第 3 章 自律移動ロボットの構成 30
3.3 外界センサのレイアウト
幅 = 70[cm] 長さ =
75[cm]
高さ = 90[cm]
3次元測域センサ
2次元測域センサ2
2次元測域センサ1 ノートPC
図 3.1 本研究で開発した自律移動ロボットの外観
3.3 外界センサのレイアウト
外界センサのレイアウトは,自律走行の環境におけるセンシングの目的と対象によって決 定される.本研究における外界センシングの目的は「1.走行可能領域の識別」,「2.占有格 子地図とのマッチングによる自己位置姿勢の推定」の二つである.このため,環境中の物体 の形状データを高い精度で取得できる「測域センサ」を用いる.目的に応じたデータを取得 するためには最適な位置に測域センサを配置する必要がある.また,測域センサには取得で きるデータの次元から「2次元測域センサ」と「3次元測域センサ」の2種類がある.以下 にそれぞれの測域センサの目的と,そのレイアウトについて述べる.
3.3.1 2次元測域センサ
2次元測域センサは1本のレーザビームを水平に走査することで,環境の断面形状のスキャ ンデータを取得することができる.本研究で用いる2次元測域センサ(北陽電機製 UTM-30LX)は,測定範囲は270[deg]で,測定距離は最大30[m]程度である.レーザ測距点(ス キャンポイント)数は1080個であり,ステップ角が0.25[deg]であることから30[m]先のス キャン点の間隔は約13[cm]となる.2次元測域センサで識別する主な対象として歩行者の
3.3 外界センサのレイアウト
表 3.1 本研究で開発した自律移動ロボットの仕様 Size Width=70[cm],Depth=75[cm],Height=90[cm]
Weight 25[kg]
Panasonic CF-N10
Laptop PC CPU:CoreTM i5-2520M vPro:2.5[GHz], Mem:4[GB]
OS:Linux ubuntu 12.04
Micro Computer Alpha Project, AP-SH2F-11A(CPU:SH7136) Gyro Silicon Sensing Japan, CRS09-22
DGPS Receiver Hemisphere, A100 2D-Laser Scanner Hokuyo, UTM-30LX×2 3D-Laser Scanner Hokuyo, YVT-X001 Motor Maxon, RE35 90[W] ×2
Encorder Maxon, HEDL 5540(500[pulse])×2 Motor Driver Hibot, H1-Axis DC Power Module×2 Battery GS-YUASA, 12[V], 5[Ah]×2
幅が40[cm]程度であることから,十分に高い分解能を有する.実環境において,ロボット
は経路上にある物体に対して回避することが必要であるが,現実的には電柱のように垂直方 向に一様な形状の物体ばかりではない.例として,図3.2 (a)に示すように,ロードコーン のような円錐状の物体は,その高さによって幅が異なる.実環境ではこのような地面に近い ほど幅が大きい,いわゆる「末広がり形状」の物体が存在する.このロードコーンの上部の センシングデータによって回避を実行した場合,上部よりも幅の大きい下部に接触する可能 性がある.したがって,実環境では物体の下部をセンシングする方が回避に有利である.一 方,後述する自己位置・姿勢の推定において占有格子地図とスキャンデータのマッチングに は,環境中の建物の外壁やブロックなどのランドマークを識別できる高さに測域センサを配 置する必要がある.つくばチャレンジの環境を調査した結果,図3.2 (b)に示す高さ30[cm]
程度の街路樹の保護ブロックを最も背の低いランドマークとした.以上の2次元測域センサ の設置の条件を整理すると次のようになる.
1. 確実な回避動作には,測域センサを下方に設置する方が有利 2. 高さ30[cm]のランドマークを識別する
3. 走行に支障なきこと
3.3 外界センサのレイアウト
(a) ロードコーン (b) 街路樹と保護ブロック
図 3.2 つくばチャレンジの環境における回避対象と背の低いランドマーク
植込み
低い壁
LS1 LS2
LS2
LS1 2次元測域センサ
看板
図 3.3 2次元測域センサによるセンシングの例
これらの条件を満たす設置高度を検討した結果,図3.3に示すように2次元測域センサの レーザビームの高さが車輪の設置面から25[cm]程度の位置に2次元測域センサ“LS1”を配 置した.一方,つくばチャレンジにおける対象人物の探索のため,地面からの高さが55[cm]
程度の位置にも2次元測域センサ“LS2”を設置した.2次元測域センサのレーザビームの 受光強度から対象人物が着用しているベスト,および看板の再帰性反射テープを検出し,対 象人物の識別を行う.計算量を低減する観点から,地図とスキャンデータのマッチングによ る自己位置・姿勢の推定はLS1のみで行うが,回避対象の識別においては確実性の観点か らLS2のスキャンデータも用いる.これら二つの2次元測域センサのスキャンデータの例 を図 3.3に示す.