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2の溶解挙動

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16

研 究 論 文

溶融 Na

2SO4

中における塩基度の電気化学的制御 と

Al203,Cr203

および

Si0

2の溶解挙動

福 本 倫 久 , *原 基 , * 佐 則 ,** 平 幸 ***

ElectrochemicalControlofBasicityofFusedNa2SO。andSolubilityofAl203,Cr203andSiO2 MichihisaFuKUMOTOIMotoiHARAMasanoriSANOIIandMasayukiHIRADE††T

Abstracts

ThebasicityoffusedNa2SO4at1173Kwassuccessfullycontrolledbytheelectrolysisofthe saltwithplatinum electrodes. Withprogressoftheelectrolysis,thebasicityofthefusedsalt decreasedintheanolyteandincreasedinthecatholyte. ThechangesinsolubilityofA1203, Cr203andSiO2powdersinthefusedNa2S

O

4Wereexaminedasafunctionofthebasicityofitusing theelectrolysismethod. Thechangesinthebasicityofthefusedsaltbothforincreasingand decreasingresultedinanincreaseofthesolubilityofCr203andmoresignificantlyofA1203. 0m theotherhand,thesolubilityofSiO2Wasindependentofthebasicityandwasextremelylowinthe acidicregion,whereasthatincreasedwithdecreasingthebasicityinthebasicregion.

Kq Words'basicity,fusedsodiumsuljTate,electrolysispolarization,SOlubllity,metal

ox

l

de s

1.

火力発電用 ボイ ラーチューブや航空機用 ・発電用 ガス ター ビ ン動翼部 は, これ らの表面 に硫酸塩 を主成分 とす る溶融物が付 着す ることによ り異常腐食す ることが知 られている。 この異常 腐食 はホ ッ トコロー ジョンと呼ばれてお り,金属材料表面 に形 成 され る保護性酸化物皮膜 の溶融硫酸塩 中への溶解が関与 して いると考 え られている。 この溶解機構 の代表的な もの と して フ ラクシングモデルがある。 このモデルは,酸化物皮膜/溶融塩 界面 の02活量 が大 きい ときは酸化物皮膜 の塩基性溶解,逆 に 02活量 が低 い ときには酸化物皮膜 の酸性溶解 が起 こるとい う ものであ り,溶融塩 中にお ける02活量 が酸化物皮膜 の溶解反 応 の支配的因子 とな る。 このよ うな酸化物皮膜 の溶解挙動 を明 らか にす るため に, これ まで溶融Na2SO4中 にお けるFel.2), A13),Ni),co),cr4)とい った金属 の酸化物 の溶解度 が溶融 塩 中にお ける02活量 の影響 を通 して調査 され,各金属酸化物

とも酸性 および塩基性溶解 を起 こす ことが報告 されて きた。

D.Z.Shi6)は, 溶融塩腐食 に対 して最 も保護 的 な酸化物 皮膜 と して作用 す ると考 え られ るSi02の溶解挙動 を調査 し, Si02につ いて は酸性溶解 な らびに塩基性 溶解 と も起 こ らない と報告 している。 しか しなが ら, それ らの測定点 にば らっ さが

平成1

4

3

2

日受付

*秋田大学工学資源学部

〒0108502

秋田市手形学園町

1‑1

**秋田大学学生,現在 新東 ブレーター ( 樵)

***秋田大学大学院生,現在 :日鉱金属 ( 秩)

†DepartmentofMaterialsSclenCeandEngineering,Facultyof EnglneerlngandResourceScience,AkltaUniversity,Aklta O108502

千千Student,AkltaUniverslty,Presentaddress:SINTO]RATOR,Ltd

†千†GraduateStudent,AkltaUnlVerSlty,Presentaddress:Nippon Mining

&

MetalsCo.,Ltd

E‑mall:fukumoto@1PC.akitau.ac]p

素材物性学雑誌

あ り, また測定 された02活量範囲が狭 いため,Si02における 溶解挙動 の詳細 は不明である

これ まで行 われて きた金属酸化物 の溶解度 の調査 16)におい て は,Na20の添加 によ って溶融塩 中の02活量が制御 されて きた。 一方, 著者 らは これ まで, 溶融Na2SO4中 にお けるPt 電極 の アノー ドおよびカソー ド分極挙動 を調べて きた。 その結 果, アノー ド分極下 で はSO42イオ ンの酸化反応 によ りSO3 スが発生 し7), 発生 したS03と浴 中の02が反応す ることによ o活量 が低下す る可能性 があること, カソー ド分極下で は SO42イオ ンの還元反応 によ り02が生成 し8),02活量 が上昇 す る可能性 があ ることを示 して きた。

以上 の観点 か ら, 本研究 で は, 溶融Na2SO4中 にお けるPt 電極 の電気化学的分極法 によ り,溶融Na2SO4中 にお ける02 活量 を変化 させ ることを試 みた。 さ らには,電気化学 的分極 に

よる02活量 の制御下 でのA1203,Cr203お よびSi02の溶解挙 動 を調 べ た。 特 に,Si02の溶解挙動 につ いて は, すで に報告 されて い るD.Z.Shi6)の結果 と比較 しなが ら詳細 に検討 し

た。

2.実験 方 法

Fi9.1に実験装置の概略図を示す。 セル容器 には内径44mm め,高 さ155mmのアル ミナるつ ぼを用 いた。 このセルを さ ら に外径63mm¢,高 さ332mmの石英製 の管 に入 れ,縦型電気 炉 中 に設置 した。 また, 内径20mm¢,高 さ120mmの ム ライ ト管 (㈱ ニ ッカ トー,NCタ ンマ ン管) を用 いて作用極 と対極 を隔離 した。作用極 と対極 には厚 さ1mmPt板 を約10mm xlOmmの面 積 に切断 した ものを使用 した。両電極表面 はエ メ リー紙800番 まで研磨 した後, アセ トン中で超音波洗浄 した。

照合電極 には,外径6mm¢,長 さ500mmの ム ライ ト管 ( ニ ッカ トー, NC保 護 管 ) の 中 にNa2SO。Ag2SO4(90:10 m01%)混合塩 を入 れ, この中にAg線 を浸漬 した ものを使用

15

巻 第

1

(2002

6

月)

(2)

A1203,Cr203

お よ び

Si

OZの溶解挙動

した。 溶解実験用試料 には, 市販 の酸化 アル ミニ ウム (α‑

A1203),酸化 クロム (Ⅲ)(Cr203)および二酸化 ケイ素 (SiOZ) 粉末状試薬を使用 した。

アノー ドおよびカソー ド分極 曲線 の測定 は,同様 のPt板 を 作用極 および対極 とし,電位掃引法 によ り行 った。測定温度 は 1173Kとし,掃引速度 は1.6×103vs lとした。

Potentl0Stat Recorder

Figure1 ElectrochemicalseLupusedforsolubilitymeas urementofmetaloxide

Figure 2 Schematicrepresentationoftheoxygenprobe andoxideionprobeapparatus

17 酸化物 の溶解度測定 は,3

g

の粉末状酸化物 をPt作用極 の あるアル ミナ管 の中に入 れ,1173K,Na2SO4中でPt電極 の 定 電 位 分 極 下 で行 った。 作 用 極 側 の アル ミナ菅 に入 れ た Na2S04,50gと した。定電位分極中,電流密度 の時間変化 を測定 し,全反応 における電気量 を測定 した。分極時間 は3.6 ksと した。Na2S04には市販 の特級試薬 を使用 し, 実験前 に 543K86.4ksの真空乾燥処理 を行 った。電気化学測定 に際 し ては,塩 の昇温前 に,高純度Arガスを導入 し, セル中をAr 雰囲気 に した。塩 の昇温中な らびに定電位分極実験 中にはAr ガスを流速1.7×106m3・ S 1でセル中に流 し込んだ。

定電位分極後,冷却凝固 した塩 (作用極側) を5×10 4m3

のイオ ン交換水で溶解 した。溶液中の金属 イオ ン濃度 は,ICP

発光分光分析装置 (SIISPS3000型)を用いて測定 した。

溶融Na2SO4中の02活量 の測定 は,Fig.2(a)に示す酸化 物 イオ ンプ ローブを用 いて行 った。溶融Na2SO4中,Au電極 では

2 1 (1)

なる可逆的平衡反応が起 こると仮定 した。 このプローブの起電 Vは式 (2)によ り表わされ る。

V‑‑1448‑0111610g(aNaJp.:1'2) at1173K (2) ここで,11A48は標準起電力であり,1173KにおけるNa2SO4, Na20,Ag2SO。の生成 ギプスエネルギー9)によ り計算 した。起 電力 Vと浴中の酸素分圧を測定す ることによ り浴中のNa20活 量を決定 した。Na20Na+02に解離す るため, は浴中に おける02活量 に相当す る。P.2Fig・2(b)に示す酸素 プロー ブを用 いて測定を行 った。酸素 プローブには,安定化Zr02 用い,基準 ガスには乾燥空気 (

p. ≡

‑0・21atm)を用 いた。

3, 結

3.1アノー ドおよびカソー ド分極曲線

Fig.3,Ar雰 囲気下,1173Kの溶融Na2SO4中 において Pt電極 を用 いて測定 したカソー ドおよびアノー ド分極曲線 を

IuJVJJ■^l!SualuaJJnO 00

lO

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O SO42‑‑

SO3

+ 1 / 202 .2e

I

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Ca t h o

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S

O 4 2 ‑ +2

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04 2 ‑ +2

e so2+202 0

)0000000Cy.3T.5

Potential,E/Vvs.Ag/Ag2SO4(0.1)

Figure3 Anodicandcathodicpolarizationcurvesofplati num infusedNa2SO4at1173K

(3)

18

福本倫久 ・原 基 ・佐野雅則 ・平出正幸

示す。 アノー ド分極 曲線 を破線, カソー ド分極曲線 を実線で示

す。 アノー ド電流密度 は,0.5Vを過 ぎると急激 に増加 した。

これ は,式 (3)に示すSO2イオ ンの酸化反応 に起因す る7) so 4

2 ‑

‑ sos+‡ 02+2e (3)

平衡 によ り浴中の02と反応 してSO42を生成す る。

S

O

3+02 SO。2(logK‑‑17.3210) at1173K) (4) これ よ り, アノー ド電流密度 の増加 とともに溶融Na2SO 4中の 02活量 は減少す ると推察 され る。一方, カソー ド電流密度 は,

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Potential,ど/Vvs.A9/Ag2SO4(0.1)

Figure4 QuantityofelectricitypassedduringpotentiO‑

Staticpolarizationofplatinum for3.6ks,asa functionofpolarizationpotential

0500

6Jn 320000'^)!l!qn1

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S

3 2.5 ‑21.5 10.5 0 0.5 1 15 Potential,E/Vvs.Ag/Ag2SO.(0.1)

Figure5 SolubilityofA1203,Cr203andSiO2measuredafter potentiostaticpolarizationofplatinumfor3.6ks, asafunctionofpolarizationpotential

素材物性学雑誌

‑1.8V以下 にな ると急激 に増加 す る。著者 らは, カ ソー ド電 流密度 の増加が,式 (5)および (6)に示すSO 42イオ ンの還 元反応 に起因す ることを報告 してい る8)

SO42+2e ‑ SO32十02 (5) SO

2+2e ‑ SO2+202 (6) したが って, カ ソー ド電流密度 の増加 は,溶融Na2SO 4中 にお ける02活量 を増大 させ ることが推察 され る。

Fig.4Pt電極 を各電位に3.6ks定電位分極 した ときの電

示すアノー ドおよびカソー ド分極曲線 と一致す ることがわか る。

す なわち, アノー ド反応 に費 や され た電気量 は,0.5Vを過 ぎ る と急 激 に増 加 し, カ ソー ド反 応 に費 や され た電 気 量 は,

‑1.8V以下 の電位域で急激 に増加 す る。

3.2溶解量 の電位依存性

Fig.5,Pt電極 を各電位 に3.6ks定電 位分極 した時 に同 じ浴 中 に浸漬 した各種酸化物 の溶解量 をPt電極 の分極電位 に 対 して示す。A1203およびCr203の溶解量 は,Pt電極 にお ける アノー ド電気量 な らびにカソー ド電気量 の増加 に対応 して増大

した。一方,Si02につ いて はアノー ド電気量 が増加す る0.5V 以上 の電位域 において も溶解量 の増大 は認 め られなか った。 し か し, カ ソー ド電気量 の増大 す る‑1.8V以下 の電位域 で は溶 解量 は分極電位 の低下 とともに急激 に増加 した。 アノー ド分極 下 においては,A1203の溶解量が最 も大 きか った。 また,カソー

ド分極下 において も同様 の結果が得 られた。Cr203について は, アノー ドな らびにカソー ド分極下 と もA1203に比べ溶解量 は小 さか った。

3.3 溶解量の塩基度依存性

Pt電極 を各電位に3.6ks定電位分極 した後 の溶融Na2SO4 における塩基度 (llogaNa2)02プ ロー ブ (Figl2)を用 い て測定 した。得 られた塩基度 を分極電位 に対 して示す と,Fig.

6とな る。 アノー ド分極す ると塩基度 は増大 し, カソー ド分極

12.5 12 1.5 11 0.5 0 0.5 1 Potential,E/Vvs.Ag/Ag2SO.(0.1)

Figure6 BasicityoffusedNa2SO 4measuredafterpotentio‑

Staticpolarizationofplatinum for3.6ks,asa functionofpolarizationpotential

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月)

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Na2S

A1203,Cr20

。お よ び

Si02

の溶解挙 動

19

す ると塩基度 は減少 した。すなわち, アノー ド分極す ると02

活量が減少 し, カソー ド分極す ると02活量が増加す ることが わか った。

Fig,5に示 した各種酸化物の溶解量を浴中の塩基度 (Fig.6) に対 して示 した結果がFig.7である。A1203については,塩基 度が10以下の範囲では塩基度の減少 とともに溶解量 は増加 した。

また,塩基度が12.5以上の範囲では塩基度 の上昇 とともに,港 解量が増加 した。Si02は,塩基度が10か ら17.5の範囲ではほと んど溶解 しないが,10以下の範囲では塩基度の減少 とともに,

10 12.5

llogaNa20 17.5

0

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6

J,

M 3

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o s

Flgure 7 Solubility ofA1203,Cr203and SiO2in fused Na2SO4at1173K,asafunction ofbasicity of thefusedNa2SO4

D.Z.ShlandR A.Rapp

86

4

2

(芸6!aJ

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030201lUOO

6]\'^lニ!qn10S

114 122 13.0 138 146

logaN

a , 0

10 125 15 175

11ogaNa,0

Figure8 SolubilityofSiO2infusedNa2SO。at1173K,asa functionofbasicityofthefusedNa2SO4

急激 に溶解量 は増加 した。Cr203について は,塩基度12.5付近 を境 に塩基度の増加および減少 に伴 い溶解量がわずかに増加 し た。

4. 考

溶融Na2SO4中においてPt電極をアノー ド分極およびカソー ド分極す ることによって浴中の塩基度を変化 させ ることを試み, これに伴 う各種酸化物 の溶解量 を調査 した。Pt電極 をアノー

ド分極 した場合,浴中の塩基度 は増大 した。 その時,A1203 よ びCr203の溶解 量 は増 加 した。 この場 合, A1203お よ び Cr203は,浴中の02活量 の低下 に起因 して,式 (7)および式 (8)に示す酸性溶解を起 こす ものと考え られ る。

A

l 203‑ 2A13‑+302 (7) Cr203‑ 2Cr3‑+302 (8) これ に対 し,Si02につ いて は塩基度が増大す るアノー ド分極 下 においてほとんど溶解量が認 め られなか った。 この ことは, Si02が酸性溶解 に対す る抵抗性が極 めて高 い ことを示 して い る。Cr203は酸性溶解 によりCr3+として溶出す るが,溶出 した Cr3‑はアノー ド分極下 のPt電極上でCr6+に酸化 され ることが 推察 される。

一方, カソー ド分極 した場合,浴中の塩基度 は増加 した。 そ の時,A1203,Cr203およびSi02の溶解量 は増加 した。 この場 合,各酸化物 において は式 (9), (10)および (ll)に示す塩 基性溶解が起 こるもの と思われ る。

A1203+02‑‑2A102 Cr203+02・‑ 2CrO2 2SiO2+02

‑ Si2052

Fi9.8に, 本実験 で得 られ たSiO2溶解量 の塩基度 依存 性 (Fig.8(b))をD.Z.Shi6)により報告 された結果 (Fig.8(a)) と比較 して示す。D.Z.Shi6)は,1173Kの溶融Na2SO4中に 0.5gのSiO2粉末 を172.8ks浸漬 し,浴 の塩基度 を11‑14.5 で変化 させてSi02の溶解量を測定 した。D.Z.Shi6)は,Fig.

8(a)に示す よ うにSi02の溶解量 に塩基度依存性 は見 られない と報告 している。一万,本実験結果 (Figl8(b))は,塩基度が 10以下 の範囲で は塩基度 の減少 によ ってSi02が溶解す ること を示 している。Fig.9に1173KでのNa‑SiS‑0系状態図6)を示

logaNa20

5 3 1

Figure9 Thethermodynamicphasestabilitydiagram for Na‑SiS一〇 system at1173K6)

(5)

20

福本倫久 ・原 基 ・佐野雅則 ・平出正幸

す。 これ よ り,塩基度 が11以上 の範 囲で は,SiSi02と して

安定であ ることがわか る。 しか し,塩基度が9‑11の範 囲で は Na2Si205と して安定 とな る。 この場合 のNa2S1205は,式 (ll) の反応 によ り生 じたSi2052Naと反応す ることによ り生成 す る。 さ らに,塩基度 が7以下 の範 囲で はSiNa2Si03と し て安定 にな る。Na2Si03の生成 は,式 (12)に示す反応 によ り 生 じたSiO32,Na▼と反応す ることによ り起 こる。

Si20

5

2+02‑ 2SiO32 (12) このよ うに平衡状態図 よ り考察 す る と,本実験 にお いてSi02 が塩基度10以下 の領域で溶解量 を増大 させ たのは,式 (ll)

らびに (12)の反応 によ り塩基性溶解 を起 こ した ことによると 考 え られ る。 以上 の よ うに,Si02は塩基 度 の高 い酸性環境 で は溶解せず きわめて安定であ るが,塩基度 の低 い塩基性環境 に なると塩基性溶解 を起 こす ことが明 らか とな った。

5.

溶融Na2SO。中 にお ける02活量 を電気化学 的分極法 によ り 制御 し,A1203,Cr203お よびSi02の溶解挙動 を調査 した。結 果 は,以下 のよ うに要約 され る。

1)Pt電極 にお ける分極電位 の上昇 に伴 うアノー ド電気量 の増 大 は,溶融Na2SO4中 にお ける塩基度 を増加 させ,分極電 位 の低下 に伴 うカソー ド電気量 の増大 は塩基度 を減少 させ

た。

2)A1203およびCr203の溶融Na2SO4中への溶解量 は,分極電 位 の変化 に伴 う塩基度 の変化 に対応 して変化 した。 す なわ ち塩基度12.5付近 で極小値 を示 し, 塩基度 が12.5付近 よ り 増大,減少す ることによ り溶解量 が増加 した。 この場合, A1203に比べCr203の溶解量 は少 なか った。

3)Si02の溶融Na2SO4中へ の溶解量 は,塩基度10以上 の酸性 領域 で はほ とん ど検 出 されなか った。 しか し,塩基度10 下 の塩基性領域で は塩基度 の低下 とともに急激 に増加 した。

素材物性学雑誌

参考文献

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