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ハイイロ

ンゴロウ

ガムシ

フタバ ゲ ウ

ケイソウ プランクトン

図17 プールの食物連鎖

     (六山,1964より改変〉

  ×は、該当生物の不在を意味する。

 プールの生物調査は、水温が低く、まだ活発な生命活動が始まっていない 時点での結果である(表6−1,2)。この時点では、高砂小学校のアカネ類の 数量は、ギンヤンマよりも多かった。シオカラトンボもかなり残っていた。

それが羽化までに完全に食い尽くされたのである。

 プールの生物種は、成虫が飛来して産卵し、繁殖したものがほとんどであ ろう。ミジンコ類などは、卵の形で鳥や昆虫、風などによって運ばれてきた

と思われる。

 数量的に最も多く確認できた種は、アカムシとボウフラである。ギンヤン マの若齢や小型のヤゴは、主に動きの小さいこの2種を餌としていると考え る。ヤゴのフン分析では、ユスリカやフタバカゲロウの残骸が確認されてい る(大音・野村,1994)。カゲロウ類も数多く生息し、シャーレで飼育し た場合は好餌となっていた。しかし実際の広い水中での観察によると、警戒 心が強く逃げ足もヤゴよりはるかに早いため、餌食になる確率は案外低いよ

うに思われる。ミズムシも狭い空間では良く捕食されたが、プールでは、底 面で生活する多種とは異なり、水中で立体的に生活しているため、被捕食率

はさらに低くなる。

 高砂小学校と曽根小学校の生物相を比べると、総体的に前者の方が、生息 密度が高い。その理由は、以下の2点ではないかと考えている。

 1点目は、食物連鎖の進行の差である。ヤゴなどの生息数は、共食いや他 種問での食い合いにより、漸次減少してくる。曽根小学校は、方針により、

他校より1カ月早くプールを閉鎖した。これが、ギンヤンマやアカネ類の齢 期の高い理由である。その1カ月の差が生息密度の差につながっているので

はないだろうか。

 2点目は、落ち全等の堆積物の差である。重量を比べると、約10倍もの 差がある。落ち葉は、暖かくなるにつれて微生物によって分解され、食物連

完全に分解されていた。高砂小学校の水は緑色に澱み、水底が見通せなかっ た。曽根小学校の方は緑色に澱んではいたが、底は見えていた。一見して生 物相の密度差が感じられた。また、水底の堆積物は、ヤゴにとっての餌場で

あると同時に、身を隠し身を守るための隠れ家にもなっている。バットで障 害物なしに同種を高密度で飼育すると、十分な餌を与えていても、共食いが おこった。齢期の差があると、なおさらであった。

 プールの周囲に木立が1本もなく、プール掃除が簡単に終わるという米田 西小学校のヤゴ生息数が、市内1少なかったことも、落ち葉の重要性を示す 事実ではないだろうか。

 教育センターでのヤゴの生息分布調査からは、同等の勢力を持つヤゴが、

場所的な住み分けをしていることがうかがえる(図16)。いずれも水底に潜 って身を隠すタイプであるため、食い合いが予想された。しかし、シオカラ

トンボは北西と南東の隅、コノシメ,ショウジョウトンボは南西の隅中心に 分布していた。

 生息場所は、風の影響で堆積物のi集まりやすい4隅および壁際が主である と考えていた。しかし、プール中央部でも、堆積物の中からヤゴが見つかっ たので、ヤゴにとって必要なのは、身を寄せる壁ではなく、身を隠す堆積物 であるとみなしてよいだろう。4隅および壁際には堆積物が多いため、ヤゴ に、生息場所として多く選択されたと考えられる。