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量゜・5

 0 7589AO 10.3

    pH   Up・motile

  (811M−M)

図2−2.様々なpHで培養したB∂α泌5ρsθμdo坊m〃s OF4株のフラジェリン発現量

(a,b)様々なpHで培養したB∂α品5ρ5e垣o㎞μ50F4株の全画分のフラジェリンをウエスタンブロ

ット解析した。(a)野生株(811M株)、(b)運動性向上株(811M−M株)。811M株および811M−M株を

pH7.5、8、9、10、10.3の複合培地(Na濃度はすべて230mM)で37℃、6時間培養し、全画分を調 整した。解析には811M株全画分クルード溶液はタンパク質10μg分を、811M−M株全画分クルー ド溶液はタンパク質LOμg分を用い、抗フラジェリン抗体を用いたウエスタンブロットにより検出し

た。

(c,d)検出されたバンドの化学発光量からフラジェリン発現量の定量化を行った。(c)野生株(811M 株)、(d)運動性向上株(811M−M株)。それぞれの株においてpH 10で培養したものを1.0としたとき

の数値で表した。三回の独立した実験を行いその平均を示した。誤差バーは標準偏差を表す。

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エリンおよび切り離したべん毛に含まれる細胞外フラジェリンをウエスタンブロット解析 した(図2−3)。運動性向上株のフラジェリン発現量は、野生株と比較して、細胞内では 4.9±L6倍、細胞外では3.9±0.74倍であった。これらの運動性向上株におけるフラ ジェリン発現量の増加はべん毛染色の結果を裏付けるものであった。

 培養時のNa+濃度がフラジェリンの発現量に与える影響について調べるため、野生 株と運動性向上株を様々なNa+濃度(55mM、2301nM、560mM)のアルカリ複合培地(pH 7.5またはpH10)で培養し、同様に全画分のウエスタンブロット解析を行った。この範囲 内ではフラジェリンの発現量は培地のNa+濃度によって大きな影響は受けていなかっ

た(図2−4)。

第2項B∂c77/us pseudofirn?us OF4株の遊泳速度のNa濃度230mM、 PVP 1%までの

増加と、低pHやEIPAによる阻害

 液体中での運動性に対するNa+濃度、 pHの影響を調べるため、野生株(811M株)

および運動性向上株(811M−M株)をアルカリ複合培地(pH 10、 Na+濃度230 mM)で培 養し、集菌後、様々なpH、 Na+濃度の培地にけん濁して遊泳速度(swimming speed)を 測定した(図2−5)。OF4株の液体培地での運動性は、既に報告されているように[11]、

pH6では見られず、 pH7でNa+濃度50mM以下の場合にも見られないもしくは非常に 低かった。しかし、pH8〜10においてNa+濃度230mMまではNa+濃度の対数的増加に 伴い遊泳速度が直線的に上昇した。これは好アルカリ性BaCi7/us sp. YN−1株におい ての報告と同様の傾向であった[1,2]。野生株および運動性向上株の最適条件は pHIO、230mMであった。 pH8−11では230mM以上のNa濃度で遊泳速度は徐々に低 下したが、pH7では少なくとも560mMまでは運動速度の上昇が見られた。野生株と運 動性向上株を比較すると、運動性向上株のほうがやや速い傾向が見られたが、

pH6−10ではほぼ同様の傾向を示した。 pH11では運動性向上株のほうが速かった。

アミロライドとその誘導体であるEIPAなどはN a+チャネルブロッカーであり、好アルカリ

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(a)     1nt「acellular

     fiagellin     Wild− Up−

    type motile

   (811M)(811M−M)

 kDa

 50−

 37−

  ratio 1.0   4.9

(b)    eXtracellular

    flage in

    Wild− Up−

    type motile

   (811M)(811M−M)

 kDa

 50−

 37・・ t−(■■■

  ratio 1.0  3.9

図2−3.Ba ci77us pseudofirmus O F4株の細胞内および細胞外フラジェリンのウエスタンブロット解析

 βaoW5ρseudofirmus OF4野生株(811M株)と運動性向上株(811M−M株)をアルカリ複合培地

(pH 10、 Na+濃度230 mM)で37℃、6時間培養し、抗フラジェリン抗体を用いたウエスタンブロットに

より細胞内および細胞外フラジェリンをウエスタンブロット解析した。

(a)べん毛の切り離した後の細胞に含まれる細胞内フラジェリンのウエスタンブロット解析。

(b)切り離したべん毛に含まれる細胞外フラジェリンのウエスタンブロット解析。

 細胞内フラジェリンの解析にはそれぞれタンパク質10μg分の細胞内画分を用いた。細胞外フ ラジェリンの解析には1mlの細胞外画分のうち1μ1を使用した。バンドの化学発光量から定量化を 行った。野生株のフラジェリン発現量を、運動性向上株のものを1.0としたときの数値で表した。三 回の独立した実験を行いその平均を示した。

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(a)

lkDa}

E,O−

3ア・

bVr[d−1ypだ 1311ト,1

55230560 5523056〔l

 Nゴ濃度(什!M:・

(b)

CkDa)

巳○−

37、

しo・motlle

iBぐ1 .吟一L1[

552:ヨロ5fi〔〕5521≡;〔156〔l

 Nゴ濃度ilmM:・

pH75 pHl 1:1 FIH75 「・Hl口

図2−4.様々なNa+濃度で培養したBac?7/us pseudofirmus O F4 ilkのフラジェリン発現量

(a,b)様々なNa+濃度で培養したBa Ci7/us psθudofirm us O F4株の全画分のフラジェリンをウエスタン

ブロット解析した。(a)野生株(811M株)、(b)運動性向上株(811M−M株)。811M株および811M−M 株をNa濃度55、230、560mMの複合培地(pH7.5または10)で37℃、6時間培養し、全画分を調

整した。解析には811M株全画分クルード溶液はタンパク質10μg分を、811M−M株全画分クルー

ド溶液はタンパク質1.0μg分を用い、抗フラジェリン抗体を用いたウエスタンブロソトにより検出し

た。

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∩︶ 5  0   つ  ∩︶︶︑− う↑ う∠ − −ζ﹂ 吟U

UΦm︑⊆;.︶つ①Φ昔O⊆∈Eξい 釦25・U  戸0  0︹∠  1  1貫﹂ 0

(り

Bψ≒⊂ぺ︶方ΦΦ工uσO⊆⊂﹂⊂ζ一戸﹀の

30 Q5 Q0

P5 P0

O  へU

(リ

ウ望∈之ご︶ΦΦ亘的ひ⊂∈∈一︑︾の

1〔)   100  1000

10 100  1t〕|こM)

10   1(〕0  1000 Na◆ (mMj

犯2520151050

pH7

1 10

←   L  」

D 5 0 5 0 5 0

32寸一|−

100  1000

1

0声O∩︶⊂∀︵∪う∩︑つ﹂︹︶↑︑︑乙11

10 1 i〕0  1[〕〔10

10   1〔〕〔l  lOOO

Na◆(mM)

 図2−5.Baei7/us pseudofirmus O F4株においてpHおよびNa濃度が遊泳速度に与える影響

 Ba ci7/us pseudoffrη us O F4野生株(811M株)および運動性向上株(811M−M株)をアルカリ複合培

地(pH 10、 Na+濃度230 mM)で培養し、活発な運動性を示す培養開始6時間後の細胞を集菌し、

様々なpHおよびNa+濃度の培地にけん濁して、暗視野顕微鏡によって観察し、遊泳速度

(swimming speed)を測定した。灰色丸()、灰色ラインは野生株、黒三角(▲)、黒ラインは運動性向 上株の遊泳速度を表す。それぞれ20個の遊泳中の細胞の2秒間の移動距離を測定し、遊泳速度

(μm/sec)を求めた。三回の独立した実験を行いその平均を示した。誤差バーは標準偏差を表

す。

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性細菌のNa+駆動型べん毛モーター固定子MotPSを阻害し[3]、運動性の阻害するこ とが知られている[12]。OF4株の液体中での運動性に対するEIPAの影響を調べるた め、野生株(811M株)および運動性向上株(811M−M株)をアルカリ複合培地(pH 10、

Na濃度230 mM)で培養し、集菌後、0〜400μMのEIPAを含むアルカリ複合培地(pH 10、Na濃度230 mM)にけん濁して遊泳速度(swimming speed)を測定した(図2−6a)。

OF4株の遊泳速度はEIPAによって著しく抑制された。これは報告されているNa駆動 型モーターをもつ他のBaci7/us属細菌と同様であった。 EIPA濃度20μMで遊泳速度 は約半分になり、400μMで完全に停止した。この傾向は野生株と運動性向上株、ど ちらの株でも見られた。液体培地において粘性も運動性に影響を与えることが報告さ れている[14,15]。OF4株の液体培地中での運動性に対する粘性の影響を調べるため、

野生株(811M株)および運動性向上株(811M−M株)をアルカリ複合培地(pH 10、 Na+濃 度230mM)で培養し、集菌後、0〜5%のPVP(polyvinylprrolidone)を含む複合培地

(pH 7、pH8、pHIO、 Na濃度230 mM、粘度0.89〜20.2cP)にけん濁して遊泳速度

(swimming speed)を測定した(図2−6b−d)。811M−M株ではどのpHでも粘度2.5cP(PVP 濃度1%)までは運動性が増加した。野生株においてこのような運動性の増加はpH7 以外では見られなかった。どちらの株でも粘度3.38cP(PVP濃度1.5%)以上の場合に は運動性が低下した。

第3項Ba Ci77us psθudofirn? us OF4株運動性向上株のアルカリ性軟寒天培地における 運動性の上昇

 OF4野生株(811M株)および運動性向上株(811M−M株)の軟寒天培地における運 動性を測定するため、0.3%の寒天を含む複合培地(様々なNa濃度、 pH7.5または pH10)で培養し、広がったコロニーの大きさを測定した(図2−7)。 pH7.5では野生株も運 動性向上株も低い運動性を示し、両者に全く差はなかった。しかしpH10では著しい 違いが観察された。運動性向上株では培地のNa濃度が上昇するにっれて飛躍的に

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         (a)       (b)

      il〔