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IRUCAA@TDC : 生理的細胞死の機構とその意義 : T細胞の分化過程における細胞死を中心に

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(1)Title Author(s) Journal URL. 生理的細胞死の機構とその意義 : T細胞の分化過程にお ける細胞死を中心に 木崎, 治俊 歯科学報, 92(6): 989-1001 http://hdl.handle.net/10130/2097. Right. Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/.

(2) 989. 歯学の進歩・現状-. 生理的細胞死の機構とその意義* - T緬胞の分化過程における細胞死を中心に木 崎 治 俊 東京歯科大学生化学講座. Mechanisms and Roles of Physiological Cell Death in T Cell Ontogeny Harutoshi KiZAKI Department of Biochemistry, Tokyo Dental College. は じ め に. 現在,臓審移植をめぐって死の問題が社会的にも話題 を集めているが,生物,ヒトの死の問題は生物学的,医 学的な観点のみならず社会学的にも極めて重要な課蓮で あり,その研究は多岐多様にわたっている。生物学的観 点からのみみても,種の死滅,イ固体の死,臓器の死,細 胞の死と産物の持っ基本的な階層性により死の定義も, 研究対象も,研究目的も,研究方法も全く異なってい. 死の意義と機構について述べる。細胞死に関しては鼻 近,幾つかの総説,解説が出版されているので参考にさ れたい囲)o 細胞死の概念, ji短と意義 1.細胞死の研究とは 綿胞の死と関連する産物現象は発生,形態形成,老 化 癌化,生体防御反応,外的要因による退行性病変. る。生物の基本が細胞であるとの立場に立てば,その機 構を細胞レベルで明かにすることは,発生,形態形成, 老化等の生物学的観点からも,医学的観点からも重要で. 表1細胞死と医学のかかわり (1)細胞死の防御を目的とする 1虚血性障害(心虚血,脳虚血,外科俊嚢等) 2 変性性疾患(神経筋疾患等) 3 感染性,中毒性疾患 4 老化の防止 5 体外での臓器,組織保存 6 その他(莱,毒物等からの保護). あると考えられる。特に医学では表1に示すごとく,組 織にとって必須な機能を持つ細胞を死から護ることを目 的とする場合と,生体にとって有害,又は有害になるで あろう細胞の死を積極的に促進,除去することを酎勺と する場合があり,細胞死の研究は直接,病態の把握,疾 病の予防,治療に深く関わっている。本稿では第1には 細胞死の観念,分幾,意義等について述べ,第2に細胞. (2)細胞死の促進を目的とする 1 悪性塵症の治療 2 免疫抑制 3 不妊,美容形成,体重減量 4 その他. 性免疫を司るT細胞の分化と成熟にかかわる生理的細胞 *本稿は第244回東京歯科大学学会総会(平成3年11月9 E上千葉)において特別講演したものである。 75-.

(3) 木崎:生理的細胞死の機構とその意義. 990. 等,多岐にわたりその研究の立場により細胞死の考えか. 等),栄養障害等の非生理的要因により生じ, Virchow. たも異なっている。しかし,細胞の死は最終的には細胞. 以来病理学者の主たる研究領域であり,いわゆる壊死. の持つ全ての機能,すなわち代謝,分泌,運動,増殖等. (ネクローシス)をきたす。二つめは,生理的細胞死であ. の機能の不可逆的な消失と細胞構築の破壊として定義さ. り外的要因による細胞死とは異なり,特定の細胞に特定. れる7)。しかも要因の如何にかかわらず細胞の最終的な. の時期に特定の数だけに誘発され,纏胞分裂と同様に高. 崩壊過程は共通と考えられる。しかし,その誘発と初期. 度に制御された生命現象の一つであり重要な生体調節機. の過程は要図により異なり,この初期過程からの分子機. 構であると考えられる。この細胞死の観点から体細胞は. 構を逐次解明し整理していくことが細胞死の研究と考え. 大きく二つにわけて考えたい。 (イ)長寿命固定性分裂終. られる(図1)。すなわち細胞死の研究とは死の状態の解. 了綿胞群及び可逆性分裂終了細胞群。これらの細胞は胎. 析ではなく,細胞の死へ到るまでのプロセスの解明であ. 児期で分裂増殖分化してしまい生後は分裂せず個体の寿. るといえる。従って,脳死判定の楽しさは,前述した如. 命と同じだけ生きられるか(神経細胞,筋編胞等),また. く各細胞の全機能の不可逆な消失と,組織学的構築の破. は潜在的に増殖能力を保持し,何らかの状況下では増殖. 壊を死-のプロセスのどの時問に臓器レベルで設定する かというところにある。. することのできる細胞群(線維細胞,軟骨細胞,骨糸田 脂,腎抽胞,肝細胞等)である。これらの細胞では老化 過程そのものが死と関連してくる。又生体調節機能の一. 細胞死の過程. 生. 発 <cQ O Q W fc O K 請. 環として,纏胞分化,細胞選択過程にみられるfE理的細. 初期過程      終末過程. 胞死,アポト-シス(後述)がみられる. (臼)分化性また は増殖性分裂細胞群.これらの細胞はいわゆる幹細胞か ら生じ分裂分化し,鼻終的に短寿命性分裂細胞となり, 終末分化により死にいたる細胞(血球,表皮細胞,暢管 粘漠細胞等)である。これら細胞にも終末分化による死 と,分化過程における綿月包の選択に伴うアポトーシスが みられる。 この様に細胞死は様々な様相を呈することからも生化 学的に統一的に取り扱うことは莱しいが,次第にその総. 図1 細月包死研究のコンセプト. 合的な研究が進んできている。このような観点からまず 2.細胞死の分戴. 簡単に外的要図による細胞死の機構を考察し,次いで生. 体細胞の死は細胞の持っ性賛,死の要因によりその定. 雀的細胞死,特にアポトーシスの概念について考えてみ たい。. 義も研究のフィロソフィーも異なっている。そこでま. ず,綿胞死をその誘因,機構,形態学的観点,生物学的. 3.外的要因による細胞死(壊死)の生化学的機構. 意義により概略二つに分戴して考えてみたい(表2)o そ の一つは外的要図,すなわち虚血,毒物,薬物,物理的 (温度,放射線等)要因,生物的要因(細菌,ヴィールス. 外的要図による細胞死の過程は病丑学,薬理学の立場 から詳糸田に研究がなされている。近年になり糸田胞の保護 を目的にその生化学的機構が明らかにされてきているo 虚血を例にとれば図2に示すごとく細胞の酸素センサー. 表2 細胞死の分楽. であるミトコンドリアでのATPの生成の低下,それに 伴う解糖系の活性化による乳酸が蓄積され綿胞内pHが. 1外的要因による死(病聖的細胞死). 低下し種々の細胞内代謝が障害される ATPの低下は. 壊死(ネクローシス). 膜でのイオン透過性を障害し綿胞の浮腫,カルシウムイ オンの細胞外,小胞体からの糸田胞賛内への流入によりカ. 2 生理的細胞死. ルシウム依存性の障害(表3)が換起される8)o通常綿胞. a長寿命固定性分裂細胞群及び可逆性分裂終了 細胞群。. 外のカルシウム濃度は1-1.3〃Mと極めて高いのに比. 老化,細胞自壊(アポトーシス) b分化性及び増殖性編胞群。 終末分化,細胞自壊(アポトーシス). し,細胞内は0.05-0.3fiMと低い濃度に保たれてい る。膜の障害による編胞外からのカルシウムの流入や, 細胞内でのカルシウム貯蔵箇所(小胞体,ミトコンドリ 76.

(4) 歯科学報 Vol. 92, No. 6 (1992). 991. 4.生理的細胞死:アポトーシス 壊死とは異なり組織の中の特定の細胞が縮小し(壊死 -化 I , , 酸. ー. では膨化),隣接する細胞から離れ,クロマチンは凝縮 し,核の濃縮が起こる。細胞表面の微紡毛が消失,平坦 化し,大小の突起が出現し,やがて細胞は断片化する。. P T A. /. しかし膜やミトコンドリア等の綿胞内小器官は正常に保. a. フ ン ポ. C. たれている。次いでこれらはマクロファージや近接する. i. /. 小胞体 主   ・!'l . 代謝障害 iォim. __ー 内. Ca放出. 細胞に宴金されたり,管腔内に放出される(図3)。この. ニ   ーi])レモジュl)ン変化 [Ca]f. iiZI. 1断. フオスフォリパーゼ 細胞骨格変化 活性化 ミトコンドリア石灰沈着. ︺. ミトコンドリア睦. 細柏崎lヰ1+--. 図2. w-一化. /. ような細胞死の形態は壊死と異なり, 1972年Kerrlは 壊死(ネクローシス)に対しアポトーシス(細胞自壊)と名 付け,これらの所見は種々の生理的な細胞の死に共通し て観察されると報吾した。アポトーシスとは木の葉や花 びらが散るように死ぬことからdropping offの意のギ リシャ語からつけられたものであり,日本では最初,山 田,大山等により枯死,自爆死として紹介された。。生 理的な細胞死は表4に示すように種々の生聾的状態で観. 細胞形態変化. 壊死の生化学的機序. 察され,形態形成,組織の選択,産休防御, fE体の細胞 動態の維持に極めて重要な役割を担っているoまた癌細 胞にも日射こ誘発されている事,ある種の遺伝性疾患に より誘発される事も報吾されている。 発産,分化の過程で観察される細胞死は,極めて高度. 表3 カルシウムイオンによる細胞死の機構. 1 ホスホリパーゼA2の活性化 (膜リン脂薯の分解による麓障害) 2 カルシウム依存性の細胞骨格変化 (細胞分裂,綿胞内物質輸送,分泌,レセプ ターの代謝回転,細胞運動等の障害,形態変 化等) 3 カルシウム依存性タンパク分解酵素の活性化 4 カルシウム依存性のDNA障害(エンドヌクレ アーゼ活性化,トポイソメラーゼIIの阻害等). に制御されていると考えられる事から,プログラム死と もいわれている。しかし,アポトーシスは形態学的所見 による定義であり,プログラム死は機構を基にした定義 であり,大部分は一致するかもしれないが必ずしも同義 語ではない。またアポトーシスには後述するようにその 初親にDNAの特徴的な切断が伴うことが多くみられる 表4 生理的細胞死. 1且重発生と形態形成:口蓋愈合時の上皮細胞, ミュラー氏管の退縮,発生時の神経細胞死,此 間細胞死,両棲嚢の尾部退縮等 2 正常組織での細胞交替環象:小膳粘膜,副腎網 状層細胞,リンパ腺,表皮細胞,水晶体上皮等 3 萎縮,退縮環象:原因除去に伴う骨,肝,膳, 唾液腺肥大の萎縮 4 ホルモンによる調節:子宮内麓,前立腺,副腎 皮賛,黄体,乳腺,胸腺のホルモンによる細胞 死の調節 5 免疫塊象: T細胞のクローン選択,細胞障害性 T細胞の標的細胞,マクロファージ等 6 毒物,薬物,放射線,高温治療等による誘導 7 腫痘内での自然発生する生理的細胞死 8 遺伝性疾患:免疫不全症,失語症,神経筋変性 疾患,奇形等. 5 ミトコンドリア機能の障害. ア)からの動員はカルシウム依存性の細胞障害を喚起す る。捕体,外傷,エンドトキシン等による膜障害性因子 による細胞死ではこの細胞内カルシウムが重要な因子と なる。一方,虚血後に血流を再開した時や,四塩化炭素 のように活性酸素やフリ-ラジ*)レを生成したり,ヒド ロキシアミン等求核性の代謝中間体を生成する薬物では 肢脂宴の過酸化やグルタチオンの減少とそれに伴うチ オールタンパクの障害,共有結合形成によるタンパク機 能障害, DNAの切断等が細胞死の原因と考えられてい る9)。いずれにせよ壊死の初期過程では細胞膜の障害が 重要な位置を占めている。 77 -.

(5) 木崎:生理的細胞死の機構とその意義. 図3 アポトーシスの形態学的変化 (文献6 )を参照にして作成) が,アポトーシスすべてにこのDNA切断が伴うとはか. な状態では,捕体や細胞障害性T森田胞,キラーT細胞,. ぎらない。従ってプログラム死が全てDNA切断が初期. ナチュラルキラーT轟田胞,さらにはマクロファージや,. 過程にみられるとは限らない。. それらの分泌する園子により標的となる細胞に死が誘発. これらの観点をふまえ,免疫現象と関連した細胞死の 意義と機構についてで考察したい。. されるo一方, 4建的条件下でも,胸腺内でのT細胞の レパートリーの形成時にみられる自己反応性T細胞の除 去や,ホルモンによる胸腺,リンパ組織でのホメオス. T細胞の分化,成熟と細胞死. ターシスの維持や,細胞交替項象に関連して細胞の死が. 免疫系は自己と非自己とを識別し,非自己に対しては. 観察される。これらの綿胞の死は,免疫機能の分化,成. 抗体または免疫綿胞と特異的に反応することにより,そ. 熟にとり,重要な役割を担っている。その機構,意義に. れらを除去する重要な生体防櫛機構の一つであるo この. ついて考えてみたい。生理的な細胞死は増殖や分化と同. 免疫反応には細胞の死が重要な役割を担っている。病的. じように巧妙に調節された過程であり,その障害は免疫 78 -.

(6) 歯科学報 Vol. 92, No. 6 (1992) 不全症,自己免疫疾患の発症と関連し,またリンパ増殖. 993. ているo これらのことから考えれば, T綿胞系の幹細胞. 症,癌化,老化等とも関連しているであろう。 EE体防御. にも同じように何らかの園子,おそらく数種のサイトカ. 機構におけるT細胞, B細胞の役割については各々多く. インやC S Fが増殖,分化と関連しあって細胞生命の維. の教科書,参考書があるのでそれを参照されたい。. 持,逆に死の制御をしていると考えられるが,魂在のと ころ充分に解明されていない。. 1. T細胞の分化,成熟と細胞死の多様性 T細胞の分化,成熟の過程は, T細胞表面抗原に対す. 2)胸腺内でのT細胞の分化と細胞死. る種々のモノクローナル抗体の開発,フローサイトメト. 胸腺はT細胞の分化と成熟の中枢となる免疫臓器であ. リーの技術向上,クローン綿胞株の樹立,胎児胸腺の臓. り,神経系でいえば中枢神経(脳)に相当すると考えられ. 器培養法の確立,トランスジェニックマウス等の利用に. るoプロT細胞は胸腺内に入り前胸腺綿胞(プレT)とな. より,次第にその全貌が明かにされようとしている。. り,大別して三つ過程により分化成熟する16)その-つ. 造血幹細胞から末棺での成熟したT細胞にいたるまで. は数多くの抗原に対応するためのT細胞レセプター. には多くの過程があり,既述したように,それぞれの過. (T C R)の発現と主要組織適応抗原(MH O拘束性の婆. 程で細胞死の意義も機構も多様であると考えられるO そ. 得(成熟したT細胞は自己のMHC分子とともに提示さ. こでまず, T細月包の分化成熟の過程と細胞死との関連性. れた抗原にのみ反応する),次いで自己反応性の抽胞の. について考えてみたい(図4).. 除去(クローンの選択)による自己寛容の成立(自己と反. 1)造血幹細胞から胸腺前馬区細胞(プロT)への分化成. 応する細胞再の不活化と消滅),次いで機能的にも成熟 したT舶包への分化の過程,これらを経て末槽へと移行. 熟 T細胞は骨髄の造血幹細胞からリンパ球系幹細胞へと. し,各リンパ組織でT細胞としての機能を発揮する。こ. 分化し,その後T細胞系の幹綿胞を経て胸腺前馬区細胞. の間の分化の過程はTCRに対するモノコローナル抗体. (プロT)に分化し,これら前枢細胞はその細胞表面にも. とT細胞機能に置接関連した分子(CD 4, CD 8)の表. つ胸腺への移行に関与するホーミングレセプターや11). 面への発塊により解析され マウス胸腺細胞は大別して. 胸腺組織より分泌される走化因子12)などにより胸腺内に. 4君羊, 8種(=分けることができる(表5)。胸腺皮覚でプ. 移行すると考えられている。この間,幹細胞由来と考え. レT如胞からCD4, CD 共にネガティブなダブルネ. られるクローン細胞を用いた研究により,インターロイ. ガティブ(DN)細胞からCD8を発壊し,ついでCD4. キン3, 4, 6等のサイトカインが幹細胞からプロT編. を発重し,ダブルポジティブ(DP)細胞となる。 TCR. 脂-の増殖と分化に関与していることが示唆されている. の再構成はD Pの分化段階で終了しT C Rが発壊されて. が13)細胞の4命の維持にいかなる因子が関与している. くる。 TCRのうち自己MHCのクラスIに拘束された. か,また,いかなる細胞の選択が行われているか明かで. 抗原提示をうけたものはCD 8陽性(キラー細胞)とな. はない。赤芽球系の細胞が腎より分泌されるエリスロポ. り,クラスIHこ拘束されて抗原をみることのできるもの. イエチンにより14)又,マクロファージ,頼粒球系の幹. はCD 4(ヘルパー細胞)のシングルポジティブ(S P)細. 細胞ではコロニー刺激園子(CSF)により15)その細胞. 胞へと分化する。この過程でみられる舶包死は「自己」. 生命が維持され,それら因子の減少はこれら細胞にアポ. を認識する細胞を積極的にその細胞の自壊機能を発現す. トーシスを誘発することにより,細胞数の調節が行われ 胸 腺 皮賛       他覚 _. j CD3. │. ○. 7蝣0"H. (CD4-CD8-) Double positive (CI) +CD8+). ○ CD 3. CD4+. TCRTCRγ∂+ TCRαβ+. CD 8+. C D 雲++. T 死. Double negative. ○. ○. Single positive. (CD4-CD8+). C D 4+. Single positive. (CD4+CD8-;. 図4 T細胞の分化過程 -79. TCRTCRαβ十 TCRTCRαβ+ TCRαβ+. ^r co cr> o o> 4  4         1. 蝣¥¥. CD8〉. 表 塊 型        (%) 末梢. -. 表5 マウス胸腺細胞の表面抗原による分楽. 5 5. 5 5.

(7) 994. 木崎:生理的細胞死の機構とその意義. ることにより死滅除去するネガティブセレクションの過. る。いずれにせよここで, MHC分子やペプチドの提示. 程である。免疫学的手法及びチミジンをラベルした胸腺. という胸腺内での微綿環境,すなわち細胞間賛,細胞と. 細胞のキネティクスの解析から, DP段階でその85-90. 細胞外マトリックスとの相互作用がT細胞の選択に重要. %は死滅除去されるという。一方,この積極的なネガ. な役割を担っていることがうかがえる。. ティブセレクションをまぬがれた細胞で,しかもさらに. 2)胸腺の放綿環境と細胞死・ストローマ細胞との相 互作用. S Pの機能性T細胞への分化に失敗した綿胞は,胸腺. 胸腺内にはT細胞以外にストローマ綿月包といわれる,. 内,又は末棺組織へ移行し,異なった機構ですみやかに 死滅除去されると考えられる。. 上皮細胞,樹状細胞,マクロファージ,線碓芽細胞,筋. 3)末櫓でのT細胞の運命. 様綿胞があり,さらには末櫓とは若干異なるB細胞も存. 末櫓に移行したT細胞は種々のリンパ組織で,おそら. 在し複雑な散細環境を形成している。この中でも,特に. くは休止状態にあり,抗原との接触により特定のクロ-. 上皮細胞,マクロファージ,樹状細胞とT細胞との接着. ンが増殖し,その免疫作用を発揮する。活性化され増殖. によるMHC分子やペプチドの提示,相互作用,又,こ. したT細胞がどのように死滅除去されるのか,また言己憶. れら細胞の分泌する可溶性因子(サイトカイン,胸腺ホ. T細胞がどのように死をまぬがれ生存するのか興味ある. ルモン等)がMHC拘束性と自己寛容という二つの選択. 課題である。塗聖的には末櫓T綿胞は廠粒球でみられる. に関与している。さらには全身性ホルモン(副腎皮賛ホ. 終末分化と同じ様に, T編胞存在部位の微細環境や液憧. ルモン,甲状腺ホルモン,性ホルモン),内因性オピオ. 園子等により制御され,死に到ると推測されるが,詳細. イド,自律神経系等の胸腺細胞機能の成熟との関連性が. には解明されていない Perillo等17)はヒト末櫓T細胞. 示唆されている。 近年,平峯等2°はマウス胸腺上皮細胞から樹立した株. の培養法を確立し, Hayflichlの培養線維芽細胞で待 られたと同じ様に, T細胞自体にも固有の老化と寿命が. 細胞と未熟胸腺細胞とを共培養することにより,上皮細. あることを示唆している。この様に, T細胞の分化,成. 胞と結合したり,上皮綿胞の細胞質突起に固まれたT細. 熟に伴い観察される編胞死も,分化の過程により多様な. 胞の中にアポトーシスの所見がみられることを報害して. 様相を呈する。このうち,胸腺内でのT纏用包レパート. いる。又,松原等22)は上皮様細胞から産塗されるT綿胞. リー形成時のクローンの選択における編胞死が,細胞の. 増殖因子(TCGF)の存在下で,特定のTクローン細胞. 選択という観点から最も重要と考えられる。. が特異抗原の添加により,ストローマ細胞との相互作用. 2.胸腺内でのクローン選択と細胞死. により死滅することを報害している。マクロファージに. 1) T細胞レパートリーの形成. も抗原提示能があること,マクロファージ由来のイン. 胸腺内丁抽月包のレパ-トリーはMHC拘束性と自己寛. ターロイキン1や腫痘壊死因子(TNF a)が細胞死を修. 容という二つの選択をうけることにより形成される。こ. 飾すること(後述),さらにT細胞自身も自己寛容の導入. の二つの機構を説明するために,最近,大きく別けて二. に働くことも示唆されている.胸腺細胞にはフイブィロ. つのモデル,アフイニティーモデルとペプチドモデル. ネクチン等細胞外マトリックスに対するレセプターの発. 19, 20)が考えられている。詳細はそれぞれの文献を参照. 覚もみられ24)胸腺内ではストローマ細胞,編胞外マト. されたい。アフイニティーモデルはTCRが自己のMH. リックスとT細胞との接着因子を介した相互作用が細胞. C分子と結合する際のアフイニティーの違いにより説明. 死の誘導や修飾に極めて重要な役割を担っていると考え. するもので,自己のMHC分子に幅広い親和性のTCR. られる。胸腺内でのT細胞の接着園子を介したストロー. をもっクローンが全て拡大し(ポジティブセレクショ. マ細胞や細胞外マトリックスとの相互作用は抽胞死のみ. ン),自己抗原を介して自己のMHC分子と強く結合す. ならずT細胞の増殖,分化,皮薯から髄  さらには末. る(高親和性)TCRをもっT細胞が死滅除去されるとい. 棺への移行にも関与している。. う説である。又,ペプチドモデルは,自己のMHC分子. 3.胸腺細胞アポプト-シスの機構. と胸腺上皮特異的なペプチド(自己のMH C分子以外の. 1)細胞死の初期過程(DNA切断と遺伝子発覚). 自己抗原)を認識したTCRを持っT糸田胞が拡大し,. それでは胸腺細胞はいかなる機構で死に到り,いかに. MHC分子と末栖中にある自己抗原で胸腺上皮にある自. 制和されているのだろうかo. 己抗原とは異なるが交叉反応性を持つ抗原を認識する. マウスやラットにグルココルチコイドを投与したり,. TCRを持つT細月包のみが死滅除去されるという説であ. 放射線をかけると投与後数時間から被膜直下から皮賛内. -80-.

(8) 歯科学報 Vol. 92, No. 6 (1992). 995. 層にかけ胸腺T細胞のアポトーシスが観察される。これ. (論文作成中)。 Gaido等29)は正常胸腺細胞核内に存在. らは培養未分化胸腺細胞(D P綿胞)でも観察され,その. する分子量約30万のカルシウム,マグネシウム依存性エ. 際,舶包融解(トリハンブル-趨生体染色又は乳酸脱水. ンドヌクレアーゼの他に,グルココルチコイドにより,. 素酵素の細胞外逸脱で測定)に先行してT繍胞クロマチ. 胸腺轟田胞やステロイド感受性Tリンパ腫細胞に分子量約. ンのリンカー部位,すなわち180-200塩素対のDNAの. 18万の既存のものとは異なったエンドヌクレアーゼが誘. 長さをもつ,ヌクレオソ-ム単位の切断が観察される. 導されることを報害している。しかしこの酵素もヒスト. (図5)。この様な特徴的なDNAの切断を触媒する酵素. ンと強固に結合しているためその性寛の詳細は不明であ. はカルシウム,マグネシウム依存性のエンドヌクレアー. る。 Alnemri等はその存在も否定しいる30)。いずれに. ゼと考えられている25)。事実,本酵素の阻害剤である亜. せよこのエンドヌクレアーゼの酵素学的性質の解明が必. 鎗イオン27)やアルミ∼ン25. 26)によりDNAの切断は阻. 須であろう。さて,この初期過程にみられるDNAの切. 害される。胸腺細胞核内には正常でもカルシウムとマグ. 断はアクチノマイシンDやサイクロへキシミドで阻害さ. ネシウムで活性化され,ヌクレオソ-ム単位のDNAの. れる DNAの切断の阻害により,細胞は死からまぬ. 切断を触媒する酵素が存在する25, 27)。アポトーシスの初. がれることから, DNA切断が細胞死の一原因として考. 期過程にみられるDNAの切断がこの酵素の活性化か,. えられ,しかもこの過程がある種の遺伝子(♯)の発現に. この酵素の誘導によるものかは明かではない。又,ブル ココルチコイド処理によりクロマチンDNA分解酵素に. 依存していると推察される。 それでは一体どの様な遺伝子(群)が発項しているので. 感受性の部位が多く発現する28)ことから,このエンドヌ. あろうか。それは「死」の遺伝子といっていいのだろう. クレアーゼに対するクロマチンの感受性が変化すること. か。結論からいえば,タンパク, RNA, cDNAの解. も考慮されなければならないが,我々の教室の大西等は. 析からしても,残念ながら現在のところ胸腺細胞の. この切断が遺伝子の特異的部位に起きるのではなくラン. 「死」の遺伝子(群)については明かになっていない。グ. ダムにDNAのリンカー域で起きる事を明かにしている. ルココルチコイドや放射線処理により数分から数十分 に,胸腺舶包の核マトリックスにいくつかの共通のタン. 1  2  3  4  5. パクが誘導され,その後数時間後には又異なったタンパ クがされることが報吾されているが31)これらタンパク (bp). の同定や機能については明らかにされていない。 Gaido 等29)のいう新しいエンドヌクレアーゼもその-つかも しれないし, McConkey等は内在性の非常にターン オーバーの遠いエンドヌクレアーゼを想定している32)。 星川等33)ラット培養胸腺細胞をデキサメサゾン処聾する ことにより減少するmRNAとそれに対応するcDNA を分離し,デキサメサゾンによりその転写が低下するこ とを見出しているが,その本能は禾明である。 Owen等 34)はグルココルチコイドにより死に関与する新しい核内 タンパクと膜タンパクの二つをDNAよりクローニング しそのアミノ酸配列を報吾しているが,その機能につい てはまだ明らかにされてはいない。 Yuh等35)は増殖に 関与する14のプロトオンコジンの動態を,ステロイド感 受性のと卜Tリンパ芽球性白血病細胞を材料として検索 し,ステロイドホルモンで細胞死に到る細胞でのみ, C. 図5 デキサメサゾンとデオキシアデノシンによる 胸腺細胞DNAの切断(文献27)参照) (1培養前胸腺, 2 デキサメサゾン処理綿 胞, 3 デオキシアデノシン処理細胞, 4 対照胸腺細胞,5 マーカー). -mycのmRNAレベルが初期に減少することを報害 している。しかし,正常胸腺舶包での舶包死とプロトオ ンコジンの動向に関しては明らかではない。 最近,濠胞性リンパ腫の染色体転座に関与するオンコ ジンBel-2がミトコンドリア内膜タンパクをコード 81 -.

(9) 996. 木崎:生理的糸田胞死の機構とその意義. し,その過発場によりBリンパ球のプログラム死が阻害. 体刺激でDNAの切断を伴って死にいたるT綿胞-イブ. ス オ. メ ホ. のみならず, T細胞にも発現している37)小高等38)は抗. Jタ ̄ ̄←. 代謝変動. されることが報吾された36)。このBel-2はBリンパ球. 外部からのシグナル. シス破綻. 細胞内情報伝達機構. 細胞異常反応. リドーマにBel-2を導入し過発現することにより,抗. l. 体による細胞死が阻害されることを見出している。酵母. 危険信号の発現. でもミトコンドリア外膜に存在するタンパク輸送に関与. \\\. するタンパクI S P42等39)がその4命維持に必須である. /. 自壊機構の誘発. 遺伝子発現 RNAとタンパクノ合成. ことから考えても,ミトコンドリア膜タンパクが生命の 維持,逆に編胞死と関連しているとも考えられる.ここ. / \. で輿味のある点は,いわゆる熱ショックタンパク,又は. 細胞骨格異常  エンドヌクレアーゼ活性化. ストレスタンパクの一群が編胞に増殖,分化さらにはタ ンパクの小胞体あるいはミトコンドリアへの輸送に関与 していることである。. \ DNA-5J断. これらの事実は少なくとも死に関与してくる遺伝子又. 細胞死. はタンパクは単-ではなく,プロトオンコジン,ストレ. 図6 胸腺細胞死の機構の仮説. スタンパク等を含む複雑な過程であり,死の指令をする 遺伝子(群),制掬する遺伝子(群),進行を司る遺伝子. オキシアデノシン,デオキシグアノシンによりDNA切. (群)等に整聖しながら解析されねばならないだろう0. 断が誘発される27)ことから,これらプリンヌクレオシ ド,又はその代謝産物の蓄積により細胞にある種の代謝. 2) DNA切断の誘発とその制御(細胞死の細胞内情 報伝達機構による調節). 擾乱がおこることにより,綿胞に危険信号が誘発される. 前述した如くDNAのヌクレオソーム単位の切断が胸. とアポトーシスが発覚することを意味している。あたか. 腺綿胞のアポトーシスの初斯過程としての一つの指標と. も,ある神経のシナプス綿胞が異常なインパルスを出す. 考えてもよかろう。このようなDNAの切断はグルココ ルチコイドや放射線のみならず,胸腺綿胞をカルシウム. のを防ぐため自らアポトーシスにより死にいたる過程と 似ている。. イオノフォア(A23187,イオノマイシン"¥40, 41)サイ. 筆者等はマウスの培養胸腺細胞を用い,カルシウムイ. クリックAMP上昇物薯私43)サイクリックAMP誘. オノフォアで誘発されるDNAの切断は, Cキナーゼを. 導体42)プリンヌクレオシド(アデノシン,デオキシア. 活性化するホルボールエステルの少量の添加により対照. デノシン,デオキシグアノシン¥ 27)環境化学物薯,チ. のレベルにまで低下し,逆にDNAの合成が促進される. トラクロロジベンゾダイオキシン44)さらには抗癌剤で. ことを見出した(図7)oすなわち細胞死(ネガティブセ. もあり分化誘導剤でもあるアラビノシルサイトシン等. レクション)へのシグナルがもう一つ別のシグナルが加. (Kizaki, H. etal.投稿中),さらにはマウス胸腺細胞. わることにより増殖(ポジティブセレクション)へのシグ. ではプロテインキナーゼCを活性化するホルボールエス. ナルに変換する事を意味している。ラット,ヒト胸腺編. テルによっても,編胞融解に先行して換起され,しかも. 胞でも同じ様な観察がなされている。さらに,ホルボー. これらは全て,グルココルチコイド誘発と同じ様に. ルエステルはレセプター(プロスタグランヂンE2,アデ. mRNAとタンパクの合成に依存した過程であり41)全. ノシン,イソプレテレノール)を介するサイクリックA. てに共通した機構が関与していると示唆される。. MPの生成を阻害するにもかかわらず,少量のサイク. これらのことから,細胞死の誘発は,図6に示す如く. リックAMPで誘発されるDNA切断を増強する45). 一つには,綿胞外からの何らかのシグナルがレセプター. McConkey等はホルボールエステルがラット胸腺細胞. を介して編胞内カルシウムイオンの上昇,サイクリック. ではサイクリックAMPによるDNA切断を阻害するこ. AMPCAキナーゼ), Cキナーゼ等を介した細胞内情報. とを報吾しているが,筆者等との違いが,動物種差によ. 伝達機構により核内に情報を伝達し,遺伝子(群)の発寛 とそれに続いてエンドヌクレアーゼの活性化とDNAの. るものか,実験条件の差異によるものか卯寺点では明ら. 切断を換起することを意味している。もう一つには,デ. かでない。インターロイキン依存性のT細胞株では,イ ンターロイキン2の除去に伴うアポト-シスがホルボー. 一82一.

(10) 歯科学報 Vol.. I, No. 6 (1992). 997. されることを見出している。この事は正常のグルココル チコイド存在下で過度なTCR/CI) 3複合体を介した 刺激を受けた細胞のみが死を免れ,ポジティブセレク V d. ションへと分化することを示唆する輿昧深い知見であ る。また伊藤等53)はリンパ球の表面に発現されるFas. U W j > ′ \ V N d ^ ヽ ヽ 再 +. 抗原の抗体によりアポトーシスが誘発されることを見出 し,その生理的意義の解明がまたれる。 最近, TCR,表面抗原CD4, CD の分子構造も 次第に明らかになり,それらを介するタンパクのリン酸 化,さらにはチロキシンリン酸化と関連した,プロトオ ンコジン1ckやfyn,脱リン酸化と関連したCD45を介 した未熟胸腺細胞での細胞内情報伝達機構も次第に明ら かにされつつあり,細胞死との関連性についても,我々 の教室の東等により研究が進められている。. 図7 ホルボールエステル(TPA)によるカルシ ウムイオノフォア(A23187)で誘導される DNA切断の阻害とDNA合成の促進(文献 41)参照). 胞死には, (イ)T細胞自体の性薯(TCR, CD4,CD. ルエステルで阻害されることも報吾されている47)。これ. 且 サイトカイン,胸腺ホルモンの関与),(ハ)全身性の. らの事実はいくつかの細胞内情報伝達機構のクロストー. ホルモン等の多くの園子がかかわり合い,制榔されてい. クにより細胞死と増殖という正反対の現象が,密接に関. る複雑なる過程であると推測される。胸腺ホルモンに関. 以上述べてきた如く胸腺内での細胞選択にかかわる綿 8, CD45,その他のレセプター等の発現), (ロ)胸腺 の秋綿環境(ストローマ細胞,細胞間基質との相互作. しては本学内科学水野嘉夫教授の総説54)を参考にされた. 連しあって制御されていることがうかがわれる。. い。. それでは実際に庄理的にいかなる因子がDNAの切断. 4.胸腺細胞死の異常と病態. と細胞死の誘発,制御にかかわっているのだろうか。鼻 近,成熟T細胞に対しては分裂を引き起こす抗CD 3抗. 胸腺細胞内で観察される細胞死はT舶包レパートリー. 体が未熟胸腺細胞に48)又, T白血病細胞や胸腺細胞と. の形成に不可欠である。従ってその異常,すなわち細胞. 胸腺腫細胞の-イブリドーマ49, 50)においてもTCRと. 死の元進,あるいは阻害は免疫機能の異常をきたすこと. CD 3複合体を介してアポトーシスが誘発されることが. が推測される。. 示された。しかもインターロイキン1がそのDNA切断. プリン代謝酵素,アデノシンデアミナーゼ,プリンヌ. と細胞死を利和することも報吾されている51)マクロ. クレオシドホスホリラ-ゼの欠損症(環在,日本では. ファージより分泌されるもう一つのサイトカイン,腫症. 各々6例と1例が報吾されている)では,胸腺舶包,及. 壊死因子(TNF a)はと卜胸腺細胞の分化したS P抽胞. び末梢T細胞の著しい減少又は消失に伴い免疫不全症を. には増殖補助因子(コーマイトゲン)として作用するが,. 換起する。その一因は代謝されるべきプリンヌクレオシ. マウスの未分化胸腺細胞では,プロスタグランディン. ドとその代謝物質(デオキシATP,デオキシGTP)の. E2やアデノシンレセプターを介するサイクリックAM. 蓄積によるDNAの前駐物要となるデオキシヌクレオチ. pにより誘発されるDNAの切断を促進する(投稿. ド合成が阻害されること(増殖死と考えられる)ととも. 中)。同じサイトカインが分化段階の異なる細胞により. に,これらによる未熟胸腺細胞のアポトーシスの元進に. 一方には増殖の補助的役割をなし,一方では舶包死の補. ょると考えられる27)このようなアポトーシスの促進は. 助的園子となることを示している。. 先天性の酵素欠損症のみならず,記述した如く環境化学. ブルココルチコイドは胸腺細胞死に関与している最も. 物質,抗癌剤,免疫抑制剤でも観察されることから,環. 重要な生華鋸勺ホルモンである。近年,岩田等52'はT轟田胞. 境汚染,薬剤の使用時の副作用としても充分考慮されね. ハイブリドーマ,マウス胸腺綿月包を用い,正常域濃度の. ばならない。さらには,栄養との関連性(微量元素やビ. グルココルチコイドによるアポトーシスが特定の濃度の. タミン等)も臨床医学的には重要であろう。 クローナルデリッションが何らかの原図により阻害さ. TCRとCD 3複合体を刺激する抗体の存在により阻害 -83.

(11) 998. 木崎:生理的細胞死の機構とその意義. れれば,自己と反応するT細胞が末梢に出ることにな. マチン凝縮,核濃縮,核,細胞質の断片化等,胸腺細胞. り,自己免疫疾患の一因となることが推測されるo事. アポートシスと共通した過程を示す生理的な綿月包死は. 実,マウス腹腔内に免疫抑制剤,サイクロスポリンAを. 種々の形態,組織形成,細胞交替場象に伴い観察される. 投与すると,本来死ぬべき細胞が死を免れ,自己反応性. ことから,生聾的な細胞死はかなり共通の概念でとらえ. T抽胞による自己免疫疾患が惹起される。加令現象に伴. られると考えられるo もちろんDNAの-本鎖切断や,. う自己抗体の出現頻度の増加も,このT細胞レパート. タンパク分解酵素の活性化等が細胞死の初期過程にみら. リーの形成障害に一因があるのかもしれないo. れる場合もあり,全てが同一の機構で説明される訳では. 加令に伴い顕著にみられる胸腺の萎縮は,プロTの胸. ない。. 腺内移行の減少や,胸腺内での分裂能の低下に加え,そ の一因としてアポトーシスの関与も考えられ,自己免疫. む  す  び. の頻度の上昇と共に老化寛象との関連性も推刺される。. 体細胞にみられる生聾的な細胞死は,その細胞の持っ. 胸腺内ではクローン選択により細胞が死にいたる。又. 性掌により,寿命(老化),終末分化,細胞の選択による. 末梢に移行したT編胞も,おそらく終末分化として死に. 死,病的細胞の排除等,種々の概念としてとらえられ. 到る。もし何らかの機転でこれらの死のプログラムが不. る.従って,これらは進化と共に生物が獲待してきた蓋. 活化されれば,細胞は不死化,又は癌化すると考えられ. 本的な機構と考えられる。癌化,又は不死化した細胞. るo事実, Effros等はと卜末梢T細胞を培養し,禾死. は,細胞死機構の変異した細胞とも考えられ,細胞死の. 化した一つの細胞株を得ている55)もし不活化されたア. 研究上の一つの重要な試料でもある。 T細胞の分化,成. ポトーシスの機構を何らかの方法で,活性化できれば,. 熟に伴い観察される細胞の死も,その過程により多様で. 症の治療法とも結びっくことができようo三羽等の新4. あることは既に述べてきた。中でも胸腺内でのT細胞レ. 期脳由来抗癌因子(NCBF)による癌治療,ミュラー氏. パートリー形成時の細胞の選択に伴う死は,生体防櫛の. 管阻害園子(MI S),プロジェステロン浩抗剤等による. 中枢となる免疫系の確立に憂要な役割をはたし,その機. 癌治療は標的編胞にアポトーシスを誘導することにより. 構の障害は種々の病態を引き起こす。又,老化,癌化と. 治療効果を得ようとする考えに基づくものである56). も関連し,その研究は医学的にも生物学的にも重要であ. このようにT細胞の分化,成熟に伴う細胞死の異常は. る。. 免疫不全症,自己免疫疾患,老化,癌化等,医学的にも 塗物学的にも極めて重要な課題を提供している。. 免疫学的な方法による綿胞除去機構の研究と共に,ハ イブリドーマやクローン細胞を用いた細胞生物学的,分. 5. DNA切断現象と生理的細胞死. 子遺伝学的,分子生物学的,タンパク工学的により細胞. T編胞のアポトーシスの腔には細胞融解に先行してヌ. 死にかかわるレセプター,表面抗原,接着園子,情報侯. クレオソーム単位のDNAの切断がみられた。この様な. 達機構について,より分子レベルでの研究が着々と進行. D N Aの切断は生体内で観察される他の塗聖的な綿胞死. している。これらの成果は尊にT細胞死の機構の解明の. にもみられるのであろうか5, 6)。. みならず,神経系,内分泌系などの綿胞死の機構又はそ. 細胞障害性T細胞により標的細胞にDNAの切断が誘. れらとの関連性についても多くのインパクトを与えるこ. 発されるが,これにはmRNA,タンパクの合成を必要. とが期待される。歯科医学毎域でも免疫現象と関連した. としない。おそらくはアポトーシスに関与するリンホト. 疾患(歯周病,シェ-グレン症候群等),顎顔面の奇. キシン,又はその関連物薯が直接作用するのではないか. 形,口腔症,移植,粘膜再建等細胞死とは密接に関連し. と考えられる。腹側前立腺細胞は窒丸摘出(アンドロゲ. ていると考えられ今後,これらと関連ずけ研究の発展を. ンの減少)によりDNA切断を伴ったアポトーシスにい. 期したい。. たるo肝細胞でも混和な条件下での虚血やある種の薬剤 により同じ様にアポトーシスが換起される。又水晶体上 皮編胞,赤芽球, H L -60細胞の栗粒球への終末分化, 末梢栗粒球の終末分化の過程,また培養神経舶包で神経 栄養因子の除去によってDNAの切断が観察されてい る。. 終わりに本稿発表の機会を与えてくださった金竹哲也学会長 はじめ学会関係の諸先生方に深謝いたします。また本稿の我々 の研究は慶応義塾大学医学部医化学教室石村巽教授,鈴木和子 助手,同数生物学教室多EE]隈卓史博士,小高千加子博士,およ び東京歯科大学生化学講座の方々の協力によるものであり,心 より深謝いたします。. DNAの切断は証明されていないが,組織学的にクロ 84 -.

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