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予算早期契約と円滑な工事進捗に向けた取り組み

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1.2 公共事業関係予算の円滑な執行に向けた取り組み

1.2.6 予算早期契約と円滑な工事進捗に向けた取り組み

図表1-2-26 新たな契約方式(CM方式)の概要

(出典)UR都市機構

(2) 人材不足への対応策

建設産業は今、これまでの建設技能労働者の賃金低下により若年入職者が大きく減少し、

このままでは熟練工から若手への技能継承がなされないまま建設技能労働者が減少し、産 業の存続が危惧される状況に至っている。

人材不足への対応策の一つとして、「公共工事設計労務単価の改定」が挙げられるが、

2013年4月に改定された労務単価18は、建設技能労働者の賃金実態の状況変化を適切に反 映し、また、法令に定められた義務である社会保険すら十分に確保されていない事態に鑑 み、社会保険への加入徹底の観点から必要な法定福利費相当額を反映するなどしている。

また、労務単価改定を踏まえ、国土交通大臣は建設業団体に対し、①適切な価格での契 約、②建設技能労働者への適切な水準の賃金支払い、③社会保険への加入の徹底等につい て要請をおこなっている。この要請を受け、業界団体では適切な賃金水準の確保等に向け た決議がなされるなど、労務単価の改定をきっかけとした建設技能労働者の賃金水準確保 のための取り組みが進んでいる。

2014年1月30日、被災地等における入札不調の増加状況などを受けて、設計労務単 価が再び引き上げられた(図表1-2-27)。今回の改定で、全職種単純平均値(全国)2013 年度比+7.1%(2012年度比+23.2%)、(被災3県)2013年度比+8.4%(2012年度比+

31.2%)となっている。今回の改定は、例年の4月改定を2月に前倒しして実施されてお

り、労働市場の実勢価格を適切及び迅速に反映した措置となっている。

18 全職種単純平均値(全国)2011年度比:+15.1%

全職種単純平均値(被災3県)2011年度比:+21.0

必要な対応 必要な新たな仕組み 期待する主な効果

・早期着手

・期間短縮

・人的不足への対応

・労務資材の高騰

・労務資材調達の逼迫

・地元企業の活用

・地元経済の復興

・マネジメントの活用

(CM方式)

・コストプラスフィーの導入

・地元企業の優先活用

・オープンブック方式

①民間ノウハウの早期活用

②施工段階における民間技術力の活用

③資機材等の早期調達

④設計・施工等の一体化による効果的な実施

⑤早い段階からの施工の工夫によるコスト 削減

⑥発注者側の技術者等人員不足の解消

①受注者リスクの軽減による工事遅延防止

②地元企業等への適正な契約・支払い

③国民に対する透明性

①地元経済の活性化

図表1-2-27 公共工事設計労務単価の推移

(出典)国土交通省「公共工事設計労務単価」

その他にも「発注業務の効率化」、「技術者等の効率的活用」、「労働者を遠隔地から調達 する場合の追加コストの支払い」といった人材不足に対する対応策が実施されている(図 表1-2-28)。

図表1-2-28 人材不足への対応策

(出典)国土交通省提供資料を基に当研究所で作成

対応項目 対応策

公共工事設計労務単価の改定

①技能労働者の不足等に伴う労働市場の実勢価格を適切・迅速に反映   例年の4月改定を前倒し

②社会保険への加入徹底の観点から、必要な法定福利費相当額を反映

③被災地等の入札不調の増加状況に応じて機動的に単価を引き上げる措置

⇒全国(全職種単純平均値)2013年度比    :+7.1%(2012年度比:23.2%)

  被災3県(全職種単純平均値)2013年度比 :+8.4%(2012年度比:31.2%)

  ※入札不調の増加に応じて単価を引き上げるよう措置(当面被災三県のみ)

  ※一定の既契約工事についても、新労務単価を踏まえてインフレスライド条項を適用

④技能労働者への適切な賃金水準の確保について各団体へ要請

発注業務の効率化

①地元企業の受注機会に配慮しつつ、適正規模での発注を図る

②複数の同種工事について、一企業につき一つの技術提案を求めることで審査業務を効率化

③既契約工事に関連する工事を追加

④設計と施工を一括して契約

技術者等の効率的活用

①密接な関係のある10Km程度以内の2つの工事について専任の主任技術者の兼務可能

②現場代理人の常駐義務の緩和

③監理技術者又は主任技術者の専任を要しない期間の明確化

労働者を遠隔地から調達する場 合の追加コストの支払い

①補正予算の執行を迅速に進めるため、急激な需要増により工事箇所近隣だけでは労働者を確  保できず、遠隔地からの労働者で対応せざるを得ない場合には、追加で必要となる赴任旅費や  宿泊費等の間接費について、標準的な積算基準を上回って必要になる部分を、設計変更で対  応

②特記仕様書等に明示して契約条件とすることによって、入札不調や不落を抑制

‐2

‐1 0 1

2 生コンクリート

被災3 全国平均

緩和逼迫

‐2

‐1 0 1

2 骨材(砂)

被災3県 全国平均

緩和逼迫

(3) 資材不足への対応策

図表1-2-29は、国土交通省が実施している「主要建設資材需給・価格動向調査」におけ

る主要建設資材の需給動向(全国)を示したものである。2012年以降は全ての資材で「均 衡」状況にあり、需給環境は落ち着いた動きとなっている。足元の状況を見てみると2013 年4-6月以降上昇傾向を示してはいるものの、依然「均衡」状態にある。

このように全国では資材の逼迫感はみられないが、被災3県では特に生コンクリートと 骨材(砂)の逼迫が顕著であると言われている。

図表1-2-29 主要建設資材の需給動向(全国)

(出典)国土交通省「主要建設資材需給・価格動向調査結果」を基に当研究所で作成

( 注 )3カ月毎の平均値に加工

そこで、生コンクリート及び骨材(砂)の需給動向を全国平均と被災3県で比較してみ

た(図表1-2-30)。全国平均は一貫して均衡状態で推移しているが、被災3県においては、

2013年前半から改善傾向にあるものの、逼迫状況は継続している。

図表1-2-30 生コンクリート・骨材(砂)需給動向

(出典)国土交通省「主要建設資材需給・価格動向調査結果」

2.0 2.5 3.0 3.5 4.0

セ メント ( バ ラ物 ) 生 コンクリ ート 骨 材 ( 平 均 ) ア ス ファル ト合 材 ( 平 均 )

鋼 材 ( 平 均 ) 木 材 ( 平 均) 石 油( 軽油 : 1、2号 )

やや逼迫

均衡

やや緩和

生コンクリートは、工場で作ってから 90 分以内に現場に運ばないといけないため、遠 くまで運んだり、造り置きしたりすることができない。また、長年の公共工事の削減で地 域の工場が減っているうえ、砂や砕石などの材料も不足し、供給が追い付かない状況に至 っている。

こういった背景を踏まえ被災地では、資材不足への対応策が実施されている(図表 1-2-31)。生コンクリ―ト不足への対応としては、民間の生コンクリートプラントの増設や 大量に生コンクリートを使用する港湾・漁港工事においては「ミキサー船」の導入等が実 施されている。

他にも「建設資材対策東北地方連絡会」(構成:公共工事発注機関、建設業団体、資材業 者団体等)を継続的に開催するなど、建設資材の需給見通しについて情報を共有し、建設 資材の安定確保を図る取り組みも実施されている。

今後復興事業は山場を迎えることから、建設資材の需給動向については、引き続き注視 が必要である。

図表1-2-31 資材不足への対応策

(出典)国土交通省提供資料を基に当研究所で作成

対応項目 対応策

建設資材の遠隔地からの調達変 更に伴う変更手続きについて

①工事現場が所在する地区において建設資材の需給逼迫等が生じ、他地域からの調達に変更   せざるを得ない場合には、工事の設計変更で対応。

資材不足等による工期延長への 対応

①適切な工期延長対応(H23年6月~)

・建設資材や建設機械等の調達・納入の遅延や施工体制の確保によって工程に影響が生じる場 合には、工事の一時中止や工期延長についての協議に応じることを現場説明事項書等に条件 明示。

・建設資材の調達遅延を含め、受注者の責によらない事由で、工事の一時中止をかけた場合は  積算基準に基づき契約額の変更を行うことが可能。

②余裕期間の設定(H25年1月~)

・受注者の円滑な工事施工体制の確保を図るため、被災3県においては、事前に建設資材、労働  者確保等の準備を行うための余裕期間を設定。

・余裕期間は、実工事期間の30%を超えず、かつ3ヶ月を超えない範囲で設定。

・余裕期間内に受注者の準備が整った場合は、監督職員と協議の上、工事に着手できる。

建設資材の需給安定に向けた 取り組み

①建設資材連絡会において、建設資材の需給の見通しを、公共工事発注機関、資材団体、建設 業団体等で情報共有するとともに、必要に応じ、資材別・地区別での情報連絡会を開催し、建設 資材の安定確保を図る。

※資材連絡会を受けて講じている主な取り組み

【需要の抑制  】・コンクリート二次製品への転換

【供給力の向上】・新たな民間プラントの設置

       ・発注者による公共工事専用プラントの設置(予定)

       ・港湾工事等におけるミキサー船等の導入        ・生コン原材料等の地域外からの調達等

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