第 7 章 環境情報地図の構築 89
7.2 環境情報地図の構成
7.2.2 低所特徴
2015年7月4日に行われたつくばチャレンジ2015の第1回実験走行会にて取得した3次 元測域センサのデータより,著者は第 5章で示した手法によって低所特徴を抽出し,環境 情報地図に付加した.その結果を以下に示す.ロボットと低所特徴の接触を回避するために は,その相対位置関係をより高い精度で推定することが有効と考える.このことから本研究 では低所特徴を自己位置・姿勢の推定に用いる.
図7.3に示すつくばチャレンジ2015のコースに対して,2次元測域センサのスキャンデー タ,および3次元センサによって抽出した段差を描画した占有格子地図を図7.4に示す.こ の地図は第4で述べた手法によって作成した[72].本研究では占有格子図はビットマップ画 像として構成されており,各ピクセルの値が,各測域センサのセンシングから得られたラン ドマークによる占有を表す.図7.4において,3次元測域センサのスキャンデータに対して
“Red point”が平面テーブルより抽出した低所特徴を示す.一方,“Yellow point”が高さの 変化量から抽出した低所特徴を示す.以下,実験走行により課題コースの複数個所で抽出し
7.2 環境情報地図の構成
Start Goal
(A)
平面テーブルで 抽出した低所特徴 高さの変化量で 抽出した低所特徴 (C)
(B) 走行禁止領域
コースライン
図 7.4 つくばチャレンジ2015の課題コースにおける環境情報地図 た低所特徴について考察する.
公園の芝生
図7.4のArea(A)に示す公園の芝生の周辺領域を図 7.5に示す.図7.4 (a)に示す領域で は,特にロボット右側の芝生領域の境界部分が抽出されている.また,図7.4 (b)に示す領 域では周囲にランドマークとなる建物などが少ないため,2次元測域センサのみでは自己位 置・姿勢の推定の精度と安定性が低下する可能性がある.これについては後述する.
7.2 環境情報地図の構成
(a)
(b)
平面テーブルで 抽出した低所特徴 高さの変化量で 抽出した低所特徴
図 7.5 Area (A).大清水公園における低所特徴の抽出
(a)
(b)
(c)
(a)
(b) (c)
平面テーブルで 抽出した低所特徴 高さの変化量で 抽出した低所特徴
図 7.6 Area (B). つくばセンターにおける低所特徴の抽出
縁石
図7.4のArea(B)を図 7.6に示す.この図において,(a)-(c)に示す街路樹を囲む縁石は センシングによる抽出が難しく,これまでのつくばチャレンジで多くのロボットのリタイヤ の原因となった[73].高さは最大で8[cm]程度であるが,場所によっては5[cm]以下となり,
地面との識別が難しい.図7.6下の占有格子地図上に示す縁石の抽出結果を示す.平面テー
ブル(“Red point”)では,この領域の縁石が抽出されている.また,ノイズが生じているが,
7.2 環境情報地図の構成
平面テーブルで 抽出した低所特徴 高さの変化量で 抽出した低所特徴
図 7.7 Area (C).一般歩道における低所特徴の抽出
ロボットの姿勢変化などで瞬間的に生じたものであり,走行には大きく影響しない.一方,
高さの変化量(“Yellow point”)によってもこれらの縁石は抽出されているが,ノイズが平面 テーブルと比較して多い.
歩道端
図7.4のArea(C)を図7.7に示す.この図は一般道の歩道端の抽出結果を表す.図の左側
の破線に示した部分を抽出した結果が右側の占有格子地図に表されている.歩道の下段差部 分は高さの変化量(“Yellow point”)によって正確かつ十分に抽出されている.