表 7-2 に示したインドネシア SIS の指標は、本事業が予定している JCM の下での
REDD+プロジェクトにおいても適用され、情報の提供を求められる可能性が高い。そ
のため、本事業でも指標を満たすためにどのような取り組みを行い、どのような証拠書 類を準備すれば良いか検討を行った。検討した内容は表7-3の成果物案および実施内容 案の列のとおりである。
表7-3 本事業におけるセーフガード作業内容案
指標 成果物案 プロジェクトレベルでの実施内
容案 1.1.1 実 施 規 模 や 状 況 に 合 わ せ た
REDD+活動に関する明確な権限 を証明する法的・行政文書の入 手可能性。
①REDD+に関する法的・行政 文書
・法的・行政文書の収集
1.2.1 関連する政府条令の実施に関す る計画文書や手続き、定期的報 告書の入手可能性。
①REDD+実施に関する計画文 書、手続き、定期的報告書
・REDD+に関する許認可申請 書類、年次報告書等の作成 1.2.2 国際条約/合意の実施に関する
報告書の入手可能性。
(国/準国レベルで対応) (国/準国レベルで対応)
1.3.1 準国レベルの REDD+活動は、イン ドネシア林業分野の長期的戦略 計画で優先されている目的に従 い、サポートする。
(準国レベルで対応) (準国レベルで対応)
2.1.1 実 施 規 模 や 状 況 に 応 じ た 、 REDD+活動の責任機関による、
情報開示に関する方針について の明確な表明。
①情報開示に関する方針の 表明
・プロジェクトに関する情報の公 表方法の検討
・ステークホルダーへの情報の 公表の実施
2.1.2 実 施 規 模 や 状 況 に 応 じ た 、 REDD+活動の責任機関の組織構 造やタスク、機能の概要に関する 明確な表明。
①実施体制に関する組織構 造、役割分担等の概要に関 数する表明
・プロジェクト実施体制の検討
・ステークホルダーへの情報の 公表の実施
2.2.1 反賄賂に関する明確な方針の表 明。
①反賄賂に関する方針の表明 ・反賄賂方針の検討
・公表の実施 3.1.1 REDD+活動エリアに居住すると特
定された先住民や地域コミュニテ ィに関する、権利関係を含んだ地 図、または関連文書の入手可能 性 [LEI: S1.3]。
①権利関係を示した地図
(②権利関係を示した文書)
・プロジェクトエリアの地図に、周 辺村落の位置を示す
・それぞれの村の境界線を示し た文書を入手する
・それぞれの村人が、どのエリア の森林を所有・利用している か文書等でわかればそれを入 手する。そうした文書がなけれ ば、聞き取りにより把握し、地 図に記載する(もしくは文書に 記述する)
91 3.1.2 森林資源活用における先住民や
地域コミュニティの権利や希望に 対応する為のワークプランあるい は 取 り 決 め の 入 手 可 能 性 [LEI:
P2.9]。
①ワークプラン・取り決めの文 書
・上記 3.1.1 の文書を作成する という計画、またはその成果 物
・権利の現状に加え、村人等の 希望をある程度反映したもの であることが望ましい
3.2.1 REDD+活動の影響を受け得る先 住民や地域コミュニティの自由で 事前の、十分な情報を与えられ た上での合意に向けた、活動規 模や強度に応じた努力を証明す る協議プロセス文書の入手可能 性。[SVLK/PHPL: Prerequisite 1.5; FSC Principle 3 and 4]。
①FPICに向けた取り組みを行っ た過程を取りまとめた文書
・説明会の実施方法、説明内 容、参加者名簿、参加者から のコメント要旨等
3.3.1 政策、計画および/あるいはプログ ラムは、自然資源あるいは資本、
知識へのアクセスや制御の制限 によりコミュニティの特定グループ 細分化という結果を引き起こさな い 。 [KLHS/AMDAL: Permen LH 09/2011, KLHS Justice Value]。
①自然資源、資本、知識への アクセスや制限についてコミュ ニティ内で差異がないことの 証明
・自然資源・資本へのアクセス のルールに関する取り決め
・説明会やプロジェクト活動への 参加がある特定のグループの みに許されているなどの状況 がないことを説明
3.3.2 影響を受ける先住民および地域 コミュニティ間の公平な利益分配 の為にまとめられたメカニズムおよ び実施証明 [SVLK/PHPL: 4.3]。
①利益分配について定めた合 意文書
②そうした利益分配が実施され ている証拠
・プロジェクト実施による「利益」
の定義の明確化
・利益の計測方法、分配のル ールに関する合意形成 3.4.1 必要に応じて、伝統的知識の商
業利用に対する補償支払メカニ ズム/手続きの入手可能性。
①商業的活用の対象となる知 識の特定
②ある場合は分配方法の特定
・対象となる知識の詳細・活用 方法の聞き取り
・その知識により生じる利益の 査定
・分配方法の合意形成 4.1.1 関係するステークホルダーのリスト
の入手可能性。
①ステークホルダーのリスト ・関係するステークホルダーの リストアップ
4.1.2 ステークホルダー関与の文書化 されたプロセス。
①関与プロセスの策定 ・何についてどのステークホル ダーがどうか変わるかの調整
・関係ステークホルダーとの合 意形成
4.1.3 関係するステークホルダーが関 与している計画およびモニタリング プロセスの証拠書類。
①当該ステークホルダーの関 係する計画・モニタリングの内 容
②当該ステークホルダーが計 画・モニタリングに関与したと いう証拠
・計画・モニタリングの内容の作 成
・打ち合わせ/会議等で計画 に参加していること、実際にモ ニタリングに参加した証拠を示 す議事録・参加者名簿・活動 記録等の設計
4.2.1 解決プロセスを含む苦情記録の 入手可能性。
①苦情処理のルール ・想定される苦情の種類の明 確化
・苦情の種類ごとの対処ルール の策定
4.2.2 機能する紛争解決メカニズムが 整 っ て い る こ と を 証 明 す る 文 書 [SVLK/PHPL:4.4]。
①紛争解決メカニズムの内容
②メカニズムの設置の証明
・想定される紛争の種類の明 確化
・紛争の種類ごとの対処ルール
92
の策定
4.2.3 紛争/苦情解決のための適切な 手続きまたはメカニズムが積極的 に活用されていることの証拠[LEI:
S1.4]。
①(あれば)活用の具体的事例 ・4.2.1 および 4.2.2 のメカニズ ムの活用の際の記録方法の 確定
5.1.1 社会的・環境的サービスに対する 影響評価報告書の入手可能性。
①影響評価のレポート ・評価すべき項目の特定
・評価方法の検討 5.1.2 社会的・環境的サービス維持の
ための、管理・モニタリング計画が 入 手 可 能 で あ る 。 [SVLK/PHPL:
E3-4-3.5; LEI: E.2.8; FSC: P9 on HCV]。
①社会・環境サービスの管理・
モニタリングプラン
・管理計画の検討
・モニタリング方法の検討
5.2.1 絶滅危惧種や希少種、絶滅の恐 れのある種、固有種の記録が入 手可能である。
①(あれば)絶滅危惧種や希少 種等の記録
・絶滅危惧種や希少種等が存 在するかどうかの確認 5.2.2 生物多様性管理計画の入手可
能性。
①生物多様性管理計画 ・管理計画の策定 5.2.3 生物多様性管理計画の一貫した
実施の証拠。
①管理計画に沿った実施が行 われていることの証拠
・管理活動の実施記録の様式 策定
5.2.4 REDD+活動が、インドネシア政府 条令により定義された天然林の転 換を回避しているということをリモ ートセンシングによって証明する [Permenhut No.5/2010; FSC:
Criterion 6.9]。
①自然林のエリアを明示したリ モートセンシング画像(プロジェ クト開始後)
・プロジェクト開始時点自然林 の範囲の特定
・一定期間後の自然林の範囲 との差分の抽出(プロジェクト 開始後)
6.1.1 火災や侵入、違法伐採、その他 外的影響を含む REDD+活動現 場/地域のリスク評価の入手可能 性。
①リスク評価の報告書 ・リスクの種類の特定
・種類ごとのリスクの評価
6.1.2 主要な反転の脅威に対応する関 連リスク緩和計画の入手可能性
①リスク緩和計画 ・リスクの重要性の評価
・主要なリスクに対する対応の 特定
・緩和計画の作成 6.2.1 反転リスクの定期的な評価および
必要な場合は緩和の為の適応的 管理ステップの推奨を可能とする ような年次モニタリング報告書の 入手可能性。
①年次モニタリング報告書 ・報告書の項目の検討
・適応的管理ステップの要件確 認
6.2.2 年次モニタリングからの推奨に合 致した、反転脅威に対する積極 的な管理を行った事の証拠。
①管理報告書 ・モニタリング結果に基づく管理 活動の実施
・管理報告書の作成 7.1.1 国 家 バ ウ ン ダ リ ー 内 に お け る 、
REDD+活動エリア外で起こり得る 排出移転の種類に関する評価文 書及び分析の入手可能性。
①排出移転の可能性分析結 果
・排出移転の起こりえる可能性 のリストアップ
・可能性およびその際の影響の 分析方法の検討
7.1.2 国 家 バ ウ ン ダ リ ー 内 に お け る 、 REDD+活動エリア外への排出移 転を回避する、現実的なシナリオ
①排出移転回避の戦略 ・起こりえる排出移転について 回避する方策の検討
93 での、排出削減戦略の文書の入
手可能性。
7.2.1 REDD+活動エリアの森林関連排 出量や炭素蓄積量変化や、国家 バウンダリー内における REDD+活 動エリア外で削減された排出移 転に関する年次モニタリング報告 書の入手可能性。
①年次モニタリング報告書 ・モニタリング対象の特定
・モニタリング間隔、方法の検 討
表7-3はインドネシアSIS項目に従った検討であり、実際にはプロジェクト開始前に 準備するべき内容、開始後に実施すべき内容が混在している。