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九州・沖縄ブロックの現状および課題

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1.5 地域別の社会資本整備動向~九州・沖縄ブロック~

1.5.1 九州・沖縄ブロックの現状および課題

(1) 統計指標から見たブロックの現状

九州・沖縄ブロックは、日本列島の南西部に位置し、九州島と周辺の島々および琉球諸島 からなり、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄の8県で構成される。世界 最大級のカルデラを有する阿蘇山や世界自然遺産に登録された屋久島、亜熱帯の珊瑚礁が広 がる沖縄や奄美など、豊かで変化に富んだ美しい自然環境に恵まれている。地理的には、我 が国の中でアジアに最も近い地域に位置することから、歴史的・地理的にアジアとの交流・

交易に重量な役割を担っている。

九州・沖縄ブロックは、100万人規模の人口を有する福岡市と北九州市のほか、熊本市(73 万人)、鹿児島市(61万人)、大分市(48万人)、長崎市(44万人)、宮崎市(40万人)、那 覇市(32万人)など、人口30万人から100万人規模の高次都市機能の集積を可能とする県 庁所在都市が東西南北に適度な間隔で位置し、その周辺には自然豊かな地域が広がっている。

一方、離島や半島・山間地域等の地理的制約の厳しい地域も多く、こうした地域では人口減 少や高齢化が進行しており、雇用の創出や交通手段の確保など過疎問題に直面している。

図表1-5-1の通り、九州・沖縄ブロックの全国シェアは、人口で11.4%、面積で11.8%、

事業所数で11.7%、県内総生産で9.6%となっている。電力消費量や地方自治体財政規模など の主要経済指標も全国の10%前後であることから、九州・沖縄ブロックの経済規模は「1割 経済」とも言われている。

県内総生産の産業別構成比をみると、1次産業が2.0%、2次産業が21.2%、3次産業が76.2%

となっており、1次産業、3次産業の構成比が全国(1次産業1.1%、2次産業23.4%、3次

産業75.1%)と比較して高くなっている。

1 次産業では、鹿児島県、宮崎県が畜産の一大産地となっており、リアス式海岸が発達し 離島が多い長崎県は我が国を代表する水産県である。九州・沖縄ブロックの農業算出額は全 国の約2割、漁業生産額は全国の約3割となっており、我が国の食料供給を支える地域とし て重要な地位を占めている。また1次産品を利用した食品産業が各地で発達しており、福岡 県の辛子明太子や鹿児島県、宮崎県、大分県の焼酎などが代表的な特産品として挙げられる。

製造業については、北九州市、大分市の鉄鋼や化学、長崎市、佐世保市などの造船に加え、

九州各地で半導体、自動車関連産業の集積が進んでいることから、「シリコンアイランド」「カ ーアイランド」と呼ばれることも多い。

また、観光産業も盛んで特に沖縄県では観光が最大の産業として位置付けられている。我 が国の源泉数の約4割を占める豊富な温泉など、豊かな自然やテーマパークが各地に点在し、

毎年、内外から多くの観光客が訪れている。

図表1-5-1 九州・沖縄ブロックの各種指標

(出典)総務省「国勢調査(2010年)、「経済センサス(2012 年)」、国土地理院「全国都道府県地区町村 別面積調(2010年)、内閣府「県民経済計算(2010年)」、経済産業省「工業統計調査(2011年) 農林水産省「生産農業所得統計(2012年)「漁業生産額(2012年)」

)全国シェア欄の産業別構成比については、全国の構成比を表している。

(2) 九州・沖縄ブロックの抱える課題

国土交通省の九州圏広域地方計画や各自治体の長期総合計画によると、九州・沖縄ブロッ クの抱える課題として、アジア地域の経済発展への対応、人口減少・少子高齢化の進行、自 然災害に対する防災・減災対策などが挙げられている。

①アジア地域の経済発展への対応

九州・沖縄ブロックは地理的な近接性もあり、アジアとの経済的な繋がりが強い地域であ る。距離が近く経済発展が著しいアジアの成長を取り込み、地域経済の活性化に繋げる取り 組みが盛んになっている。

図表1-5-2は九州・沖縄ブロックの輸出額に占めるアジア比率である。2003年に52.0%で

あったアジア比率は上下を繰り返しながらも全体としては上昇傾向が続き、2012年には 57.0%となり、全国平均を上回る水準で推移している。海上コンテナ航路や航空路線などの 輸出手段がアジアとのネットワークを重視したものになっていることから、国内企業がアジ ア向けの輸出を行う加工組立工場の集積を進めるといった動きが相次いでいる。

福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県 九州合計 全国シェア

5,072 850 1,427 1,817 1,197 1,135 1,706 1,393 14,597 11.4%

4,977 2,440 4,105 7,405 6,340 7,736 9,189 2,276 44,468 11.8%

212 38 63 76 54 53 77 63 637 11.7%

9.4% 9.9% 9.3% 10.3% 9.8% 10.6% 9.3% 6.8% 9.4%

2,175 350 552 702 485 450 674 515 5,903 10.6%

7.2% 8.0% 7.8% 7.6% 8.7% 8.1% 8.0% 7.7% 7.7%

180,419 28,676 43,770 55,598 42,935 34,967 54,461 37,256 478,082 9.6%

1次産業 0.8% 2.6% 2.5% 2.9% 2.1% 4.3% 3.3% 2.0% 2.0% 18.7%

2次産業 21.1% 28.0% 19.9% 21.5% 28.5% 20.2% 19.2% 12.4% 21.2% 8.7%

(うち建設業) 4.7% 6.2% 4.9% 5.3% 5.2% 7.0% 5.2% 8.3% 5.4% 4.9%

3次産業 77.5% 68.8% 76.9% 75.1% 67.7% 74.9% 77.0% 85.5% 76.2% 9.8%

81,258 15,155 16,540 25,587 41,994 13,420 18,263 6,047 218,264 7.7%

2,265 1,267 1,422 3,245 1,312 3,036 4,054 877 17,478 20.3%

312 291 900 355 372 311 749 163 3,453 26.0%

建設業割合 県内総生産額(億円)

製造品出荷額(億円)

農業算出額(億円)

漁業生産額(億円)

従業員数(千人)

人口(千人)

面積(km2 事業所数(千箇所)

建設業割合

中華人民共 和国 35.8%

大韓民国 22.4%

台湾 9.2%

シンガポール 8.2%

タイ 5.7%

香港 5.4%

マレーシア 2.9%

ベトナム 2.9%

インドネシア 2.5%

インド 2.3% フィリピン

2.0%

その他 0.7%

アジア 56.1%

北米 17.5%

西欧 7.5%

中南米 7.4%

中東 3.6%

中東欧・

ロシア等 2.9%

アフリカ 2.7%

大洋州 2.5%

輸 出

アジア 38.9%

中東 25.1%

大洋州 12.3%

中南東 6.6%

北米 6.1%

アフリカ 4.8%

中東欧・

ロシア等 3.5%

西欧 2.8%

輸 入

中華人民共 和国 34.1%

インドネシア 16.1%

大韓民国 15.1%

ベトナム 8.0%

台湾 7.6%

タイ 7.1%

マレーシア 4.2%

フィリピン 2.6%

インド 2.2%

シンガポール

1.5% 香港

0.5%

その他 1.0%

図表1-5-2 輸出額に占めるアジア比率

(出典)財務省「貿易統計」、門司税関「九州経済圏の貿易」

)九州には山口県が含まれている。

図表1-5-3は2012年の九州・沖縄ブロックの貿易額に占めるアジア比率である。輸出先

ではアジアが56.1%を占め、北米(17.5%)や西欧(7.5%)などの他地域を大きく引き離し ている。輸入先についてもアジアが38.9%を占め、原油等の輸入が多い中東(25.1%)を大 きく上回っている。アジアの中では中国と韓国が輸出入ともに上位を占め、東アジア諸国へ の貿易依存度が高くなっていることがわかる。

図表1-5-3 九州・沖縄ブロックの貿易額に占める地域別構成比(2012年)

(出典)門司税関「九州経済圏の貿易」

46.4%

54.7%

52.0%

57.0%

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

全国 九州

(年)

九州・沖縄ブロックへの外国人入国者数は、図表1-5-4の通りリーマンショックと東日本 大震災の影響を受けた2009年と2011年に一時的に減少したが、全体として増加傾向にある。

2007年には100万人を突破し2012年には過去最高を記録した。このうちアジアからの入国 者は9割以上を占め、九州・沖縄ブロックは我が国とアジアの重要な交流拠点になっている。

今後も外国人入国者数は増加傾向が続くと見られ、外国人入国者を受け入れる環境整備が求 められている。

図表1-5-4 九州・沖縄ブロックへの外国人入国者数とアジア比率の推移

(出典)法務省「出入国管理統計年報」

②人口減少社会と少子高齢化への対応

九州・沖縄ブロックの総人口は、2010年には1,459.7万人となり、ピークであった2000

年の1,476.4万人から16.7万人減少している。2010年がピークであった全国に先んじて人

口減少社会に突入し、今後も減少傾向が続く見通しである。また、2010年で23.7%となって いる九州・沖縄ブロックの高齢者層(65歳以上)の割合は、2020年には30%を越えその後 も上昇を続ける見通しである。

図表1-5-5 人口と高齢者割合の推移

(出典)総務省「国勢調査(2010年)、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別 将来推計人口(20133月)

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800

2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

アジア アジア以外 全国(アジア比率) 九州(アジア比率)

(千人)

(年)

100.0%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

120%

1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040

65歳以上の割合(九州) 65歳以上の割合(全国)

人口推移(九州)1975年=100 人口推移(全国)1975年=100

(年)

九州 全国

③自然災害への対応強化

九州・沖縄ブロックは、地形が急峻で活火山が多く、九州南部に広がるシラス台地に代表 される特殊土壌地帯が広く分布するといった地理的特徴を有していることに加え、台風常襲 地帯であることから、河川の氾濫・高潮被害・土砂災害等自然災害の発生が非常に多い。

図表1-5-6は九州・沖縄ブロックの直近10年の公共土木施設被害額である。東日本大震災

が発生した2011年を除くと全国に占める被害額割合の平均は約2割となっている。福岡県 西方沖地震や台風14号・梅雨前線による集中豪雨が発生した2005年や、「平成24年7月 九州北部豪雨」が発生した2012年は、被害額が突出して多く、全国に占める被害額割合も 約5割となっている。甚大な河川災害・土砂災害をもたらし、物的・経済的損失に加え人的 被害を多数出すことになった「平成24年7月九州北部豪雨」は、激甚災害に指定され、復 旧・復興に向けた取り組みが各地で進められている。

図表1-5-6 九州・沖縄ブロックの公共土木施設被害額

(出典)国土交通省「公共土木施設被害額」

図表1-5-7 平成24年7月九州北部豪雨の被害状況

(出典)消防庁ウェブサイトより作成

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

被害額 対全国比

(億円)

(年)

死者 半壊

行方不明者 一部損壊

箇所

福岡県 4 12 119 199 1,513 4,597 727

佐賀県 0 0 0 4 28 76 0

長崎県 0 0 0 1 0 1 3

大分県 3 3 34 318 990 1,377 47

熊本県 25 11 209 1,277 523 1,579 15

32 26 362 1,799 3,054 7,630 792

負傷者 全壊

人的被害 住家被害

床上浸水 床下浸水 土砂災害

ドキュメント内 Microsoft Word - ②62号はじめに.docx (ページ 104-109)