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二国間援助機関

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第 2 章 南アフリカ政府の取組みと成果

3.1. 援助機関による取組み

3.1.2. 二国間援助機関

(1)

英国

英国は、社会インフラを中心に対南ア援助を行っている。中でも、政府・市民社会、教 育、人口プログラムに対する支援が多い(表

3-4

)。地域的には、旧ホームランドがあ る

Eastern Cape

Northern Province

North West

Free State

KwaZulu-Natal

を重点地域と している。

DfID

による援助は、

2006

年には

2,500

万ポンド、

2007

年には

2,000

万ポン ドが予定されている。対南ア開発援助の重点分野は、以下のとおりである。

持続可能な生活様式の促進

貧困層への教育・保健・機会の提供

持続可能な農村生活のための天然資源保護・管理

具体的には、州および市町村レベルにおける地方政府のキャパシティ・ビルディングや、

教育、

HIV/AIDS

に対する取組みを行っている。また、雇用促進を目的とした

ASGISA

Accelerated Strategy for Growth in Southern Africa

)に対して、人材育成の観点から支援 を行うことを表明している。

国境を越えた地域的取り組みとしては、「アフリカ開発のための新パートナーシップ」

NEPAD

New Partnership for Africa’s Development

)など、周辺の南部アフリカ諸国に

43

本報告書 2.1.3

参照

対して支援を行っている。

(2)

米国

対南ア共和国の国別戦略計画(

Country Strategic Plan

)では、以下のとおり

6

つの戦略目 的が定められている。なお、この国別戦略計画は

1995

年から

10

年間をターゲットとし ており、

2005

年度に終了することとされている。

民主主義

/

ガバナンス:市民社会の参加による民主的組織の強化 教育:質の高い教育とトレーニングへのアクセスの向上

保健:プライマリー・ヘルス・ケアや

HIV/AIDS

へのサービスの強化

経済政策キャパシティ:主な政府機関や

NGO

の経済政策形成、評価、実施能 力の強化

民間セクター開発:歴史的に不利な立場におかれた層の金融市場へのアクセス 向上

住宅・都市サービス:歴史的に不利な立場におかれた層の住居や都市サービス へのアクセス向上

上記の援助戦略に即して、米国の支援は、政府・市民社会や教育、人口プログラムを中 心とした社会インフラ関係に対して重点的に配分されている(表

3-4

)。米国国際開発庁

USAID: United States Agency for International Development

)の対南ア共和国支援予算は、

2005

年度

3,200

万ドル、

2006

年度

3,500

万ドルである。

(3)

ドイツ

表 3-4を見ると、ドイツは社会インフラの政府・市民社会と教育、経済インフラの銀行・

金融に多くの援助を配分していることがわかる。

技術協力公社(

GTZ

)は、南アフリカが新政治体制に移行したことを期に、

1993

年か ら支援を行ってきた。援助重点分野は、以下の

3

分野である。

地方行政 技能開発

グッド・ガバナンス

また、分野横断的テーマとして、貧困削減、社会開発、自然資源保護・管理、ジェンダ ーの平等、HIV/AIDSをあげ、中でもジェンダーと

HIV/AIDS

は技術支援プロジェクト の重要課題であるとしている。地域的には、国土の東側に位置する旧ホームランドを含 めた、特に恵まれない地域に重点を置くとし、

Eastern Cape

Mpumalanga

Northern Province

および

KwaZulu-Natal

で多くのプロジェクトを行っている44

復興金融公庫(

KfW

)は、技術協力より遅れて

1995

年に対南ア共和国資金協力を開始 した。2000 年には、南ア共和国を優先パートナー国と位置づけている。援助優先分野 は以下の

3

つである。

職業教育

地方分権

/

地方自治体の能力開発

44

実施中プロジェクト・プログラムに関しては別添 7

を参照。

グッド・ガバナンスに関する政府へのコンサルテーションと管理

上記の

3

分野の中でも、地方分権および地方自治体の能力開発には、特に積極的に取り 組んでいる。具体的には、地方自治体のインフラ整備への資金提供や、農村部における 低価格住宅の建設、都市低所得者地域における犯罪予防などを行っている。

HIV/AIDS

に関しては、分野横断的な重点課題として位置づけている。

(4)

オランダ

オランダは、英国や米国と同様、社会インフラ関連に多くの援助をあてており、そのな かでも教育と政府・市民社会に対する支援が、それぞれ

27

%、

21

%と多い(表

3-4

)。

2003

年度の対南ア共和国支援予算は

1,540

万ユーロであった。オランダ大使館は、

2004

年から、全分野を対象とした新包括的プログラムを実施している。さらに、教育と

HIV/AIDS

対策として、

ODA

を使った協力プログラムを展開している。教育分野では、

以下の点に焦点をあてるとしている。

学校に通っていない子供たちや失業中の若者に対する教育および トレーニング

農村教育のための専門家および教材支援 教育の社会、文化的側面

基礎教育における人権とガバナンス活動 教育における

HIV/AIDS

HIV/AIDS

対策としては、南ア共和国に対する二国間資金協力と南部アフリカの地域的

なプログラムの両方から取組みを行っている。

2005

年から

2008

年にかけて、

HIV/AIDS

に対する支援として、3,400万ユーロを拠出予定である。

(5)

フランス

フランスは、

1994

年から支援を開始している。

1994

年以前は、

NGO

や教会などを通じ て、不利な立場に置かれた人々への支援を行ってきた。

1995

年以降の

ODA

を見ると、

セクター別では教育などの社会インフラへの配分が多い。また、経済インフラでは、通 信セクターを支援する唯一のドナーとして、10%の援助を配分している(表 3-4)。フ ランス大使館は、制度強化(行政、安全、正義)とアパルトヘイトから受け継がれた不 平等(特に、水供給、保健、農村開発、住宅、運輸などの分野における不平等)の軽減 の

2

つを開発援助の目的としている。農村開発の優先地域は、

Northern Province

KwaZulu-Natal

Eastern Cape

3

地域である。

(6)

スウェーデン

スウェーデンは

1960

年代から、アパルトヘイトに対抗するための人道支援を行ってき た。開発援助が支援の主流を占めるようになったのは、

1994

年の政権交代以降である。

援助の全体的な目的は、

i

)貧困や不平等、脆弱性の改善、

ii

)民主制度の強化と人権尊 重の促進、

iii

HIV/AIDS

との闘いであるとし、地域的なターゲットを

Eastern Cape

よび

Northern Cape

としている。2005年の援助実績は、1億

7,100

万スウェーデン・ク

ローネ45である。表

3-4

を見てみると、

1995

年から

2004

年までの援助は、主に政府・

45

2,200

万ドル(2006

4

月のレートで換算)

市民社会と教育に向けられてきた。

2004

年から

2008

年までの協力分野は、以下のとお りとされている。

民主的統治 都市開発 教育 研究 文化

民間セクター開発と経済協力

新分野への協力(

HIV/AIDS

対策を含む)

貧困削減と重要な関係がある都市開発と教育の分野では、低所得者住宅用資金へのアク セスを促進するための支援や、義務教育への無償支援、

HIV/AIDS

の影響を受けた子ど もたちへの支援などを行っているが、いずれも国別戦略の有効期限である

2008

年まで には終了する予定である。

HIV/AIDS

に関しては、考慮すべき重要課題として認識して おり、早ければ

2008

年までに予防や軽減効果が現れるようなプログラムを引き続き支 援していくとしている。

(7)

デンマーク

対南ア共和国支援の全体目的は、グッド・ガバナンスのさらなる発展と民主化の促進、

およびアフリカ系住民の間に広がった貧困の削減である。援助重点分野は以下のとおり とされている。

基礎教育と職業訓練

民主化とグッド・ガバナンス

民間セクター開発(アフリカ系住民が所有する企業および、アフリカ系住民の 技術開発)

このうち、基礎教育分野の支援に関しては、

North West

KwaZulu-Natal

Western Cape

に特に重点を置くとしている。また、情報コミュニケーション技術(

ICT: Information and Communication Technology

)への支援を行っていくと共に、

HIV/AIDS

に関しても開発プ ログラム形成段階で特別の配慮をしていくとされている。重点地域は、

Northern Province、

KwaZulu-Natal

Eastern Cape

3

地域である。

貧困削減に関しては、新規プロジェクトの発掘、実施において、優先的に貧困層を組み 入れるとし、中央レベル機関への支援は、貧困層の権限強化を目的とした場合にのみ行 われるとしている。

2005

年、

2006

年にはそれぞれ

1

5,700

万ランド、

1

5,900

万ラ ンドの予算が割り当てられている。

(8)

日本

3-4

を見ると、社会インフラでは水・衛生、教育、保健分野に対して、経済インフラ では運輸に対して、支援を行っていることがわかる。日本は、南ア共和国への支援が同 国の経済発展に資するのみならず、南部アフリカ地域、ひいてはアフリカ全体の開発問 題全体にも資するとの認識の下、南ア共和国を経済協力重点国の一つと位置づけている。

地域的には、旧ホームランド地域の黒人貧困層の生活向上に資する支援を中心に実施し ていく方針を示している。また、南ア共和国を拠点としたアフリカ域内協力事業を今後

の協力の柱としていくとしている。援助重点分野は以下のとおりである。

人種間・地域等の間に様々な形で残存する格差の是正 雇用創出のための産業振興と地域開発

南アフリカ共和国の有する組織力および技術力と連携した南部アフリカ諸国 への支援

2003

年度の支援実績は、無償資金協力が

16

5,100

万円(交換公文ベース)、技術協力

6

7,100

万円(

JICA

経費実績ベース)である。

2003

年度までの援助実績は、円借

201

4,500

万円(交換公文ベース)、無償資金協力

108

4,000

万円(交換公文ベー

ス)、技術協力

51

6,900

万円(

JICA

経費実績ベース)となっている46

日本は、

1990

年から、アパルトヘイトの犠牲となったアフリカ系住民支援のため、国 際機関を通じた資金協力や研修員受入、草の根無償資金協力を実施してきた。

1994

年 のマンデラ政権発足後は、支援を本格化させ、アフリカ系住民の人材育成を基本方針と して、貧困層が裨益する支援に努めている。開発援助の重点分野は、教育、公衆衛生、

地方行政、中小企業、観光であり、具体的には以下のことを行っている。

アフリカ系貧困層の教育支援 地方行財政能力の向上 貧困層の雇用機会の創出 中小企業の育成支援 小規模農業の生産性向上

貧困層に対する基礎インフラ整備

アフリカ系貧困層の教育・雇用機会創出への支援としては、研修員の受け入れ、一般無 償や草の根無償による小中学校教室の建設、教育用資機材の供与、教員養成に係る人材 育成などを行った。また、貧困層に対する基礎インフラ整備としては、草の根無償によ る地域診療所の改善や一般無償による地方中核病院への機材供与、アフリカ系居住区の 上下水道整備計画に係る開発調査の実施などを行った47

表 3-5 日本の対南アフリカ

ODA

供与額の推移

(単位:百万ドル)

1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 ODA (OA) 合計(純額) 4.34 7.3 28.91 30.83 14.06 19.79 13.39 4.69 17.61 18.83 ODA (OA) 無償合計 4.34 7.3 8.16 18.75 12.01 19.79 13.39 24.74 19.06 19.7 技術協力合計 3.16 5.76 5.93 4.98 7.01 6.75 9.58 8. 36 7.94 5.47 ODA (OA)有償合計(純額) 0 0 20.75 12.08 2.05 0 0 -20.05 -1.45 -0.87

(出所) OECDホームページ(URL: http://www.oecd.org/) の International Development Statistics Online Database から Destination of Official Development Assistance and Official Aid - Disbursementsを用いて作成

(9)

ノルウェー

ノルウェーの対南ア共和国支援が正式に開始されたのは、

1994

年である。それ以前は、

政府から政府への協力ではなく、市民社会などを通じた反アパルトヘイト支援が行われ

46

2003

年度までに実施済みおよび実施中の案件に関しては別添

7

参照。

47

国際協力機構  「南アフリカ援助研究会報告書  第 2

巻  南アフリカ  本編」  国際協力機構 

2000

ドキュメント内 untitled (ページ 75-80)