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血清蛋白分画測定の意義

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Academic year: 2022

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(1)臨 床 化 学 ・第2巻. ・第1号(1973)1〜15. <特 集>血 漿蛋白分析の基礎的進歩. 血 清蛋 白分画測 定の意義 金沢大学がん研究所分子免疫部 右. 1.血. 清 蛋 白の 種 類. 田. 俊. 介. 点 は あ るが,患 者 か ら得 られ る水 溶 液 の試 料 と して,化 学 的,免 疫化 学 的 分 析 に供 す る こ との. 血 清 蛋 白 は,血 流 に よ って運 搬 され る蛋 白成. で き る点 で,貴 重 で最 も手 近 な試 料 で あ る。. 分 の 総 称 で あ って,全 身 の代 謝 産物 が血 流 に よ. 血 清 蛋 白は,あ ま りに 多種 で あ るた め に,そ. って 運 搬 され るなか に,そ れ 自身 で 有 機 的 な 機. の1つ を選 ん で診 断 に 利 用 す る方 法 が,今 迄 通 常. 能 を も った物 質 が 含 まれ る こ とは,生 物 の 特 徴 で あ り,高 等 動 物 と して霊 長 類 の ヒ トに 至 れ ば. とされ て 来 たが,現 在 で は手 数 さえ い とわ な け. 著 し く多 岐 に わ た る複 雑 な蛋 白群 が これ を形 成 して い る こ とは当 然 で あ る。. 々 の分 画 の定 量 の総 和 と して全 体 像 を. 捉 え る こ と も可 能 に な って きた 。 こ こで は,全 般 的 に 捉 え て何 が言 え るか を主 に と り上 げ る。. 従 っ て,健 康 な ヒ トの血 清 蛋 白に つ い て もそ の種 類 と機 能 に つ い て は,尚. れ ば,個. 多 く の 問題 が あ. る。 ま た ヒ トが 疾 患 に か か っ た場 合,ど. この 臓. 器 の異 常 で あ って も,こ れ を還 流 す る血 流 に よ って 物 質 の 出 入 は 支 配 され て い るの で あ るか. 表1は,ヒ. トの血 清 蛋 白分 画 の主 要 構 成 成 分. で あ って,機 能 に応 じて大 別 して あ る。 括 孤 に 入 っ た分 画 名 は,ひ. とつ の蛋 白が 複 数. の機 能 を営 む た め,参 考 と して記 して あ る。 各 分 画 の 数 字 は,健 康 な 日本 人 の 正 常 値mg/dl. ら,そ の影 響 は 当然 血 流 中 に 現 われ る筈 で あ. で あ るが,数. り,種 類 の少 ない 低分 子 物 質 で は,非 特 異 的 な. で,活 性 として 捉 え られ て い る ものが 多 い。 こ. 変 動 に な る こ とが 多 い が,そ れ 自身機 能 を営 ん. れ以 外 に も,記 載 を省 略 した酵 素,ホ. でい る血 清 蛋 白に は,あ. どい く ら もあ って,如 何 に 多 くの機 能 が こ こで. らゆ る疾 患 が何 等 か の. 反 映 をす るの で,こ れ を詳 細 に 調 べ る こ とは, 疾 患 の診 断 や病 態 の 解 明 に は欠 くこ との で きな い検 査 とな る。. 字 の 記 して な い 分 画 は 微 量 成 分 ルモンな. 行 な わ れ て い るか,主 要 成 分 は全 体 の どの よ う な 割 合 を 占 め るの か,な. どが 判 明す る。. 略記 した分 画 名 の 本 名,別 名 な どは,ま. 血 清 を診 断 に用 い る こ とは,疾 患 臓 器 か らの. とめ. て 脚 註 に し るした 。. 影 響 が 全 身 の流血 に よ って 稀 薄 に な る とい う欠 脚註1 Significance. on the. concentration. of serum. protein components SHUNSUKE MIGITA. Alb.albumin α1AG.. α1 acid. Dept. Molecular Cancer Research. α1AT.. α1 antitrypsin,. α1B.. α1. Immunology, Institute,. Kanazawa University Takaramachi, Kanazawa. Japan.. 金 沢大学 がん研究所分子免疫部(金 沢市宝町). glycoprotein,. B. glycoprotein,. easily. precipitable. αF.. α fetoprotein. α1L.. α1. orosomucoid. α1 trypsin. α1. inhibitor. glycoprotein. lipoprotein. 1.

(2) 臨 床 化 学 ・第2巻.第1号(1973). 表1血. 清. 血 清 蛋 白 の名 称 は 脚 註参 照. 蛋. の. 種. 数 字 はmg/dl,次. 蛋 白量,百 分 率 は各 分 画mg/dlの. 2. 白. 和,お. 類 は合 成 臓器 及 び半 減 期12,61,64). よび そ の総 和 に 対 す る百 分 率.

(3) <特 集>血 清蛋白分画測定の意義. 2.血. 清 蛋 白の 分 析 法. 血 清蛋 白 の 構 成 成 分 は,温 成,塩 濃 度,pHな. 度,溶. 媒 の塩組. どに 対 す る安 定 性,酵. 素に. 対 す る被 分解 性 な どが,各 分 画 に よ って さま ざ ま で あ る。 これ らの制 約 は分 析方 法 を規 定 す る し,保 存 法 や正 常 値 に も影 響 す る。 分 析 を行 な う場 合 に は,ひ とつ の 分 画 を 目標 に した 分 析 で も,全 般 的 な分 析 で あ っ て も生 体 内 に 存在 した血 清 蛋 白 の状 態 を知 りた い わ けで あ るか ら,採 血 後 短 時 間 にpHは6〜8付 イオ ン強 度 は0.15付. 近,温. 解 を避 け るた め10℃. 以 下,溶. 近で. 度 は 酵 素 に よ る分 媒 の 塩 組 成 は輸. 液 な どに 使 わ れ る塩 組 成 に近 い状 態 で,無 菌状 態 を維 持 し,分 析 を 完 了 す るこ とが 必 要 で あ り,酵 素 を 抑 制 す るた め に 止 む を 得 ず 試 料血 清 に 防腐 剤 を 加 え る こ と もあ る。 それ と い う の も血 清 は,た だ の 蛋 白溶 液 の混 合 で は な く, 注 射 器 で 採 血 した と た ん に,第XII凝 (Hageman因. 子)は. 固 因子. ガ ラ ス壁 に触 れ る と活性. 化 され,接 触 系 に よ る血 液 の凝 固が 段 階 的 に 進 行 し,次 いで 線 溶 系 が 活 性 化 され て,連 続 的 に 変 化 が起 こ る ことに な り,時 々刻 々 と変 化 す る か らで あ る。 これ らの変 化 は,分 析 方 法 が大 ま か で あ る場 合 に は そ れ程 問 題 に は な らなか った が,細 か い 相 違 点 が検 出可 能 に な るに つれ,次 第 に 問題 と 3.

(4) 臨床 化 学 ・第2巻. 表2血. 清. 蛋. ・第1号(1973). 白 の 分. され る こ と とな った 。 例 え ば,採 血後 検 査 迄 の 時 間 が,24時 間 を超 え. 析. 法. antitrypsin→. 分 解 に よ る減 少,prothrombin→. thrombinへ. の 分 解 な どが 見 られ る こ と が 多. る と血 清 を4℃. に 保 存 し て いて も,β1C→ β1A. く,凍. へ の変 換,Cp→. α1移 動 度 の蛋 白へ の 分 解,α1. 素 に よ る 変 化 は や や 少 な い が,β‑Lipoprotein. 4. 結 し て 保 存 す る と,プ. ラ ス ミン な ど の酵.

(5) <特 集>血 清蛋白分画測 定の意義 の分 解 な どが 著 し くな る。 採 血 後24時 間 以 上 た. 用 い られ る段 階 で は な い 。 従 って,血 清 蛋 白の. っ た血 清 の分 析 成 績 は,経 時 変 化 で あ るの か,. 分 析 法 と して は,表2の. 疾 患 に よ る変 動 で あ るの か に注 意 を払 う必 要 が. の 蛋 白分 析 方 法 と して,そ れ 以外 の方 法 が と り. あ るよ うに な っ た。. 上 げ られ る こ とに な るだ ろ う。 各 々の実 施 法 の. この よ うな制 限 され た条 件下 で,行 な い う る 分 析 法 は 原 理 的 に 分 類 す る と表2の. よ うに な. る。 こ こに述 べ た方 法 は原 理 を主 に した 大 まか. 中 の 改 良が 主 で,特 定. 詳 細 に つ いて は こ こで は 省 略 させ て い た だ く。 表3は,私. 共 の行 な って い る比 較 免 疫 電 気 泳. な分 類 で あ るので,実 施 に 際 して電 気 泳 動 の 支. 動 と1),抗 原 寒 天 板 に よ る一元 免 疫 拡 散 法(逆 パ ル チ ゲ ン法)2)に よ っ て 得 られ た 慢性 肝 炎 患 者. 持 体 を変 え る とか,標 識 抗 体 に よ って感 度 を上. の1例 の 血 清 蛋 白 の 全 体 像 で あ っ て,同. げ るな どの細 か い 点 は 含 ん で い ない 。 つ ま り, 物 理 化 学,免 疫 化 学 的 穏 や か な方 法 に 限 られ る. 行 な わ れ た屈 折率 法 に よ る総 蛋 白量 と,セ ル ロ ー ズ ア セ テ ー ト膜 に よ る分 画 の百 分 率 を上 段 に. こ とに な る。 この 他 に 残 るのは,光 を あ て て み. 記 して い る。この よ うな検 査 を,私共 で は ル ー チ. る(旋 光 性,円 偏光 二 色 性,差 ス ペ ク トル,光 散. ンに 行 な って お り,方 法 自体 の改 良 に よ る簡 易. 乱,X線. 化 精 度 の上 昇 を心掛 け な が ら,デ ー ター を集 積. 回 析,電 子 顕 微 鏡),磁 場 に置 く(電 子 ス. ピン共 鳴,NMR),温 超 低 温 物 性),化 の 検 出(ジ. 度 を変 え る(cryo,pyro, 学 的 方 法 として は,特. ス ル フ ィ ド結 合,メ. 学 的修 飾(ア. セチ ル 化,ヨ. 定 の基. チ オ ニ ン),化. ー ド化),一. 次構 造. 時に. して い る。 この 例 で は免 疫 グ ロ ブ リン の増 加 が IgAに. 傾 き,輸 送 蛋 白の 減 少,急 性 活 動 性 物 質. の 増 加,補 体 系 の増 加 が あ るが,経 過 を追 って み る と,免 疫 グ ロ ブ リン は,ス テ ロ イ ド使 用 に. 決 定 な どは,単 一 蛋 白の 分 析 法 に は用 い られ る. よ り,こ れ で も減 少 して きた と ころ で あ り,輸. が,血 清 の よ うな 混 合 物 に 対 して は,ま だ充 分. 送 蛋 白 や急 性 活 動性 物 質 も減 少 して きて い て,. 表3慢. 性 肝 炎 患 者K.H.43才,女. の血 清 蛋 白分 析 結 果(P26表1と. 同一 例),最 上 段 は. 屈折 率 に よ る総 蛋 白 とア セ テ ー ト膜 泳 動 の百 分 率,以 下 の段 の 数 字 はmg/dl 括 孤 の内 は正 常 値,数 字 の上 に線 は増 加,下 に線 は 減少,最 下 段 は数 字 の総 和 に よ る総 蛋 白量 と百 分 率. 5.

(6) 臨 床 化 学 ・第2巻. 疾 患 の 慢 性 化,遷. 延 化 が こ こに あ らわ れ て い. る。 この 例 で は アル ブ ミン や リポ蛋 白な どの恢. ・第1号(1973). す るな どが 必 要 で あ る。 そ こで 標準 血 清 の 保存 法 な どが 問 題 に な る。. 復 を 目標 に 更 に 治 療 を要 す る こ とは い うま で も. 従 来 は,正 常 プ ー ル血 清 に防 腐 剤 を加 え て 冷蔵. な い。. 庫 ま たは,フ. 表3の 各 分 画 値 の総 和 か ら血 清 総 蛋 白 を算 定 す る と,屈 折 率 に よ る総 蛋 白の 値 との 間 に大 き な差 が あ る こ とに 気 付 く,こ の例 で は リポ蛋 白 の減 少 が あ るた め,屈 折計 に よ る値 が 低 く出 て い るの で は な い か と思 わ れ る。 ま た ア セ テ ー ト 膜 に よ る百 分 率 と,免 疫定 量 に よ る計 算 上 の百 分 率(表3)が. 違 うの も当然 で あ るが,こ の患. リー ザ ー に 置 い て い た。. これ に 代 る標 準 血 清 と して2種 類 が 現 わ れ て きて い る。 1)Behringwerke標. 存 す る場 合 にお こ る変 性 要 因 を除 去 して,長 期 保 存 を可能 に した もの,こ れ に3種 類 あ って (a)はPre,. 者 で は デ ン シ トメ トリーの総 面 積 か ら も総 蛋 白. α2HS, Hp,. が5.39/dlに. IgM,. 減 少 して い る とは 思 わ れ ず,ア セ. (b)はCp用. た な い点 も,屈 折 計 とア セ テ ー ト膜 の パ タンだ. (c)は. る こ とに よ り,明 らか に な っ た とい え る。. mole/lの. ろい ろ の 物 質 の. の 吸 光 度,Folin法,Biuret法,屈. 折. 率,色 素結 合能 な どの物 理 化 学 的 方 法 は いず れ も血 清 蛋 白の 各 分 画 に よ って標 準 曲線 の勾 配 が 異 な る もの を平 均 して 用 い て い るにす ぎな い。 従 って現 在 用 い て い る 総 蛋 白量 は 他 の 臨 床 検 査,血 糖 や 血 清 電 解 質 な どの濃 度 の表 現 とは異 な る こ とを念 頭 にお か な けれ ば な らぬ 。 た だ免 疫 学 的方 法 の場 合 は抗 血 清 に よ って,ま た血 清 各 分 画 に よ って反 応 性 が 異 な る こ とが,始. 濃 度 を明示 さ. 白分 解 酵 素 の活 性 を阻 害 し,不 溶 性 に な. 濃 度 が 正 常 ヒ ト血 清 よ り も低 い。 ま た こ こに 明 示 され た以 外 の 分 画,例. えば α1Bな ど に は 標. 準 とは成 り得 な い 。 つ ま り各分 画 毎 に異 な った. え ば 総 蛋 白量 をmg/dlや. 形 に 現 わす こ とは不 可 能 で あ る。 蛋. 白質 の濃 度 測 定 に用 い られ る キ ー ル ダ ール 法, 280mμ. にmg/dlの. 血 清 の 欠点 は血 清 蛋 白 の分 画 に よ っ て は,標 準. 血 清 蛋 白の 分 析 上 の 他 の 問題 点 と して,正 常. 混 合物 で あ り,例. 標 準血 清(凍 結 乾 燥 し た もの). りや す い高 分 子 成 分 を除 去 して あ る。 この 標準. 常 値 の 問題 点. 値 が あ げ られ る。 これ は,い. β1E, Tf, β2II,. 用. β‑lipo用 標 準 血 清. これ らはlot毎 れ,蛋. 3.正. A1b, α1AG, α1TI, GC, ChE, α2M, β1A, HX,. IgG, IgA,の17種. テー ト膜 の百 分 率 で は ア ル ブ ミンの 減 少 が 目立. けで は,注 意 を要 す る点 が 免 疫 定 量 法 を併 用 す. 準 血 清,血 清 を冷 蔵 保. めか. プ レー トで 測定 す るPartigen用. の標 準 血 清 と. して 適 した もの で あ る。 2)著. 者 らの標 準 血 清,正 常 新 鮮 プ ー ル血 清. を20μlず. つ プ ラス チ ッ クのhole. 注 して 凍 結 乾燥 後,表. plateに 分. 面 を塩 化 ビ ニ ー ル の 膜 に. よ り密 封 した もの で,冷 蔵庫 に 保存 し,使 用 に 際 して ひ と穴 ず つ切 り と り,蒸 留 水20μlを. 加. え て使 用 す る。 この 標 準 血 清 の欠 点 は,β‑lipo は変 質 す るの で 標 準 試 料 に 成 り得 な い 。 しか し,健 康 な成 人 の プ ー ル新 鮮血 清 を標 準 と して. ら考 慮 され て い るの で,そ の 総 和 と して 総 蛋 白. い るの で,多 人 数 の プ ール で あれ ば 各 分 画 の濃. を考 え る.ことは,未 知成 分 量 は誤 差 に な るが, 一 応 成 立 す るか も知 れ な い。. 度 は,ほ ぼ 一 定 とな り,ロ ッ トに よ る差 は それ. 次 に物 理 化 学 的 測 定 法 の場 合 は,測 定 条 件 の. 程 な い こ とに な る。 勿論mg/dlで. 表 わす 必 要. が あ れ ば,こ の標 準 血 清 をBehringwerkeの. 規 正 が 容 易 で あ って,再 現 性 は比 較 的 よか った. 標 準 血 清 と比 較 して数 値 を 出す こ と も可 能 で あ. が,免 疫 学 的 方 法 で は測 定 条 件 の 規 正 が 困難 で. るが,こ の標 準 血 清 は む しろ血 清 蛋 白 の 総 合分. あ り,再 現 性 も劣 るので,毎 回 標 準 試 料 と比 較. 析 の際 の 対 照 と して,毎 回 同一 の対 照 と して 信. 6.

(7) <特 集>血 清蛋 白分画測定 の意 義 表4血. 清 蛋 白分 画 の正 常 値(正 常 値 ±標 準 偏 差)単 位mg/dl. *正 常 プ ール血 清 に対 す る百 分 率 ,**有意 差. 頼 性 の あ る こ とを 目標 とし て い る。 従 っ て この標 準 血 清 を用 いれ ば,疾 患 に 際 し. く,健. 康 な 正 常 人 に つ い て,年. 類 し て,単. て未 同定 の分 画 の出現 とか,微 量 成 分 と して 正. 気 泳 動 及 び,二. 常 値 がmg/dlで. て 測 定 し た 正 常 値 が,日. 未 だ 決 め られ て い ない 成 分 の. 令 別,性. 純 免 疫 拡 散 法,Laurellロ. 別 に分 ケ ッ ト電. 次 元 免 疫 電 気 泳 動 法 な どに よ っ 本 人3,4)と オ ラ ン ダ 人5). 増 減 に つ い て も,あ る程 度 の 情報 を得 る こ とが. ド イ ツ 人6)に つ い て 発 表 され て い る。(表4). で き る。. ど ち ら もBehringwerkeの. 次 に は正 常 値 の範 囲 が 問題 で あ る。 こ こで判 明 して い るの は,肝 疾 患 や 腎疾 患 の 既 往 が な. と し て い る もの で,そ. 標 準血 清 を 対 照 の 数 値 は 比 較 で き るが,. い ず れ の 分 画 に つ い て も変 動 が 相 当 大 き く,個 7.

(8) 臨 床化 学 ・第2巻. 々の分 画 に よ り,年 令別,性 別,民 族別 に よ る変. ・第1号(1973) あ るが,プ. ロ ゲ ス テ ロ ン を 不 活 化 す る。. 動 の 巾 は 異 な るの で,疾 患 時 血 清 を調 べ る場 合 に,そ れ が 正 常 値 として の変 動 で あ ったの か,. 2)α1グ. ロ ブ リン分 画. 疾 患 に な って 後 の変 動 で あ るの か,判 明 し な く. α1AT12,13),ト. リ プ シ ン,キ. モ ト リ プ シ ン,. な る点 が あ る。 民 族 に よ る差 が 最 も顕著 な の は. プ ラ ス ミン,コ. 免 疫 グ ロ ブ リン で,環 境 に よ る抗 原 剌 戟 の量 を. と拮 抗 す る。 α1の. あ らわ して い るか もしれ な い 。 その 他 は年 令 に. 遺 伝 的 欠 損 症 で は 肺 気 腫 や 肝 硬 変 を お こす 。. よ る相 違 が あ る も の と して,Hp, IgM,. IgA, IgG。. Cp, α2M,. 性別 の 差 が あ る もの と して. A1b, α1AT, Cp, α2M, IgMな. どは民 族 や方 法. に よ らず 共 通 の傾 向が あ って,こ れ らの分 画 の 機 能 が 年 令 や 性 別 に結 び つ い て消 長 す る こ と を 意 味 して い る。 そ れ らの 点 を念 頭 にお い て,検. GC14),機. ラ ケ ナ ー ゼ,エ. ラス ター ゼ な ど. 主 成 分,APRの. 能 不 明,3つ. 主 成 分,. の 遺 伝 型 が あ り 日本. 人 は1‑1,56,7%,2‑1,34.5%,2‑2,8.8%で あ る 。APRの. ひ とつ 。. α1X,キ. モ トリプ シ ンに拮 抗 す る。 疾 患 時 の. 変 動 な ど不 明 。 ClsI51),Clsの. エ ス テ ラ ー ゼ 活 性,カ. 査法 と して は む し ろ個人 の疾 患 時 の経 過 を追 う. イ ン,PTA,Hageman因. 調 べ 方 が よい と思 われ る。. PF/dilな. 子,プ. ど の 作 用 を 阻 害 す る。 欠 損 症 は 遺 伝. 性 血 管 神 経 性 浮 腫(HANE)に. 4.血. 清 蛋 白各 分 画 の 機 能. 血 清 蛋 白 の 各 分 画 の増 減 の意 義 を評 価 す るに は,そ の機 能 を知 らな けれ ば な らな い。 しか し. リク レ. ラ ス ミ ン,. な る15)。. α1B機. 能 不 明APRの. TsCコ. ー チ ゾ ン を輸送 す る。. 3)α2グ. ひ とつ. ロ ブ リ ン分 画. 機 能 は まだ充 分 に わ か って い な い ものが 多 い 。 第2に,わ. か っ て い る範 囲 で も,ひ とつ の蛋 白. α2M16,17,18,19,61)プ ラ ス ミ ン,ト. リ プ シ ン,. の機 能 は 単 一 で は な く何 重 に もか らみ あ っ て機. カ リ ク レ イ ン を 抑 制,生. 能 に 関 与 し て い る。 主 な もの を 解 説 して み よ. リ ン な どの 担 体 と な る と もい わ れ る。APRの. 長 ホ ル モ ン,イ. ンシ ュ. う。. 主 成 分,濃. 度 は 女 性 が 男 性 よ り高 値 で あ るが,. エ ス ト ロ ジ ェ ン 投 与 に よ っ て は 変 らな い 。. 1)ア. ル ブ ミン分 画. Hp20,21)ヘ. Alb9)。 浸 透 圧 の維 持,薬. 剤,ホ. ルモン な ど. モ グ ロ ビ ン と結 合,生. 体 内 に溶 血. が あ れ ば 少 量 で も 鋭 敏 に 消 失,ま. たは減少 す. の担 体,代 謝 産 物 で もビ リル ビ ンな ど陽性 荷 電. る。 ま た 肝 障 害 の 生 成 障 害 に よ っ て も 減 少 す. を もつ もの は 殆 ん どAlbに. る。APRの. る63)。しか し無Alb血. 結 合 して運 搬 され. 症 で判 明 す るの は,こ. れ らの 機 能 は 他 の分 画特 に α2Mに 行 され る炉,脂 質 代 謝 に はAlbが ア ル ブ ミン で は脂 血 症 をお こす 。 Pre.10)チ ロ キ シン,ト. よ って も代 必 要 で,無. PBP4)ビ. リ ヨ ー ドチ ロニ ン と よっ. 毒症. 8. 疸 な ど に よ り生 成 亢 進 し て 増 加 す る 。 α2HS4)熱. 安 定 性 糖 蛋 白 と い わ れ るが,56℃. 加 熱 に は 不 安 定,APRの. 一 種 で あ る が,炎. る。Baイ. 症. 性腫 瘍 で は 低 下 す るこ と. が 多 い 。 そ の 理 由 は 不 明 だ が,鑑. 別 に 用 い られ. オ ン を 特異 的 に結 合 す る。 Ca. 中 間 の 分 画 と し て 認 め られ る。 調 節 蛋 白 の 一 種 で あ る が,疾. 患 時 の 動態 は 明 らか で な い 。. Cp24,25,26,27)Cuを. で 問題 に な った 。 性 活 動 期 蛋 白(APR)の. 塞性 黄. イ オ ン を含 む ベ ロ ナ ー ル 緩 衝 液 で は α1と α2の. 子 量21,000で. 腎 障害 が あ る と尿 中 に排 泄 され る。Cd申 α1AG4)急. 性 腫 瘍,閉. IαI寒 天 電 気 泳 動 でpH8.6,μ0.08,2mM. レス テ ロ ー ルの 担 体. タ ミンAの 担 体,分. 症,悪. 性 疾 患 で は 増 加 し,悪. 結 合 して 運 搬 す る。 その 機 能 はTBGに て も代 行 され る11)。 α1Lリ ン脂 質,コ. 一 種,炎. ひ とつ で. 特 異 的 に 結 合 す る 蛋 白 で,. オ キ シ ダ ー ゼ 活 性 を 持 つ 。 こ の 酵 素 はferro‑.

(9) <特 集>血 清蛋白分画測定 の意義 xydaseと. し て 鉄 代 謝 に 関 係 す る。 又 抗 補 体 作. 用 が あ る,欠. 損 症 は ウ ィル ソ ン 氏 病 で 銅 沈 着 が. お こ る 。hydroxylapatiteカ (C‑C),fr2(C‑D)の. ラ ム に よ り,frl. ア イソザ イム に 分 離 され. る 。 肝 疾 患 で は 全 般 的 ま た はfr1の こ る。 ま た 腎 疾 患 で はCpは 低 下 す る。APRの. 一種. ChE28)psendo に 存 在 し,心 な り,高 病,周. 低 下 が お. 尿 中 に排 泄 され て. 血 圧,腎. して血 清 中. 無 力 症,肝. 疾 患,糖. 疾患で低値 と. 尿 病,バ. セ ドー 氏. 期 性 四肢 麻 痺 で高 値 とな る。 定 量 は酵 素. 活 性 と して 特 異 的 に 測 定 す る 方 法 と,免. 疫化 学. 的 測 定 方 法 が あ る。 AIP29)α1,α2,β るが,肝. IRA22,23)リ. 性 腫 瘍,閉. 塞性黄. 疾 患 で は βの 増 加 と な る。 ン パ 球 のPHAに. 化 能 を 抑 制 し,免. フ ロ ー ゼ,高. 状 腺 機 能 低 下,慢. 疫 抑 制 に 働 く α2糖 蛋 白 が 正 細 は不 明 で. あ る。. が あ り,肝 硬 変,急. とpreβ. ロ ジ ン,ト. リ プ トフ ァン に 富 む 蛋. 白 で 血 清 中 の 機 能 は 不 明 で あ る。 唾 液,汗 に 多 く 排 泄 され,特. など. に 運 動 後 の 尿 に は 正 常 の20. 〜50倍 の 濃 度 に な る 。 従 っ て 正 常 尿 中 の 糖 蛋 白 主 成 分 とな る 。 TBG11)チ. ロ キ シ ン 結 合 蛋 白,家. 族 性 欠 損症. で は 粘 液 水 腫 様 の 症 状 が 見 られ る。 特 に 男 に 顕 著 で あ る。 Cls60)補. 体C1のProesterase活. た 構 成 成 分 で,trypsin活. esterase活. 性 を持 っ. 性 を 持 っ たClrの. の 作 用 に よ りCls(Cls活. 性 型)と. な ると. は 正 常 で,β. ロ トロ ン ビ ン ・ア ク チ ベ ー タ ー とCa. イ オ ン の 働 き に よ り,ト. ロ ン ビ ン(α1の 易 動 度). に 変 換 す る 。血 清 を4℃. に 保 存 す る際 に もお こ. 分 解 し た ヘ モ グ ロ ビ ン か らの 鉄 の 再 利 用 の 時 鉄 の 運 搬 体 と し て 働 く,鉄. だ け で は な く67)Gaな. ど の 担 体 と して も 働 く,Tfの. 先天 的 欠 損症 で. は 鉄 の 吸 収 障 害 に よ り,貧 血,脾 で あ り,利. 腫 な どが著 明. 用 され な い鉄 の 沈着 に よ って ヘ モ ジ グ ラム 陰 性 菌 に対. し て 殺 菌 作 用 が あ る。 βlC33,34,35)補 体 第3成. 分 で あ っ て,補. ま る 古 典 径 路 と,C3か. ロ ン ビ ン の 働 き を 中 和 す る拮 抗. 物 質 。 抗 ト ロ ン ピ ンII又 はIIIと 呼 ば れ た も の は. 路 で 共 に 重 要 で あ り,量 的 にC4と 合 反 応 の1imiting. factorと. alternate径 な り,共. 分 解 す る。. ア ナ フ ィ ラ トキ シ ン で あ り,C3bは 免 疫 貧 食,免. C5,C6を. 結 合 さ せ る 。C3bにC3b. 腎 炎 で はC4の. 病 で はC3の. 清 の4℃. ら β1Aの. の保 存. 変 換 が お こ る。. 減 少 す る型 と,C3の. 型 が あ る。 前 者 はSLE,後. い た め,正. た. inactiva‑. な り不 活性 化 され. の 非 働 化,血. に よ っ て も β1Cか. 活. 疫 粘 着 を お こ し,ま. 働 く とC3c(β1A)と. る 。56℃,30分. 減 少 す る. 者は 慢性 膜増 殖性. 者 で はC3b. inactivatorが. 多. 常 の1/5以 下 に 減 少 す る43)。 一 方 膠 原 増 加,及. び 活 性 化 が み られ,補. 体. 系 の 機 能 亢 進 を 示 す 。 又 無 γグ ロ ブ リン 血 症 や. る の は,消. 増加す. 費 さ れ な い た め と考 え られ る。. Hx37,38,39,46)ヘ ム と1:1に. で 溶 血 が お こ る とHpと グ ロ ブ リン. な り. activatorと. 性 化C3で. torが. 共 に補 体 結. convertaseと. にC3をC3aとC3bに. C3aは. ら始. な っ て い る。 古. 路 で はGGGがC3. 正 常 血 清 中 で は30%飽. 同 一 の もの で あ っ た 。. β リ ポ 蛋 白31,66)中 性 脂 肪,コ. 体 の. ら始 ま るalternate径. 骨 髄 腫 な ど抗 体 欠 乏 症 候 群 の と きC3が. る。. 4)β. 汁性 肝 硬変 で. が 増 強 す る。. 子 の 鉄 を 結 合 す る。 鉄 の 吸 収,. 糸 球 体 腎 炎 で,後. 性 を示 す 。. α2Ath4).ト. とPreβ. 性 肝 炎 で は α リ ポ,preβ. が 消 失 し て βが 増 強 す る が,胆 は,α. 脈. 性 膵炎 な ど. の 時 に 増 加 す る 。 易 動 度 の 上 で は,β. 典 径 路 で は,C4.2がC3. Znα230)チ. 血 圧,動. 中 で 蛋 白量 と し て も最 大 で あ るが,Clか. よ る ブ ラス ト. 常 血 清 に て 見 い 出 され て い るが,詳. Pth,プ. 尿 病,甲. デ ロ ー ジ ス を お こす 。Tfは. の 易 動 度 の ア イ ソザ イ ムが あ. 疾 患 で は α1 α2,悪. 疸 で は α2,骨. 硬 化,糖. Tf32).2原. cholinesteraseと 不 全,筋. 脂 溶 性 物 質 の 運 搬,ネ. 結 合 す る蛋 白 で,. 和 の 状 態 で あ る。 血 管 内 共 に 低 下 す るが,HP. よ り余 裕 を も っ た 下 り方 で あ る の で 溶 血 の 程 度 レ ス テ ロ ー ル,. がHxの. 低 下 よ り推 測 で き る。 溶 血 以 外 で も 9.

(10) 臨 床化 学 ・第2巻. ・第1号(1973). 腎 疾 患 の 時 は 排 泄 に よ り低 下 し,肝 疾 患 で は 病. 制 御 さ れ て い る。 活 性 化 さ れ た β2IIはC3. 気 の 進 行 に よ っ て 徐 々 に 下 る。 糖 尿 病,リ. activator,別. チ,癌. な ど で 増 加 す る が,正. 常 の2倍. ウマ. を越 え る. 名glycine. と な り,C3に. rich. γglobulin(GGG). 働 い てC3aとC3bに. 分 解 す. こ とは な い 。 溶 血 に よ り生 じ たHbはHpと. る。 β2IIを 活 性 化 す る径 路 は 外 因 性 の コ ブ ラ 毒. 結 合 し,.Hbよ. や イ ー ス トのzymosanに. りグ ロ ビ ン が とれ た ヘ ム はHx. よ っ て もお こ り,そ. と結 合 し 肝 に 運 ば れ て ビ リ ル ビ ン の 原 料 と な. の と き も補 体 系 のalternate. る。 そ の 際 に 外 れ た 鉄 はTfに. し て,溶. よ り運 ば れ て 再. 血,溶. pathwayが. 菌 な どの結 果 に至 る こ とが 証 明. 利 用 さ れ る。 ヘ ム の 一 部 は ア ル ブ ミン と も結 合. さ れ た の で,一. しmethem. め な い ま ま 消 え て い たproperdinが,蛋. albuminと. し て 代 謝 され る。Hxの. 濃 度 は 溶 血 に よ り低 下 し て も,2〜3日. 後 には. 時 騒 が れ て,そ. の後 実態 が つ か. あ っ た β2 glycoprotein皿. genic薬. を 見 る こ と に な っ た 。 β2IIは,腎. の 投 与 に よ り増 加 もす る。 そ れ に は acetamide. 癌 剤 の3‑methyl. (AIA),酢. cholanthrene,. 酸 鉛,発. benzypyrene. Pmg44).内. 因性 ま た は 外 因 性 の プ ロ ア クチ. PSβ1G42,45)妊. 娠時 の血 清中に 現われ る特異. つ ア ク リル ア ミ ドゲ ル 電 気 泳 動 に よ っ て 証 明 さ. ベ ー タが 活 性 化 され プ ラ ス ミ ノ ー ゲ ン ア ク チ ベ ー タ と な る と ,そ の 作 用 に よ り,プ. 10〜25mg/dlに. ゲ ン は プ ラ ス ミン に 変 わ り,フ. ィブ リンに 働 い. て フ ィ ブ リ ン 分 解 物(FDP)に. 変 え る。 そ の 他. に も蛋 白 分 解 酵 素 と してpth,グ シ ュ リ ン,キ い て,こ. ル カ ゴ ン,イ ン. ニ ン,C3,Cls,IgGな. ど に も働. れ らの物 質 を活 性 化 また は分 解 す る。. の 目. 炎 で は減 少 し. 能 は 不 明 で あ るが 濃 度 勾 配 を 持. れ る。 妊 娠8〜12週. ラス ミ ノー. に と っ て も,日. て い る な ど言 わ れ は じ め て い る。. 蛋 白 と し て,機. な どが あ る。. 白 とし. て復 活 した。 それ は これ まで 機 能 不 明 の 蛋 白で. 代 償 的 に 正 常 以 上 に 増 加 す る 。 又,porphylo‑. allylisopropyl. 進行. で は1mg/dl,妊. な る の で,妊. 娠末期 に. 娠 反 応 と して は. 鋭 敏 と は 言 え な い と い う。 β2micro41).イ. タ イ イ タ イ病 の 尿 中 に 排 泄 さ. れ る 低 分 子 の 蛋 白 と し てRBPと. 共 に有 名 に な. っ た 。 蛋 白 の 一 次 構 造 も 判 明 し て,100個 ミノ 酸 か ら成 り,60個. の ア. の ア ミノ酸 の シス テ イ ン. プ ラ ス ミ ン の 作 用 はClsI,IαI,α2M,α1AT,. に よ る ル ー プ を 含 み,ア. な どに よ っ て 何 重 に も抑 制 を 受 け て い る。 し か. ロ ブ リ ン の 基 本 構 造 と一 致 す る た め,原. し,ス. 免 疫 グ ロ ブ リ ン 遺 伝 子 に 対 応 す る蛋 白 で は な い. ト レ プ トキ ナ ー ゼ と か,蛇. 活 性 化 さ れ る と,抑 β1E35,40).Clsに 合 てC3 C4欠. 毒 な どに よ り. Convertaseと. 応無 症 状 で あ. 損 の モ ル モ ッ ト で は,実. 体 産 生 能 の 低 下 と,免. 結 し. な る 。 ヒ トに お い て も. 損 症 が み られ て い る が,一. る 。C4欠. 験 す る と抗. 疫 排 除 能 に 低 下 が み られ. た 。 疾 患 の 際 に 関 節 リ ウ マ チ,SLEの. と きC3. と共 に 低 下 す るが 低 下 が 顕 著 な の で,診. 断 に用. い られ る 。 β2II36,47).alternate. bulin(GBG)と. pathwayに Sglycine. もproperdin. convertase(C3PC)は3 活 性 化 の 反 応 は,最. お け るC3 rich. factor Bと. れ る。 こ の 蛋 白 を 活 性 化 す るC3. 10. γグ ロ ブ リン IgM免 ン で,個. 疫 グ ロ ブ リ ン,19Sマ 体 発 生,系. Sα. β2 glo‑ も呼 ば. proactivator グ ロ ブ リ ン で,. 終 産 物 のC3bに. よ って. クログ ロブ リ. 統 発 生 上 最 も早 期 に 出 現 し. て く る免 疫 グ ロ ブ リ ン で,老. 人 で は却 って 減 少. す る3,49。 疾 患 に 罹 っ た と き に も,最 し て く る が,慢. が 主 と な り,IgMは. い50)。IgMの. 初 に増加. 性 化 す る とIgG,IgAの. 増 加. 正 常 に 近 づ く48)。IgMの. 単 ク ロ ー ン 性 増 加 は,良. のproactivatorで,6.2. 始的 な. か 注 目 され て い る。. 制 が 及 ば な く な る。 よ り活 性 化 さ れ,C2と. ミ ノ 酸 の 配 列 も免 疫 グ. 性 の もの は 比 較 的 少 な. 著 しい低 下 は 遺 伝 的 異 常 ま た は. 網 内 系 の 腫 瘍 に よ る こ とが 多 い 。IgMは. 男性. よ り女 性 の 方 が 一 般 に 高 値 で あ る5)。 IgG免 分 で,ア. 疫 グ ロ ブ リ ン,γ. グ ロブ リン の 主 成. セ テ ー ト膜 の 電 気 泳 動 で γ分 画 が 増 加. し た と き は,例. 外 な くIgGが. 増 えて い る。 し.

(11) <特 集>血 清蛋 白分画測定の意義 か しIgGに. 万 とい わ. 決 ま り,疾 患 時 の診 断 に直 接 役 に 立 つ特 徴 的 な. れ る可 変 部 の 相 違 が あ るた め,ど れ が増 加 した. は4種 の サ ブ ク ラス,数. 変 動 と,個 体 の 一 般 状 態 を反 映 し た非 特 異 的 な. か に よ って 意 味 が 異 な る。 補体 結 合 性 の 自己 抗. 変 動 が あ る。 あ る蛋 白 の消 費 が 疾 患 に直 接結 び. 体IgG(IgG1,IgG3)で. つ い て お こっ て も,そ れ を償 う生 合 成 の如何 に. は組 織 障 害 性 が あ る. が,補 体 結 合性 の な いIgG4,IgG2で 性 は少 な い53,54)。また,IgG3が. は 障害 増 加 す る と粘. よ り,蛋 白の血 中 濃 度 は減 少,不 変 又 は 代償 的 増 加,又 は機 能 的 増 加 もあ るの で,一 定 しない 。. 度 の増 加 が 伴 い や す い55)。IgG2,IgG4は,白. 表5に 血 清 蛋 白 の 変 動 す る代 表 的 疾 患 の 一応 の. 血 球 遊 走 促 進 能 を もつ 。IgGの. 傾 向 を ま とめ た。 しか し この 増 減 は 疾 患 の 軽. 増 加 す る と きの. 順 序 は個 体 発 生,系 統 発 生 と同 じでIgG3,IgG1'. 重,時 期 に よ って も変 わ るので,逆. IgG2,IgG4と. もあ りう る。. な りやす い。 ま たIgGは. 半減. 期 が 比 較 的 長 い た め,既 往 の疾 患 に よ って作 ら れ たIgGを. 記 憶 して持 って い るた め,現 在 の疾. 患 の 影 響 だ けで は な く複 雑 で あ る。IgG3が. 増. にな ること. 特 に 急性 の疾 患 の進 行 期 や 恢 復 期 な どに半 減 期 の短 い蛋 白 で は,代 謝 が 早 い た め に,不 定 の 変 化 に な りや す い。 ま た慢 性 疾 患 で は産 生 臓 器. えて い るか を簡 単 に 見 わ け る方 法 は,電 気 泳 動. が疾 患 に含 まれ るか,否 か,含. の 時,陰 極 側 に正 常 よ りも どれ 位 突 び 出 して い. 全 身状 態 や,ホ. るか 否 か を見 るや り方 が あ る。IgG3は. くか に よ り,減 少 の ま まで あ るか,機 能 的 に補. γ2か. ら γ3の 遅 い 易動 度 を持 つか らで あ る。 IgA免. 疫 グ ロ ブ リンγ1の易 動 度 で あ るた め,. これ が 増 え る と ア セ テ ー ト膜 電 気 泳 動 で は,. まれ な い場 合 は. メ オ ス ター シス が ど の よ うに働. うた め の生 合成 亢 進 が お こ るか に よ って 決定 さ れ る。 これ ら夫 々の 分 画 の 産生 臓 器 と,血 液 中 で の. β,γ間 の ブ リ ッ ジ形 成 とな る。 酵 素 に 分 解 ざれ に く く,分 泌 液 中 に出 て,血 清 とは 異 な った環. 半 減 期 は 判 明 して い る もの に つ い て,表1に. 境 下 に も機 能 を発 揮 す るの に 適 して い る。系 統. 疾 患 の 関 係 を考 え て,各 疾 患 に お け る増 減 も,. 個 体 発 生 的 に も遅 く出現 し,そ の 代 わ り老 人 と. 丸 暗記 で は な く,何 故 に その よ うに な るのか を. な って も尚,血 清 中 の濃 度 は増 加 しつ づ け る。. 理 解 しなが ら,表5を. 疾 患 の 際 は 慢 性 化,又. 血 清 蛋 白 の個 々 の増 減 は夫 々異 な っ た遺 伝 子 の. に よ ってIgAが IgE免. コ レス テ ロイ ド剤 の 投 与. 比 較 的多 い型 とな る。. 疫 グ ロ ブ リン56,57)アレル ギ ー 性 疾 患. 記. して あ る。 これ らを参考 に夫 々 の分 画 の機 能 と. 見 る こ とが 必 要 で あ る。. 発現 で あ り,ひ とつ の増 加 が 他 の 増 加 を伴 うよ うな遺 伝 子 の 連 関,あ. るいは 産生 され た酵 素 が. の 際,増 加 して い る。 組 織 の好 塩 基 球,肥 胖 細. 他 に働 いて,サ. 胞 の表 面 に 付着 し,抗 原 の侵 入 に よ りこれ と反. 現 が先 天 的 に 障 害 し てい るた め の あ る分 画 の欠. 応 して,細 胞 の ヒス タ ミン,セ. ロ トニ ンな どの. 損 な ど,血 清 蛋 白の 変 動 に は多 くの 興 味 あ る問. 放 出 を お こす の で,ア レル ギ ー反 応 が お こ る。 IgDグ ロブ リン,抗 体 と して 抗 原 と結 合 す. 題 が現 在 一 部 に は 解 明 され,今 後 知 見 を広 め よ. るが,そ れ 以 外 の 機 能 は まだ 不 明 で あ る。. イ クル を作 る制 御,遺 伝 子 の発. う として い る。 ま た,こ れ らの変 動 は1965年 以 後,Mancini. β2I58).機 能 は 不 明 で あ るが,疾 患 時 の変 動 は 明 らか に な って い て,SLE,腎 炎,腎 盂 炎 の. の 放 射 状 一元 免 疫 拡 散 法59)とBehiringwerke. と きに は増 加 し,肺 疾 患 で は低 下 が著 しい。. され た 分野 で あ っ て,尚 統 計 的 に も不 十分 で あ. やHylandの. 各 種 特 異抗 血清 の登 場 以後 に解 明. り疾 患 の診 断,予 後 の 判定,一 般 状 態 の解 析 な 5.疾. 患 時 にお こ る血 清 蛋 白 の 変動. どに 果 し う る役 割 は ま だ 十分 で は な い か も しれ な い が,血 清 蛋 白 の 各 々 が 持 つ 異 な っ た 機能. 疾 患 時 に お け る各 種 血 清 蛋 白の 変 動 は,そ れ ぞ れ の蛋 白 の生 合成 と分 解 過 程 の 総 合 に よ って. と,そ の代 謝 過 程 な どが 理 解 され るに つれ 意 味 を持 っ て くる と思 わ れ る。 11.

(12) 臨床 化 学 ・第2巻 表5疾 斜 線 の上 は 増加,下 は減 少,著. 12. ・第1号(1973). 患 時 の 血 清 蛋 白 分 画 の 変 動 明 な変 動,〔 〕の 分 画 名 は 増減 逆 の 場 合 もあ る。()疾. 患 また は薬 剤 名 の規 定 。.

(13) <特 集>血 清蛋 白分画測定 の意義. 13.

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参照

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