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問題解決の学習過程

資料づくり》欄の収集》欄の読みとり》繭の関係づ・ナ

学習課題が異なり,利用する資料も異なるため,そうした方法は適さな い。ここでは,子ども力精報を単に眺めたり読んだりするだけではな く,読みとりが必然的に行われるような状況を作り出すことが必要であ る。したがって,ハイパーメディア教材には読みとりのための何らかの 作業をさせるような機能を組み込むことにする。

 また,子どもは複数のカードを収集し,読みとって学習課題を追求し ていくが,それぞれのカードを読みとるだけでは,カードの内容である 個々の社会的事象の意味はわかっても,それぞれの社会的事象がどのよ

うな関係になっているかをとらえることは難しい。概念を形成するため には,社会的事象を関係的にとらえる必要がある。そこで,問題解決の 学習過程のまとめる段階では,読みとったそれぞれのカードの情報を関 係づけ,図として表現することによって,社会的事象問の関係を視覚的

にとらえることができるようにする。

 本研究では,問題解決の学習過程で,子どもが身近な地域を取材し,

それをハイパーメディア教材の1枚のカードとして資料にするという活 動を設定している。この場合,新規カードの作成やリンク付けなど手間 がかかり子どもにとって難しい操作はボタン操作等で行えるようにし,

子どもの負担をできる限り軽減するようにする。

 ここでは,以上のような教材開発の視点に基づき,子どもが主体的に 問題解決を進めることができる教育的機能を明確にし,それをハイパー メディア教材の中に実現する。

3.2 開発教材の教育的機能

 本節では,前節で述べた教材開発の視点にもとづき,まず,めざす学 習を成立させるためには開発教材にどのような機能が必要かを述べ,次 にそうした機能を具体的にどのように実現するかを明らかにする。

3.2.1 開発教材に要求される教育的機能

(1)インタフェースとしてのカードデザイン

 インターフェースは,学習者である子どもがハイパーメディア教材を 使って,いかに主体的に自分の問題を解決することができるかという視 点で設計されなければならない。本研究で開発するハイパーメディア教 材は,本単元における中心教材であり,子どもにとって使いやすいイン タフェースが要求される。子どもが調べ学習を進めていく上で必要なイ ンタフェースを図3.2−1に示す。

①コントロール部:カード移動やしおりなど,子どもが開発教材を操作          するためのボタン類を集中して配置する。ボタンは

         マウスを使って操作するため,操作がしゃすいよう          に画面右上に配置する。

②ユーザ入力部:ユーザ(子ども)が学習を進める上で,必要事項をメ         モとして入力できるフィールドである。後述するしお

        り機能との関係が深いため,コントロール部⑱下に配         面する。

③カード情報部:カードのタイトルやカードの作成者名,カードの作成         にあたって調べた方法など,そのカードの概要となる

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        情報を提示する部分である。特にタイトルはそのカー         ドの内容を的確に表したものであるので,カードを開         いたとき子どもの目が最初にタイトルに向けられるよ         うに,タイトルの文字を大きくし,画面左上に配置す         る。

④情報提示部:画像情報とテキスト情報によって構成する。画像情報は        画面左下,テキスト情報は画面右下に配置し,カードの

       作成にあたってはそれぞれの情報が相互に補完するよ        うに配慮する。

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その他の情報 タイトル コントロール用ボタン類   メモ欄

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@テキスト情報

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画像情報

        図3,2−1 カードのインタフェース

 以上が学習情報カードの基本的なインタフェースである。これらのイ ンタフェースは,子どもの発達段階に応じてユーザ入力部やタイトルを 除く情報提示部を削除したり,ボタンの大きさやボタン名の表記などを 変更したりする必要がある。しかし,コントロール部,カード情報部,

情報提示部はどの発達段階にあっても子どもが調べ学習を行う上で必要 な要素である。学習情報カードは枚数が多くなるため,子どもが操作し たり読みとりを行う場合に混乱しないように,インタフェースを統一し

ておく必要がある。

(2)情報収集のためのキーワード探索機能

 問題解決学習においては,学習課題について仮説を立て,仮説を検証 するという形で追求が進められる。このとき子どもは仮説の検証のため

にどのような情報が必要かを考え,収集することになる。例えば, 「な ぜ森林が破壊されるのだろう」という学習課題を追求するとき, 「酸性 雨が降るからだろう」, 「ゴルフ場を作るからだろう」という仮説を立 て,資料を収集して仮説を検証していく。しかし,仮説を立てるために は高い能力を必要とし,学習内容についての知識が必要である。また,

仮説を検証するための資料を収集すること,すなわち情報収集は,中 位,下位の子どもにとって困難を伴う学習活動である。したがって,開 発教材には中位,下位の子どもでも問題解決に必要な情報を収集でき,

しかも学習を通して問題解決能力を育てることができるような教育的機 能が必要となる。

 そこで,開発教材では?図3.2−2のように子どもがそれまでに学習 してきた単元の内容や生活経験,直感などから仮説または学習課題に関 係がありそうな事象や事物を考え,仮説の重要語句または事象や事物の 名称をキーワードとして入力することによって,そのキーワードと関係 の深い情報を含むカードを収集できるようにする。例えば,「酸性雨が 降るからだろう」, 「ゴルフ場をつくるからだろう」という仮説であれ ば,その重要語句である「酸性雨」, 「ゴルフ場」がキーワードとな る。仮説が立てられない場合は,子どもが直観的に思いついた事象や事 物の名称,例えば「割りばし」や「使い捨て」などがそのままキーワー ドとなる。子どもがキーワードを入力することにより,開発教材はその

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キーワードと関係の深い情報を含むカードを4つのグループの中から検 索する。子どもは検索されたカードを見て,自分達の問題解決のために 必要な情報であるかどうかを判断し,取捨選択する。

「なぜ森㈱壊されるのだろう・

・仮説を立てる

「酸性雨が降るからだろう」

「ゴルフ場を作るからだろう」

・学習課題に関係ありそうな事 象や事物の名称を考える

「わりばし」, 「使い捨て」

      「わりばし」

      「使い捨て」

関連する事象・

事物,仮説

Vr

キーワード

一一

「酸性雨」

「ゴルフ場」

□□ 、□□□ ?事、

m a

学習内容 生活経験  直観

 グループ

        産業   わたしたち 工夫・努力 森林の働き    カード

       の生活

         図3.2−2 キーワード探索機能の考え方

  「なぜ森林が破壊されるのだろう」という学習課題のとき,子どもが 考えたキーワードが森林破壊の原因に関連するもの(例えば酸性雨,ゴ ルフ場,使い捨てなど),すなわち正しい仮説の重要語句であれば,そ のキーワードによって検索されるカードは学習課題を追求するために必 要なカードとなる。しかし,森林破壊の原因とは無関係なキーワードに よって検索されるカードでは,学習課題の追求はできない。したがって もう一度キーワードを考えることになる。また,あるキーワードで問題 解決に必要なカードが検索できた場合であっても,もっと他の情報がほ

しいときは別のキーワードを考えることになる。このように,キーワー ドを考え,検索されたカードを取捨選択するという学習活動を繰り返す ことにより,子どもは学習課題を追求できる情報を収集するためにはど

のような語句が重要であるかに気づき,情報を収集する力や仮説を考え る力を育てることが期待できる。また,考えたキーワードによって必要 な情報が得られるかどうかがすぐにわかり,失敗しても何度でも繰り返

し入力できるので,子どもの興味,関心や意欲を高めることができる。

このような機能を「キーワード探索機能」と呼ぶことにする。

 キーワードを考えるためには,学習内容についてのある程度の知識や 生活経験が必要である。2.3.2で述べた子どもの実態調査から,子ど もは本単元の学習内容である森林に関わる生活経験が少なくイメージも 乏しいことが明らかになっている。そこで本研究では,授業設計の方途

として問題解決の前段階に予備的な知識を習得するための学習活動を設 定する(2.3.3の(2)を参照)。

(3)情報の読みとりのためのしおり機能

 子どもが情報をたんねんに読みとっていくためには,そうした読みと りが必然的に行われる状況を設定することが必要である。そこで,まず 子どもが問題解決のために大切だと思うカードにしおりを挟み,見たい

ときにいつでも見ることができる機能を用意する。それによって,子ど もは後で自分が選択した情報を整理し,まとめることができる。ただ し,しおりを挟むためには,図3.2−3に示すように,そのカードのタ イトルや画像,テキストなどの情報を読みとり,短い文章に要約してメ モ欄に記述するようにする。さらに,学習課題に対してそのカードの情 報がどのような関係になっているかを考え,原因,結果などを表すマー クを付けるようにする。要約という作業によって,子どもは情報の大切 な部分を探そうとするため,カードの情報をたんねんに読みとることが 必要になる。したがって,メモを記述するという活動を設定することに

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