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子牛下痢症の予防法に関する研究

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Academic year: 2021

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     博 士 ( 獣 医 学 ) 小 原 潤 子 学 位 論 文 題 名

子牛下痢症の予防法に関する研究

学位論文内容の要旨

  子牛の下痢症は子牛の免疫状態、病原微生物、飼養環境など多くの要因が関与し て発生する複合的な疾病であり、特に日本固有の肉用牛である黒毛和種牛での被害 が大きい 。子牛下痢 症の重要な原因微生物の1つである牛ロタウイルス(BRV)に 対して、母子免疫ワクチンの野外応用によるBRV病予防効果についての検討が必要 とされている。また、牛インターフェロンで(boIFN‑で)は抗ウイノレス活性を持つ 一方、細胞毒性が低いという特徴があり、家畜のウイルス感染症への臨床応用が期 待されている。そこで本研究では、子牛下痢症の予防法の確立を目的に、子牛の免 疫とBRVに着目し、初乳を介した母子免疫を中心とした子牛下痢症の予防法および boIFNーでの子牛下痢症に対する効果について検討した。

  はじめに、黒毛和種牛の免疫学的特徴について、自然哺乳の黒毛和種子牛90頭 にっいて受動免疫と疾病との関連を調査した結果、血清中免疫グロブリン(Ig) Gl濃度10mg/ml未満の受動免疫伝達不全(FPT)子牛の割合は15.6%、FPT子牛の下 痢による死亡率は28.6%であり、血清中IgGl濃度10.O―20. Omg/mlの子牛において も死亡率は25.O%と高いことが示された。黒毛和種子牛では生後4週齢まで末梢血 リンパ球数の有意な増加が認められず、ホルスタイン種子牛と比較して、リンパ球 数および末梢血中y8T細胞数が少なかった。また、黒毛和種初乳の平均乳量は1.3 kgでホルスタイン種と比較して少なかったが、初乳中IgGl濃度は160. Img/mlとホ ルスタイン種より高く、黒毛和種の初乳は子牛への免疫賦与効果の高いことが示唆 された。

  次に、子牛下痢症予防ワクチンの効果について野外試験を行った。母子免疫型の 混合不活化ワクチンはBRVに対する免疫原性を有し、ワクチン接種により母牛の血 清および乳汁中の抗体価が高まり、子牛への受動免疫が増強された。しかし、ワク チン群の子牛においても50%以上が下痢を発症し、その中でもBRV病の発生率は 対照群と有意差がなく、本ワクチンのBRV病予防効果は十分ではなかった。子牛の 血清中移行抗体とBRV病の防御との関連にっいては、BRV病子牛の血清中BRV中和 抗体価は正常子牛と比較して低く、BRV病子牛の血清中BRV中和抗体価と下痢発症 日齢、下痢持続日数、糞便スコア合計およぴウイルス排泄日数に相関が認められた。

これらのことから、新生子牛の血清中BRV中和抗体価はBRV病に対する防御と重篤 度の指標となることが示唆された。初乳由来抗体は子牛へのBRVの自然感染を完全 に防御することはできなかったが、下痢の症状軽減やウイルス排泄日数を短縮する など、BRV病を防御する重要な役割を持っと考えられた。

    −127―

(2)

  BRV

病など牛のウイルス感染症に対する抗ウイルス療法薬の候補として、boIFN ― ての有効性について検討したところ、in vitro でboIFN‑ では

BRV

、牛ウイルス性 下痢ウイルスおよび牛白血病ウイルスの増殖を抑制した。boIFN‑ ての子牛に対する 免疫調節効果を明らかにするために、boIFN‑ で高用量(l05U/BW kg) を子牛に皮下 投与後に生ワクチンで抗原刺激し、末梢血単核細胞中のりンパ球サブセットの変化 とウイルス中和抗体の産生についてboIFN‑ て非投与対照子牛と比較したが有意差 はなく、boIFN‑ での免疫調節効果は明らかにできなかった。しかし、boIFN‑r 高用 量投与による、発熱、白血球減少、食欲低下などの副作用は認められなかった。新 生子牛へのboIFN‑ での低用量(200U/ 頭)4 週間経口投与による下痢症予防試験で は、下痢発症率、下痢持続日数、増体に効果はなく、下痢子牛へのboIFN‑ ての低 用量(200U/ 頭)5 日間経口投与による下痢治療試験では下痢持続日数、下痢発症 後の増体に効果はなかった。rboIFN‑ ては子牛に対して重篤な副作用はないことが 示 さ れ た が 、 下 痢 症 に 対 す る 効 果 は 明 ら か に で き な か っ た 。

  

以上のように、本研究は黒毛和種牛における免疫学的特徴や初乳給与法について 示し、母子免疫ワクチンによる受動免疫の増強と初乳抗体によるBRV 病防御効果を 明らかにし、さらに子牛下痢症に対するboIFN‑ で臨床応用の可能性にっいて示唆 し た。 これ らの 知見は子牛下痢症の防除にとって意義あるものと思われる。

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(3)

学位論文審査の要旨

主査 副査 副査 副査,

教 授   小 教 授   前 助 教 授  大 助 教 授  田

沼    操 出吉光 橋和彦 島誉士

学 位 論 文 題 名

子牛下痢症の予防法に関する研究

  子 牛の 下痢 症は 子牛 の免 疫状態、病原微生物、飼養環境など多くの要因が関 与 し て 発 生 す る 複合 的 な 疾 病 で あ り 、 牛 ロ タウ イルス(BRV)が 重要 な原 因微 生物 の1っ であ る。 本研 究で は、 黒毛 和種 子牛 下痢 症の 予防として、母子免疫 によ る予 防お よび 牛イ ンタ ーフ ェロン て(boIFN‑て )の 下痢症に対する効果に ついて検討した。

  はじめに、子牛下痢症予防ワクチンの効果について野外試験を行ったところ、

ワク チン 接種 によ り母 牛の 血清および乳汁中の抗体価が高まり、子牛への受動 免 疫 が 増 強 され た。 しかし 、ワ クチ ン群 の子 牛に おい ても50% 以上 が下 痢を 発症 し、 その 中で もBRV病の 発生 率は 対照 群と 有意 差が なく、本ワクチンのBR V病 予 防 効 果 は十 分で はな かっ た。 初乳 由来 抗体 は子牛 へのBRVの自 然感 染を 完全 に防 御す るこ とは でき なかったが、下痢の症状軽減やウイルス排泄日数を 短 縮 す る な ど 、BRV病 を 防 御 す る 重 要 な 役 割 を 持 っ と 考 え ら れ た 。   次 に 抗 ウ イル ス薬 として のboIFN‑ての 有効 性に つい て検 討し たと ころ 、in vitroでboIFN‑て はBRV、牛 ウイ ルス 性下 痢ウ イル スお よび 牛白 血病 ウイ ルス の 増 殖 を 抑 制 し た。 し か し 新 生 子 牛 へ の4週 間、 低用 量経 口投 与(200単 位/

体 重kg)に よ る 下 痢 症 予 防 試 験 な ら び に 下 痢 発症 子 牛 へ の5日 間 、 低 用 量経 口 投 与(200単 位/体 重kg)に よ る 治 療 試 験 で は 、 副 作 用 は な い も の の 下 痢症 に対する効果は明らかでなかった。

  以 上の よう に、 本研 究は 黒毛和種子牛における母子免疫ワクチンによる受動 免 疫 の 増 強 と 初 乳 抗 体 に よ るBRV病 防 御 効 果 を 明 ら か に し た 。 さ ら にbo IFN‑て のin vitroで の 抗 ウ イ ル ス 作 用 か ら 臨 床 応 用 の 可 能 性 を 示 唆 し た。

これ らの 知見 は子 牛下 痢症 の防除にとって意義あるものである。よって審査員 一 同 は 、 上 記学 位論 文提出 者小 原潤 子氏 が博 士( 獣医 学) の学 位を 授与 され るに十分な資格を有するものと認めた。

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参照

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食細胞はこれら殺菌機構のいくつかが同時に,

研究成果の概要

Title 原発性免疫不全症候群の病囚遺伝子の解明に関する研究( は しがき ) Author(s) 近藤, 直実 Report No..

尿素態窒素濃度、クレアチニン濃度、カルシウム濃度、無機リン濃度、マグネシウム濃度、

2.インスリン負荷試験

示唆されてた。

年度では 21.2%,2012 年度では 12.7%が陽性であった。また,2