等と表す.
Λ ={1,2, . . . , n}の場合
\n i=1
Ai, Λ =Nの場合
\∞ i=1
Ai
と書くことが多い. 注意! . S∞
i=1Ai, T∞
i=1Aiと書いたとき, A∞ という集合が与えられているわけではない. 注意 . 添字集合が空集合Λ = ∅である添字付られた集合族 A: ∅ → A について考えて みる.
[
λ∈Λ
Aλ={x ∃λ∈Λ : x∈Aλ}
={x ∃λ∈ ∅:x∈Aλ} となるが, 条件「∃λ ∈ ∅:x∈Aλ」は常に偽であるから
=∅ である.
一方, 共通集合については注意が必要である. 何らかの条件, 文脈を設定しなければ
\
λ∈Λ
Aλ ={x ∀λ ∈Λ :x∈Aλ}
={x ∀λ ∈ ∅:x∈Aλ} となるが, 条件「∀λ ∈ ∅:x∈Aλ」は常に真であるから
=
x xは何でもよい
となってしまい, これを集合と考えることはできない. したがってΛ =∅の場合を扱うに は, 考えることのできる元について何らかの制約を課す必要がある. Λ =∅の場合も扱う ため, 正確には, 共通部分を
\
λ∈Λ
Aλ = (
x∈ [
B∈A
B ∀λ∈Λ : x∈Aλ
)
と定義する. (我々は, 添字付られた集合族, すなわち, 写像 A: Λ → Aを考えているの で, Aのメンバーの元のみを考えるのは自然であろう.)Λ6=∅のときには上の定義と同じ である. Λ =∅の場合
\
λ∈∅
Aλ = (
x∈ [
B∈A
B ∀λ∈ ∅:x∈Aλ
)
= [
B∈A
B
となる. しばしば扱うのは, Aが, ある集合 X の冪集合A = P(X)の場合である. この とき
[
B∈P(X)
B =X なので, 集合族A: Λ→ P(X)に対し,
\
λ∈Λ
Aλ =
x∈[
B∈P(X)
B ∀λ∈Λ : x∈Aλ
={x∈X ∀λ∈Λ :x ∈Aλ} であり, Λ =∅のときは
\
λ∈∅
Aλ =[
B∈P(X)
B=X
となる.
例 1.5.3. 1.
[2 i=1
Ai = [
i∈{1,2}
Ai
={x ∃i∈ {1,2}:x∈Ai}
={x x∈A1∨x∈A2}
=A1∪A2. 2.
\2 i=1
Ai = \
i∈{1,2}
Ai
={x ∀i∈ {1,2}:x∈Ai}
={x x∈A1∧x∈A2}
=A1∩A2. 例 1.5.4. X を集合とすると
[
A∈P(X)
A=X
\
A∈P(X)
A=∅
集合族の和集合や共通集合に対し, 二つの集合の和集合や共通集合と同様なことが成り 立つ.
補題 1.5.5. {Aλ}λ∈Λ を集合族, Bを集合とする. 次が成り立つ. 1. 任意のλ ∈Λに対し, Aλ⊂S
λ∈ΛAλ. 2. 任意のλ ∈Λに対し, Aλ⊃T
λ∈ΛAλ. 3.「任意のλ ∈Λに対しAλ ⊂B」⇔S
λ∈ΛAλ⊂B.
4.「任意のλ ∈Λに対しAλ ⊃B」⇔T
λ∈ΛAλ⊃B.
証明. 1,2は明らか. 3,4の「⇐」は1,2より明らか. 残りも明らかであるが3の「⇒」を
示してみよう. x ∈ S
λ∈ΛAλとする. 定義より, あるλ ∈ Λが存在して, x ∈ Aλ となる. 仮定より Aλ⊂Bであるからx ∈B.
定理 1.5.6. Aを集合, {Bλ}Λを集合族とする. 1. A∪ T
λ∈ΛBλ
=T
λ∈Λ(A∪Bλ) 2. A∩ S
λ∈ΛBλ
=S
λ∈Λ(A∩Bλ) 証明. 定理 1.1.14.1,2 からしたがう.
1.
A∪ \
λ∈Λ
Bλ
!
={x x∈A∨(∀λ ∈Λ :x∈Bλ)}
={x ∀λ∈Λ : x∈A∨x∈Bλ}
={x ∀λ∈Λ : x∈A∪Bλ}
= \
λ∈Λ
(A∪Bλ) 2. こちらは補題 1.5.5を使って示してみよう.
(i) A∩ S
λ∈ΛBλ
⊃S
λ∈Λ(A∩Bλ)であること. 任意のλ ∈Λに対し, Bλ⊂S
Bλであるから, A∩Bλ⊂A∩(S
Bλ). よって S
λ(A∩Bλ)⊂A∩(S
λBλ).
(ii) A∩ S
λ∈ΛBλ
⊂S
λ∈Λ(A∩Bλ)であること. x ∈A∩ S
λ∈ΛBλ
とする. x ∈S
λ∈ΛBλであるから, あるλ ∈Λが存在し, x∈Bλである. またx∈Aなのでx ∈A∩Bλ. よってx∈S
(A∩Bλ).
定理 1.5.7. X を集合, {Aλ}λ∈ΛをX の部分集合の族, すなわち, 任意のλ ∈ Λに対し Aλ⊂X であるとする. (写像と思えばA: Λ → P(X), A(λ) =Aλ.)
1. [
λ∈Λ
Aλ
!c
= \
λ∈Λ
Acλ.
2. \
λ∈Λ
Aλ
!c
= [
λ∈Λ
Acλ. 証明. 1を示そう.
[
λ∈Λ
Aλ
!c
= (
x∈X x6∈ [
λ∈Λ
Aλ
)
= (
x∈X ¬ x∈ [
λ∈Λ
Aλ
!)
={x ∈X ¬(∃λ ∈Λ :x∈Aλ)}
={x ∈X ∀λ ∈Λ :x6∈Aλ}
={x ∈X ∀λ ∈Λ :x∈Acλ}
= \
λ∈Λ
Acλ.
2も同様. あるいは元をとって示してもよいし, 1を使ってもよい. 問題集 . 8(1), 10(1)~(7), 11
定理 1.5.8. f: X → Y を写像, {Ai}i∈I をX の部分集合の族, {Bj}j∈J をY の部分集 合の族とする. 次が成り立つ.
1. f S
i∈IAi
=S
i∈If(Ai).
2. f T
i∈IAi
⊂T
i∈If(Ai).
3. f−1S
j∈JBj
=S
j∈Jf−1(Bj).
4. f−1T
j∈JBj
=T
j∈Jf−1(Bj).
証明. 証明は二つのときと同じである. 1. Ai ⊂S
Aiゆえf(Ai)⊂f(S
Ai), よってS
f(Ai)⊂f(S Ai).
一方, y ∈ f(S
Ai) とすると, ある x ∈ S
Ai が存在し, y = f(x) となる. こ の x について, x ∈ S
Ai ゆえ, ある i ∈ I が存在し, x ∈ Ai となる. よって y =f(x)∈f(Ai). ゆえy∈S
f(Ai).
2. 練習問題. 3.
f−1
[
j∈J
Bj
=
x f(x)∈ [
j∈J
Bj
={x ∃j ∈J :f(x)∈Bj}
=
x ∃j ∈J :x∈f−1(Bj)
= [
j∈J
f−1(Bj)
4. 練習問題.
注意 . もちろん, 1を3と同様に証明することもできるし, 3 を1と同様に証明すること もできる.
1.
f [
i∈I
Ai
!
= (
y ∃x∈ [
i∈I
Ai :y=f(x) )
= (
y ∃x: x ∈ [
i∈I
Ai
!
∧(y=f(x)) )
={y ∃x : (∃i∈I :x∈Ai)∧(y =f(x))}
={y ∃x :∃i∈I : (x∈Ai)∧(y =f(x))}
={y ∃i ∈I :∃x: (x∈Ai)∧(y =f(x))}
={y ∃i ∈I :∃x∈Ai :y =f(x)}
={y ∃i ∈I :y∈f(Ai)}
= [
i∈I
f(Ai).
この証明は本質的に上の証明と同じである.
なお, 4行目から5行目の変形で, ∃xと∃i∈ I を入れ替えていることに注意せよ. 2で等号が成り立たないのは∃xと∀i∈I を入れ替えることが一般には出来ないこ とによる.
2.
f \
i∈I
Ai
!
= (
y ∃x∈ \
i∈I
Ai :y=f(x) )
= (
y ∃x: x ∈ \
i∈I
Ai
!
∧(y =f(x)) )
={y ∃x: (∀i∈I :x∈Ai)∧(y=f(x))}
={y ∃x:∀i∈I : (x∈Ai)∧(y=f(x))}
⊂ {y ∀i∈I :∃x: (x∈Ai)∧(y=f(x))}
={y ∀i∈I :∃x∈Ai:y =f(x)}
={y ∀i∈I :y∈f(Ai)}
= \
i∈I
f(Ai).
問 22. 1. 上の2を示せ.
2. f が単射であるとき2で等号は成り立つか. 3. 上の4を示せ.
確率論(測度論)でよく使われる集合の上極限, 下極限を紹介しておく. 定義 1.5.9. {Ai}i∈Nを集合族とする.
limn An =
\∞ n=1
[∞ i=n
Ai
! ,
lim
n
An = [∞ n=1
\∞ i=n
Ai
!
をそれぞれ集合族{Ai}i∈Nの上極限(limit superior),下極限(limit inferior)という. 例 1.5.10. Nの部分集合の族{Ai}i∈N を
Ai =
({i, i+ 1, i+ 2, . . .} i:偶数 {1,2, . . . , i} i:奇数
により定める. A1 ={1}, A2 ={2,3,4, . . .}, A3 ={1,2,3}といった具合である. n∈N に対しA2n−1 ={1, . . . ,2n−1}, A2n={2n,2n+ 1, . . .}であるからA2n−1∪A2n =N, A2n−1∩A2n=∅であることに注意する. 2n−1≥nであるから
[∞ i=n
Ai ⊃A2n−1∪A2n=N
\∞ i=n
Ai ⊂A2n−1∩A2n =∅ となり
[∞ i=n
Ai =N
\∞ i=n
Ai =∅
である. よって
limn An =
\∞ n=1
[∞ i=n
Ai
!
lim
n
An = [∞ n=1
\∞ i=n
Ai
!
=
\∞ n=1
N =
[∞ n=1
∅
=N =∅.
(2023年度はパス)
例 1.5.11. 集合族{Xi}i∈Nを
Xi={I ⊂N i∈I} ⊂ P(N) により定める.
lim
n Xn =
\∞ n=1
[∞ i=n
Xi
!
=
\∞ n=1
[∞ i=n
{I ⊂N i∈I}
!
=
\∞ n=1
{I ⊂N ∃i≥n:i∈I}
={I ⊂N ∀n∈N,∃i≥n:i∈I}
=
I ⊂N I は無限集合 ,
lim
n
Xn = [∞ n=1
\∞ i=n
Xi
!
= [∞ n=1
\∞ i=n
{I ⊂N i∈I}
!
= [∞ n=1
{I ⊂N ∀i≥n:i∈I}
={I ⊂N ∃n∈N,∀i≥n:i∈I}
=
I ⊂N Icは有限集合 .
ここまでパス.
問題集 . 12(1),(2),(3)
定義 1.5.12. X = {Xλ}λ∈Λ を集合族とする. Λ から S
λ∈ΛXλ への写像 f であって, 任意の λ ∈ Λ に対し, f(λ) ∈ Xλ となるようなもの全体を{Xλ}λ∈Λ の直積 (direct
product)といって, Y
λ∈Λ
Xλ, Y X
等と表す. つまり Y
λ∈Λ
Xλ=
f ∈ [
λ∈Λ
Xλ
!Λ
∀λ ∈Λ :f(λ)∈Xλ
.
しばしば, 直積の元f を(xλ:λ ∈Λ)という記号で表す. ただしxλ=f(λ)である. また, λ ∈Λに対し, πλ(f) =f(λ)で与えられる写像
πλ: Y
X →Xλ
f 7→f(λ) を(λ成分への)標準的射影という.
Λ ={1,2, . . . , n}やΛ = Nのとき, Q
λ∈ΛXλをQn
i=1Xi やQ∞
i=1Xiとも書く. 例 1.5.13. Xλが全て同じXλ =Xであるとき,
Y
λ∈Λ
Xλ=XΛ
である.
例 1.5.14. {Xi}i∈[2] を集合族とする. ただし[2] = {0,1}である. 標準的射影を用いて 与えられる写像
π = (π0, π1) : Y
i∈[2]
Xi // X0×X1
f // (f(0), f(1)) は明らかに全単射である. これによりQ1
i=0Xi とX0×X1 をしばしば同一視する. 同様 に集合としてQn−1
i=0 Xi とX0×X1× · · · ×Xn−1 は異なるが, 標準的射影を用いて与え られる全単射
nY−1 i=0
Xi // X0×X1× · · · ×Xn−1
f // (f(0), f(1), . . . , f(n−1)) により, しばしば同一視することがある.
定義 1.5.15. X ={Xλ}λ∈Λ を集合族とする. 直積Λ×S
λ∈ΛXλの部分集合`
λ∈ΛXλ を以下で定め, {Xλ}λ∈Λの直和(direct sum) または非交和(disjoint union) という.
a
λ∈Λ
Xλ ={(λ, x) λ∈Λ∧x∈Xλ}
= [
λ∈Λ
({λ} ×Xλ) ⊂Λ× [
λ∈Λ
Xλ.
例 1.5.16. 集合族{Xi}i∈[2]に対し, 写像 π: a
i∈[2]
Xi→ [
i∈[2]
Xi =X0∪X1 をπ(i, x) =xで定めるとπは全射である.
さらに, X0 ∩X1 = ∅ であればπ は全単射である. このとき, π により `
i∈[2]Xi と X0qX1 をしばしば同一視する. (二つでなくともよい. 問題集29参照)
例 1.5.17. X0,X1がそれぞれ閉区間[0,2],[1,3]⊂Rであるとき, a
i∈{0,1}
Xi ={(i, x) i∈ {0,1} ∧x∈Xi}
={(i, x) (i= 0∧x∈[0,2])∨(i= 1∧x∈[1,3])}
= ({0} ×[0,2])∪({1} ×[1,3])
⊂ {0,1} ×[0,3].
問題集 . 29