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カナダの税制度

ドキュメント内 Microsoft Word - カナダ 大洋社新.doc (ページ 53-57)

第 2 章 各論

2.7. 鉱業税制

2.7.1. カナダの税制度

カナダ連邦政府の憲法の元では、連邦政府が、直接的または間接的に、課税をす る権利がある。直接税は、課税対象となる個人又は企業に課せられるもので、納税 の義務を他者に委託することはできない。直接税に含まれるものとしては、個人と企 業の所得税、キャピタルゲイン税、消費税を含む。 間接税は、消費者には直接課せ られないが、消費者の支払う価格に含まれる税をさす。これには輸入税や消費税が 含まれる。

鉱業界には連邦政府より次の課税が適応される。

¾ Income Tax Act (所得税法)Part 1Corporate income tax(1条:企業の所得 税)とPart XIII Withholding tax(13条:源泉徴収税)

¾ Capital Tax(the Large Corporation Tax):大企業に課せられる連邦資本税で、

5,000万Cドルを超える資本を持つカナダのすべての課税法人に課せられる。

資本金(Shareholder’s equity)と負債(Liabilities)の合計額から特定の投資額 を差し引いた額に対して課税される。現在、段階的に引き下げられており、

2008 年 1 月 1 日には税率がゼロとなる。大企業税額の算定上、法人付加税 を控除することができる。控除できない付加税は、3年の繰戻しと7年の繰越し が認められている。

¾ GST (Goods and Service Tax) 物品サービス税: 売買される全ての物品とサ ービスに課せられる付加価値税 (但し企業がその営業の費用に課税された GSTは納税額より相殺される。また輸出品はGSTの対象外とされる。)

¾ 給与の徴税(Employment insurance失業保険, Canada Pension Planカナ ダ国民年金の払い込み、またはケベック州の企業に課せられる Quebec

Pension Plan ケベック州州民年金への払い込み)、固定資産税、及び物品税

を含む間接税

¾ 源泉徴収税:鉱業界に対する源泉徴収税は限られているが、エネルギー資源 やダイアモンド資源に適応される。税率は、規定された税率又は従課税(物品 価格に合わせての比率)のものがある

¾ 輸出入税

図表2-25 連邦政府税率一覧 (200611日現在-2006年会計年度に適応)

税 税 率

連邦政府一般企業に対する所得税 一般

鉱業企業

課税対象所得の22.12%

鉱業からの利益の21.57%

連邦資本税 1千万Cドル以上の資本に対して 0.125% の課税 GST商品・サービス税 商品・サービス料の7%

燃料徴収税 ガソリン ディーゼル

10セント/1リットル 4 セント/1リットル

図表2-26 鉱業界に適応される連邦政府所得税率

(200611日現在-2006年会計年度に適応) 税率 % 連邦所得税率(規定) (A) 28.00

連邦付加税 (B) 1.12

資源手当て控除率 (C) -2.55

資源控除額 (D) -5.00

鉱業界の控除後の修正税率 (A+B+C+D) 21.57

鉱業の税制制度は大きく採掘と加工、及び製造業と 2 つの分野に分かれている。

税制度においては精錬過程を含む採掘と加工分野は連邦政府および州政府より税 制優遇を図る特別措置が設けられている。

連邦政府レベルでは鉱業に対して次の税制優遇措置が適応される。

¾ 資源特別手当

¾ 州・地方自治体の鉱業税とロイヤルティ

¾ カナダ探鉱活動費(CEE)税額免除

¾ フロースルー株(FTS)とカナダ探鉱費税額免税(ITCE)

¾ 国外資源費(FRE)と国外探鉱および開発活動費(FEDE)に対する税額免除

¾ カナダ鉱山開発費(CDE)とカナダ石油ガス資源費(COGPE) 税額免除

¾ 減価償却(CCA)法の特別優遇

¾ 促進減価償却制度(ACCA)

¾ 資源消耗額免税制度

¾ 国外原鉱加工費

¾ 鉱山復帰積立金の税制免除

非鉄金属の精製は製造業とみなされる。このため、他の製造業と同様の税制が適 応される。

図表2-27 州政府所得税率 (200611日現在-2006年会計年度に適応)

州・準州

資 源 収 入 に 対 す る 連 邦 政府税率 %

A

州・準州規定 所得税率

B

資 源 手 当 て 控除率 %

C

控 除 率 後 の 州・準州の資 源得税率 %

B+C=D

連邦・州政府 税率合計

A+D

アルバーター 21.57 8.0 -2.00 6.0 27.6 ブリティッシュ・コロンビア 21.57 13.5 0 13.5 35.07 マニトバ 21.57 15.0 -1.31 13.69 35.3 ニュー・ブランズウィック 21.57 13.0 -1.14 11.86 33.4 ニューファンランド・ラブラ

ドール 21.57 14.0 -1.23 12.77 34.3

ノバスコシア 21.57 16.0 -1.40 14.6 36.2 オンタリオ 21.57 12.0 -3.00 9.0 30.6 ケベック 21.57 8.9 -2.23 6.7 28.3 サスカチュワン 21.57 17.0 -4.25 12.8 34.4 ノースウエスト準州 21.57 14.0 -1.23 12.77 34.3 ヌナバット 21.57 12.0 -1.05 10.95 32.5

ユーコン 21.57 15.0 -1.31 13.69 35.3

図表2-28 鉱業界に適応する政府資本税率

(200611日現在-2006年会計年度に適応) Federal-Large

Corporates Tax Rate

Prov./Terr.

Capital

Tax Rate Exemption Deduction 州/準州

% %

アルバーター 0.125 - - -

ブリティッシュ・コロン ビア

" - - -

マニトバ " 0.50 - -

ニュー・ブランズウィ ック

" 0.30 $5M -

ニューファンランド・ラ ブラドール

" - - -

ノバスコシア " 0.29 - -

オンタリオ " 0.30 $5M -

ケベック " 0.40 - $0.25M

サスカチュワン " 0.60 $15M -

ノースウエスト準州 " - - -

ヌナバット - - - -

ユーコン " - - -

図表2-29 鉱業界に適応する州政府資本税率

(2005年11日現在-2005年会計年度に適応)

鉱業税率 加工手当て率 州政府 第1グ

ループ

2 グ ループ

新しい鉱 山への税 制控除

($) 最低 最高

鉱山と加 工設備費 の減価償 却 ( 1)

操業準 備費の 控除率

探鉱経 費控除 率

鉱山復旧 投資の控 除の有無 アルバーター

(AB1)

1% on gross (AB3)

12% 無し 0% 65% 100%

(AB2) 100% 100% 有 ブリティッシュ・

コロンビア (BC3)

2% on net (BC2)

13% 無し N/A N/A (BC1) N/A N/A 有

マニトバ N/A 18% (MB1) 0% 65%

(MB3) 20%

(MB2) 100% 100% 有 ニュー・ブラン

ズウィック

2% on net (NB1, NB3, NB4)

16% 2%

1年と2 年目はロ イヤリティ を除く

0% 65%

(NB2) 100% 100% 150% 有

ニューファンラ ンド・ラブラド ール

N/A

(NF2) 16% 10年まで 最高

$2M/年控 除

0% 65% 25% - 100%

(NF1)

100% 100% 有

ノバスコシア 2% on net (Au)

15% 無し 0% 65% N/A N/A N/A N/A

オンタリオ N/A 10% $0.5MC/

年まで + 10年間 通算

$10MC まで (ON1)

15% 65% (O

N2) 15% - 100% SL

(ON3)

100% 100% 有

ケベック (QC1, QC2)

N/A 12% 無し 0% 65% 100% 100% 100%

150%

(QC3)

サスカチュワ ン

(SK2)

N/A 10% (S

K3) 無し N/A N/A 100% 150% 150% 有

ノースウエウト (NW1)

N/A 13% 無し 0% 65% 100% 100% 100% 有

ヌナバット (NV1)

N/A 13% 無し 0% 65% 100% 100% 100% 有

ユーコン N/A 13%+

(YK1) 無し 0% 65% 15% SL 0% 100% 無 注1: SL= 定額償却法を差す。特に記載されていない場合は、定率減価償却法が適応される。

N/A は適応外を差す。

ブリティッシュ・コロンビア州

¾ BC1:減価償却の計算の為に鉱山開発に関する資産と探鉱活動に活用する 資産を分ける代わりに、ブリティッシュ・コロンビア州では、鉱山開発と探鉱活 動全ての資産を統括して管理するCumulative Expenditure Account(CEA) を使用する

¾ BC2:ブリティッシュ・コロンビア州の通常の鉱業税より控除

¾ BC3:新しい鉱山開発に関する控除が認めらる。次の条件を満たす限り、鉱 山資産の1/3までが控除される。

1. 鉱山が次の1つに当てはまる

¾ 以前に鉱山が運営されたことのない土地に所在し、1994年12月31 日以降、2008年1月1日以前に適量を満たす鉱物資源の産出を行 った。

¾ Mines Act (鉱山法)の元で1995年1月1日以前に操業の停止及 び放棄された鉱山と認められ、1994年12月31日から2008年1 月1日の間に適量と認められる生産量のある鉱山である。

¾ 1995年1月1日以前に操業を停止したか、営業の為の社員の大半 以上を解雇したき鉱山で、1994年12月31日から2008年1月1 日の間に適量と認められる生産量がある。

¾ 1994年12月31日から2008年1月1日の間に加工前の鉱物量

が25%以上増加する拡張工事を行った鉱山である

2. 計上されている費用が

¾ 1994年12月31日以降に計上された

¾ 鉱山が操業する前、または拡張工事の前に計上された

¾ 拡張工事のされた鉱山においては、その費用は拡張工事に直接関 係するものである。

3. 一度閉鎖された鉱山においては、以前に使用されていた資産を購入する 為に発生した経費、または以前の運営経費に対する支払いではない。

4. 資産の購入が正しい市場価格で取引されており、Arms-length(親子会 社間、関連会社間の取引ではない)の取引では無いと認めらた場合には その費用は認められない。

1985 年の Western Accord の以降カナダ連邦政府は再生不能の天然資源の探

鉱活動にロイヤルティに値する源泉徴収を廃止した。

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