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 これまで述べてきたように、学校現場における文脈適合性の高い介入 方法の一つとして、ソーシャルストーリーTMに注目し、その適応の範囲や効 果についての検討を行った。それらの結果からは、様々な発達障害のある 子どもの行動改善を目的として利用可能であることが明らかとなった。

 この介入方法においては、文章を読ませることが主たる介入方法となる ため、使用されたソーシャルストーリーTMの構文分析を行い介入の効果量 と関連させた考察を行うことは意義深い。

 Reynho砒舳dC肘t鉗(2006)(1)は、ソーシャルストーリー丁跳の構成文 分析を主たる目的としたレビューを表し、高い効果の示されたソーシャルス トーリーTMにおいて、随伴性文が含まれていることが多いことを強調した。随 伴性文とは、行動の結果が記述されている文(1)と定義されており、例えば

rぼくが宿題を終わったら、ナンシーはぼくにステッカーをくれます(2)。」など がその例である。

 行動の結果が記述されているという観点から考えると、随伴性文には、

いくつか検討を要する点がある。行動分析学においては、行動に随伴した 結果によって、今後同じ状況でその行動が出現する可能性が左右される と考えられている(3)。この行動に随伴した結果に関する研究において、行 動の結果の内で曲事することで今後行動が生起する確立が高まる出来 事を正の強化子と呼び、逃避したり回避したりすることによって行動が生起 する確立が高まる出来事を負の強化子と呼ぶ。これらの強化子において は、感覚刺激と結びつき自己完結している強化子と、環境との相互作用 の中で他から与えられる強化子との2つがあるが、ソーシャルストーリーTMで 示される社会的な行動においては、他から与えられる強化子との関連が強 いと考えられる。小野(2005)(4)は、特に社会的な行動を制御する行動 随伴性を社会的随伴性と呼んでいる。社会的随伴性において生起する

出来事のほとんどは、「承認」や「賞揚」、「注目」あるいは「否定」などの他

者からの言語的。非言語的な「評価」である(4〕。そこで、随伴性文の中でも、

行.動の結果に対する他者の評価が記述され本文を随伴性評価文とした。

睦伴性評価文の例としては、「もしもぼくが、顔を見ながら微笑んだら、みん なはこのこと(微笑みながら顔を見ること)が大好きです(5)。」などがそれであ

る。

 また、Mc1augh王inandCan(2005)(6)は、日頃の対人的な信頼関係 の親密さ(以下ラポートと表記する)が問題行動の確立事象となっていると いう報告を行っている。彼らの報告によると、ラポートのよい支援者が指示 した場合、指示された課題の完了が多く観察され、指示された課題が問 題行動によって完了しないことはまれでという。他方、ラポートの劣る支援 者が指示した場合、指示された課題は問題行動が生起したために完了し ないことが観察された。彼らは、ラポートのよい人物から指示され賞賛される ことにより、問題行動一に伴う結果事象としての逃避の価値が下がり、仕事 に従事することに伴う結果事象としての賞賛の価値が上がるという解釈に よって、この結果をとらえている。この解釈を援用すれば、ソーシャルストーリ ーTMにおいて、随伴性評価文として他者からの評価を記述する場合に、

対象児にとってラポートのよい他者を用いた方が、そうでない場合よりも評一 価(すなわち結果事象)の価値があがり、その評価を獲得するために行動を 変容させようとする動機付けを向上させると考えることも可能である。そこで、

随伴性評価文の中でも、評価を行う主体が具体的に特定されている文を 随伴性特定評価文とし、評価主体と対象児の関連性による効果の違い に注目できるようにすることとした。この文は、主語が三人称であった場合に おいても、文意を受けて具体的に特定することが可能である場合には、随 伴性特定評価文であると判断した。随伴性特定評価文の例としては、

「メアリーは、ぼくが一緒にお絵かきしてと言うことが好きです(7)。」などがあ

る。

 以上のことから、これまで随伴性文として一括されてきたものを、随伴性 評価文、随伴性特定評価文に分けて分析し、これら二つに判別されない ものをその他の随伴性文と呼ぶ事にする。

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引用文献

(1)Reynbout,G.&Carter,M.(2006) Socia1storiesTM for

chi1dren  with  disabi1it−ies. ∫oαr刀2/ o〆 λα方8一㎜  勿刀ゴ 刀θγθノ。ρ〃θ刀広易ノ刀ノβoraθr8,36,445−469.

(2)Kutt1er,さ.,My1es,B.S.,&C肘1son,J.K、(1998)The use of socia1stories to red−uce precursors to tantrum behavior in a student with autism. ア。c舳  o刀 λど3わβ〃  ∂刀d  0.肋θr

Zフθγθノ0。ρ〃θ刀彦塚ノエフノ8∂ゐゴノメ広メθβ , 13 , 176−182.

(3)杉{直子1島宗理。佐藤方哉。M81ottW,R。。M種。t竜M、瓦。(1998)

行動分析学λ戸9.産業図書.

(4)小野浩一(2005)社会的行動。小野浩一著,片一動の基礎∫豊 かなノし厨理摩の虐めに,3u−33王,培風蝕由

(5)S・舳㎝・,D・(2008)肪h・撮・i㎎th… n・・…ti㎝・ki11・・f・

boy with aspergeがs泣iso疋ae笈tbrough soc主&1storiesTM and viaeo

亘node1ing皿∫o〃グ刀綾ノ。ダ■4泌広ノβ五撒塚刀a2フθγθノ。V五ηθ力差易ノゴゴβo∫ゴθ7β,38,

395_400.

(6)M1cLaughIin,M世D,&C&縦,E.G、(200δ)Qu籔1ity of更apPort as a setting event for prob1em behavior:Assessment and

intervention. ・∫o口r刀∂ノ。/Poβノオゴγe 。θθム像γノ。ア∫拠彦θアγθ刀広ゴ。刀8, 7 ,

68_91.

(7)Scattone,D、,Tin蟹strom,H.D.,&Wi王。zynski,M.S、,(2006)

Increasing appropriate socia1i正1teractio確s of chi1dren−with autis㎜ spectrum fidorders using1socia1 storiesTM. グ。oα8 0刀 λαC加〃θ拠♂0肋θア刀θm/oρ〃θ刀畑ノ刀加∂力ゴ方打θ8,21,211_2221