・〆 w 1v
/〆 pm,.」U口.Ptwpt
1・・一:、 pt V
,〆♂
1995199619971998199920002001200220032004200520062007200820092010
出所:前掲書
2001年に東京都が策定した「東京都観光産業振興プラン」によると,(1)東京の魅力を 世界に発信,(2)観光資源の開発,(3)受け入れ体制の整備,に向けた戦略的な取り組みを 示している,言い換えれば,外国人観光に負の影響を与えてきた都市の内的要因として,
(1)海外宣伝の不足,(2)観光資源の不足,(3)言語や制度の不備,などの項目を認識して いると捉えることができる。
本研究では,上記の要因に加えて,1990年代後半から2000年代前半にかけて都市の規 模に比べて相対的に少なかった東京の外国人訪問者数には,東京オリンピックに向けた 都市改造期から,バブル経済の再開発期に形成された特徴的な都市構造による影響性が 一因としてあったと提起するものである、
結語
本研究は,都市間競争の時代において,都市観光に層注目が高まっている状況の下,
新たな観光魅力を形成する要因を求めるため,都市の規模を示す都市力と,観光的魅力 を示す観光力に加えて,都rl∫の構造的要素の指標化及び計測を行い,これらの統計分析 を通じた評価や考察を通じて,都市構造が与えている影響性について明らかにしてきた」
第:章では,現代の大都市における表層や構造的な側面において,均質性や標準性が進 行している状況について述べたが,このような現象と,都市の観光魅力を形成する歴史 性,中心性,親水性といった事象とは,次のように関連付けて説明することができる,
現代の大都市は、均質性や標準性が高まっているからこそ,外部からの訪問者は都市 に固有性を求めるようになる,それでは,都市がいかに固有性を発揮できるかと言うと,
地形や気候などの自然を活かす方法もあるが,新しい計画都市54yでない限り,各都市は 固有に発展してきた歴史を背負っているものである」一方,近年の建造物はグローバリ ズムの影響i f)tiから設計デザインが近似し,ファストフードに代表されるフランチャイズ システムは世界中の都市を席巻している。それゆえ,固有性を発揮するために,各都市が 歴史性ないし連続性を追求するとともに,これを磨いていく方向に収敏されることは,
魅力を高めるための正攻法かつ必然的な流れであると考えられるのである。
中心性については,時間と知識に限界がある訪問者にとって,都市機能は集積してい る方が利便性とともに,活気や賑わい感を享受することができるsまた都心地域とは,
都市の「顔」であるが,一.般にある都市への初めての観光客は,多くが一度は都心地域を 訪れる551,また都市の均質性や標準性が高まっているからこそ,都市の「顔」は,訪問者 に対して深く印象付ける重要な役割を果たすようになる,
歴史性や中心性が都市の「固有性」を求めていくものとしたら、親水性とは,対称的に 都市における「普遍性」を現す事象と考えられる、都市とは「文明の結晶」であること から,必然的あるいは本質的に, hard(硬) かつ dry(乾) 的な方向に向かう性質を帯 びているが,反対に河川や港湾は, soft(軟) かつ wet(湿) 的な事物の象徴と捉える
f : J
s市計画に基づいて建設された都市
ぷ大都市における超高層ビルディングの設計は,国際コンベティションを通じて決定されることが多く,
結果とし(,有力か/)著名な設計会社に対する発注の集中に繋がりやすい、
f f ]
r注547参照
ことができる,親水的な要素は,人間に安心感や休息を与えてくれる存在でもあるが,
それゆえ,都市の住民や訪問者は,無意識的にも親水的な要素を欲するとも考えられる,
周知の通り,世界のほぼ全ての都市は,河川や港湾の周辺から発祥しているのである槻、
これまでの本研究を通じて分かった事実について,次の通り整理することができる、
(1)東京の1990年代後 Pから2000年代前判こかけた外国人訪問者数は,都市の規模と比 較して相対的に少なかった、この状況は周辺国家からの出国者数の増加率及び東京 の近隣都市間における外国人訪問者数の占有率の低下からも検証できる、
(2)t:記の理由としては,特に東アジアの都市において,−J般に認知されている地理的,
言語的、経済的以外の要因の存在が示唆された,
(3)訪H外国人に向けた大規模な調査によると,再訪日意向を約97%が示していた一方,
r期待はずれ」を感じた人が最も多かった都市は「東京」であった。
(4)外国人が事前に持/)ていたイメー一ジが訪日後,最も悪化した項目は,「都市の景観」
と「文化・歴史」であった。
(5)専門家による設問調査を通じた「魅力ある都市」の都市間の比較考察や,「撮影地 記録情報」の結果分析などを通じて,東京の特徴的な都市構造が明らかとなった、
(6)本研究による観光力の評価結果から,調査対象都市において,東京は「都市機能」と 「土地利用」に関する指標で最も劣位な数値を示していた。
(7)調査対象都市の外国人訪問者数と,都市力,観光力,都市構造指標との統計分析結果 を相対比較したところ,「都市構造指標」が最も高い相関性を示していた,
以上の内容を考察することにより,新たな知見として明らかになった事項は次の通り
である,
第一に,現代の東京は、他の大都市と比較して,都市機能の配置,人口分布,上地利用と いった側面で,特徴的な都市構造を有していることが分かったが,これは伝統的なもの でなく東京オリンピックに向けた都市改造期から,バブル経済の再開発期に形成された
構造である、,
第.二に、本研究による指標間の統計分析の相対比較のほか,既存の調査資料及び文献 の考察などを通じて,都市の規模と比較して少なかった東京の外国人訪問者数は、都市
[s: 闡繝Mリシャの哲学者タレスが語った,万物の根源は水であると言う言葉は示唆深い。
の構造的要素が 因として影響を与えていた状況が示唆された,
第.二に,外国人訪問数が多い(観光魅力ある)都市において,歴史性,中心性,親水性と 関連する要素が共通的に強くみられることから,都市における観光魅力と,上記の要素
との密接な関連性が明らかとなった。
兀来観光魅力の形成要因とは複雑的かつ複合的で,仁観性にも強く依存することから,
般に定量的な評価に馴染まない側面がある,
本研究では,都市の観光魅力を形成する要因に対して,都市力,観光力,都市構造指標 とする独自に設定した指標を用いた統計分析の比較考察に加え,既存の調査資料や文献 考察などを交えて,従来はみられなかった観光魅力の構成要素及び都市の構造的要素が 観光魅力に与えている影響性を明らかにしてきた,
本研究による成果を通じて,近年では世界,とりわけ東アジアの都市において,都市間 競争が層激しくなっている状況のF,外国人を中心とした都市観光の振興を企図する 都市や地域の施策に際し,観光魅力に影響を与える普遍的とも言える都市構造の存在を 提唱するとともに,都市観光の発展と地域振興の一一助となれば幸いである。
今後の研究課題としては,調査の対象都市及び時期を拡げた検証を通じて,精緻性の 向止を図るとともに,観光魅力の形成する要因の関係性の分析などを進めていきたい,
また,都市の魅力要因に関する考察を重ねて,都市観光並びに都市自体に対する理解を 深化させていきたいと考えている。
謝辞
本研究をまとめるに当たっては,直接的あるいは間接的に多くの方のご協力を頂いて いる,まずは指導教員を受け持って頂いた東洋大学大学院国際地域学研究科の荒巻俊也 教授,藤井敏信教授,太田勝敏教授,金子彰教授,高橋・男教授,中挟知延子教授の諸先生 からは,ご多忙の中,研究に対するご助言のみならず,社会人学生と言うこともあって,
時間的な制糸{Jのあった本研究に対して,多くのご配慮を賜!)たが,心より感謝の意を表 明したい特に藤井先生におかれては,研究の開始当初から最後まで,辛抱強くお付き合 いを頂き,また様々なテー・マに対する討論の時間まで頂いたが,これらは自身の財産に もなっており,改めてお礼を申し上げる、安相景教授からは,研究の初期段階で調査出張 にご同行され,研究に取り組む姿勢へのご教示を頂いたが,ここで感謝の意を申しEげ
たい、
また,同研究科国際観光学専攻の松園俊志教授を始めとする諸先生からも,様々な場 面を通じ多くのご助言や示唆を賜ったが、これらは本研究の大いなる参考となっている、
厚く感謝の意を表明したい,
日本国際観光学会は.研究者として未熟な私に多くの貴重な機会を提供して頂いたが,
これまで研究を続けて来られた大きな支えとなっている。またソウル特別市との業務を 通じた経験も,本研究を展開する上で参考となる部分があった。この場を借りてお礼を
申し1二げる,
東洋大学大学院の学生諸氏からは,研究の時間や集中力の捻出に苦慮したり,内容の 構成に悩んでいる時期に彼らとの交流を通じて,励みになったことも少なからずあった。
ここで感謝をしたい,
最後に,業務と併行しながら時間を割いて,研究を続けて来られたと言うことは,当然 ながら会社の理解とともに,かなりの部分において家族の犠牲の上に成り立っている。
ここで暖かく研究を見守り,様々な形で支援を賜り,時に助言まで頂いた家族に対して,
心よりお礼を申し1二げる次第である/コ