(1)トークセッションの概要
開催日:2月16日(木)
場 所:電波堂劇場
セッションテーマ:「セカンドキャリアから見るスポーツアイランド沖縄の可能性」
2020東京オリピック・パラリンピックに付随しての重要解決課題である「セカンド キャリア」。沖縄が他にはないスポーツアイランドとして機能するための可能性とし て“セカンドキャリア”の観点から何ができるか、あらゆるアスリートにとっての 沖縄が次の人生を見つめる踊り場として機能できないかも考えていきます。
登壇者:糸数敬作様 「沖縄ダイビング20」オーナー
木下博之様 「アスリートキャリア支援委員会」代表 譜久里武 アスリート工房
ファシリテーター:partizan代表・コミュニケーション戦略プロデューサー 山崎祥之
<進⾏>
■ファシリテーター挨拶・趣旨説明(SiS OKINAWA とは)
■本⽇の主旨 「セカンドキャリアから⾒るスポーツアイランド沖縄の可能性」
・「見る」スポーツ「する」スポーツ いずれも人の心の根源を揺り動かすもの。その感動や魂 を揺さぶられた瞬間と直結した消費行動が行われる。「する」スポーツには“”見せる“とい う要素も強い。その可能性を、沖縄もキーワードにして伸ばしていくことはできないか?
■登壇者紹介
■登壇者プレゼンテーション&トーク
■テーマトーク
・そもそもなぜ日本でセカンドキャリアシステムは充実しないのか
・プロアマ問わず、アスリートが引退を考える意思決定とは(大学スポーツ含む)
・選手が現役中に可能なアスリートの将来への意識づくりとは ・球団・機構・協会がすべきこととは
・アスリートにとって本当に必要なサポート。必要なひと押しとは ・2020に向けオールジャパンで「セカンドキャリア」にできることとは
(2)トークセッションの記録概要
■プロ野球界の実態
・プロ野球に入る選手は、子どもの頃から野球をやることが当たり前の環境で、プロになる前 は目の前の練習を必死に取り組んでいる。プロに指名された時も、プロになって失敗した先 のことを考えるような人はいない。そこで迷うような選手はプロにはなれない。
・プロ野球は、韓国、台湾や独立リーグができたことで受け皿が広がった一方で、まだまだや れるといって辞められない選手も増えてきている。
・肘を壊して手術をした時に、初めてその先のことを考えた。辞める時に球団には球団職員と して誘ってもらったが、手術をした時に辞める時が来たら、沖縄に帰ってダイビングショッ プをやりたいと決めていたので迷いはなかった。
■他のスポーツの実態
・陸上は現在、社会人になって実業団に入るのも厳しい状況となっている。長距離選手はまだ あるが、短距離選手は特になく、大学で辞める人が多い。
・就職先に陸上部はなく、一社員として就職して、定時後にトレーニングする人が多い。
・一方で会社に就職することで、社会的な能力も身につけられる。
・陸上選手は中学までやっていたという人が多く、大学以降も陸上を続けている人はアルバイ トをしながら、時間とお金を確保している人も多い。陸上だけ食べていける人はほとんど少 ないので諦める人は多い。
■セカンドキャリアの⽀援
・(株)ナイスガイ・パートナーズは、スポーツ選手のマネジメント、エージェント、イベント 開催、就職支援等を行っている。
・プロ野球選手は、入団当初、お金に関する知識がなく大金を受け取るので、周囲の曖昧な情 報で節税と勘違いして、とにかくお金を使わないといけないと考える人も多いなど、お金に 関する知識がない。
・マスターズ陸上に参加している人は、40~50 歳から陸上を始めたという人もいて、何歳から でも始められる。陸上という競技は他のスポーツよりも始めることに関するハードルが低い。
また、スポーツの魅力の一つは交流であり、そこで人脈も広げていける。
・陸上選手はセカンドキャリアとしての資産が残しやすい。走るということは、ほとんどのス ポーツに必要な要素なので、マンツーマン指導を行ったりすることもできる。
・スポーツ選手のセカンドキャリアを考えた時、スポーツだけに絞るのはもったいない。プロ になる前からそういった意識を教えることができる環境が整えられると良い。
・プロ野球選手で引退後に保険会社等に営業で就職する人もいるが、ほとんどが半年ぐらいで やめてしまっている。野球しかしてこなかったため、自分にどういった仕事が向いているの かという自己分析が全然できない。
・セカンドキャリアの失敗の多くはアスリート側の準備不足という面がある。
・プロ野球の場合、選手は野球以外に興味がなく、球団側も野球以外のことを考えるなという 意識でいる。セカンドキャリアのことを相談しても、今は野球に集中しろと言われる。そう いった意味では現場や組織として認識を変えないと選手のセカンドキャリアは変わらない。
・日本国内のセカンドキャリアサポートは現在ではあまり利用されていない。選手本人がどれ ぐらいの意識をもっているかという面も重要である。
・アメリカでもセカンドキャリアは難しい。メジャーリーガーは引退後に3割近くが自己破産 しているという話を聞く。弁護士になるような人もいるが、個人の素質や考えに任されてい るようなもので、組織的には動けていない。
・一つの競技しかやったことないまま、プロになった人は社会的な能力弱い人が多い。ラグビ ー、アメフト選手は元野球をやっていたという人も多く、そうした人は社会に出ても活躍で きている人が多い。自分で考える力を以下に養うかが重要になる。
・セカンドキャリアとして受け入れてくれる会社を集めることも大事だが、それよりもまずは、
選手の意識が大事。周りにしっかりした人がいて教えられている場合もあるが、金銭感覚の おかしい選手も多い。
・外部の人が何を言っても聞く耳を持たないようなこともあるので、稲葉選手(元日本ハム)
のような、選手のほとんどから尊敬や信頼されている人が先頭に立って、セカンドキャリア について考えていくことを発信していってくれると良い。
・そうした一流選手はセカンドキャリアも野球の世界で安泰となっていてなかなかそういった 動きにはならない。
・一流選手よりは、道半ばで諦めてしまったような選手がセカンドキャリアの見本として活躍 を示すことが後輩の見本になる。
■沖縄の魅⼒
・沖縄は気候的に1年中体を動かすことのできる環境となっている。
・沖縄の首里城等が観光のメインとなっているが、これからはスポーツの体験型観光を盛り上 げていけると良い。その際、元プロ野球選手のダイビングショップ等、元スポーツ選手が集 まることで事業展開に付加価値のある観光資源になる。
・オリンピックに協賛して多くのお金を出している企業は多いが、スポーツを支援するという 意味では、それだけではなく選手のセカンドキャリアとして職業訓練・支援が行える場所を 作れないかと考えている。職業訓練を終えた選手を出資してくれた企業が欲しければ、そこ に入社するといった仕組みで出口までの支援を出来ていけると良い。
・沖縄には多くの産業があるので、そういった場所を沖縄で展開していけると良い。
・沖縄の魅力は冬の2月でも体を動かせる気候となっているころ沖縄以外の人は認識している が、逆に沖縄県民はその魅力を十分理解していない。
・アスリートが持っている能力を活かして、沖縄県で活躍できる場を広げていけるとよい。
・アスリートは、将来について先輩の進路を見て進路を決めている人が多い。自分で考えて決 めていける環境を沖縄で作っていけると良い。選手のセカンドキャリアのロールモデルが2
~3つ出てくると選手の意識も変わる。