158 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
(63) ヨシ ノ ヒロ ユキ吉野浩之(昭和35
博士(医学) 乙第1409号平成5年11月19日
学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
乳癌における血清sialyl L、eX測定の臨床的意義 (主査)教授 浜野 恭一 (副査)教授 高桑 雄一,橋本 葉子論文 内 容 の 要 旨
緒言 Sialyl Lex(以下S-Lex)は,モノクローナル抗体 CSLEX-1(抗S-Lex抗体)が認識する2型野卑抗原で あり,腺癌に対する腫瘍マーカーとして期待されてい る.一方,乳癌においてはCA15-3やCEAが用いられ ているが,不十分な点が多い.著者は,乳癌患者にお ける血清S-LeXを測定し,新しい腫瘍マーカーとして の意義を検討した. 対象 対象は1990年2月から1992年12月までの間に,当教 室および関連病院で経験した原発乳癌227例,再発乳癌 47例,計274例で,健常女性225例,非再発乳癌59例, 良性乳腺疾患115例を対照とした. 方法 S-LeXの測定はCSLEX-1を固相に固定し,同抗体を 酵素標識抗体として利用するサンドイッチ式EIA法 で行った.まず健常女性の測定値よりカットオフ値を 定め,原発乳癌,再発乳癌および対照から得られた S-LeXの測定値,陽性率の検討を行った.さらに既存の 腫瘍マーカーであるCA15-3, CEAおよびそれらとの combination assayにっき比較検討した. 結果 Cut ofF値は健常女性の平均値(mean±SD)が 2.53±2.43U/ml, mean+2SDが7.39U/m1であった ことより8.OU/mlと定めた. 1.健常女性の陽性率は4.0%であった. 2.良性乳腺疾患の平均値は2.4±3.OU/ml,陽性率 は0.8%で健常女性とほぼ同様であった. 3.原発乳癌における陽性率は18.9%でありCA15- 311.5%,CEA 12.8%と比較し高値を示した.また S-LeXの平均値および陽性率は癌腫の進行度,悪性度 (stage,腫瘤径,組織型,リンパ節転移,遠隔転移など) と正の相関を示した. 4.乳癌における特異度は95.4%であった. 5.再発乳癌におけるS・LeXの陽性率は63.0%で非 再発乳癌の陽性率11.9%と比較し有意に高値を示し た.一方,CA15-3は61.7%, CEAは40.4%であった. また三者のcombination assayを行った結果,陽性率 は89.4%であった. 考察 乳癌においてS-LeXを測定し検討した結果, S-LeXは CA15-3やCEA以上の成績を示し,さらに測定値と陽 性率は癌の進行度および悪性度を反映した.再発乳癌 においてはS-LeX単独でも高い陽性率を示したが, CA15-3, CEAとcombination assayを行うことに よって良好な結果が得られモニタリングマーカーとし て極めて有用であると思われた. 結語 S-LeXは乳癌における腫瘍マーカーとして既存の マーカーより有意に高値を示し,特に再発乳癌の診断 に有用であると考えられた. 一764一159