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スイッチングコンバータにおける無損失スナバの設 計に関する研究

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

スイッチングコンバータにおける無損失スナバの設 計に関する研究

田中, 哲郎

九州大学工学研究科電子工学専攻

https://doi.org/10.11501/3088159

出版情報:Kyushu University, 1991, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)
(3)

スイッチングコンノミータにおける 無損失スナバの設計に関する研究

平成3年1 2月

九州大学大学院 工学研究科 電子工学専攻

田中 哲郎

(4)

目次

ま えが‘き --- - ーー ー ・ ー ー ー・ ・ ・ ー ー ー ー ・ ・ ・ ・ー ー ・ー ー ー ー ・ ー ー ー ・ ー ー --- - - - --- - -- - ー ,ー ・ ・ ー ー ー ー ー ・ ー ーー ー ー ー ー ー ー・ ・ー ・ ・ ・ー ー- --- - ーー ー ー ー ー - ----ー ・ ー ー - Î

1 章 序論一一一- ----- - - ー ー ー ー ー ー ・ ・ ー ー ー ー・ ー ー・ ・・ ー ー ー ー ・ ー ー ーー ーー - - - ・ - - - ー ー ー ー ・ ー ・ ・ ・ ーー ー ー ・ ・ ・ ーー ー・ ー ーーー ー・ ー一一- - - ・E--- - - 5

1. 1 スイッチングコンパータの才既要一 一一一一一一----一一一ー一一 - 一一一一一一一---S

1. 1 . 1 スイッチングコンパータの動作一一一一一一一一一一一一一一一一一- 一一…5

1. 1. 2 スイッチングコンパータの問題点ー一一一---一一一一 一一一一一一一一11 1. 2 スナパ回路の概要一一一一一一一一 一一一一一一一一 一一一一一一一一 一一一一一一ー一一15

1 . 2. 1 スナパ回路の基本動作一一一 一一一一一一一 一一一一一一一一 一一一一一一-15

1. 2. 2 RCスナノておよびRCDスナノて一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一20

1. 2. 3 LC スナ ー - -- - --_ .- ー ー ー ー ・ ー ー ・ー ーー ー ーー ー ー ー'ー ー ー ー ーー --- ー・ ー ー ーー ・ー ー・ ・ ー ーー - --ー ーー 'ー ー-24

1. 3 スナパ回路の設計規範一ー一一一-一一 一 一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一26 1. 3. 1 RCスナノておよびRCDスナノて一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一ー26 1. 3. 2 LC スナノて・ ー ・ ー・ ー・ ・ ーーー ー・ ー・ ーー ーョ ー ー ‘ー ー ー ー ー ー ー ー ' ー ー ‘ ー ー ー-- - ------ ー ー ー---ー ー ' ーー ー ー ー--- ーー ・ ーー ----27 第2章 昇降圧コンパータにおけるしCスナバの設計一一一一一一一…--- 一一一一一一29

2. 1 昇降圧コンパータにおけるLCスナバの動作解析一一一一一一一一一一一一29

2. 1 . 1 LCスナパの動作解析…一一一一一 一一一一一一一一一一一一一一一 一一一一30

2. 1. 2

2. 1. 3 LCスナバを付加した昇降圧コンパータの静特性解析一一一38

LCスナパを付加した昇降圧コンパータの動特性解析一---49 2. 2 昇降圧コンパータにおけるLCスナパの設計一一一一一一一一 一一一一一…-- S9 2. 2. 1 トランジスタの電力損解析一一一一一 一一一一一一一一一一一一一一一一一一一59 2. 2. 2 LCスナバの最Jl主設計一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 72 2. 3 第2章の結論一一一一一一一 一一一一一一一一一一一一一一一一一一…一一一一一一一一一一一一一一77

(5)

第3章 フォワードコンバータにおけるL Cスナバの設計一 一一一一一一一一 一78 3. 1 フォワードコンノてータにおけるLCスナノての動作解キ斤一一一一一一一一78 3. 2 フォワードコンノてータにおけるLCスナノての設:言十一一一一一一一一一一一一-- 91

3. 2. 1 トランジスタの電力損解析-一一一一一一一一一一---一一一一一一一一…---91

3. 2. 2 LCスナバの最適設計一一一一一一一一一一一一---一一一一一一一一一一一一一--- 99

3. 3 実験結果と検討一一一一一一一…一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 一一一一一 一一一一一109 3. 4 第 3章の結論一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一ー一 113

第4章 結論一 一ーー一一'一一一…一一ーー一一 ーー一一 ー一一一一一一一一一ーし.一一一一苧-114 謝辞一一一一一一ー一一一守ー一一一一一一一ー… ー一一一一一 一 一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一119 参考文献一一一一一 一一一一一一一一一ーー一一 一 一' 一一一一一一一一一一一一ー一一一 一一 一一 一一一一120

(6)

まえがき

まえが、き

近年の半導体集積技術および電子部品の実装技術の著しい発展に伴い、 各種 電子機器本体は小形化, 省エネルギー化が急速に進んでいる。 それに伴って、

電子機器の電源部分に対しでも同様な要求がなされ電源回路の小形化, 高効Z率 化が強く望まれてきたが、 従来の連続制御方式による電源ではこれらの要請に 応えるのは困難であった。 そこで、 連続制御方式に代わり小形, 高効率の要求 を満足する電波、として現われたのがスイッチング方式による電源、 すなわち、

スイッチングレギュレータである。 スイッチングレギュレータは、 基本的には、

トランジスタのスイッチング動作により直流入力を直流出力へ変換するDC

-DCコンパータと、 出力電圧制御用の帰還回路から構成されており、 小形,

軽量, 高効キを特長とする。 これは、 従来の連続制御方式電源、では、 制御素子 であ るトランジスタを能動領域で使用し、 その電力損失の増減により出力電圧 を調整するため、 効率が低く発熱も大きかったが、 スイッチングレギュレータ は、 制御素子のトランジスタをオン, オフのスイッチとして用いるので、 その 損失は極めて小さく高効率となる。 また、 このためスイッチングレギュレータ では、 連続制御方式に必要とされる大きな放熱器は不要となり小形化, 軽量化 が実現できる。 このように、 スイッチングレギュレータは従来の連続制御方式 の電源に比べ優れた特長を有しているが、 その反面、 回路動作がスイッチング 動作を含むため非線形になりその理解が困難なこと、 制御素子のスイッチング 時にサージやスイッチング雑音を発生させ、 このサージがレギ、ュレータ自身お

よび他の電子機器の信頼性を低下させる原因になることなど、 スイッチングレ ギ、ュレータ特有の問題点もいくつか存在する。 特に、 最近ではDC-DCコン ノてータのスイッチング周波数の高周波化による出力フィルタの小形化が進めら

(7)

まえがき

れており、 それに伴って、 低い周波数では問題とされなかった制御素子のスイ ッチングに伴う電力損、 すなわち、 スイッチング損失が大きな問題となってい る。 このスイッチング損失は基本的にスイッチング周波数に比例するため、 高 周波化によるスイッチングレギ、ユレータの効率低下の原因となる。 スイッチン グ損失を低減し高周波化に適した回路として、 従来のDC-DCコンパータの 制御素子に小さなキャパシタとインダクタを付加し、 こ れ らの 共振現象を利用

してスイッチング損失を減ら すコンパータ回路、 すなわち、 共振形コンパータ が種々提案されているが、 制御素子のトランジスタに大きな共振電流, 共振電 圧が加わることや、 スイッチング周波数が大きく変化するため出力のフィルタ が大きくなることなどの問題点から、 広く実用に供されていないのが現状であ る。 このような問題を解決する一つの方法として、 従来のDC-DCコンパー タの制御素子に極めて低損失なスナパ回路を付加し、 スイッチング損失の改善 を図ることが考えられている。 本来、 スナパ回路はスイッチングに伴う過大な 電流サージ, 電圧サージから制御素子を保護する目的で付加されていたが、 ス イッチング損失やスイッチング雑音を低 減する効果についても新たに認識され るようになった。 このスナパ回路として、 従来から抵抗とキャパシタからなる RCスナバが用い られてきたが、 これはサージのエネルギーを抵抗で消費する 機構となっているため、 スイッチング周波数の高周波化に際しスイッチング損 失は低減できても、 スナパ回路で、の損失が著しく増大するため、 このような用 途には用い ることができなかった。 これに対し、 キャパシタ, インダクタ, ス イッチ素子からなり、 原理的に極めて低損失なLCスナパも提案されていたが、

その動作が複雑で、理解が困難なこと、 また、 高周波化を考慮した設計指針が与 えられていなかったことなどの理由により 、 あま り使用されてはいなかった。

このLCスナバは、 DC-DCコンパータをスイッチング周波数固定で動かす

-2-

(8)

まえがき

ことができ、 過大なサージを発生させることがないなど、 共振形コンパータに 比べ俊れた点を持っており、 このような特長をいかすためにはLCスナパの高 周波化を考慮した設計法を確立することが必要である。

本論文では、 以上の観点から、 スイッチングレギ、ユレータの主要部であるD C-DCコンパータとして、 現在最も広く用いられている昇降圧コンパータお よびフォワードコンパータを対象に、 LCスナバの設計法について考察してい る。 すなわち、 スイッチング周波数の高周波化を考慮し、 制御素子であるトラ ンジスタの電力損を最小にするという観点から、 LCスナパの構成素子の値の 設計法を与えることを目的とする。 このとき、 スナパ回路本来のサージ抑制効 果やLCスナパ特有の動作モードも考慮されている。 以下に本論文の構成を示

す。

第l章は序論であり、 始めにスイッチングレギュレータの概要を述べ、 次に

本論文の対象とするスナパ回路について説明を行ない、 最後にスナパ回路の設 計規範について概説した。

第2章は本論文の主要部であり、 この章で昇降圧コンパータに対してLCス ナパがスイッチ素子のサージ電圧, 電力損に対してどのような影響を持っか明 らかにし、 LCスナパの構成素子の値の選び方について検討した。 まず、 4つ 存在するLCスナバの動作モードから、 電力損およびサージ電圧の小さな動作 モードで動作させることを前提とし、 LCスナパを付加した昇降圧コンバータ の動作を詳細に検討した。 その結果、 LCスナバを付加することにより昇降圧 コンバータの静特性 動特性などの基本特性が、 大きく変化することがわかっ た。 このため、 LCスナパのトランジスタのサージ電圧に対する低減効果には ある限界があることが示された。 次に、 トランジスタの電力損を詳細に評価し、

LCスナバの構成素子のうちキャパシタの値がこの電力損に関係する一方で、、

ー3-

(9)

まえがき

インダクタの値は関係しないことや、 電力損を最小にするキャパシタの値が存 在することなどが明らかになった。 以上の結果に基づき、 制御素子であるトラ

ンジスタの電力損を最小にするようなLCスナバの設計法を示した。

第3章では、 第2章で示したLCスナパをフォワードコンパータに迎用する 場合の設計法を述べた。 フォワードコンパータの場合、 LCスナパ自体の動作 が昇降圧コンパータのそれと全く異なっており、 詳細な動作解析の結果、 2つ の動作モードが存在すること、 LCスナバはフォワードコンパータの基本特性 にほとんど影響を与えないことなどが得られた。 この動作モードを考慮し、 制 御素子であるトランジスタに加わるサージ電圧, 電力損を定量的に評価した。

その結果、 トランジスタの電力損を最小にする条件は、 動作モードの境界で動 作することであり、 これにはLCスナパのキャパシタの値および出力電流が関 係していること、 その時のサージ電圧は電源、電圧の2倍になることなどがわか

った。 さらに、 高周波化の例として、 スイッチンクゃ周波数lMHzのフォワード コンパータを試作し、 LCスナパの有効性および設計法の妥当性を実験により 確認した。

第4章は以上の研究を総括した結論である。

-4-

(10)

第1章 序論

第1章 序論

本章では、 2章以降の導入として以下のことを述べる。 まず、 スイッチング コンパータの基本 動作を簡単に説明 し、 スイッチングコンパータの問題点を示 す。 次に、 これらの問題点を解決する手法であるスナパ回路の概要を述べ、 従 来のスナパ回路と本研究の対象である無損失スナパについて動作説明を行なう。

最後に、イ間々のスナパ回路の特徴を考慮した設計規範について述べる。

1. 1 スイッチングコンパータの概要

電子機器の小形 ・軽量化の流れ 数量の増大に伴う省電力への要請などを背 景に、 現在、 その電源、部として小形 ・軽量 ・高効ネのスイッチングレギ、ユレー タが広く用いられている。 図1-1に示すょっに、 スイッチングレギュレータ は、 電力変換を行なうスイッチングコンパータと出力を安定化する制御回路か ら構成されており、 さきのスイッチングレギ、ユレータの特長は、 スイッチング コンバータによってもたらされたものである。 すなわち、 スイッチングコンパ ータでは、 半導体をスイッチとして用いることにより高効率が実現され、 高周 波でオン ・ オフすることにより重量 ・体積の点で支配的なフィルタ部の小形化 が実現されている。 従って、 電源部の小形 ・軽量化への要求に応えるため、 ス イッチング周波数の高周波化によるスイッチングコンパータの小形化が指向さ れており、 高周波化による小形化はスイッチングコンバータの重要な課題のー

つとなっている。

1. 1. 1 スイッチンクコンバータの動作[1 ]

図1 -1のスイッチングレギュレータの基本構成において、 スイッチングコ ンバータの出力電圧Eは、 スイッチ素子のオン時間の割合を表わす時比本Dに

-5-

(11)

庄司一唱

力入流直・lE スイッチンク コ ン パー タ

JlSLJ1_

D

第1章 序論

直流出力電 圧

o E

図1 - 1 スイッチングレギュレータの構成

-6-

(12)

第1章 序論

よって制御される。 出力を安定化する制御回路においては、 まず、 出力電圧E() と基準電圧Erが比較され、 その差が増幅され誤差電圧として 出力される。 この 誤差電圧は、 時比不変換回路により時比不の大ノJ\に変換され、 図1 - 2に示す スイッチの制御パルスとしてスイッチングコンパータの主スイッチを駆動する。

同図において、 Tonは主スイッチ素子のオン期間, Tojfは主スイッチ素子のオ フ期間である。 主スイッチ素子としては、 扱う電力によっても異なるが、 バイ ポーラトランジスタや電界効果トランジスタ(FE T)が広く用いられている。

スイッチング周波数は、 可聴周波数を避けるため20 kHz 以上の周波数が選ばれ るが、 近年のスイッチ素子の発達に伴ってスイッチング周波数が高周波化され、

1 MHzを越えるスイッチングコンパータも製作されている。

スイッチングコンパータの回路方式は、 2つの型に大別できる。 一つは、 主 スイッチのオン期間に入力からのエネjレギーをリアクトルに芸え、 オフ期間に それを出力へ放出するもので、 エネルギー蓄積方式と呼ばれる。 もう一つは、

直流を一旦、 交流矩形波に変換したのち、 整流 - 平滑して再び直流出力を得る インバータ整流方式である。 インバータ整流方式は、 平滑回路を含めるとエネ ルギ一幸子積方式と同ーとみなすことができるので、 ここでは、 図1 - 3に示す リアクトル電流拡積方式のスイッチングコンパータについて、 その入出力電圧 の関係を簡単に述べる。 説明においては、 トランジスタ, ダイオードは理想的 なスイッチ素子とし、 相補的にオン ・ オフするものとする。 また、 スイッチン グコンバータ内部の損失は無視する。

(a)降圧コンパータ

図1

-

3 (a)の回路において、 リアクトルLを流れる電流をIL, 入力および出

力電圧をそれぞれ Ei, Eοとする。 入出力電圧の関係は、 主スイッチQがオンの ときにリアクトルに誌えられるエネルギー

(

Ei - Eo

)

IL Tonと、 オフのときに出

力に放出されるエネルギー- Eo IL TOjJが等しいとおいて得られる式から、

-7-

園田園園田 ・E・---ーーー園田園圃圃圃園田園・

・E・

-

・E・-一一一一園田園田園田園・ーーーーーーーーーーーーーーーー

-山

(13)

Tq汀

|、 九 �

第1章 序論

ON

Switch

_ . OFF

図1 - 2 スイッチの制御パルス

-8-

(14)

第1章 序論

Ei

+

E O

(a)降圧コンパータ

E +

E O

( b)昇圧コンパータ

E-i +E 。

(c)昇降圧コンパータ

Ei

+

E O

( d)フォワードコンノてータ

図1 - 3 エネルギー蓄積方式コンパータ

-9-

(15)

-・4・h

Eハ 7ハ., Tハ円

第1章 序論

= … ,二二 二 D (1-1)

Ei Ton+Toff Ts

と表わされる。ここで、時比率Dはlより小さいので、出力電圧は入力電圧より も低くなる。降圧コンパータは、帰還時の安定性が良好なコンパータとして知

られている。

(b)昇圧コンバータ

降圧コンパータと同様にリアクトjレのエネルギー・バランスを考えて、図l - 3 (b)の昇圧コンバータの入出力電圧の関係式は、

Eo TonキTpff_ Ts _ 1

Ei T off T off 1 - D (1-2)

となる。従って、昇圧コンバータの出力電圧は入力電圧より大きくなる。

(c)昇降圧コンバータ

昇降圧コンパータの場合も同様に、図1 - 3 (c)の昇降圧コンパータの入出力 電圧の関係式は、

Eo 1 Ton D

E i n T 0 ff n

(1

- D) (1-3)

となる。従って、昇降圧コンバータの出力電圧は、 時比不の値により、入力電

圧より大きくすることも小さくすることもできる。この回路の特長は、回路が 簡単で、入出力が直流的に絶縁できることにある。これは、第2章で議論の対 象とするコンパータである。

(d)フォワードコンバータ

図1 - 3 (d)のフォワードコンパータの出力回路は、基本的に降圧コンパータ と同ーである。フォワードコンバータでは入力側の変圧器の巻線比nを考慮す ることにより、入出力電圧の関係式は、

-Î 0-

圃E・E・_________.一一一一ーーーー圃園田園田ーーーーーー--・E・ 一一一一ー一--・E・-一一-・E・-一一 ーーーーーー園田園�

-

'"昌也 L �レ�一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 一一一一一一一 一一一一一ーー.

(16)

--

第1章 序論

Eo D

Ei 11 (1-4 )

となる。 従って、 巻線比によっては、 入力電圧より高い出力電圧を得ることや、

大きな降圧比を得ることもできる。 変圧器の第3の巻線は変圧器の飽和防止の ために必要で、、 l次巻線数をN1, 3次巻線数をN3とおくと、 時比ネDは、

D< __ N , .L Nl + N3

で制限される。 これは、 第3章で議論の対象とするコンパータである。

(1-5)

[2], [3], [4], [5]

1. 1. 2 スイッチングコンバータの問題点

スイッチングコンパータは半導体素子を高周波で動作するスイッチとして用 い、 しかもその半導体スイッチはリアクトルと接続しているため、 従来の連続 制御方式電源にはない問題点がある。 一例として、 スイッチングコンパータの トランジスタの電圧波形と出力電圧の波形を、 図1 - 4に示す。 同図(a)に示さ れるように、 トランジスタのターンオフ時に過大な電圧-サージ電圧が発生し ており、 トランジスタが破壊される原因のーっとなっている。 同図(b)では、 ト ランジスタのターンオフ時 ターンオン時に大きな雑音、 いわゆるスイッチン グ雑音が発生している。 このようなスイッチ素子のスイッチングに付随して発 生する電圧サージやスイッチング雑音は、 電源、自体の信頼性や組み込まれた電 子機器の信頼性を損なうため、 スイッチングコンパータにおける最も深刻な問 題となっている。 図1 - 5に、 電子機器の信頼性にスイッチングコンパータの サージおよび雑音が与える影響を示す。 電圧サージやスイッチング雑音は、 ス

イッチングコンパータの基本的動作を解析するための等価回路に加えて、 回路 の寄生要素等を考慮しなければならない。

41EE 4EE-

(17)

Turn-off

200ns/div (a)トランジスタの電圧波形

10μs/div (b)出力雑音波形

図1 - 4 スイッチングコンパータのサージ電圧 およびスイッチング雑音雑音

-12-

第1章 序論

(18)

電 源

三乞 Jt土 イ寸

第1章 序論

サージと雑音発生 雑 音 の 抑 制

図1 - 5 スイッチング電源、の雑音特性と 電子機器の信頼性との関係

-1 3-

圃圃園田園E一一一ーー・圃園田園・E・E・----・E・-ー園田園圃園田ーーーーーーーーーーーーーーーーー--・E・---・E・--・E・-・圃園田園�

A白島』ι 勺山 一�... ・E・ ・E・ ・E・E・・E・ ・E・・E・ ・E・ ・E・ ・E・E・ ・E・ ・E・

(19)

第1章 序論

サージおよびスイッチング雑音に関わる要因としては、 次のものが考えられ る。

(i) 回路部品に付随する寄生要素

例:変圧器の漏れインダクタンス 半導体スイッチの寄生容量 (ii)回路部品の実装時に発生する寄生要素

例:配線のインダクタンス, 浮遊容量

(iii)スイッチングに関して半導体スイッチの理想的でない部分 例:スイッチング速度 ダイオードの逆回復特性

これらの中で、 半導体スイッチに対して最も大きなストレスの発生源となるの は、 ターンオフ時の電圧サージを発生させる変圧器の漏れインダクタンスであ る。 従って、 変圧器を含む昇降圧コンパータおよびフォワードコンパータには、

ほとんどの場合、 次節で述べるスナパ回路が付加されている。

-14-

田園圃圃圃圃圃,ーーーーー・圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃園田園圃園田 ・E・----・圃園田園圃圃圃圃圃圃圃圃園田園圃圃圃圃圃圃圃園田園�

..

- f此 ー“・圃圃・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ ・・・ ・・・・・・・ ・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・

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国・・・・・E酔....一、 .

(20)

...

第1章 序論

1. 2 スナパ回路の概要

スナバ回路は一種の保護団路であり、 主に、 前述の電圧サージからスイッチ 素子を保護するために用いられる。 同時に、 スナパ回路は、 スイッチング雑音 およびスイッチ素子のスイッチング損の低減にも効果があり、 電源本体のみな らずシステム全体の信頼性を向上させる。 本節では、 このようなスナパ回路の 概要について説明する。

1. 2. 1 スナバ回路の基本動作[6]

スナバ回路は、 半導体スイッチに加わる過大な電流 ・ 電圧からスイッチを保 護するために付加される回路である。 図1 - 3のスイッチングコンパータ回路

[7], l8 J

は、 すべて図1 - 6 (a)に示す基本スイッチを含むので 、 この基本スイッ チについてスナパの基本構成を議論する。

まず、 スイッチを含む回路において、 過大な電流 ・ 電圧、 いわゆる電流サー ジ ・ 電圧サージが発生する場合について考えよう。 過大な電流が回路に流れる のは、 キャ パシタをスイッチで短絡した場合であり、 過大な電圧は、 インダク タに流れる電流をスイッチで開放した場合に発生する。 従って、 電流サージ ・ 電圧サージが発生するときのスイッチングコンバータは、 これに近い状態にな っていると考えられる。 図1 - 6 (a)の基本スイッチのトランジスタにサージが 加わらないようにするには、 電流サージの場合は、 トランジスタに直列にイン ダクタを挿入すればよく、 電圧サージの場合は、 開放状態にならないようキャ パシタをトランジスタに対し並列に付加すればよい。 これを、 図1 - 6 (b)では、

それぞれ、 Series Snubber, Shunt Snubberと呼んで、いる。 スナパ回路に抵抗が使

われているのは、 スナパの効果を維持するため、 スナバのキャ パシタやインダ クタに芸積されるエネルギーを消費するためである。 このほかに、 回路は複雑

- Î 5-

園田園・・・ ・園田園田園周回・・・ー--・E・-・園田園園田園・E・E・---・E・-圃圃圃圃E・E・ ・E・ 園田園田・・・E・E・

4溢幽色 ‘}凶

(21)

--

(a)基本スイッチ

Series Snubber:

Shunt Snubber:

第1章 序論

(b)スナパ

図1 - 6 スイッチングコンバータの基本スイッチとスナパ

-1 6-

E・E・______,i一一一一一一一一一一 圃E・E・ 一一一一一一一一一一一一一一E・E・-一一

.

4箇甑邑 山�岨幽幽圃E・E・ ・E・ ・E・ ・E・ ・E・ ・E・ ・E・・E・ ・E・ ・E・ ・E・-

(22)

ー--

第1章 序論

になるが、 私積エネルギーを入力電源や出力へ回生するスナパ回路も考えられ ている。 いずれにしろ、 スイッチングコンパータのスナパ回路の基本構成は図

1 - 6 (b)に尽くされている。

次に、 スナパ回路の効果をサージ以外の点から見てみよっ。 図1 - 6 (a)から わかるように、 スイッチングコンパータにおいて主スイッチのトランジスタは、

リアクトルとよばれるインダクタを負荷として動作する。 図1 - 7にインダク タ負荷時の、 一般的なトランジスタ動作軌跡、を示す。 同図においてトランジス タは、 ターンオン時には安全動作領域内で動作しているが、 ターンオフ時には 安全動作領域から逸脱しており、 二次破壊にいたる危険性がある。 これにスナ パ回路を付加することにより、 図1 - 7の破線のように、 ターンオフ時に安全 動作領域内で動作させ ることができる。

さらに、 主スイッチの電力損について考える。 図1 - 8に、 トランジスタの

電流 ・ 電圧波形を模式的に示す。 同図(a)のスナパなしの場合は、 スイッチング 時の電流 ・電圧波形の重なりが大きく、 このときの電力損は大きなものとなる。

同図(b)はスナバ回路を付加した場合を示しているが、 スナパ回路によりターン オン時の電流およびターンオフ時の電圧の傾き が小さくなって、 電流 ・電圧波 形の重なりが小さく、 スイッチング時の電力損も 小さくなっていることがわか

[9 J

る 。 このような、 スナバによるスイッチング損の低減効果は、 図1 - 6 (b)に

おいて直列に挿入したインダクタンスおよび並列に付加したキャパシタンスが 大きいほどその効果が大きい。 スイッチング損はスイッチング周波数に比例す るため、 スイッチング周波数の高周波イヒの際、 スイッチングコンパータの効不 が落ちる原因となっている。 従って、 スナバ回路を付加することにより、 主ス イッチのスイッチング損を減らせれば、 スイッチング周波数の高周波化、 すな わち、 小型 -軽量化に貢献することになる。

-Î 7-

(23)

C

without snubber

_ with snubber

FBSOA

-A, d, d,

-

、-

-- - - - -- _ JJr _ _ _____ _ _

νce

(a)JII貢バイアス時の安全動作領域(FBSOA)

C

without snubber

_ with snubber

ed'de

RBSOA

. -_ - -ー - -- - - - --- - - -

ν ce

(b)逆バイアス時の安全動作領域(RBSOA)

図1 - 7 インダクタ負荷時の動作軌跡、

-1 8-

第1章 序論

(24)

ヨーー・ー

第1童 序論

νce lc νce

Switching Loss

(a)スナノてなし

νce lc νce

qu qu

o

t'」 Gu nハ AY 川FU ふEL W CU

(b)スナノ刈寸加

図1

-

8 スイッチの電流 - 電圧波形

-Î 9-

(25)

、園田-

第1章 序論

最後に、 図1 - 6 (b)のSeriesSnubber. Shunt Snubberの相互作用について議論 する。 前節で述べたょっに、 変圧 器を含むコンパータにおいて、 電圧サージの 最大の原因は、 変圧 器の漏れインダクタンスである。 この漏れインダクタンス は、 ちょうど図1 - 6 (b)のSeries Snubberのインダクタに相当する。 従って、 変 圧器を含むコンパータは寄生要素によるSeries Snubber、 いわゆる “寄生スナバ"

を持つことになり、 漏れインダクタンスは主スイッチのターンオン時にスナパ として有効に働いている。 しかし、 一方で、この漏れインダクタンスはエネルギ ーを消費する抵抗を持たないので、 ターンオフ時の電圧サージの原因となり、

主スイッチに対してストレスを与えることになる。 このため、 外部から付加す るスナパ回路は、 主にターンオフ時に動作するShuntSnubberで、ある。 Series Snubbedこ関する議論と同様のことがShuntSnubbedこ対しても成り立つので、 結

局、 スナバ内の孫積エネルギーを処理する機構を持たない場合、 ターンオン時

(ターンオフ時)のスナパは、 ターンオフ(ターンオン時)時の電流サージ (電圧サージ)の原因になる。

1. 2. 2 RCスナバおよびRCDスナバ (a) R Cスナパ

図1 - 9に、 スイッチングコンバータの基本スイッチに付加したRCスナバ を示す。 RCスナバはもっとも広く用いられているスナバ回路で、 抵抗とキャ パシタから成っている。 RCスナバの動作は、 次のとおりである。 トランジス タのターンオフ時に発生するサージ電圧をキャパシタで抑制し、 サージのエネ

ルギーをキャパシタが吸収する。 吸収したエネルギーは、 トランジスタ ・ オン 時に抵抗で消費され、 次のトランジスタ ・ ターンオフに備える。

-2 0-

園田園園田園園田F 一一ー園田園一--・E・-ー一一一ー園田園 一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一ー ・E・-一一--・E・-一一・圃圃圃圃園圃ーーー

�., . 幽幽幽幽圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃圃園

(26)

、---

「 ーー ー 一 ー 寸

RC : Snubber :

図1-9 RCスナノて

-21-

第1 :章 序論

(27)

、---

第1 :章 序論

RCスナバの特長は、 回路が簡単で、 動作も理解しやすいことにある。 その 反面、 上の動作説明からわかるように、 スナパ・キャパシタが吸収したエネル ギーを抵抗で消費するため、 スイッチングコンバータの効咋が低下する。 この 傾向は、 スイッチングコンパータの小形・軽量化のためスイッチング周波数を 高周波化する際に顕著となる。 従って、 RCスナパはスイッチング周波数の高 周波化には不向きである。

,,[10]

(b) R C 0スナハ

図1 - 1 0に、 スイッチングコンパータの基本スイッチに付加したRCDス ナパを示す。 RCDスナバも広く用いられているスナパ回路で、 抵抗, キャパ

シタ, ダイオードから成っている。 図1 - 1 0に示すように、 RCDスナパに は2種類の接続があるが、 同図(b)の接続はトランジスタ ・ オフ時に抵抗に電流

が流れ続けるので、 同図(a)の接続に比べスイッチングコンバータの効不が低い。

このため、 実際には、 同図(a)の接続が用いられており、 動作説明も(a)の接続に ついてのみ述べる。

RCDスナバの動作は、 次のとおりである。 トランジスタのターンオフ時に 発生するサージ電圧をキャパシタで抑制し、 サージのエネルギーをキャパシタ が吸収する。 このとき、 キャパシタに直列に抵抗が入っていない分、 RCスナ バに比べてトランジスタの電圧波形の傾きは小さく、 トランジスタのスイッチ ング損の低減効果が大きい。 吸収したエネルギーは、 トランジスタ ・ オン時に 抵抗で消費され、 次のトランジスタ ・ ターンオフに備える。

RCDスナパの特徴は、 RCスナバのそれとほぼ同じである。 従って、 RC Dスナパもスイッチング周波数の高周波化には不向きである。

-22-

(28)

、司圃--

第1章 序論

「 一ー 一 一 一一一1

RCD : I一一「

Snubber I

(a)

「 一一一 一ー ー- ,

RCD ;

一一一

Snubber I

\,ノ'hu f,,、、

図1-10 RCDスナパ

-23-

(29)

、---ー

第1章 序論

1. 2. 3 LCスナバ

上のRCスナパは、 スナパ回路のキャパシタにお積されるエネルギーを抵抗 で消費していたが、 この本積エネjレギーを入力電源や出力へ回生するスナパ回

1111, []2j, [13], [14], [15], 1]61

路も種々考えられている 。 これらのスナバ回路は、 基

本的に抵抗をその中に含まず、 キャパシタ, インダクタ, スイッチ素子から構 成されている。 従って、 RCスナバと大きく異なるのは、 スナバ回路内での電 力損が極めて小さいという点で、 そのため、 しばしば “無損失スナバ" あるい は “LCスナノヤ' と呼ばれる。 このLCスナパは、 スナバ回路での電力損が非 常に小さいので、 スイッチング周波数を高周波化する際にも、 スイッチングコ ンパータの効率を犠牲にすることなく、 電圧サージを抑制することができる。

しかし、 キャパシタの蓄積エネルギーの回生のためにインダクタとの共振が用 いられ、 スイッチ素子としてダイオードが使用されるので、 動作が複雑になる ことや、 入出力電圧や負荷の重さに応じスナパ回路の動作モードが変わるとい う欠点がある。

本研究で対象とするLCスナバを、 図1 - 1 1に示す。 これ以降、 特に断ら ない限り “LCスナノヤ' と言ったときは、 このスナパ回路を指すものとする。

同図で、 LCスナバは、 昇降圧コンパータに付加されている。 この回路でLC スナバは、 トランジスタ・ ターンオフ時のサージ電圧をスナパ・ キャパシタC で抑制し、 トランジスタ・ オン時にスナパ・ キャパシタの蓄積エネルギーを、

スナパ・ インダクタLとの共振を使って入力電源へ回生する。 LCスナパの詳 しい動作解析は、 第2章で行なう。

-24-

(30)

、-ー

第1章 序論

E

+

E。

LC

Snubber

図1 - 1 1 L Cスナパを付加した昇降圧コンパータ

-2 5-

(31)

-,...-・L

第1章 序論

1. 3 スナバ回路の設計規範

本節では、 上で述べた各スナバ回路の特徴をもとに、 スナパ回路の設計規範 について議論する。 その結果、 RCスナパおよびRCDスナパの場合はスナパ 回路での電力損が、 LCスナバの場合は主スイッチの電力損がLCスナバの設 計規範として選ばれる。

1. 3. 1 RCスナパおよびRCDスナバ ぷ[î 7]

(a) R Cスナハ

RCスナパにおいて、 決定しなければならない回路定数は、 抵抗Rとキャパ シタCの値である。 設計規範として、 まず、 サージ電圧が考慮されなければな らないo R Cスナバでは抵抗とキャパシタの値の組み合わせにより、 サージ電 圧のオーバシュートを零にする、 すなわち、 臨界制動の状態にすることができ る。 但し、 この組み合わせは無数に存在するので、 RCスナパの最適設計を行 なうには、 回路定数を一意に決定するための規範が必要である。

RCスナパについては、 スナバ回路での電力損が比較的大きく、 これがスイ ッチングコンバータの効率を下げる原因となる。 従って、 設計規範としてスナ パ回路の電力損が選ばれる。 すなわち、 スナパ回路の最適な回路定数は、 臨界 制動の状態になるもののうち、 最もスナパ回路で、の電力損の小さい組み合わせ である。 なお、 RCスナバの場合は、 大きなスナバ・ キャパシタンスはスナバ 回路での電力損を増大させるので、 主スイッチのスイッチング損の低減効果は、

あまり望めない。

.[î 8]

(b) R C Dスナバ

RCDスナパにおいても、 決定しなければならない回路定数は、 抵抗Rとキ

-26-

(32)

第1章 序論

ャパシタCの値である。 RCスナパと同様に、 設計規範として、 まず\サージ 電圧が考慮されなければならない。 電圧サージの発生するトランジスタのター ンオフ時には、 RCDスナパはキャパシタだけが働くので、 サージ電圧のオー バシュートを零にすることはできない。 しかし、 RCスナパに比べて大きなス ナパ・ キャパシタンスが使えるので、 サージ電圧は十分に抑制できるのが普通 である。 このため、 RCDスナパでは、 別の設計規範に従ってスナバ回路の素 子定数を決定した後、 サージ電圧が十分抑制されているか確認するという手順 が取られる。

RCDスナパについても、 スナバ回路での電力損が比較的大きく、 これがス イッチングコンパータの効率を下げる原因となる。 従って、 設計規範のひとつ としてスナバ回路の電力損が選ばれる。 さらに、 RCDスナパでは、 RCスナ バに比べて大きなスナパ・ キャパシタンスが使用できるため、 スナパ回路が主 スイッチのスイッチング損を低減する効果に着目して、 主スイッチの電力損も 設計規範として選ばれる。 従って、 スナパ回路での電力損と主スイッチの電力 損の合計が最小になるように抵抗とキャパシタの値を決定することになる。

1. 3. 2 LCスナバ

LCスナパにおいて、 決定しなければならない回路定数は、 スナバ・ インダ クタンスLとスナパ・ キャパシタンスCである。 設計規範として、 まず、 サー ジ電圧が考慮されなければならないo R Cスナパでは、 スナパ回路での電力損 が大きくなるため、 あまり大きなスナパ・ キャパシタンスは使えなかったが、

無損失に近いLCスナパでは、 大きなスナパ・ キャパシタンスが使用できる。

このため、 サージ電圧について大きな抑制効果が期待できるLCスナパでは、

別の設計規範に従ってスナパ回路の素子定数を決定した後、 サージ電圧が十分

-27-

(33)

.,_...-

第1章 序論

抑制されているか確認するという手順が取られる。

次に、 RCスナパの電力損に相当するLCスナパの設計規範として何が適切 か考察しよう。 前の節で述べたように、 LCスナパ内の電力損は極めて小さく、

これを設計規範に選ぶのは適切でない。 そこで、 LCスナパの場合には、 スナ パ回路が主スイッチのスイッチング損を低減する効果に着目して、 主スイッチ の電力損を設計規範として選ぶことにする。 すなわち、 主スイッチの電力損を 最小にするようにLCスナパの回路定数を決定することにする。

最後に、 LCスナバの動作に関する拘束条件について述べる。 LCスナパで は、 前にも述べたように、 スイッチングコンパータの入出力の条件で動作モー ドが変わってしまう。 このため、 LCスナパが目的とする入出力のときに、 ど の動作モードで動いているか特定する必要がある。 また 、 トランジスタ ・ オン 時に、 共振を使ってエネルギーの回生を行なうため、 スイッチングコンパータ のオン期間が制限される。 このように、 LCスナパを設計する際には、 選んだ、

スナパ回路の回路定数が、 LCスナパが正常に動作する条件を満たしているか、

検証する必要がある。

ー28-

(34)

�ー

第2章 昇降庄コン/\ータにおけるL Cスナパの設計

第2章 昇降圧コンバータにおける しCスナバの設計

本章では、 昇降圧コンパータにおけるLCスナバの設計について述べる。 ま ず、 LCスナパを付加した昇降圧コンバータの動作解析を行ない、 LCスナバ がコンパータの諸特性に与える影響を調べる。 次に、 コンパータの主スイッチ の電力損について解析し、 その電力損を最小にするという観点から、 LCスナ バの最適設計を行なう。

2. 1 昇降圧コンパータにおけるし Cスナパの動作解析

LCスナパを昇降圧コンパータに付加するとコンパータ自体の動作が変わっ てしまうため、 LCスナパを含めたコンパータの動作解析を新たに行なう必要 がある。 また、 LCスナバを付加したことにより4つの動作モードが現われる

[ 15]

ことがわかっており 、 どの動作モードでLCスナパを動作させるか問題にな る。

本節では、 まず、 LCスナパを付加した昇降圧コンパータの動作モードにつ いて述べ、 昇降圧コンパータに対して適切な動作モードを選ぶ。 次に、 選んだ 動作モードについて静特性, 動特性解析を行ない、 LCスナパの影響について 述べる。 静特性解析の結果を用いて、 主スイッチのトランジスタの電力損解析 を行ない、 その電力損を最小にするという観点からLCスナパの最適設計を行 なう。

-29・

(35)

第2章 昇降庄コンパータにおけるしCスナバの設計

2. 1. 1 LCスナバの動作解析[î 4], [î 5J

図2-1にLCスナパを付加した昇降圧コンパータを示す。 このLCスナパ

を付加したコンパータは、 表2-1に示すように、 8つの状態の組み合わせか ら4つの動作モードが可能となる。 各動作モードの動作波形を、 図2-2�図 2 - 5に示す。 同図から、 動作モード2および3では、 トランジスタの電圧に おいてターンオフ時のステップ変化がなく、 スイッチング損失が少ないという ことがわかる。 また、 トランジスタに加わるサージ電圧は動作モード1, 2,

3, 4の順に大きくなるので、 動作モード2と3では、 動作モード2の方がよ り望ましい。 従って、 LCスナパは動作モード2で用いるのが適当であり、 動 作モード2で用いることを前提にコンパータの動作解析を行なう。

LCスナバの動作モードの境界を負荷平面に描くと、 図2-6のようになる。

各動作モードの動作範囲は、 電源電圧Ei' リアクトルの巻線比n, リアクトル の漏れインダクタンス'W' スナパ・ キャパシタンスCに影響を受けることがわ かる。

動作モード2の動作概要は以下のとおりである。 トランジスタQがターンオ フすると、 ダイオードDllが導通状態となり、 スナパ・ キャパシタCによりト ランジスタのサージ電圧が抑えられる。 その後、 ダイオードD2が導通し、 2巻 線リアクトルに蓄えられたエネルギーが2次側に放出される。 次に、 トランジ スタがターンオンすると、 リアクトルへのエネルギー蓄積が始まり、 一方、 ス ナパ・ キャパシタCの存ì積エネルギーは、 ダイオードD12を通してスナバ・ イ

ンダクタLに移されると同時に、 C自身を逆充電する。 その充電電圧が電源、電

圧Eiを越えるとダイオードDllが導通し、 インダクタLのエネルギーが入力電 源に回生される。

-30-

(36)

第2章 昇降庄コンパータにおけるし Cスナパの設計

D

円ノ」nυ

n 11 ハυ

+E

E

012

図2 - 1 LCスナパを付加した昇降圧コンパータ

Ei = 24 [V], Eo二5 [V], R = 2.5 Q, Co= 2200μF;

L 1 = 1. 1 3 [mH],η= 4, Ts= l/fs = 20 [μs];

L = 75 [μH], Q: 2SC3058A

ー31-

(37)

...--

第2章 昇降圧コンパータにおけるLCスナパの設計

表2-1 LCスナバを付加した昇降圧コンパータの 状態と動作モード

状 態 Q 011 012 O2 OFF ON OFF OFF

2 ON

3¥ OFF ON

4 OFF

5 ON OFF ON ON

6 OFF

7本 ON

8 OFF OFF

<-_

*エネルギ一回生が行なわれる

モード1 1-2・4-5-6-8 モード2 1-2-4-5-6-7-8 モード3 1-2-3-4-5-6-7-8 モード4 1-2-3-4-5-6-8

-32-

(38)

昇降圧コンバータにおけるし Cスナパの設計 第2章

ア1 11111111

6 8

111111111 1円U A

5

一一一一

一一一

l

一一 一一_ _

..l一一一I

t:

v

ce

Ei十月E。

i

- nι- I4

Vcep

v c

nEo

+IL'

一月Eo- fd

2 4 State

動作モード1の各部波形

図2-2

-33-

(39)

第2章 昇降圧コンパータにおけるし Cスナパの設計

v ce

/

v cep

Ei

+

nE。

nEo+ ILd :

nEο卜一一__-1ー

1f2

f

E

State 4 11 6 1718

A 5

μ A

Energy Return

。 f

図2-3 動作モード2の各部波形

-34-

(40)

昇降圧コンパータにおけるL Cスナバの設計 第2章

v ce

FI

ll

111111

ηι+ I4

i

+nι-I LA

Vcep

Ei + n E,。

E

f

8 ア 6

3 State

動作モード3の各部波形

図2-4

-35-

(41)

昇降圧コンパータにおけるし Cスナパの設計 第2章

v ce

v cep

i-nEo+ h{Ji

Ei +

n

E。

8 6

111

1111

1

di

...J

_

T

n

Eo・f-- J:

11 1

___ _

..1

___ー

!-

一一一ーー

nEo +lL'

Ei+nEo- h{Ji

いEo+ 14

3 2

State

Uyn Gur VZEalJ Ae山n E

ER

動作モード4の各部波形 図2 - 5

(42)

第2章 昇降庄コンパータにおけるL Cスナハの設計

E

MODE4

MODE3

F円 一n

MODE1

n Ei花 f

o

図2-6 LCスナパを付加した昇降圧コンパータの動作モード境界

(43)

第2章 昇降圧コンパータにおけるしCスナ八の設計

2. 1. 2 LCスナバを付加した昇降圧コンバータの静特性解析

動作モード2には、 7つの状態が現われるが、 その内の状態5は通常継続期 間が短く、 コンパータの特性にはほとんど影響を与えない。 また、 トランジス タ ・ オン時に状態6, 7, 8の3つの状態が存在するが、 これは、 LCスナバ の動作に着目した状態分けであるので、 コンパータの特tl�を考える場合にはl つの状態として扱うことができる。 以上から、 ここでは、 状態1 , 状態2, 状 態4, 状態6,7,8の4つの状態を使って、 LCスナバを付加した昇降圧コン ノてータの静特性を解析する。 解析では、 回路の状態変数として、 リアクトルの 電流lLと出力キャパシタの電圧v。をとり、 lスイッチング周期の差分方程式を 導く。 解析に用いた等価回路は、 図2-7にまとめて示す。

(a)状態1

図2-7 (a)の等価回路から、 各状態変数は、

ν。(t)

=

vo(O) e

-t/co R

(t) = 1一 |同 Ei

立 山 IL山( 川 州 O的 ) リ 山 |レヤ川 e- λ一イ(ヤい 川η仏l んιLl小l

ω 1L1 1 . 2 '_" ' 1

+

iL(O)e- (rl々Ll)

t

cosω1t

但し、 ω1 =

1C

- (rl々LI)2

(2-1 )

(2-2)

と表わされる。ここで、iL(O),

vo(O)は各状態、での初期値である。 状態lの期 問TDは、 2次側のダイオードD2がターンオンする条件から求められる。 すな

わち、t=

TDにおいて次式が成立する。

d ir

KL l

一 二 =-I1 Vハ

d

t '"

ここで、 K

1, Co >>C, Ll/C>>

r12とすると、 TDは、

TD .

�r. , j E i

+ n vo(O)

- iL(O)川

lL(O) L .

"" ' '_'" "J

(2-3)

(2-4)

となる。さらに、Co R>>九, 2L1/rl >>

Tsより、 この状態の最終値は、

(44)

第2章 昇降圧コンパータにおけるLCスナハの設計

110 +

(a)状態lの等価回路 IL二ILl

句aEAr'

fwl n2f w2 η2r2

n "0 +

州犬態2の等価回路 ÎL = ÎLl + ÎL2

/

n

図2-7 LCスナバを付加した昇降圧コンパータの等価回路

(45)

第2章 昇降圧コンパータにおけるし Cスナパの設計

Vo

+

(c)状態4の等価回路 iL = iL2

/

η

ν。

+

(d)状態6, 7, 8の等価回路iL=iLl

図2-7 LCスナバを付加した昇降圧コンパータの等価回路(つづき)

-40-

(46)

第2章 昇降圧コンパータにおけるし Cスナパの設計

Vo川OバJ川(ケ防Tら昨D

リ'D)

:::::

ÌL(O) +芋 L

1

r

LEi '

-

r

• � 1立川 ,

-J

- 2L 2 1 1

C

1・L(O)

(2-5)

(2-6)

と近似できる。

(b)状態2

この状態は、リアクトル電流がl次側から2次側へ移る状態である。解析を 簡単にするため、図2- 7 (b)でリアクトル電流lLが一定で、あると仮定すると、

出力電圧v。は

vo(t)

"" lVO(川R+ !)

n iL(O)いoR

一月包(0) e-α2 t

(子山+?c叫

+

R n

ÌL(O) (2-7)

(2-8)

但し α 2二2( ; l :74 2)ω2

=

C (lwl

+1山)α22

ぺ/­ α

R

11

O 一 ハし 一一

1111111」 B 十1a

今L lv

Ll幻j流

α 者一也

一 側

一Pハ次

11

o l

+ルジ LWの

2!

ト ω

ク ω

ω 「ーー っ し ア c 戸川 リ 町

fu

で A

~ ~ア) 、ノ 1Y」

な る

G ・ u-U

こ/けい

(2-9)

と表わされるので、状態2の期間TpはÌLl(t) = 0となってダイオーFDl1がタ ーンオフする条件から、

π一初日

P

T

(2-10)

-41-

(47)

第2章 昇降圧コンパータにおけるしCスナバの設計

と表わされる。 ω2

>> l/CO

R

ω

2 >>α2より、f二Tpにおいて式(2-7), (2-8)

匂(Tp) "" vo(O)

(1

-

2

0)

(

Tp-

U (

2

-

11 )

iL(T p)二iL(Ü)

となる。

(2-12)

(c)状態4

図2 -

7 (c)の等価回路で".. L2二L1

μ

を考慮すると、 リアクトル電流lL,

出力電圧v。は、

司、J

,Tι ω Fδ 的 ω o

c

+ +

、43J 4'L 間

一 R cδ nb ・ 'i n 的

L引1j

til-r11一円'

h げノ21一L

f

- ( 4 】 劃 川 一 司 、 }

一ωJ

ω2一I-Er--.臼一nk

一rL2! ・山

f lo一 t i

ff

- eω

l

切 一

e1 一3一均一一 α IHllrE/il--α 3〕f一句つi

f ;

仰 「LP

、、 J

一一 α-HLhJUV

F J

0 1

E 1 一 C 一 E 一 r 旬

、り1一

3

)

r一l

rw 一 ω o

-

- 一昨 一

O

・v+

J \ 一 t

弘 一

一一一一

JU

μ

1s ・ 7ι

(

2 -

13)

(2-14 )

ωミ二/\

V L

/

1 n Co 2

_}_

4

1 \ _

CO

1

R

_

n L 2 r21

) J

2

と表わされる。 ドライブ回路の信号によりトランジスタがターンオンするまで この状態は継続する。 従って、 この状態の期間TQは、

TQ=Ts-

(

TD+Tp+Ton

)

(2

-

15)

と表わされる。 ここで、 To以トランジスタのオン期間である。 α3<<1

/

Ts'

ω3く:< l

/

Tsより、 この状態の最終値は、

-

42

-

参照

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