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九州・沖縄ブロックにおける建設投資の将来展望

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1.5 地域別の社会資本整備動向~九州・沖縄ブロック~

1.5.3 九州・沖縄ブロックにおける建設投資の将来展望

我が国の建設投資は、1992年度の約84.0兆円をピークに、長らく減少傾向が続き、2011 年度には約41.9兆円まで減少した。しかし、東日本大震災の復旧および復興需要が本格化し た 2012 年度以降は増加に転じている。今後も、復興需要などがある程度建設投資を下支え する見込みである。また、2013年度は国土強靱化の推進などのため、2012年度補正予算お よび 2013 年度の当初予算で多額の公共事業関係費が計上されるなど、積極的な財政出動が なされている。また、民間投資においても、日銀短観などのデータから見られるように景気 は回復局面に向かっていることから、増加が期待される。

以下、九州・沖縄ブロックにおける建設投資について、分野別に現状および今後の展望に ついて述べる。

(1) 建設投資全体の動向

図表1-5-25は、九州・沖縄ブロックにおける名目建設投資額の推移を示したものである。

長期的な動向を捉えると全国の動向と同様に減少傾向にあるものの、全国が 1992 年度以降 ほぼ一貫して減少しているのに対し、九州・沖縄ブロックでは1994年度まで増加している。

これは、九州・沖縄ブロックにおける政府建設投資の割合が高いことが要因の一つと考えら れる。図表1-5-26は全国と九州・沖縄ブロックにおける名目建設投資に占める種類別割合を 示したものであるが、政府建設投資の全国平均は約4割であるのに対し、九州・沖縄ブロッ クでは約 5 割となっている。1990 年初頭のバブル経済崩壊により景気対策のため積極的な 公共投資が行われた影響で、政府建設投資の割合が比較的高い九州・沖縄ブロックでは、全 国における政府建設投資のピークである 1995 年度頃までは増加傾向で推移している。その 後は公共事業削減の動きに合わせ大幅な減少傾向で推移し、九州・沖縄ブロックの建設投資 は、2010年度には約4.7兆円となり、ピーク時である1994年度の8.4兆円から4割強の減 少となっている。

図表1-5-25 九州・沖縄ブロックにおける名目建設投資の推移

(出典)国土交通省「平成25年度 建設投資見通し」

図表1-5-26 全国および九州・沖縄ブロックにおける名目建設投資に占める種類別比較

(出典)国土交通省「平成25年度 建設投資見通し」

(2) 政府建設投資

図表1-5-27は、九州・沖縄ブロックにおける政府建設投資の推移を示したものである。1998

年度をピークに、公共工事の削減とともに長期にわたる減少傾向が続いた九州・沖縄ブロッ クの政府建設投資は、2007年度にはピーク時の5割強の2.4兆円となった。

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10  11  12 

90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10

名目政府土木投資 名目政府建築投資 名目民間土木投資

名目民間建築投資 九州(1990年度=100) 全国(1990年度=100)

(兆円)

(年度)

政府土木 43%

政府建築 7%

民間土木 8%

民間建築 42%

九州ブロック

政府土木 35%

政府建築 6%

民間 土木 10%

民間建築 49%

全国

図表1-5-27 政府建設投資の推移

(出典)国土交通省「平成25年度 建設投資見通し」

図表1-5-28は、九州・沖縄ブロックにおける普通建設事業費の推移を示したものである。

歳出全体に占める普通建設事業費の割合は、2002年度には28.8%だったものが2011年度に

は18.1%と大幅に落ち込んでいる。

今後の展望としては、アジアからの国際旅客数の増加やLCCによる新たな航空需要増大等に 応える福岡空港や那覇空港の滑走路増設事業、物流に加えクルーズ需要等の人流面においても活 況を呈している港湾の整備、空港や港湾で受け入れた人、物を域内に運ぶ新幹線西九州ルートや 循環型高速道路等の高速交通網の整備等が進められている。また、国土強靭化などの主要政策と して防災・減災対策や社会資本の老朽化対策が進められることになっている。九州・沖縄ブロッ クは、我が国でも有数の台風常襲地帯であるとともに、2012 年に発生した九州北部豪雨のよう に梅雨期には集中豪雨が多発し、洪水・土砂災害等による被害が頻発している。国および各地方 公共団体の財政状況は厳しい状況であるが、防災・減災対策および社会資本老朽化対策は必要不 可欠である。九州・沖縄ブロックにおいてもこうした対策が講じられるものであると考えられる ため、今後も一定の投資は見込まれるものと考えられる。

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90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10

名目政府土木投資 名目政府建築投資 九州(1990年度=100) 全国(1990年度=100)

(兆円)

(年度)

図表1-5-28 普通建設事業費の推移

(出典)総務省「地方財政統計年報」

)全国とは47都道府県の合計

(3) 民間住宅建設投資

図表1-5-29は九州・沖縄ブロックにおける住宅着工戸数の推移を示したものであるが、全

国とほぼ同様の動きで推移している。2007年の建築基準法改正、2008年のリーマンショッ クの影響により大きく落ち込んだ九州・沖縄ブロックの住宅着工戸数は 2009 年度に底を打 ち、回復傾向にある。今後の見通しとしては、人口減少傾向が続く中で長期的に見ると民間 住宅建設投資は減少するものと考えられる。しかし、今後整備が進められる高速道路等のイ ンフラの整備によって企業立地等が進んだ地域においては、これに牽引される形での住宅投 資の増加は十分に期待できる。

図表1-5-29 住宅着工戸数の推移

(出典)国土交通省「建築着工統計調査報告」

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25.0%

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0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000

02 03 04 05 06 07 08 09 10 11

福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県

大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県

歳出に占める割合(九州) 歳出に占める割合(全国)

(年度)

(億円)

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0 5 10 15 20 25

90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12

福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県

大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県

九州(1990年度=100) 全国(1990年度=100)

(年度)

(万戸)

図表1-5-30 住宅着工戸数の利用形態別内訳

(出典)国土交通省「建築着工統計調査報告」2006~2012年度の実績にて算出

図表1-5-31 住宅着工に係る参考指標

(出典)総務省「平成20年住宅・土地統計調査」「平成20年国勢調査」「家計調査(2011年)

(4) 民間非住宅建設投資

図表1-5-32は、九州・沖縄ブロックにおける民間非住宅建設投資の推移を示したものであ

るが、全国とほぼ同様の推移となっている。1991年の約2.6兆円をピークに減少傾向が続き、

2010年度にはピーク時(1991年度)の約4割程度の9,576億円と1兆円を割り込む水準ま で落ち込んでいる。

年間の日照時間が長い九州では、再生可能エネルギー特別措置法の施行を受け、メガソー ラーの立地が相次いでおり、新たな市場として期待されている。また、循環型高速道路網の 実現に向けた東九州自動車道の整備も進められている。供用を開始した地域では、観光客の 増加や供用区間の延伸とともに周辺インターチェンジへの企業立地数が増加する等の動きが 見られる。2014年に予定されている北九州―宮崎間の開通によって、企業による活発な設備 投資が行われることが期待される。さらに、九州新幹線西九州ルートの開通に向けた駅周辺 の開発事業等も見込まれるため、民間非住宅建設投資は緩やかに増加することは十分に期待 できる。

マンション 戸 建

全 国 32.8% 39.3% 1.0% 26.9% 14.7% 12.2%

九 州 32.8% 50.5% 0.9% 15.8% 10.9% 4.9%

持 家 貸 家 給 与 分 譲

※( )は全国における順位

福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県 全国

53.6% 69.3% 65.7% 64.3% 62.6% 66.0% 65.8% 50.2%

(44) (20) (30) (35) (37) (28) (29) (46)

2.35人 2.80人 2.47人 2.57人 2.41人 2.40人 2.27人 2.63人

(40) (3) (32) (24) (35) (36) (45) (17)

41.6% 51.1% 45.0% 48.0% 44.5% 48.3% 45.7% 41.8%

(40) (9) (29) (17) (32) (16) (26) (39)

508千円 517千円 408千円 418千円 559千円 457千円 561千円 378千円

(24) (23) (44) (43) (11) (39) (9) (46)

世帯所得

(月額実収入) 521千円

持ち家住宅率 61.1%

1世帯当たりの

人員 2.42人

共働き率 43.5%

図表1-5-32 民間非住宅建設投資の推移

(出典)国土交通省「平成25年度 建設投資見通し」

図表1-5-33 非住宅建築着工床面積の推移

(出典)国土交通省「建築着工統計調査報告」

)非住宅着工面積は公共・民間の合計

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90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10

名目民間土木投資 名目民間非住宅投資 九州(1990年度=100) 全国(1990年度=100)

(兆円)

(年度)

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1,000

06 07 08 09 10 11 12

事務所 店舗 工場・作業場 倉庫

学校の校舎 病院・診療所 その他

(万㎡)

(年度)

図表1-5-34 非住宅建築着工床面積の使途別内訳

(出典)国土交通省「建築着工統計調査報告」

)2006~2012年度の非住宅建築着工床面積(公共・民間計)にて算出

図表1-5-35 九州・沖縄ブロックにおける工場立地件数

(出典)経済産業省「工場立地動向調査」

事務所 店舗 工場・

作業場 倉庫 学校の

校舎

病院・

診療所 その他

全 国 12.7% 15.0% 18.1% 12.2% 7.6% 5.7% 28.7%

九 州 9.2% 14.4% 15.6% 10.1% 8.2% 8.1% 34.4%

※( )内は全国における順位

年 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11

全国 1,123 844 1,052 1,302 1,544 1,782 1,791 1,630 867 786 869

福岡県 55 52 58 52 58 67 71 65 30 27 33 52 (7)

佐賀県 7 11 10 10 14 19 19 15 3 0 9 12 (36)

長崎県 10 10 6 12 30 15 24 21 13 7 10 15 (31)

熊本県 35 10 14 23 26 39 37 27 7 10 10 24 (18)

大分県 19 12 13 20 13 20 28 17 8 9 8 12 (36)

宮崎県 10 11 8 20 24 15 13 15 13 19 10 19 (24)

鹿児島県 14 12 23 24 29 21 21 8 14 13 11 33 (13)

沖縄県 5 3 6 10 9 1 16 6 1 4 1 1 (46)

12 1,227

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