論文内容要旨 臍ヘルニアに対するスポンジ圧迫療法の検討 日本小児外科学会雑誌 54巻 2号 2018年
外科系 外科学 (小児外科学分野) 中神 智和
内容要旨
目的 近年スポンジ圧迫療法の有用性が報告されているが、詳細な検討は なされていない。そこで、後方視的に有効性を検討した。
方法 2004年1月1日から2016年12月 31日までに当科で臍ヘルニアと 診断され、圧迫療法施行後、追跡が可能だった症例を対象とした。これら の症例を閉鎖群と非閉鎖群の2群に分け、比較検討した。検討指標は、性 別、ヘルニアの形態、在胎週数、出生体重、圧迫療法開始日齢、臍ヘルニ ア最大径、ヘルニア門最大径、ヘルニア門閉鎖日齢、圧迫療法期間である。
統計解析ソフトはJMP® Pro13.0.0を使用し、P<0.05を有意差ありとした。
結果 臍ヘルニアの診断を受けた1,866例中、圧迫療法施行後、追跡可能 だった症例は1,286 例であった。閉鎖群は 1,134 例(88.2%)、非閉鎖群は 152例(11.8%)であった。全指標中、ヘルニアの形態、在胎週数、出生体重、
圧迫療法開始日齢、圧迫療法期間、ヘルニア門閉鎖日齢に有意差を認めた。
また、圧迫期間、閉鎖日齢のカットオフ値はそれぞれ144日間、321日で あった。
結論 在胎週数が小さいほどヘルニア門が閉鎖しやすい。出生体重が小さ いほどヘルニア門が閉鎖しやすい。臍上部型は臍部型よりヘルニア門の閉 鎖率が低い。圧迫療法を行う場合、年齢が 11 か月を過ぎるとヘルニア門 の閉鎖率が低下する。圧迫療法期間が4.8か月を超えるとヘルニア門の閉 鎖率が低下する。