1985・3 第四号
北海道草地研究会報
供試材料の総菌数と
TDN
含量 表2.て、水分含量1 7領以上では変敗の懸念が大きいといえる。
1.0弼区
o
.
5婦処理区の一般細菌数は対照区よりも多いが、 Nd初 一
L
D
物 一
ι
T乾 一
5
総 菌 数 区
2. 0 %区では明らかに少なかった。即 ではほぼ同数であり、
6.1 対 照
0.5%アンモニア処理では菌の増殖を抑えるには至らな ち、
55.7 7.1
0.5婦 1. 0、2.0%処理では抑制効果が認められたといえる。
し可が、
57.6 5.4
1.0領 カピについては対照区と比べて0.5%区l乙大きな違いは認め
61.7 3.6
2.0婦 1.0 %区で少なく 2.0婦では検出されず、 アン
られないが、
l M 明E M吹
ロ均百
‑ ‑ ‑ u
コM oa
同E
司E
o zu ‑
﹄LF
N・
ω = = ‑ M W
﹄
ω
且咽︿同
‑ m = =
自国﹄
UE ω
︿
100 酵母はアンモニア処理区で、大腸菌群は1.0、
出されなかった。蛋自分解菌についてはいずれの区でも菌数 は少なかった。とれら各種菌群の総菌数と
TDN
含量を各区 モニアによる増殖抑制は一般細菌よりもカピで大きかった。2. 0領区で検
について表2に示した口 対照
50
それによると、対照区と比べて0.5弼区の総菌数は多く、
とのととは水分含量2 7弼
TDN
含量は低い傾向であった口〆'町、
~Cl
こ"'100 アンモニア 0.5弼処理では必ずしも菌の増殖が抑制
の場合、
0.5私
慢
されないため、微生物による養分の消費などに伴ってTDN ト
含量が低くなったものと考えられよう。一方、総菌数、
TDN
含量と対照区にほぼ等しく、処理により変敗 1. 0 婦区では50
司
が防止されたといえるD さらに、 2.0 婦区では総菌数は著し
~ く 少 な し ま た
TDN
含量は対照区を上回ったが、とれはア1 .0
%
アノレカリとしての消化率改 ンモニアによる変敗防止効果に、
善効果が加わったためと考えられる。とれらの点から、乾草
50
の変敗を防ぐためのアンモニア濃度を考えると、菌の増殖抑 制効果が高い2.0弼処理においては、乾草が変敗する懸念は まず無いといえよう口1.0弼処理についても開封時の水分含
カピの種類と検出率 図2.
量が低い場合はとくに問題ないと思われるが、被雨乾草のよ
うに水分3 0領以上でアンモニア処理する場合も考えられ、との点については今後の検討が必要であろ
北海道草地研究会報 第四号 1985・3
られるため、アンモニア処理の公象衛生面での効果も注目されよヨ。
最後に供試材料を提供して頂いた北海道農業試験場草地開発第一部草地第五研鳶野保室長に謝意を表 するロ
引用文献
1 )阿部英則、藤田保(1984) :滝川畜試研報、 21 21‑‑280
2 )農林水産会議事務局(1976):研究成果8 5 (稲作転換推進のための組飼料流通イ
t
技術の開発に 関する研究〉、 190‑‑200。3 )北海道農業試験場草地開発第一部ほか(1984):昭和 58年度北海道農業試験成績会議資料(多 雨多湿期における乾草のアンモニア処理調製貯蔵法〉、 15‑‑200
4)高烏浩介(1984):畜産の研究、 3 8 ( 7 )前付。
緒 己
採食草量推定指示物質としての A c i d ‑I n s o l u b l e Ash の検討
西 埜 進 ・ 岩 崎 元 彦 ・ 東 洋 生 ( 酪 農 大 〉 近藤誠司(北大農)
2)
り )
放牧家畜の採食草量を推定するのに、従来から刈取法、体重差法治よび、指示物質法などが用いられて きた。刈取法と体重差法は、採食草量を上陸較的簡単に測るととはできるが、草地や家畜などの条件によ る誤差が大きし手、
2
されているo とれに対して、内部指示物質のクロモーゲンを利用する方法は、上記 の両法に比べると、採食草量推定の精度は高いが、クロモーゲン測定値そのものが数多くの要因の影響 を受けるというf )
他方、家畜の消化率推定の指示物質としての
Acid‑Insoluble Ash (AI A)
は、全糞採取法で求め 6,9)たそれによく一致し、他の指示物質よりも優れている、をいう報告がいくつかある。しかし、
AIA
を 放牧家畜の採食草量を推定する指示物質として用いた報告はほとんどみられない。そとで、著者らは、めん羊に牧草を自由摂取せしめて、
AIA
の回収率を検討するとともに、実採食 草量とAIA
による推定採食草量との比較を行った。材料および方法
供試牧草は、オーチヤードグラス(北海道在来種〉で、毎年同じ牧草地のものを6回刈取って用い、
‑197 ‑
北 海 道 草 地 研 究 会 報 第 四 号 1985・3
下記の試験を2年聞にわたり反復行った(第1年次;試験I、第2年次;試験日)。牧草は、各試験開 始前に刈取って冷蔵保存し、試験の聞はで
きるだけ同じものを給与した口供試牧草の 表1. 牧草の刈取月日、乾物含量および乾物消化率
a
刈取月日、乾物含量および乾物消化率は表刈取回次
メ
1廠月日 乾物含量 乾物消化率 1 ~r 示した。月 日 もヲ
%
各牧草の実採食草量ならびにAIA
の回試 験 I 収率は、両試験ともめん羊5頭を用い、各
5 24 1 8.1 7 1.4 牧草を飽食せしめて、予備期後の本期5日
2 6 1 4 21.6 66.6 聞の乾物採食量および全糞量から求めた口
3 7 1 4 27.6 61.7
AIA
の分析は、VA N K E U L E N a n d
4 8 1 3 3 1.0 66.4
YOUNG
の2 N一塩酸処理法で行った。5 9 6 22.1 70.2 試料5g.をるつぼにとり、 4 5 0
o c
で126 1 0 1 6 20.1 75.1 時間灰化した。次に、るつぼ内の灰分を2
試 験 日 N一塩酸10 0
m
e'で洗ってトーノレビーカー5 28 1 6.9 74.7 に加えたD との混合物を粗繊維煮沸装置で
2 6 1 5 23.6 62.2 5分間煮沸し、とれを無灰ろ紙を用いて熱
3 7 1 9 26.2 60.6 蒸留水で酸性反応がなくなるまで水洗したD
4 8 1 7 25.2 63.7 その後、残笹とろ紙をもとのるつぼにもど
5 9 7 21.7 65.1 し、 4 5 0
o c
で12時間灰化した。灰化後、6 1 0 1 6 23.4 70.4 るつぼと灰分の重量を測定し、ただちに灰
分を捨て、るつぼの重量を測定した。そし
a
オーチヤードグラス(北海道在来種〉て灰分重量を求め、
AIA
含量を算出した口AIA
の回収率、AIA
による推定採食草量およびとれをAIA
の回収率で補正した補正推定採食草 量は、次式によって求めた。排糞量(g.) x糞の
AIA
含量併)AIA
の回収率(弼)ニ X 100牧草採食量
{ } ) x
牧草のAIA
含室主婦) 排糞量g.)x
糞のAIA
含量弼) 推 定 採 食 草 量 (g) ニ補正推定採食草量 (g)
結果および考察
牧草の
AIA
含軍弼) 推定採食草量({})回収率傾) X 100
両試験における牧草および糞の
AIA
含量を表2に示した。牧草のAIA
含量は、両試験とも牧草の 刈取回次が進むと高くなり、また、糞のAIA
含量も牧草のそれに平行して高くなった。両試験を通じ‑198 ‑
北海道草地研究会報 第四号 1985・3
た牧草のA I A含量は刈取回次(r= + 0.909、 表2. 牧草および糞のAci d ‑ 1 ns 01 ub 1 e Ash Pく0.05)、 さらに糞のA I A含 量 (r二十0.932 (AIA)含 量
Pく0.01 )との聞にそれぞれ有意な正の相関が 刈取回次 牧草A I A含量 糞A I A含量 認められた。
一 一 一 乾 物 中 婦 一 一 一 両試験におけるAIAの摂取日量、排j世日量 試験i
ならびにA I Aの回収率を表3に示した。AIA 1.35 5.1 3 の回収率は、試験Iが約87‑‑‑115骨平均 2 1.57 5.0 3
1 0 5婦であったが、試験日では約107‑‑‑127 3 2.08 6.22
必平均 1 1 4婦となり、詞験日の方が試験
11
乙 4 2.1 8 6.85 5 2.0 6 7.1 2 比べて高くなった。しかし、両試験ともA I A 6 3.0 5 1 0.3 0 の回収率は牧草の刈取回次が進むにつれて低く 平 均 2.05 6.72 なるという傾向があった。 A I Aの回収率と牧 試験E草のA I A含 量 (r = ‑0.5 6 4、Pく0.01 )な 0.81 4.05 らびにA I Aの摂取日量(r=‑0.5 88、Pく0.01) 2 1. 3 5 4.1 4 との聞にそれぞれ有意な負の相関が認められた。 3 2.45 7.1 1 4 2.1 8 6.27 反すう家畜のA I A回収率について、 SHRIー
5 2.58 7.88
V A S T A V and T A L A P.A T R A はめん羊の 6 2.87 1 0.32 生草給与時で90‑‑‑109婦、 VAN KEULEN 平 均 2.04 6.63
表3 Ac i d ‑1 n s 0 1 u b 1 e A s h (A 1 A)の摂取日量、排世田量および回収率 A I A回収率 刈取回次 AIA摂取日量 AIA排世日量
平 均 最 大 最
9 %
試 験
20.3 8 22.29 109.4 1 1 4.7 102.8 2 24.80 25.88 1 04.5 1 1 1. 4 1 0 0.5 3 3 1.27 35.83 1 1 5.0 1 1 9.7 1 09.1 4 36.3 1 38.69 1 07.1 1 1 2.4 99.2 5 3 0.75 32.07 104.7 1 1 7.4 91.9 6 43.4 3 37.28 86.6 96.3 83.7 平 均 30.8 1 3 1. 70 104.6
試 験 E
1 1 2.0 6 15.69 1 27.1 1 3 1.2 1 24.1 2 1 9.20 21.47 1 1 2.0 1 1 7.6 106.6 3 39.0 5 44.87 1 1 4.8 1 1 7.1 1 1 2.8 4 27.74 30.67 1 1 2.2 1 21.5 1 0 1.1 5 36.33 38.54 1 07.4 1 1 7.3 93.7 6 48.06 5 1.6 0 1 07.7 1 1 6. '3 98.5 平 均 30.50 33.91 1 1 3.5
‑199 ‑
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9 )
a
叫
n
吋d Y川OωUNGは去勢牛の維持飼料給与時で90‑‑1069弼
6
あつたとしている。さらl
に乙、 VAN KEUL ENa n d
YO‑UNG 10)は飼料の
AIA
含量が低ければ分析誤差が大きくなるとし、寺田ら8)も回収率は飼料のAIA
含量によって変化し、しかも
AIA
の存在形態によっても異なるといっている。実採食草量、推定採食草量および 補正推定採食草量を表 41乙示した。
実採食草量と推定採食草量との差は 試験Iで64...2249、試験日で は86...451gであったロ実採食 草量と補正推定採食草量聞に差はほ とんどなく、両採食草量はほぼ一致 した口両試験における実採食草量の 変動係数は9婦で、実採食草量の平 均値土標準偏差(1 51 5土1439) の範囲に含まれる割合は、推定採食 草量の4 1弼(5 9例中2 4例〉に 対し、補正推定採食草量は9 8領
( 5
9例中 5 8例)であった。放牧家畜の採食草量を指示物質法 で推定する場合に、指示物質の回収 率が家畜の採食草量に影響されては
表4 実採食草量、推定採食草量および補正推定採食草量 刈取回次 実採食草量 推定採食草量補
B
綻採食草量乾 物
g/
臼 試 験 I1 5 1 6 1 661 1 5 1 8 1 544 1 6 1 0 1 542 1508 1732 1 5 1 1 1 686 1800 1 687 1 5 1 5 1580 1 5 1 5 1465 1 257 1463 1538 1 60 9 1 53 9
試 験 E
150 5 1 96 1 1507 1380 1 544 1 3 8 1 1600 1 841 1 603 1 361 1 50 5 1 3 5 9 1 421 1507 1 421 1 692 1 81 6 1 692
の ゐ
q O 4 4
・
R U F O
平 均
ワ 副 司 d A t F h u a v
ならない口本試験の
AIA
回収率と 採食草量の聞には有意な相関が認め1 ) .
られなかった。とのととについて、
BLOCK
りはめん羊と乳牛に飼料を自由採食させても、AIA
の回 収率は98‑‑102婦で変動が小さかったとしている。しかし、著者らは前報せ乳牛に粗飼料を自由採4)食させて濃厚飼料を制限給与した場合に、組飼料と濃厚飼料の消化管内での通過速度が異なるため、 A 平 均 1 493 1702 1 494
1 A
の回収率が高くなることを示唆した。以上のととから、牧草単イ合与時における
AIA
回収率の信頼区間は1 0 6領以上から 1 1 1冊以下 にあると推定された。したがって、AIA
は放牧家畜の採食草量推定指示物質として利用できるものと 思われる。しかし、採食草量推定の精度を高めるために、回収率を用いた補正計算を行った方がよいも のと考えられたロ要 約
放牧家畜の採食草量推定のため、
Acid‑Insoluble Ash(AIA)
について検討した。牧草は、オ ーチヤードグラス 1... 6番草であり、めん羊の実採食草量とAIA
回収率について2カ年調べた。牧草 および糞の各AIA
含量は2N
一塩酸処理法で測定した。牧草および糞のAIA
含量は刈取回次が進む につれて高くなったロAIA
回収率は平均値が10 8婦で、その 9 5婦信頼区間は106...111婦であ‑ 200ー