• バックアップを行う契機としては、システムボリュームについては、システムに変更があった時点でバッ クアップします。データ領域については、日々更新されることが多いため、定期的にまたは著しい変更が あった場合にバックアップします。
これらの基本的なバックアップ・リストアの考え方は変わりませんが、仮想システムにおいて特に考慮の必要 な点について説明します。
ドメイン種別、データ種別に応じたバックアップ・リストアの実施者および契機は、以下に示すとおりです。
仮想ブロックデバイスを使用する場合
ゲスト OS のシステムボリュームおよびデータ領域が仮想ブロックデバイスで構成している場合には、管 理OSのディスクまたはパーティションとして扱えるため、以下のようにバックアップを行います。
表3.6 仮想システムのバックアップ・リストア概要
ドメイン種別 領域種別 実施者 契機 注意事項
仮想システム全体
(ドメイン0および 全ゲストドメイン)
• 管理OSのシステム ボリューム
• ゲストOSのシステム ボリューム
• ゲストOSのデータ領域
仮想システム 管理者
• 仮想システム構築時
• ハードウェア資源変更時
• ドメインへの割り当て資 源変更時
• ハードウェア保守時
仮想システム全体のバック アップ・リストアを実施する 場合には、すべてのゲスト OSを停止したあと、管理OS を停止してバックアップ・リ ストアを実施してください。
ドメイン0 管理OSのシステム ボリューム
仮想システム 管理者
• ドメイン0構築時
• 管理OS更新時
管理OSのシステムボリュー ムのバックアップ・リストア 時には、すべてのゲスト OS を停止したうえで管理OSを 停止して行ってください。
ゲストドメイン(*1) ゲストOSのシステム ボリューム
ゲストドメイ ン管理者
• ゲストドメイン構築時
• ゲストOSの更新時
ドメイン構成ファイルも、あ わせてバックアップ・リスト アを行います。
ゲストOSのデータ領域 ゲストOS 管理者
データ領域は日々更新され るため、定期的にバックアッ プを実施してください。
また、著しい変更があった場 合にもバックアップを実施 してください。
管理 OS に負荷がかかるた め、複数のゲストOSのデー タ領域のバックアップ・リス トアを同時に実行しないよ うスケジュールを組むよう にしてください。
• (*1) ゲストOSのデータ領域は、次の「仮想ブロックデバイスを使用する場合」に従ってバックアップを行ってく
ださい。
表3.7 仮想ブロックデバイスのバックアップ概要
領域種別 バックアップ方法 バックアップ概要
システムボリューム SAN経由でのバックアップ ゲストOSを停止し、管理OSからSAN経由でのバッ クアップを実施します。
ネットワーク経由でのバックアップ ゲストOSを停止し、管理OSからネットワーク経由 でのバックアップを実施します。
仮想ブロックデバイスのtapオプションを使用する場合
仮想ブロックデバイスを管理 OS のイメージファイルとして構成している場合には、以下のようにバック アップを行います。
3.6.2 バックアップ・リストアの事前準備
ここでは、バックアップ・リストアの事前準備について説明します。
バックアップサーバおよびバックアップサーバに接続されたバックアップ装置
バックアップサーバおよびバックアップサーバに接続されたバックアップ装置を別途用意します。
バックアップサーバは以下のどちらかの構成にできます。
• 仮想システム以外にサーバを用意してバックアップサーバとする構成
• 仮想システム内の1つのゲストOSをバックアップサーバとする構成
仮想システム以外にサーバを用意してバックアップサーバとする場合には、既存のバックアップサーバお よびバックアップ装置と兼用できます。
データ領域 SAN経由でのバックアップ ゲストOSにおいて、バックアップ対象となるデータ 領域をアンマウントして、管理OSからSAN経由での バックアップを実施します。
ネットワーク経由でのバックアップ ゲストOSにおいて、バックアップ対象となるデータ 領域をアンマウントして、ゲストOSからネットワー ク経由でのバックアップを実施します。
表3.8 ブロックデバイスとしてイメージファイル(tapオプション)を指定した場合のバックアップ概要
領域種別 バックアップ方法 バックアップ概要
システムボリューム SAN経由でのバックアップ ゲストOSを停止し、管理OSからSAN経由でのバッ クアップを実施します。
ネットワーク経由でのバックアップ • ゲストOSを停止し、管理OSからネットワーク経 由でのバックアップを実施します。
• ゲストOSのシステムボリュームをネットワークディ
スクアレイ装置に配置している場合には、バック アップ対象のゲストOSを停止し、ネットワークディ スクアレイ装置のもつスナップショット機能を使用 したバックアップを実施します。
データ領域 SAN経由でのバックアップ ゲストOSにおいて、バックアップ対象となるデータ 領域をアンマウントして、管理OSからSAN経由での バックアップを実施します。
ネットワーク経由でのバックアップ • ゲストOSにおいて、バックアップ対象となるデー タ領域をアンマウントして、ゲストOSからネット ワーク経由でのバックアップを実施します。
• ゲストOSのデータ領域をネットワークディスクア レイ装置に配置している場合には、バックアップ対 象のデータ領域をアンマウントし、ネットワーク ディスクアレイ装置のもつスナップショット機能 を使用したバックアップを実施します。
表3.7 仮想ブロックデバイスのバックアップ概要
領域種別 バックアップ方法 バックアップ概要
• 管理OSのシステムボリュームおよびデータ領域は、バックアップサーバからバックアップ・リストア できません。管理OSのバックアップ・リストアは以下の手順で行ってください。
– 管理OSにおいてもバックアップ装置を接続します。
– すべてのゲストOS を停止した後に、ネイティブのサーバと同様にバックアップ・リストアを行い ます。
• バックアップ対象とするすべてのゲストOSのシステムボリュームおよびデータ領域は、仮想SCSIデ バイスで構成してください。
• バックアップサーバには、バックアップ対象のディスクをすべて認識させる必要があります。
業務時には業務サーバより、またバックアップ時にはバックアップサーバより、それぞれディスクをマ ウントして運用します。
したがって、バックアップ対象とするすべてのゲストOS のシステムボリュームおよびデータ領域の総
和が1000 を超えない場合において使用してください。
バックアップソフトウェア
• バックアップソフトウェアをインストールします。バックアップソフトウェアのインストール先は、
バックアップソフトウェアの種類だけではなく、以下の場合において異なります。
– ゲストOSのシステムボリュームおよびデータ領域を構成するデバイス種別 – バックアップ・リストアの方法
3.6.3 バックアップ・リストアにおける留意事項
ここでは、バックアップ・リストアにおける留意事項について説明します。
• 管理 OS はバックアップ装置を接続できます。ネットワーク経由でバックアップ・リストアを実施する場 合には、バックアップ・リストア用のネットワークを用意することを推奨します。ただし、バックアップ・
リストアに必要なディスク量や業務形態に応じて管理用ネットワークと兼用できます。
• ネットワーク転送量が多い場合には、物理I/Oへの負荷に加えて、管理OSに対するCPU負荷が大きくな ります。このためバックアップ・リストアを実施する場合には、複数ゲスト OS のバックアップ・リスト アを同時に採取しないようスケジュールを組むようにしてください。
• ゲストOSのバックアップ・リストアを実施するにあたっては、管理OSの管理者やほかのゲストOSの管 理者と連携して実施してください。
• ゲストOSのシステムボリュームまたはデータ領域を仮想ブロックデバイスで構成している場合
– ゲストOSのすべてのデータ(システムボリューム含む)は、管理OSのデータとして扱えるため、管 表3.9 バックアップソフトウェアのインストール先
デバイス種別 バックアップ方法 ゲストOSのバック アップ対象
バックアップソフトウェアのインストール先 サーバ
(マネージャ)
クライアント
(エージェント)
仮想ブロックデバイス および
仮想ブロックデバイスの tapオプション
SAN経由での バックアップ
システムボリューム バックアップサーバ 管理OS データ領域 バックアップサーバ 管理OS ネットワーク経由
でのバックアップ
システムボリューム バックアップサーバ 管理OS データ領域 バックアップサーバ ゲストOS