以下に、iStorageManager運用に際してのシステムパラメータの設定を説明します。なお、システム設 定の詳細については、ご利用になられるOSで提供されている説明書などを参照してください。
なお、変更については、システムパラメータの現在値、または既定値(バージョンにより異なります)
を調べ、それに加算した値で設定をしてください。
(1)最大ファイルオープン数
以下を参考に、設定とカーネル構成を行ってください。
表1-16 システムパラメータ(最大ファイルオープン数)と設定値
OS名称 パラメータ名 必要量
HP-UX nfile (既定値:
11iv3:0 (無制限))
iStorageManager固定値 :160以上 クライアント接続ごと :16ずつ加算 ディスクアレイ接続ごと :19ずつ加算 例)クライアント接続台数 :32台
ディスクアレイ接続台数 :2台
必要量=160+16×32+19×2=710以上 HP-UX ninode
(既定値:
11iv3:
NX7700iシリーズ は8192程度)
インストール先がHFSファイルシステムの場合に、nfileで指 定した値と同数を追加してください
HP-UX maxfiles (既定値:
11iv3:
NX7700iシリーズ は2048)
iStorageManager固定値 :20以上 ディスクアレイ接続ごと :2ずつ加算 例)ディスクアレイ接続台数 :32台 必要量=20+2×32=84以上
(2)その他の設定要素
以下を参考に、必要に応じて設定とカーネル構成を行ってください。
表1-17 その他のシステムパラメータと設定値
OS名称 パラメータ名 説明
HP-UX msgmnb (既定値:16384)
メッセージキューID 当たりの滞留メッセージテキストサイズ の最大
iStorageManagerは3つのメッセージキューを使用します。
iStorageManagerから出力されるメッセージが多く、プロセス
間でのメッセージキューへの送信失敗が発生する場合に設定 値を増やしてください。
iStorageManager では、PD 障害が発生してプールまたは
RANKの状態が変化すると、そのプールまたはRANKに属す るLD全てに関してメッセージが出力されるため、同時に大量 にメッセージが出力されます。その場合でもメッセージ出力が 失敗しないようにするためには、以下を目安に余裕を持たせて パラメータを増加させてください。
(最もLD数の多いプールまたはRANKのLD数+2)×565 HP-UX msgtql
(既定値:
11iv3:1024)
システム当たりの滞留メッセージ(ヘッダ)個数の最大
iStorageManagerは3つのメッセージキューを使用します。
iStorageManagerから出力されるメッセージが多く、プロセス
間でのメッセージキューへの送信失敗が発生する場合に設定 値を増やしてください。
iStorageManager では、PD 障害が発生してプールまたは
RANKの状態が変化すると、そのプールまたはRANKに属す るLD全てに関してメッセージが出力されるため、同時に大量 にメッセージが出力されます。その場合でもメッセージ出力が 失敗しないようにするためには、以下を目安に余裕を持たせて パラメータを増加させてください。
(最もLD数の多いプールまたはRANKのLD数+2)×3 HP-UX semmni
(既定値:
11iv3:2048)
システム当たりのセマフォセット(識別子)の最大数
iStorageManagerは1つのセマフォセットを使用します。
セマフォセットが不足している場合に設定値を増やしてくだ さい。
HP-UX semmns (既定値:
11iv3:4096)
システム当たりのセマフォの最大数
iStorageManagerは1つのセマフォを使用します。
セマフォが不足している場合に設定値を増やしてください。
HP-UX nproc
(既定値:4200)
システム当たりの最大プロセス数 iStorageManager固定値 :33以上 クライアント接続ごと :2ずつ加算 ディスクアレイ接続ごと :1ずつ加算 例)クライアント接続台数 :32台
ディスクアレイ接続台数:2台
必要量=33+2×32+1×2=99以上を追加 HP-UX maxdsiz
(既定値:
11iv3:1G)
1つのプロセスが確保できるデータセグメントの上限値 構成表示コマンド(iSMview)は次のデータセグメント領域を 使用します。
約72Mbyte+((LDセット数÷3)×1Mbyte)
※ただし、(LDセット数÷3)は小数第1位で切り上げ ディスクアレイにLDセットが多数存在する場合には設定値を 増やしてください。
HP-UX max_thread_proc (既定値:
11iv3:256)
1つのプロセスで作成できるスレッドの最大数 クライアント接続ごと:4ずつ加算
例)クライアント接続台数:32台 必要量=4×32=128以上を追加 HP-UX shmseg
(既定値:
11iv3:300)
1つのプロセスが確保できる共有メモリセグメントの上限値
共通
iStorageManager固定値 :9以上 ディスクアレイ接続ごと :4ずつ加算
DynamicSnapVolume利用時
スナップショットBV数合計が277個ごと:1ずつ加算
DynamicDataReplication、RemoteDataReplication利用時 ボリュームのペア数合計が4500個ごと :1ずつ加算
RemoteDataReplication/DisasterRecovery利用時 ATグループ数合計が900個ごと :1ずつ加算 例)ディスクアレイ接続台数 :2台
スナップショットBV数合計:200個 ボリュームのペア数合計 :2000個 AT グループ数合計 :50個 必要量=9+
4×2+
(200÷277)の切り上げ+
(2000÷4500)の切り上げ+
(50÷900)の切り上げ
=20以上(既定値120以下なので変更不要)
ディスクアレイ接続台数が10台を超える場合は、既定値以上 の値が必要でないか、確認してください。
HP-UX shmmni
注:shmmin と間 違えないこと。
(既定値:
11iv3:400)
システム全体で作成できる共有メモリセグメントの最大数
iStorageManagerは、共有メモリセグメントを使用してディス
クアレイ情報の管理を行います。
ディスクアレイ数が増えると足りなくなる場合があります。
以下の値を参考に設定値を変更してください。
※以下の参考値より十分に大きい値を設定してください。
共通
iStorageManager固定値 :12以上 ディスクアレイ接続ごと :3ずつ加算
PerforMate利用時
PerforMate使用ディスクアレイごと :1ずつ加算
PerforSure、PerforOptimizer利用時
PerforSure、PerforOptimizer 使 用 デ ィ ス ク ア レ イ ご と :1ずつ加算
DynamicSnapVolume利用時
DynamicSnapVolume使用ディスクアレイごと
(RDR接続されたディスクアレイを含む) :1ずつ加算 スナップショットBV数合計が277個ごと :1ずつ加算
DynamicDataReplication、RemoteDataReplication利用時 ボリュームのペア数合計が4500個ごと :1ずつ加算
RemoteDataReplication/DisasterRecovery利用時
ATグループ数合計が900個ごと :1ずつ加算 例)ディスクアレイ接続台数 :2台
(PerforMate、PerforSure、DynamicSnapVolume、 DynamicDataReplication、RemoteDataReplication、
RemoteDataReplication/DisasterRecovery利用可能)
スナップショットBV数合計:200個 ボリュームのペア数合計 :2000個 ATグループ数合計 :50個 必要量 = 12+
3×2+
2+2+2+
(200÷277)の切り上げ+
(2000÷4500)の切り上げ+
(50÷900)の切り上げ = 27以上を追加
各システムパラメータは、カーネルメモリを使用することがあります。そのとき、実装メモ リ量に注意し、カーネルメモリの不足がないよう設定してください。