(quality of life;QOL)は著しく損なわれることになる。
2002(平成 14)年度に実施された厚生労働省による糖尿病実態調査 文献 3) をみると、調査 対象の 5346 人のうち、 「糖尿病が強く疑われる人(HbA 1C 値が 6.1%以上、又は、現在糖尿 病の治療を受けている人) 」は男性の 12.8%、女性の 6.5%であり、 「糖尿病の可能性を否定 できない人(HbA 1C 値が 5.6%以上 6.1%未満で上記以外の人)」は、男性の 10.0%、女性の 11.0%であった。この値に推計人口を乗じたところ、 「糖尿病が強く疑われる人」は約 740 万人であり、 「糖尿病の可能性を否定できない人」 を合わせると約 1620 万人と推計された。 1997(平成 9)年の調査に比べて、 「糖尿病が強く疑われる人」は約 50 万人、 「糖尿病の可 能性を否定できない人」を合わせると全体で約 250 万人増加した。また、男女とも年齢が 高くなるとともに、 「糖尿病が強く疑われる人」と「糖尿病の可能性を否定できない人」を 合わせた割合は高くなり、男性の 70 歳以上では 37.4%であった。以上の調査結果からも高 齢の糖尿病患者の割合は今後も増加していくと推測される。また、厚生労働省が発表した 「平成 18 年人口動態統計(概数)の概況」 文献 4) によると、糖尿病による 1 年間の死亡者数 は、全死因の 1.3%に当たる 13,632 人であり、死因順位を性別でみると、男性では 10 位、 女性では 9 位にあげられており、糖尿病を適切に治療することは重要である。
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