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論文内容要旨

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Academic year: 2021

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論文内容要旨

当院における 22q11.2 欠失症候群の治療について-粘膜下口蓋裂と先天 性鼻咽腔閉鎖不全症―

医学研究科形成外科学 山内日香里

22q11.2 欠失症候群は口蓋の異常、先天性心疾患、特徴的顔貌、発達遅滞

など、種々の症状を伴う先天異常である。口蓋の形態異常は粘膜下口蓋裂

(以下 SMCP)と先天性鼻咽腔閉鎖不全症(以下 CVPI)が多く、治療に

難渋することが多い。今回われわれは当院で治療を受けた 22q11.2 欠失症 候群(以下 22q 群)とそれ以外の口蓋裂群(以下非 22q 群)の鼻咽腔形 態や機能、治療内容、言語成績を調査検討した。

1996 年 7 月から 2014 年 12 月までに昭和大学病院形成外科を受診し、

SMCP または CVPI と診断され、経時的に音声言語評価が可能であった 計 41 例を対象とした。うち 22q 群は FISH 法による染色体検査で確定診 断を受けた 21 例(SMCP7 例、CVPI14 例) 、非 22q 群は FISH 検査で

22q11.2 欠失症候群を否定されたもの及び、典型的な臨床症状を認めない

例を含め 20 例(SMCP9 例、CVPI11 例)とした。

軟口蓋の動き、軟口蓋の長さ、咽頭腔の深さを頭部側方 X 線規格写真で測 定した。また 2 名の言語聴覚士が録音音声を用いて開鼻声の評価を行った。

調査の結果、 22q 群では非 22q 群と比較して軟口蓋が短く咽頭腔が深かっ た。両群で軟口蓋の動きに明らかな差は認めなかったが、筋緊張低下にと もなう運動の持続性低下の可能性は考えられた。

手術は、22q 群、非 22q 群ともに、CVPI 例では咽頭弁形成が行われてい た。 CVPI の病態は短口蓋や深咽頭、軟口蓋筋群の萎縮や機能不全であり、

明らかな筋肉の走行異常はないため、口蓋形成術による筋束形成ではなく、

軟口蓋の延長、咽頭後壁の挙上あるいは咽頭弁形成術を第一に選択すべき であると考えている。 SMCP 例においては、 22q 群では開鼻声が軽度の症 例にのみ口蓋形成単独であったが、多くの症例で口蓋形成+咽頭弁形成を 施行していた。 CVPI と異なり軟口蓋筋群の走行異常がある SMCP では、

22q 群、非 22q 群ともに、まず口蓋形成術による筋束形成を第一選択にす

(2)

見本3

べきであると考えるが、 22q 群においては短口蓋や深咽頭、筋緊張の低下 等、種々の原因が複雑に関与し言語障害を引き起こしていると考えられ、

症例によっては咽頭弁形成術を加える必要性があると考える。当院では 22q 群 SMCP 例において、術前開鼻声が軽度な場合は口蓋形成術のみを 行い、術前開鼻声が中等度以上ある場合には、筋束形成を目的とした口蓋 形成術に加え、咽頭弁形成術の併用を行っている。

言語成績は、 22q 群は非 22q 群に比較し術前の開鼻声が重度であった。治

療後の成績に両群で明らかな差は見られなかったが、 22q 群では治療期間

が長かった。 22q 群では知能指数が低い傾向にあり、言語成績不良には学

習障害などの関与も示唆される。今回明らかになった形態学的・機能的特

徴に加え、発達遅滞などが関与し、術後開鼻声の改善までに長期を要した

と考える。

参照

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