第5章 ストレージ
5.2. ストレージリポジトリの形式
5.2.8. 共有LVMストレージ
この種類のストレージリポジトリは、iSCSI(ファイバチャネルまたはSerial Attached SCSI)LUN 上に作成されたボリュームグループ内の論理ボリュームとしてのディスクを⽰します。
注︓
iSCSI LUNのブロックサイズは、512バイトである必要があります。
5.2.8.1. ソフトウェアイニシエータによるiSCSI経由の共有LVMストレージリポジト リ(lvmoiscsi)を作成する
次の表は、lvmoiscsiストレージリポジトリ⽤のdevice-configパラメーターの⼀覧です。
パラメーター名 説明 必須
target ストレージリポジトリをホストするiSCSIファイラのIPア
ドレスまたはホスト名です。 はい
targetIQN ストレージリポジトリをホストするiSCSIファイラのIQN
ターゲットアドレスです。 はい
SCSIid 作成先LUNのSCSIバスIDです。 はい
chapuser CHAP認証に使⽤されるユーザー名です。 いいえ chappassword CHAP認証に使⽤されるパスワードです。 いいえ
パラメーター名 説明 必須 port ターゲットをクエリするためのネットワークポート番号で
す。 いいえ
usediscoverynumber 使⽤する特定のiscsiレコードインデックスです。 いいえ incoming_chapuser iSCSIフィルタでホストでの認証に使⽤されるユーザー名
です。 いいえ
incoming_chappassword iSCSIフィルタでホストでの認証に使⽤されるパスワード
です。 いいえ
iSCSIターゲット上の特定のLUNに共有lvmoiscsiストレージリポジトリを作成する場合は、次のコマ ンドを実⾏します。
xe sr-create host-uuid=<valid_uuid> content-type=user \ name-label=<"Example shared LVM over iSCSI SR"> shared=true \
device-config:target=<target_ip=> device-config:targetIQN=<target_iqn=> \ device-config:SCSIid=<scsci_id> \
type=lvmoiscsi
5.2.8.2. ファイバチャネル、FCoE、iSCSI HBAまたはSASストレージリポジトリ上 の共有LVM(lvmohba)を作成する
lvmoiscsiタイプのストレージリポジトリは、XenCenterまたはxe CLIで作成および管理できます。
次の表は、lvmohbaストレージリポジトリ⽤のdevice-configパラメータの⼀覧です。
パラメータ名 説明 必須
SCSIid デバイスのSCSI IDです。 はい
共有lvmohbaストレージリポジトリを作成するには、リソースプール内の各ホスト上で以下の⼿順 を実⾏します。
1. リソースプール内の各XenServerホストのLUNにゾーンを定義します。この⼿順は、使⽤する SAN機材により⼤きく異なるため、詳しくはSANのドキュメントを参照してください。
2. 必要に応じて、XenServerホストに含まれている以下のHBAコマンドを使⽤してHBAを設定しま す。
• Emulexの場合︓
/bin/sbin/ocmanager
• QLogic FCの場合︓
/opt/QLogic_Corporation/SANsurferCLI
• QLogic iSCSIの場合︓
/opt/QLogic_Corporation/SANsurferiCLI
QLogic iSCSI HBAの設定例については、項5.2.7.
「ハードウェアホストバスアダプタ
(HBA)」を参照してください。ファイバチャネルおよびiSCSIのHBAについて詳しく
は、Emulex社およびQLogic社のWebサイトを参照してください。3.
sr-probeコマンドを使⽤して、HBA LUNのグローバルデバイスパスを確認します。sr-probeコ
マンドを実⾏すると、システムにインストールされているHBAが再スキャンされます。これによ り、そのホスト⽤に定義されている新しいLUNがすべて検出され、各LUNのプロパティが⼀覧表⽰されます。対象のホストを指定するには、
host-uuid
パラメータを指定します。<path>
プロパティとして返されるグローバルデバイスパスは、リソースプール内のすべてのホス トで共通です。このため、ストレージリポジトリを作成するときに、device-config:device
パラメータの値としてこのパスを指定する必要があります。複数のLUNが存在する場合は、
<path>
プロパティに含まれているベンダ、LUNサイズ、LUNシリ アル番号、またはSCSI IDを使⽤してLUNを指定します。xe sr-probe type=lvmohba \
host-uuid=1212c7b3-f333-4a8d-a6fb-80c5b79b5b31 Error code: SR_BACKEND_FAILURE_90
Error parameters: , The request is missing the device parameter, \
<?xml version="1.0" ?>
<Devlist>
<BlockDevice>
<path>
/dev/disk/by-id/scsi-360a9800068666949673446387665336f </path>
<vendor>
HITACHI </vendor>
<serial>
730157980002 </serial>
<size>
80530636800 </size>
<adapter>
4 </adapter>
<channel>
0 </channel>
<id>
4 </id>
<lun>
2 </lun>
<hba>
qla2xxx </hba>
</BlockDevice>
<Adapter>
<host>
Host4 </host>
<name>
qla2xxx </name>
<manufacturer>
QLogic HBA Driver </manufacturer>
<id>
4 </id>
</Adapter>
</Devlist>
4.
sr-probe
コマンドで返された<path>プロパティのグローバルデバイスパスを指定して、プール マスターとして動作するホスト上でストレージリポジトリを作成します。PBDが作成され、⾃動 的にプール内の各ホストにプラグされます。xe sr-create host-uuid=<valid_uuid> \ content-type=user \
name-label=<"Example shared LVM over HBA SR"> shared=true \ device-config:SCSIid=<device_scsi_id> type=lvmohba
注︓
上記のsr-create処理のPBD作成とプラグ操作を再試⾏するには、XenCenter の[ストレージ]>[修復]機能を使⽤できます。ストレージリポジトリ作成時の ゾーン設定がリソースプール内の⼀部のホストで不正な場合、この機能を使⽤して 解決できます。問題のホストに対するLUNゾーン設定を修正したら、ストレージリ ポジトリを作成し直す代わりに、[修復]コマンドを使⽤します。
5.2.9. NFSおよびSMB
NFSとSMBの種類のストレージリポジトリは、リモートのファイルシステム上にVHDファイルとし てディスクを格納します。
XenServerでは、TCP/IPを利⽤するNFSサーバーの共有(NFSv4またはNFSv3をサポート)または SMBサーバーの共有(SMB 3.0をサポート)を、仮想ディスク(VDI)のストレージリポジトリと してすぐに使⽤できます。VDIは、Microsoft VHD形式でのみ格納されます。さらに、これらのスト レージリポジトリは共有できるため、共有ストレージリポジトリに格納されたVDIで次のことが可能 になります。
• リソースプール内のすべてのXenServerホストでの仮想マシンの起動
• XenMotionを使⽤した、サービスをほとんど停⽌しない、リソースプール内のXenServerホスト間 の仮想マシンの移⾏
重要︓
• SMB 3.0のサポートは、3.0プロトコルを使⽤した共有への接続機能に限定され ます。Transparent Failoverなどの追加の機能は、XenServer 7.5ではサポート されておらず、アップストリームLinuxカーネルの機能を使⽤できるかどうかに 依存します。
• NFSv4では、
AUTH_SYS
の認証の種類のみがXenServer 7.5でサポートされま す。注︓
SMBストレージは、XenServer Enterprise Editionユーザー、またはXenApp/
XenDesktop権限によりXenServerにアクセスするユーザーが使⽤できま
す。XenServerの各エディションおよびエディション間のアップグレードについて は、Citrix