〔手続〕
6)要求行動課題③
…実施期間:2005.10.7〜11.10
マテリアル:タイコ・キーボード(約20曲のうちから随時違う曲をフルコース提示)
シャカシャカ(ペットポトルに鈴を入れた音の出るA児用玩具)
独立変数:①A条件:音楽(毎回違う録音曲を流す)8拍分の提示
②B条件:タッピング(A児の両肩へのタップ)10秒間の提示
③C条件:シャカシャカ(玩具の音を鳴らす)3秒間の提示④D条件:ハグ(A児の側方から肩を抱く)10秒間の提示
従属変数:各強化子(好子)STOP直後10秒以内のrタイコ叩き」実施方法:S養護学校の「きらきらルーム」・長座位・ビデオ録画
各条件を毎試行交代で実施・1日に1SS(4種×3試行)ずつ実施(全
各24試行)
デザイン:ATD(操作交代デザイン〉
<PROGRAM>
①準備A(タイコ設置)→自由叩き→終息後10秒→準備B導入
②準備B(タイコ・好子1)→自由叩き→終息後10秒→介入A)導入
③介入A)好子提示→ストップ→タイコ叩き→好子提示 ↓→無反応10秒→プロンプト→好子提示
④準備B(タイコ・好子2)→自由叩き→終息後10秒→介入B)導入
⑤介入B)好子提示→ストップ→タイコ叩き→好子提示
↓→無反応10秒→プロンプト2打→好子提示
⑥以下、④⑤の繰り返し
*好子提示中に「タイコ叩き」が生起したときは、「タイコ叩き」が終息するまで好子 提示継続
Table58A児:要求行動課題③記録例
日付
準備A 準備B
タップ準備B
音楽準備B
シャカシャカ準備B
ハグ10/17
144秒
0秒 × 18秒△)
○ 0秒 ○
241秒
△)口
○︵△︶口
準備B
音楽準備B
シャカシャカ準備B
ハグ準備B
タップ15秒
△)
○ 0秒 ○
239秒
△)口
○︵△︶
0秒 ○
準備B
音楽準備B
ハグ準備B
タップ準備B
シャカシャカ 結果未知随伴性による期待度の要求行動形成に及ぼす効果
①準備A(タイコ叩きによる感覚刺激が好子石ある段階)3タイコ自由叩き
・時間無制限・A児長座位・タイコ右設置
・タイコ叩きが持続する時間を測定
・タイコ叩きが終息してから10秒経つまで実施
②準備8(外部からの刺激かある状態τもタイコ叩きが持続する段階):タイコ自由叩き
・時間無制限・A児長座位・タイコ右設置
・準備①の後、すぐに刺激A(音楽)を提示
・タイコ叩きが持続する時間を測定
・刺激A提示中のタイコ叩きが終息してから10秒経つまで刺激提示継続→刺激A撤去(STOP)
③介λA:音楽(A児スペシャル)
*独立変数:音楽・従属変数:タイコ叩き行動
・A児長座位・タイコ右設置
・10秒以内にタイコ叩き生起→刺激A(音楽)提示(8拍)→記録は○→刺激A撤去(STOP)
・10秒間無反応→プロンプト2打→刺激A(音楽)提示(8拍)→記録は×→刺激A撤去(STOP)
・A児が強度の弱視のため右手がタイコから落ちた場合のみ介助してタイコの上に置く(カウント無)
④準備B(外部からの刺激がある状態τもタイコ叩きが持続する段階):タイコ自由叩き
・時間無制限・A児長座位・タイコ右設置
・介入③の刺激A撤去後、すぐに刺激B(タッピング)を提示
・タイコ叩きが持続する時問を測定
・刺激B提示中のタイコ叩きが終息してから10秒経つまで刺激提示継続→刺激B撤去(STOP)
⑤介λ8:タッピンヴ(後方から肩を中心ごした身体への両側性刺激)
*独立変数:タッピング・従属変数:タイコ叩き行動
・A児長座位・タイコ右設置
・10秒以内にタイコ叩き生起→刺激B(タッピング)提示(10秒)→記録はO→刺激B撤去(STOP
・10秒間無反応→フ。ロンフ。ト2打→刺激B(タッピング)提示(10秒)→記録は×→刺激B撤去(STOp
・A児が強度の弱視のため右手がタィコから落ちた場合のみ介助してタイコの上に置く(カウント無)
⑥準備8(外部からの刺激かある状態τもタイコ叩きか持続する段階):タイコ自由叩き
・時間無制限・A児長座位・タイコ右設置
・介入⑤の刺激B撤去後、すぐに刺激C(シャカシャカ)を提示
・タイコ叩きが持続する時間を測定
・刺激C提示中のタイコ叩きが終息してから10秒経つまで刺激提示継続→刺激C撤去(STOP)
⑦介λe=シャ内シャカ遊び(衡卜朴 L聯をλれた楽器)
*独立変数:ペットボトル楽器・従属変数:タイコ叩き行動
・A児長座位・タイコ右設置
・10秒以内にタイコ叩き生起→刺激C(シャカシャカ)提示(3秒)→記録は○→刺激C撤去(STOP)
・10秒間無反応→フ。ロンフ。ト2打→刺激C(シャカシャカ)提示(3秒)→記録は×→刺激C撤去(STop)
・A児が強度の弱視のため右手がタイコから落ちた場合のみ介助してタイコの上に置く(カウント無)
⑧準備3(外部か弓の刺激がある状態石もタイコ叩きが持続する段階):タイコ自由叩き
・時間無制限・A児長座位・タイコ右設置
・介入⑦の刺激C撤去後、すぐに刺激D(ハグ)を提示
・タイコ叩きが持続する時問を測定
・刺激D提示中のタイコ叩きが終息してから10秒経つまで刺激提示継続→刺激D撤去(STop)
⑨介λD:ハヴ(側方から抱きかかえる)
*独立変数:ハグ・従属変数:タイコ叩き行動
・A児長座位・タイコ右設置
・10秒以内にタイコ叩き生起→刺激D(ハグ)提示(10秒)→記録はO→刺激D撤去(sToP)
・10秒間無反応→フ。ロンフ。ト2打→刺激D(ハグ)提示(10秒)→記録は×→刺激D撤去(STOp〉
・A児が強度の弱視のため右手がタイコから落ちた場合のみ介助してタイコの上に置く(カウント無)
*上記の手順で、1ssにつき4種類の好子をランダムに提示して合計12試行実施
*随伴中に「タイコ叩き」が続く場合は、好子随伴をそのまま続行し、「タイコ叩き」が終息するま で待つ。終息して10秒経ったら、好子撤去。
結果
①要求行動課題③<音楽随伴条件>では、正反応率95。8%(23回/24試行)・音楽随伴中の タイコ叩き出現率4.1%(1回/24試行)である。要求行動課題②の正反応率97.9%(47回 /48試行)と比較して要求行動としての「タイコ叩き」の維持が確認された。また、要 求行動課題②の随伴中の出現率10.4%(5回/48試行)と比較しても、随伴中の出現率の さらなる急激な低減により、要求行動と自己刺激行動としての「タイコ叩き」の間に明 確な反応頻度の差が示された(Fig.83)。
②<タッピング随伴条件>では、正反応率875%(21回/24試行)・タッピング随伴中のタ イコ叩き出現率0%(0回/24試行)である。要求行動課題②の正反応率77.0% (37回/48 試行)と比較して上昇が見られ、随伴中の出現率との差がさらに明確に示された
(Fig.84)。
③<シャカシャカ随伴条件>では、正反応率100%(24回/24試行)・シャカシャカ随伴中 のタイコ叩き出現率0%(0回/24試行)である。シャカシャカにおいては、正反応と強化 子(好子)随伴中の差が明確であり、A児の自己刺激行動であったタイコ叩きが、完全 に要求行動として移行していったことが示唆された(Fig.85)。
④<ハグ随伴条件>では、正反応率79.1%(19回/24試行)・ハグ随伴中のタイコ叩き出現 率83.3%(20回/24試行)である。ハグにおいては正反応率の上昇(要求行動課題②では 56。2%)を示したものの、ハグ随伴中のタイコ叩きがそれを上回る頻度生起した。この
時点での本研究者の臨床的印象としては、前回の「感覚遮断的な自己刺激行動」として タイコ叩きとは異なり、「触覚刺激の強化子(好子)入手をさらに持続させる」学習ル ールが、<ハグ>に限定して形成されたのではないかと推測した(Fig.86)。すなわち、
要求行動課題②③では、強化子(好子)随伴中にタイコ叩きが生起した場合、それを一 旦飽和化させる目的で、当該行動が10秒間STOPするまで強化子(好子)提示を継続 する。そのために、A児が導入当初は感覚遮断していた随伴刺激に対し、次第に対応が 変化していったのではないだろうかという推論である。その推論の根拠としては、ハグ 中のA児にハグ提示者(本研究者)に対しもたれかかるような行動と溜、冑、が観察され たからであり、発声が低音から接近要求と受け取れる「口唇音(プ・パ)」をさかんに 生起させたからである。しかし、今回の介入デザインだけでは、その仮説を検証するこ
とはできなかった。
目己刺激としてのタイコ叩き(タイコだけ条件・好子提示条件)
250
0 0 0 00 5 0 52 1 1
︵禽︶踵世堀糞曇降
0
擁瀧蓑鰍尾鰍懸㈱薄■
BASELINE
欄灘照塚灘贈惹欄鰍駆一■襯舜翻・PREPAATIN①
階惹撒惹一灘灘顯窮惹盈鷺rきr5r卜鷺皆翼鴛..i菱 .PREARATI②
騰r脇 騰…モウ5\ 、 萎
募
、\ 、
肺
〜1071110
[莚
灘
嚢華き奨
、肌
剛 8417
一 『 帥 ■ ■ 『碍 『F
21106 傅
8417 10.7 11.10
■タイコ霧音楽ロタッピング鐡シャカシャカ臨ハグ
Fig.82 A児:r要求行動課題一準備段階一」における自己刺激としてのタイコ叩き
【音楽随伴条件】要求行動としてのタイコ叩きvs好子随伴中のタイコ叩き 灘正反応 ■随伴中
100
90 80 70 60パ) 40
8 50
30 20 10
0
B T P T
. 黙RAINING③
A R R RAI
SELINE AIりNG① OB RAiNIG②
NiNG①
、、
試 、■
ア
8鴻帰17 8,1ブ26 829 31 92剛13 921欄10.6 10』ブ11.10
Fig.83 A児=r要求行動課題一音楽随伴条件一」
【タッピング随伴条件】要求行動としてのタイコ叩きvs好子随伴中のタイコ叩き
100
90 80 70 60
パ* 50
) 40 30 20 10