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タンザニアにおける援助協調の現状

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第 3 章 貧困削減に向けたパートナーシップ

3.1. 援助機関による取組み

3.1.2. タンザニアにおける援助協調の現状

  英国 日本 オランダ デンマーク 米国 ドイツ スウェーデン ノルウェー WB

(IDA) EC UNDP UNICEF マルチセクター 1 1 16 3 9 7 14 8 3 1 7 -物資援助・一般プログラム 40 8 16 5 3 4 26 17 28 35 0 -債務関係 21 63 15 3 6 32 - 6 4 - - -緊急援助・復興 1 0 0 1 21 1 2 2 - 18 3 0 ドナーの運営費 1 - 0 0 - - 0 - - 0 - -NGOに対する支援 0 0 0 - - 0 0 - - 0 - -分類不可能 2 0 0 0 - 2 1 0 - 1 - 11 合計 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100

(出所) OECD (URL: http://www.oecd.org/)のCreditor Reporting System Online より、CRS/Aid Activities - Aggregated by sectors : 1973-2004 (= dataset 2 + dataset 3) を用いて作成

(注1) 金額は全てCommitmentベース

(注2) 項目となっているセクター分類はOECDによるもの

      「政府・市民社会」:行政・立案能力の強化、グッド・ガバナンスの促進、市民社会強化を含む       「運輸・貯蔵」道路、鉄道、水道、港湾、倉庫など貯蔵設備を含む

      「物資援助・一般プログラム」:一般財政支援、食糧援助を含む

      「債務関係」:債務免除、債務の株式化、買戻し、債務返済繰り延べ、借換えなど、債務に関する全ての行為

グループ(

DPG: Development Partners Group

55が設置されていたが、

JAS

においてドナ ーの役割分担が明確化されることにより、今後

DPG

のあり方にも影響を及ぼすことに なるものと考えられる。

2005

5

月に示されたタンザニア政府案の第

1

稿では、

JAS

を法的拘束力のある文書として位置づけることが盛り込まれていたが、タンザニア政府 とドナーとの協議の結果、

2005

11

月の第

2

稿56では、法的拘束力に関する記述が削 除された。

2006

3

月の修正版第

3

稿57には、プロジェクト型支援やバスケット・ファ ンドの有効性を認めつつも、

GBS

を「優先的な援助モダリティ」(“

Preferred Aid

Modality”

)と位置づけ、徐々に

GBS

へ移行していく旨が記されている。

2006

4

月現

在、

2006/07

年度からの執行を目指して、タンザニア政府とドナーとの協議が行なわれ

ているところであり、最終版は確定していない。

GBS

は、援助の使途を特定せずに、被援助国における政府全体の一般会計予算(国庫)

に資金を投入するプログラム援助の一形態であり、

2005

11

月現在、日本を含む

14

のドナーが参加している。

GBS

に拠出された資金の配分は、被援助国自身の予算・会 計・行政組織等を活用して行われる。そのため、ドナーは財政支援だけでなく、公共支 出管理能力強化に関してアドバイスを行っている。また、被援助国政府は、GBS の資 金供与を受けるために、開発目標へ向けて誠実に取り組んでいることや、その取組みを 通じて一定の成果を上げていることをドナー側に報告することが求められている。タン ザニアでは、

3

年間の中期支出枠組(

MTEF: Mid-Term Expenditure Framework

)をもとに、

各省庁が予算を策定・実施し、毎年公共支出レビュー

(PER: Public Expenditure Review)

を行うというシステムが構築され、公共支出のモニタリングが行われている。

SWAps

では、セクター毎のドナー協調を図っている。これは、個別の援助モダリティ

を示すものではなく、セクター包括的な開発戦略のもとに援助を整合的に進めていくア プローチ全体を表している。

SWAps

ではセクター全体の戦略が策定され、プログラム 型やプロジェクト型など、多様なモダリティの組み合わせによる支援が行われている。

援助の重複やタンザニア側の援助受入に関わる負担を軽減し、効果的な援助を行うこと を目的として、コモン・バスケット・ファンドやセクター財政支援という援助形態がと られることが多い。

コモン・バスケットは、複数のドナーが援助資金を共通の口座にプールして、そこから 被援助国に振り分ける方式であるが、セクター財政支援は、特定の口座(バスケット)

を作らず、被援助国の一般会計予算に直接資金を投入する。SBS(セクター財政支援)

は、予算の使途を特定のプロジェクト等に指定しない点で

GBS

と共通しているが、ド ナーが志向するセクター等を述べて拠出する点に違いがある。近年は、コモン・バスケ ットが援助国側の合意形成に時間を費やしすぎている等の理由から、コモン・バスケッ トより

GBS

SBS

を指向する傾向がある。

SBS

は、

EU

が教育分野で、

CIDA

が保健

HIV/AIDS

)分野で行っている。コモン・バスケット・ファンドが設置されているセ

クターと主な参加ドナーに関しては、表

3-5

にまとめた。

55

DPG: Tanzania Development Partners Group (http://www.tzdpg.or.tz/library.html/) 2006

3

月現在

56

Government of Tanzania (2005) “Joint Assistance Strategy Second Draft”, Government of Tanzania

57

Government of Tanzania (2006) “Joint Assistance Strategy Revised Third Draft”, Government of Tanzania

表 3-5 セクター/課題別コモン・バスケット・ファンドと主要参加ドナー

セクター/課題 主要参加ドナー

初等教育開発計画 (PEDP) ベルギー、カナダ、EU、フィンランド、フランス、アイルランド、オランダ、ノルウェ ー、スウェーデン、IDA

保健 (Health) カナダ、デンマーク、DfID、ドイツ、アイルランド、オランダ、SDC、UNFPA、IDA 地方行政改革計画 (LGRP) カナダ、デンマーク、DfID、EU、フィンランド、ドイツ、アイルランド、オランダ、

ノルウェー、スウェーデン

公共支出レビュー (PER) デンマーク、DfID、ノルウェー、SDC

公共財政管理計画 (PFMRP) デンマーク、DfID、EU、ノルウェー、スウェーデン 貧困モニタリング管理計画

(PMMP)

デンマーク、DfID、EU、日本、ノルウェー、SDC、UNDP、UNICEF 公共サービス改革計画

(PSRP)

ACBF、デンマーク、DfID、EU、ドイツ、アイルランド、IDA タンザニアビジネス環境強

化計画 (BEST)

デンマーク、DfID、オランダ、スウェーデン 選 挙 バ ス ケ ッ ト 委 員 会

(Voter’s Election)

デンマーク、DfID、UNDP、アイルランド、オランダ、ノルウェー、イタリア 地方政府能力開発グラント

(LGCDG)

ベルギー、EU、フィンランド、アイルランド、オランダ、スウェーデン、IDA 法律セクター改革

(Legal Sector Reform)

ベルギー、ドイツ、スウェーデン

(出所) 外務省  「平成17年度タンザニア国別評価報告書(案)」  2006年より作成

表 3-6 援助協調が行われているセクターと主な参加ドナー

セクター イニシアチブを とっているドナー

参加ドナー 主要テーマ

保健分野 米国 デンマーク、ドイツ、アイルランド、オ ランダ、ノルウェー、スイス、英国、WB UNICEF、日本

コモン・バスケット・ファンドが 設立されている

教育分野 世銀、EU、オランダ、カナダ、UNICEF、

日本

コモン・バスケット・ファンドが 設立されている

地方行政改革分野 デンマーク、EU、フィンランド、アイル ランド、オランダ、ノルウェー、イギリ ス、UNDP、日本、ドイツ

コモン・バスケット・ファンドが 設立されている

農業分野 デンマーク 日本

日本、デンマーク、英国、EU、アイルラ ンド、WB

農業セクタープログラム(ASDP:

Agriculture Sector Development Programme)の策定。

水分野 ドイツ 今後協調が進められていく見通し 政策・戦略策定、キャパシティ・

ビルディング、民間セクターの参 加など

(出所) 調査団作成

バスケットファンドや財政支援の利点としては、被援助国政府の公共支出管理能力向上 に資することである。一方、問題点として、資金を管理する省の予算策定・支出管理能 力が十分でない場合には、適切な事業の執行が行われないなどの懸念がある。また、財 政支援では、被援助国政府が中期的な予算見通しを立てられるよう、中期的に複数年分 の援助額をコミットすることが求められるが、それぞれの援助国への説明責任を果たす ためにどのようなコンディショナリティを付与するかなどでドナー間の調整に時間を 要するといった問題もある。なお、アメリカは法的制約とタンザニア政府財政の不透明 さを理由に、バスケットファンドへの参加も財政支援も行っていない。

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