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の建設的な協力・参加を誘うこと、 「より多く持つ」というより は、 「より存在する」という意味において彼らを成長させること なのである。創造性育成のためには、ローガーが主張するするよ うに、子どもの内部に創造性が可能となるような諸条件、つまり 望ましい環境や適切な教育的態度や措置などを学校全体が持つこ

とが不可欠なのである。

 次に、旧西ドイツの教育全体の方向性を示した『教育制度に関する構 造計画』の「学習目標段階と学習目標領域」より、

 低次から高次にいたるいずれの学習目標段階において、本質的 原理の把握、自主的な構成力、転用や転移の能力、問題解決的思 考や発見的態度など、自主性や創造性に関わる諸能力の育成・発 達が強調されているのである。

 以上の例からもわかるように、創造性を育成することは、人間性の全 面的発達につながるキーポイントであり、そのためには、あらゆる局面 から創造的活動へのアプローチが可能となるような教育実践の場を構築 しなければならない。

 では、実際にわが国の学校教育ではどのようにして創造性の開発・育 成が行なわれているか。学校教育の現場では、想像力や拡散的思考の開 発に力を入れているところが多く(33》、一般に連想→想像力→創造的思 考のプロセスで、まず連想の練習をし、次に想像力の訓練をして、創造 的思考の育成を図っている。

 しかし、創造性を養う場合に念頭に置いておかなければならないこと は、創造性は知識などのように、一定の内容のものを習得させる形では、

養われないことである。このことに関して、スミス(James A.Smith)は、

「創造性そのものは教えられない。それは歴史を学習させたり、野球を 実際にやってみせたり、するようなわけにはいかない。それは、愛のよ うに、生れつき持っており、発展するところの資質であって、発展させ られうるだけである」といっている。教育学の用語を使えば、実質陶冶 ではなく、形式陶冶だといってもよいであろう。ある内容を考えさせる のではなく、考え方を養うことである。つまり、学力増進と同じような 考え方で創造性にアプローチすることは適当でないということである。

ここに創造性教育の難しさがあるわけだが、そうなると、創造性という ものは、さまざまな学習場面や生活場面で養われなければならないこと になる。言い換えれば、創造性を養うには、さまざまな側面からアプロ ーチしなければならないのであるが、それらのアプローチの基本になる 条件や原理としては、どんなことがいえるであろうか。

 ロジャースは、この条件を二つに大別している。(34》一つは心理的安 定で、もう一つは心理的自由である。

 前者の心理的安定に関して、彼は、さらに三つの条件を考えている。

その三つとは、

 ①ひとりひとりの子どもが無限の価値をもつものと認めること。

②外部から評価をしないこと。

 ③感情移入的に子どもを理解すること。

である。

 後者の心理的自由とは、子どもは、自分の内心を自由に表現する機会 を持たなければ、創造性は育たないという意味である。

一35 一一

 以上ロジャースが述べている内容は、心理療法の立場に基づいた、基 本的なことがらであるが、学習場面を考慮した提案が、トーランスやス

ミスによってなされている。トーランスは、創造性を育成するために広 く認められている原理として、次の五つをあげている。(35》

①子どもが出す普通でない質問を尊重する。

②想像的な普通でないアイデアを尊重する。

③子どもたちのアイデアが価値をもっということを、彼らに示す。

④評価なしにやる機会を与える。

⑤評価を原因・結果と結びつける。

 さらに、スミスは、創造性を養う条件を、知的条件、物質的条件(施 設・設備など)、社会的・情操的条件、心理的条件、教育的条件に分け て、詳細な検討を行なっている(36}が、その中で学習に最も関係のある 知的条件としては、次の6つをあげている。

 ①拡散的思考を通して学習される大量の知識と多くの技能のための、

  機会と資源を与える。

 拡散的思考過程は、創造性を発展させるけれども、その拡散的思考に 適用するために、まず最初に人は多くの知識や事実や、思考の技能を持 たなければならない、とスミスはいう。この言葉は多少奇妙に聞こえる 点もある。まず、豊富な知識・技能をもって、しかる後それを拡散的思 考に応用するように、とも解されるからである。しかしスミスのいおう とすることは、拡散的思考は、唯一の答えを出すものではないから、多 様なアイデアを出すためには、それのもとになる多様な知識・技能が必

要だと言う意味であろう。

 ②学習したことや技能が拡散的思考に適用されるとき、たくさんの例   を用意する。

 この例というのは、過去の経験のことであって、これを利用できるよ うな問題解決場面を用意するということである。

 ③多くの解決が自由に許される、開かれた学習場面を用意する。

 開かれた学習場面は、言い換えれば拡散的思考場面であろう。

 ④すべての子どもがいつも考えているやり方で、授業状況や、質問や  討議を計画する。

 ⑤子どもの創造性を発展させるための教授内容や教授場面を用意すべ   く、カリキュラムのあらゆる分野を利用する。

 ⑥創造過程に必要な、特別な知的技能を発達させるように指導する。

 この特別な知的技能とは、演繹的に考える能力、関連を知る能力、連 想を展開する能力、判断を延期する能力、拡大したり縮小したりする能 力、配列しなおす能力、分類する能力、対照する能力などである。

 以上スミスがあげている能力の中には、必ずしも創造性でなくとも、

一般的な思考に必要な能力が多分に含まれている。このことは、創造的 思考が、それだけ切り離して独走的に養えるものではないことを示して いると言えよう。つまり、一般的な思考能力を養いながら、その一一つの 局面として創造的な思考能力を養わなければならない、ということであ

ろう。

 以上、創造性教育の一般原理について、幾人かの所説を私の見解を加 えながら述べた。これらの中には、学校・学級経営に関する問題や、教

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