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ファイルビット比較命令 (FBC) および診断検出命令 (DDT)

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第 10 章

10.2 ファイルビット比較命令 (FBC) および診断検出命令 (DDT)

FBCおよびDDT診断命令は、機械またはプロセス処理をモニタして異常を 検出するために使用する出力命令です。

表10.B 使用可能な診断命令

説明:

FBC命令とDDT命令の両方は、リアルタイムの機械またはプロセスの値 (入力ファイル)のビットと、参照ファイルのビットとを比較し、その誤差 を検出して、一致しないビット数を記録します。これらの命令は、検出した 不一致の位置を記録し、この情報を結果ファイルに入れます。不一致を検出 しなかった場合は、完了ビット(.DN)はセットされますが、結果ファイルは 変更されません。

DDT命令とFBC命令は、DDT命令が不一致を検出するごとに、プロセッサ が、ソースビットと一致するように参照ビットを更新するという点が異なり ます。FBC命令は、参照ビットを更新しません。DDT命令を使用して、参 照ファイルを更新し、変化する機械状態またはプロセス状態を反映させるこ とができます。

操作内容 命令 参照ページ

I/Oデータを既知の良い参照と比較、不一致を記録す る。

FBC 10-1

I/Oデータを既知の良い参照と比較、不一致を記録し、

参照ファイルをソースファイルに一致するように更新 する。

DDT 10-1

マスクを通してソースデータをパスし、その結果を参 照データと比較する。そして、ソースワードを次の比 較の参照アドレスに書込む。

DTR 10-6

異常を検出するための方法 使用する命令 リアルタイム入力と、正しい処理を表す参照ビット

ファイルとを比較する。

FBC

状態変化の診断 DDT

FBC (EN)

(DN) (FD) (IN) (ER)

FILE BIT COMPARE Source

Reference Result Compare Control Length Posiotion Result Control Length Position

10.2.1 検索モードの選択

診断命令が、1回のプログラムスキャンごとに1つの不一致を検索するの か、または1プログラムスキャンですべての不一致を検索するのかを選択す ることができます。

(1) 一度に1つの不一致を検出

いずれの命令もラング状態に従って動作します。ラングはTrue (1)にセット されるごとに、命令は入力ファイルと参照ファイル間にある次の不一致を検 索します。不一致が検出されると、命令は停止し、検出ビット(.FD)がセッ トされます。次に、命令は不一致の位置番号を結果ファイルに入力します。

さらに、DDT命令は参照ビットのステータスを変化させて、対応する入力 ビットのステータスに一致するようにします。この命令はラングがFalse (0) にリセットされると、検出ビットをリセットします。

命令がファイルの終端に達すると、完了ビット(.DN) (比較制御エレメント のビット13)がセットされます。次に、ラングがFalse (0)にリセットされる と、以下のビットがリセットされます。

• 有効ビット

• 検索ビット(セットされている場合)

• 比較完了ビット

• 結果完了ビット(セットされている場合)

• 両方のコントロールカウンタ

このモードを有効にするときは、プログラムの実行前にラダープログラムま たは手動で、使用禁止ビット(.IN)を1にセットしてください。

(2) 一度にすべての不一致を検出

いずれの命令もラングがTrue (1)にセットされると動作が開始します。命令 は、1プログラムスキャンごとに、入力ファイルと参照ファイル間にあるす べての不一致を検索します。不一致が検出されると、命令は検出される順に 不一致ビットの位置番号を結果ファイルに入力します。入力ファイルと参照 ファイルの終端に達した後で少なくとも1つの不一致を検出した場合、命令 は.FDビットをセットします。次に、命令は.DNビットをセットします。

検出された不一致数が選択している結果ファイル長を超える場合、命令は停 止します。この場合、命令の実行を継続するためには、再度ラングを

False(0)からTrue (1)にセットする必要があります。命令は、前の結果ファ

イルを書き換えて、結果ファイルの先頭に新しい不一致ビット位置を戻しま す。

比較が完了し、ラングがFalse (0)にリセットされると、以下のビットがリ セットされます。

• 有効ビット

• 検索ビット(セットされている場合)

診断命令(FBC, DDT, DTR) 10-3

このモードを有効にするときは、プログラムの実行前にラダープログラムま たは手動で、使用禁止(.IN)ビットを0にリセットしてください。

10.2.2 オペランドの入力

これらの命令をプログラミングするためには、以下のオペランドを指定しな ければなりません。

以下のオペランドを指定する場合は、ニーモニックで結果制御アドレスを指 定してください。

Length (.LEN)は、結果ファイル内のエレメントの10進数です。検出さ

れる不一致を記録するために必要な長さを指定してください。

Position (.POS) は、結果ファイル内の位置です。コントロールファイル

のオフセットと並列したオフセットで命令を開始する場合のみ、値を指 定してください。

オペランド 説明

Source 入力ファイルのインデックス付きアドレス

Reference 入力ファイルとの比較を行なうデータファイルのインデックス付きア

ドレス

Result 命令が検出されたそれぞれの不一致の位置(ビット)番号を格納する

ファイルのインデックス付きアドレス

Cmp Control ステータスビット、ソースファイルおよび参照ファイルの長さ(両方

とも等しくなければならない)、および処理実行中の現在位置を格納 するメモリのコントロール領域(R)にある比較制御構造のアドレス

Length (.LEN)は、ソースファイルおよび参照ファイルで比較される

ビットの10進数です。I/Oファイルのビットは8進数の00~17と なっているのに対し、その他すべてのファイルのビットは10進数の 0~15であることに注意してください。

Position (.POS)は、命令が示すビットのポジションです。コントロー

ルファイルのオフセットと並列したオフセットで命令を開始する場合 のみ、値を入力してください。

Result Control 結果ファイルのメモリのコントロール領域 (R)にある結果制御構造の

アドレス。このファイルは、ソースファイルと参照ファイル間にある 不一致を命令が検出するごとにビットポジション番号を格納する。

!

注意:複数の制御構造に対して同じアドレスを使用しないでく ださい。これらのアドレスが重複した場合、機械に予期しない 動作が発生し、機器の損傷または人身事故を招くことがありま す。

10.2.3 ステータスビットの使用

FBCまたはDDT命令を正しく使用するためには、比較制御エレメントおよ び結果制御エレメントの両方のビットを評価して、制御する必要がありま す。ニーモニックによって、これらのビットをアドレス指定します。

FBC命令またはDDT命令が比較完了ビット(.DN)をセットした後、ラング の入力状態がFalse (0)にリセットされると、命令はリセットされます。命令 は、そのステータスビットと両方の制御エレメントをリセットします。

ビット 機能

比較制御ビット 有効.EN (ビット15)

ラングがTrue (1)にセットされると、動作を開始する。

使用禁止ビット.INがセットされ、1スキャンに一度の検索と設定さ れている場合は、命令がそれぞれの不一致を検出した後にラダープロ グラムにより.ENビットをセットする必要がある。

完了 .DN (ビット13)

プロセッサがソースおよび参照ファイルの終端に達すると、セットさ れる。

エラー.ER (ビット11)

プロセッサがエラーを検出し、命令の実行を停止した場合、セットさ れる。

例えば、Length (.LEN)が0以下であるか、Position (.POS)が0未満で あると、エラーが発生する。命令がエラーを検出した場合は、ラダー プログラムで.ERビットをリセットしなければならない。

使用禁止.IN (ビット09)

処理モードを決定する。

このビットがリセットされている場合、プロセッサは1スキャンです べての不一致を検出します。このビットがTrue (1)にセットされた場 合、プロセッサは不一致が検出されるごとに、ラダープログラムによ り命令が再び有効になるまで検索の続行を中断する。

検索.FD (ビット08)

プロセッサが結果ファイルに不一致ビット番号を記録するごとに(1 スキャン当たり1つの処理)、またはすべての不一致を記録した後(1 スキャン当たりすべての処理)に、セットされる。

結果制御ビット 完了.DN (ビット13)

結果ファイルが一杯になると、セットされる。

命令の実行は停止する。.DNビットをリセットし、実行を継続するた めには再度ラングをFalse (0)からTrue (1)にセットする必要がある。

命令がもう他の不一致を検出した場合、ファイルの先頭の以前の位置 番号が新しい位置番号に書換えられる。

診断命令(FBC, DDT, DTR) 10-5

例:

上記のDDT命令の場合、ソースファイル (#I:030)のビットを参照ファイル

(#B3:0)のビットを比較して、不一致のあるビットの位置を宛先ファイル

(#N10:0)に記録します。

DDT (EN)

(DN) (FD) (IN) (ER)

DIAGNOSTIC DETECT

Source #!:030

Reference #B3:0

Result #N10:0

Compare Control R6:0

Length 48

Posiotion 0

Result Control R6:1

Length 10

Position 0

オペランド 説明

Source (#I:030) 比較対象となる入力データの検出場所

Reference (#B3:0) 参照ファイルの検出場所

Result (#N10:0) 不一致ビット番号の格納場所

CMP Control (R6:0) 比較を制御する制御構造

Length (48) 比較するビット数

Position (0) ファイルの先頭から開始

Result Control (R6:1) 結果を制御する制御構造

Length (10) 予想される不一致のワード数

Position (0) ファイルの先頭から開始

FBCおよびDDT命令は、不一致を検出し、その位置を結果ファイルに記録する。

1 DDT命令は不一致を検出すると、入力ファイルと一致するように参照ファイル内の対応 するビットのステータスを変化させる。

2 結果ファイルの長さは、RESULT CONTROLに指定する長さ。

ビット3

ビット31

ビット40 ビット32 入力ファイル

#I:030 参照ファイル 1

#B3

結果ファイル 2 (不一致ビット番号)

#N10

17 10 07 00

1 1 1 1 1 1 1 1 0 0 0 0 1 0 0 0 1 0 1 1 0 0 1 1 0 0 1 1 0 0 1 1 1 1 1 1 0 0 0 1 1 1 1 1 0 0 0 1

17 10 07 00

1 1 1 1 1 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 1 1 0 0 1 1 0 0 1 1 1 1 1 1 0 0 0 0 1 1 1 1 0 0 0 0

3 31 32 40 0

1 2 3

9

重要:インデックス付きアドレス指定オフセットによって値がデータテー ブルの境界を越える場合、FBCおよびDDT命令によって、エンハン

ストPLC-5プロセッサをフォルト状態にできます。これを操作する

ときは、FBCまたはDDT命令のすぐ前にS:24 (インデックス付きア ドレス指定オフセット)をクリアするラダーラングを追加します。

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