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自動化オープンケーソン工法による大深度立坑(深さ

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Academic year: 2022

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自動化オープンケーソン工法による大深度立坑(深さ 73.5m)の施工

PCウェル工法研究会 正会員 ○津川 優司 PCウェル工法研究会 秋田 満留

自動化オープンケーソン工法は,建設省総合技術開発プロジェクト「建設事業における施工新技術の開発」

において,建設省土木研究所,(財)先端建設技術センターならびに民間会社の共同研究で開発された工法で ある。この工法の最大の特徴は,従来困難であったオープンケーソンの刃先部の地盤掘削が自動水中掘削機の 導入によって直接行えることになった点にある。このことにより,今までオープンケーソン工法では困難とさ れてきた硬質地盤における大深度施工が可能となったばかりではなく,その施工が計画的にかつ極めて精度良 くできることとなった。本工法は,平成8年建設省(当時)霞ヶ浦導水事業の玉里立坑工事(外径22m,深さ 53.5m)に初めて採用されて以来施工事例も確実に増え,現在まで7件のシールド立坑や給水施設築造工事でそ の性能を高く評価されている。今回,国土交通省関東地方整備局 首都圏外郭放水路大落古利根川連絡トンネ ル新設工事(以下,本工事)の流入立坑(工事中はシールド発進立坑,外径φ19m,深度73.5m)に設計施工一 括発注方式として採用され,このほど無事ケーソン沈設工事が完了した。ケーソン深度73.5mはオープンケー ソン工法としては我が国最大級であり,本工法としても実績として最大深度となる。なお,本工法は施工機械 の耐水圧性能上水深100mまで施工が可能であり,今回の73.5mはその通過点にあたるものと考えている。

今回施工で得られた結果や課題を今後の参考にすべく,ここに報告する。

1.工事概要

首都圏外郭放水路事業は,中川,倉松川,大落古利根川の洪 水時その一部を江戸川に放流し,流域の浸水被害を解消または 軽減する目的で国道16号線下50m付近に各河川間を結ぶ地下河 川を建設するものである。本工事は大落古利根川からの洪水流 を取り込む施設で,流入立坑及び本坑との連絡トンネルを築造 するものである。本工事の概要を以下に記す。

立坑形状:内径φ15m,外径φ19m,躯体長74.5m,深さ73.5m 構 造:鉄筋コンクリート

工 法:自動化オープンケーソン工法

トンネル:内径φ6.5m,外径φ7.1m,延長380m,土被り約54m 立坑構造図を図-1に示す。

2.土質概要

本工事の土質概要を図-1に示す。土質は,大別して地表面か ら約20m区間は軟弱な沖積層,40mまでが洪積粘性土層と砂層と の互層,それ以深は砂質土層となっている。とくに深部の砂質 土層については換算N値が100以上と,従来のオープンケーソン 工法では補助工法なしでは施工が困難な硬質地盤である。地下 水位はGL-5m付近にある。

キーワード:オープンケーソン,大深度立坑,自動水中掘削機

PCウェル工法研究会 東京都千代田区三番町2番地 TEL 03-3234-2977 FAX 03-3288-5285 図-1 立坑構造及び土質

15 10 5

75

No.9(23)H7.11 AP+8.13m Dep=69.45m

40 50 20 10 0 30

N値 AP+8.500

レキ混り 細砂 細砂 レキ混り 粗砂 細砂 砂混り シルト 細砂 凝灰質 シルト シルト質 微細砂 細砂 シルト 砂混り シルト シルト 細砂 有機質シルト 凝灰質シルト 砂混り 固結シルト

細砂 砂混り 硬質 シルト 砂混り シルト シルト質 細砂 砂質シルト 柱状図土質

区分 埋土 砂混り 粘土 細砂 細砂 粘土 粘土質 シルト

GL-3.50

50 40 30 20 10 0

N 値

2,000 15,000 2,000 19,000

1,000

AP-47.713

φ6,500

AP-55.020

2,050

7,000

2,050 15,000 φ19,100

2,800

3,000 5,82010 @ 6,270 = 62,700 74,5203,200

高低差最大6.9m

2,000

地盤改良範囲 (深層混合処理)

70 65 60 55 50 45 35

40 30 25 20

土木学会第60回年次学術講演会(平成17年9月)

-485- 6-243

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3.施工状況

本工法は,(1)掘削揚土,(2)躯体圧入,(3)躯体構築に関する3つのシステムから構成されている。これらのう ち,ケーソン刃先部地盤の確実な掘削および掘削土砂の揚土作業を行う「自動掘削揚土システム」が最大のポ イントである。自動掘削揚土システムは,ケーソン刃先部(壁厚部分)地盤の掘削を行う自動水中掘削機(写 真-1の左側)と,ケーソン中央部の掘削と掘削土砂の揚土及びシステムを制御する揚土機(写真-2)から成る。

この両者の動きはコンピュータにより自動制御されており,確実・安全でかつ大幅な省力化・作業の効率化が 図られている。図-2にケーソン刃先部の掘削パターンを示す。実施工ではこれらの中から土質状況やケーソン 躯体傾斜に合わせてパターンを選定し沈設作業を進める。自動水中掘削機で刃先地盤を任意に掘削できるため 刃先反力がコントロールでき,大深度・硬質地盤に対しオープンケーソンのスムーズな施工が可能となる。

なお,本工事では軟弱沖積層に対し,躯体コンクリート打設時の沈下防止及びケーソン沈設時の過沈下防止 目的として,刃先部地盤をあらかじめ深層混合処理工法で改良した。刃先抵抗力は改良地盤の粘着力が増加す るものとして評価し,刃先掘削パターン(刃先貫入量)との関係から刃先反力度を求め改良強度を設定した。

施工では,改良体強度は一軸圧縮強度qu=360kN/m2(安全率=2)とした。

4.機械性能検証

工事では,自動水中掘削機に水圧が原因と考えられる故障の発生はなく高 水圧下(約0.65N/mm2)を問題なく施工できた。また,掘削能率についても 概ね計画通りであった。揚土を含めたシステム全体の施工歩掛を表-1に示す。

施工実績と比較してもほぼ同等の値で,土質の違いに影響されず深度60m以 深でも所要の施工効率を確保することができた。なお,深度10~20mの効率 が若干低下しているのは,初期沈設を考慮し軟弱地盤に対し掘削揚土量を抑 え慎重に施工した結果である。

5.まとめ

一般に,オープンケーソン工法では施工条件にもよるが,大口径・大深度になればなるほど工程および沈設 精度を確保するのは困難となる。さらに,硬質地盤に対しては先行削孔等の補助工法が不可欠となり,その結 果全体工程が長くなる等の問題を抱えている。本工法はオープンケーソン施工上の不確定な要因(刃先抵抗力)

を先端技術で克服したものであり,これにより大口径・大深度へのオープンケーソンの適用が可能となった。

本工事を終え,施工機械に大きなトラブルなく施工を完了できたこと,沈設精度も目標管理値を満足してい ることから,本工法が開発当初の目標である深度100mの施工に向けて一歩近づいたものと考える。周知のとお り,ケーソン工法は沈設力(躯体重量,載荷重)と抵抗力(刃先反力,周面摩擦力,浮力)との荷重バランス で躯体を沈設させる工法であるため,大深度になるほどこの荷重管理が重要になってくる。したがって,更な る大深度施工に対しては,もうひとつの抵抗力である周面摩擦力の均一かつ効果的な低減方法を検討すること も重要になるものと考える。

掘削揚土歩掛(m3/h) 刃先深度 本工事 施工実績

010m 22.3 22.2 1020m 19.9 19.8 20~30m 20.3 18.0 3040m 15.6 16.4 4050m 13.1 15.1 5060m 15.4 14.1 60~70m 13.7

7075m 13.0 写真-2 揚土機全体(橋型)

写真-1 自動水中掘削機 図-2 掘削パターン

表-1 施工歩掛の比較

④ ⑤

3,500

50~700

2,050

掘削範囲

1,318

1,450

2,300

土木学会第60回年次学術講演会(平成17年9月)

-486- 6-243

参照

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