹介いただきましたが、国 のエネルギー政策という観点から、あれだけ多くの制 度的な後押しがあり、また、さらに下水道として予算

上の支援やB-DASHプロジェクトなど、総合的な取り 組みをご紹介いただきました。

さて、B-DASHプロジェクトが話題となりましたの で、まず、ご当地の神戸市におけるB-DASHプロジェ クトについて、山地さんの講演でもご説明いただきま したが、補足していただきたいと思います。時間の関 係上、具体的な技術について説明しきれなかったと思

スライド4(西廹講師発表資料より)

いますので、よろしくお願いします。

○山地 まず、島田さんのお話しで100,000m3/日規 模以上の下水処理場では、嫌気性消化の導入が少ない とのお話しでしたが、神戸市の

6箇所の下水処理場の内の4箇所 は、100,000m3/日規模以上で、

全て嫌気性消化を導入していま す。また、残りの2箇所の下水処 理場で発生した汚泥は、基幹と なる下水処理場に送泥され、同 様に嫌気性消化処理されていま す。

B-DASHプロジェクトについては、(株)神鋼環境 ソリューション(代表者)、神戸市(構成員)及び大 阪ガス(株)(協力者)の三者が官民連携で実施して います。現在、嫌気性消化ガスを高機能に精製し都市 ガス導管注入し、発生した消化ガスの全量を地域で利 用できるようになっています。プロジェクトの目的は、

地域にある様々な下水道に好適なバイオマスを取り込 み、消化ガス発生量を増加させることにあります。下 水道に好適なバイオマスとは、それを受け入れること により、消化阻害が起こらないことや汚泥の脱水性能 が上がることなどをイメージしています。ターゲット としているバイオマスは、「スイーツ」と「グリーン」

で、神戸には洋菓子メーカーが多くあり、そこから発 生する食品系バイオマス(スイーツ)や、六甲山の森 林整備や公園、道路等の剪定で発生する木質系バイオ マス(グリーン)を示しています。(スライド5)

事業の中身については、役割分担があり、神戸市は、

地域で発生するバイオマスの確保と受け入れ調整であ り、(株)神鋼環境ソリューションが、鋼板製消化槽 やパッケージ型の高圧水吸収法でのバイオガス精製技 術などの革新的技術を提案しています。できれば、

(株)神鋼環境ソリューションの担当者の方が会場に おられると思いますので、説明していただければと思 います。

○会場より(丸山氏) (株)神鋼環境ソリューショ ンの丸山と申します。神戸市で実施しているB-DASH プロジェクトで実証する技術について説明します。ま ず、鋼板製消化槽について検討する予定です。従来よ り工期を短くでき、消化槽におけるアンモニア阻害等 を察知するセンサー取り付け位置の自由度が高いなど の利点があります。また、消化ガス精製装置やガスホ ルダーについて低コスト化を検討します。さらに、下 水処理水の有する熱をヒートポンプで回収しての消化 槽加温への利用や、木質系バイオマスの受け入れによ る脱水性の改善等も検討したいと思います。現在、関 連する施設の建設を進めています。

○山地 平成24年1月くらいに施設が完成する予定で す。ただいま説明がありましたように、省エネ、創エ ネ、汎用性、コストダウンを実証し、中小の下水処理 場でも採算性が出るような嫌気性消化槽と消化ガス利 用技術を展開できればと考えています。

また、都市ガス導管注入を実証している東灘下水処 理場では、現在、非常に多くの国内外からの視察者を 受け入れていることから、将来的には日本の水処理・

山地講師

スライド5(山地講師発表資料より)

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