同♂・君
第3節 ソーシャルスドーリい側における随伴性文が効 果を示すための諸条件
第3章において確認したように、ソーシャルストーリーTMは他の介入方法に 比べて効果が高いといえる方法では・なかった。今回の研究においても、効 果がほとんど観察されなかった事例(4章A君、B君、E君)もあれば、高い 効果が示された事例(4章C君)、部分的な効果を示した事例(4章D君、
5章F君)まで様々であった。それらの結果からソーシャルストーリー・・に関し て、今回の研究において明らかとなったことを整理すると以下のようになる。
ソーシャルストーリー刑が効果を示す階層構造
1.状況の丁寧な説」明のみでも効果が期待できる場合がある。
2.状況の丁寧な説明のみでは効果が期待できない場合、人物(キャラク ターでもよい)の好感度を確認する。人物(キャラクター)への好感度が確認 できない場合は随伴性文によって行動の結果得られる具体的な事物を示 すことで効果が期待できる。人物の好感度が確認できるあるいは、特定の キャラクターに好感度を示す場合には、随伴性特定評価文によって効果 が期待できる。随伴性強化文においてはこの提示のみで行動の改善が期
待できる場合もある。
3.随伴性特定評価文のみで効果が示されな.い場合には、随伴性評価 文の評価主体が実際の指導を行い、随伴性特定評価文に示されたよう な言葉がけをすることで効果が期待できる。キャラクターにのみ好感度を示 した場合には評価主体の実際の指導ができないため、随伴性文を使用す
ることで効果が期待できる。
4.随伴性特定評価文と実際の指導により効果が期待できない場合に は、随伴性文によって行動の結果得られる具体的な事物を提示すること で行動の改善が期待できる。
これらをフローチャートにまとめたものが、図5.7である。
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¥ーシャルスドーリ}■Mによって状混を丁寧に 燒セする
効果なし Leve12
l物の好感度(キャラクターの好感度)を確 Fし、随伴生得手評価文を提示する
人物の好喜確團でき1
効果なし
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諸コ性特定評価文の酔価主体が実際の指導を sう。
@ … 〉効黙し
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トークンなど⑳随伴艦を
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図 5.7ソーシャルストーリー㎜による介入のフローチャ」ト
ソーシャルストーリー㎜に関する従来の主張はこのフローチャートのLeve1 1であったと考えることができる。Gr&y(2004)(1)において、ソーシャルスト ーリー欄を読むことにより、子どもは周囲の状況がよりよく理解できるようにな り、結果的に適切な行動を選択するようになると説明されている。子どもの 状況理解を促進するためには、子どもの理解カや認知力に適合した方法 で詳細に説明されなければならない。しかし、状況の理解が進んだだけでは 子どもは適切な行動の選択をするようにならない場合がある。
ソーシャルスト…リー州のル㎞ルとして(ア)・f則面
Skin亙er,Pappas,and Davis(2005)(2)は子どもたちの学業スキルの 形成に関わって、することができない問題と、しようとしない問題とに分けて 考える必要性を主張している。することができない問題には、①学習用具が 無い場合、②何をするのか理解していない場合、③時間が足りない場合、
④前提となるスキルが無い場合の4つの場合があるとされている。ソーシャル ストーリーTMによって周囲の状況をよりよく理解させることは、②何をするのか
理解していない場合には有効であると考えることができる。しかし、子どもは、
いくら状況がよくわかっても適切な行動を選択しない場合がある。この場合 が、しようとしない問題に該当する場合である。この場合には、①学習課題 があまりに労力が必要である場合、②活動に対して得られる強化子が少な い場合、③強化子の質が低い場合の3つの場合があるとされている。今回 明らかとなった、随伴性文に関する内容は、この「しようとしない」問題にお いて有効であると考えられる。「しようとしない」問題がある場合、随伴性文 により適切な行動の結果「何があるのか」示すことは、ルールの提示であると 考えることができ、そのために適切な行動が選択されるようになることはルー ル支配型行動と考えることができる。ル]ル支配型行動は急速に獲得す ることができるが、ルールに示された随伴性が実際と異なる場合、ルールで はなく実際の随伴性に従うことが指摘されている(3)。このように考えると、4
章のD君とE君における、随伴性特定評価文の提示のみでは行動の改
善を図れなかった2事例は、納得のできるものである。
随伴性特定評価文のみで行動の改善を示した4章においては、C君が 教師の心理自勺な状態に思いを及ぼすことができたために、行動の改善をし たと考えられ、他の対象児においては、このような認識が困難であったと考 察することは可能ではあるが、断定できない。
社会的な状況において、一般的に随伴する出来事は他者からの注目で ある。しかし、他者からの注目は誰からの注目であっても有効なのではなく、
注目する主体に対する対象児童の嗜好によってその効果が左右される
(4)。この意味から、随伴性特定評価文の有効性が導き出されたが、随伴 性評価文のみでは行動の改善を図ることは困難であった。ルール支配型 行動において示されたように、随伴性特定評価文において、記述された内 容が実際の随伴性を示すことが必要であった。
ソーシャルストーリーwにおいては、これまで状況を丁寧に説明することの みが強調され、適切な行動をした結果を提示することの重要性は、あまり 強調されてこなかった。今回の一連の研究から、ソーシャルストーリーTMにお いても行動の随伴性を示すことが重要で、実際の提示も併せて重要であ
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ることが明らかとなった。図5.7に示したすべてのケースにおいての確認がな されてはいないが、これは今後の課題としたい。
引用文献
(1)Gray,C.(2004) 8oo伯ノ8Cohθ8アM/0,0, Jenison Pub1ic Schoo1s.
(2)Skiηner,C.H、,Pappas,D.N.,& Davis,K.A.(2005)
Enhancing acaaemic engagement1Providing OpPort樹nities for responding and inf1uencing students to choose to responδ.
戸8y6ゐ。/o星yメ〃宕ゐ86ム。o/8,42,389−403、