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スイッチングコンバータにおける無損失スナバの設 計に関する研究

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(1)

九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

スイッチングコンバータにおける無損失スナバの設 計に関する研究

田中, 哲郎

九州大学工学研究科電子工学専攻

https://doi.org/10.11501/3088159

出版情報:Kyushu University, 1991, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

可�

第3章 フォワードコンパータにおけるLCスナパの設計

第3章 フォワードコンバータにおける しCスナバの設計

l24J, l2SJ

本章では、 LCスナパを付加したフォワードコンパータ を対象とし、

LCスナバの設計法について次の手順で議論する。 まず�'\ L Cスナバを付加し たフォワードコンバータの動作について検討する。 次に、 トランジスタスイッ

チの電力損を評価し、 この電力損を最小にするような条件を導く。 最後に、 求 めた条件を用いてスナバ・ キャパシタンスおよびスナバ・ インダクタンスの最 適値を決定する手法について述べる。

3. 1 フォワードコンパータにおけるL Cスナバの動作解析 [26]

図3 - 1にLCスナバを付加したフォワードコンパータを示す。 同図におい

て、 LCスナパがトランスの励磁エ不ルギーを処理する機能を持つため、 回生 巻線を取り除いてある。 フォワードコンパータにおけるLCスナパの動作は、

昇降圧形コンパータの場合と基本的に異なる。 第2章で述べたように、 昇降圧 形コンパータの場合、 LCスナバにより入出力問のエネルギーの流れが一時的 に滞る期間、 いわゆるデッドタイムが生じ、 その基本特性が影響を受けるが、

l27J

フォワードコンバータではそのような影響は非常に小さい 。

フォワードコンパータにおけるLCスナバの基本動作を議論するために次の 仮定をおいた。

(i) トランジスタ, ダイオードのスイッチング特性は理想的である。

(ii)回路の寄生要素は、 トランスの漏れインダクタンスルを除いて無視する。

(iii)トランスの漏れインダクタンスは、 トランスの励磁インダクタンスおよ び平滑リアクトルのインダクタンスに比べて十分小さい。

(3)

可,_---

第3章 フォワードコンハータにおけるL Cスナハの設計

L

唱li

n Ls

ハυ

+E

E

012

図3-1 LCスナパを付力日したフォワードコンノてータ

ト48 H=2,Tr

[V]日70[�F], L二川];

=20[μS], Q: 2SC3058A. l J

-79-

(4)

司,,-

第3章 フォワードコンバータにおけるしCスナハの設計

(iv)出力電厄のリップルは十分小さく、

平滑コンデンサは直流電圧源と見な せる。

以上の仮定のもとで、 このコンパータには表3 - 1 に示すよう に

1 0の状 態とそれらの状 態の組み合わせからなる2つの動作モードが現われる。 図3

-2に各状態の等価回路を示す。 LCスナパの動作の概要は次のとおりである。

状態1

スイッチングトランジスタがターンオフすると、 ダイオードD11が導通し、

スナパ・ キャパシタCの逆方向に充電された電荷は平滑リアクトル電流ILSと励 磁電流ILTによって放電される。

状態2

スナパ・ キャパシタの端子電圧Vcが零に達するとダイオードD22がターンオ ンし、 漏れインダクタンスに蓄えられていたエネルギーカすスナパ・ キャパシタ に充電される。

状態3

このエネルギー移動が終わるとダイオードD22がターンオフし、 スナパ・ キ ャパシタはさらにトランスの励磁エネルギーを吸収する。

状態4 6 (モード2 )司 状態7 (モード1 )

励磁電流が零になったときにダイオードD21がターンオフする。 この時、 ス ナパ・ キャパシタの端子電圧Vcが入力電圧を越えているとダイオードD12が導 通し、 LCスナバはモード2の動作シーケンスに入る。 そうでない場合にはモ ードlの動イ乍シーケンスとなる。

(5)

可rr--

第3章 フォワードコンパータにおけるL Cスナバの設計

表3-1 LCスナパを付加したフォワード コンバータの状態と動作モード

状態

Q OFF 2

3 4 5 6 7

8 ON

9 10

モード1 モード2

011 012 021 022 ON OFF ON OFF

ON OFF

OFF ON

ON OFF

OFF

OFF ON ON ON OFF OFF

1-2-3-7 -8-9-1 0 1-2-3-4-5-6-8-9-10

句81-

(6)

第3章 フォワードコンパータにおけるし Cスナパの設計

lwl n2JW2 n

ウム

IU

円\υ

nE。

e

1i

k一 能。 OI」ド天 -刊A1 、lja f-\

lwl n2lw2 n ペノ』 Iト山 FJ

ε

nE。

(b)状態2

lwl η

勺ム

I-u TU

E

L T

nE。

Vce

+

(c)状態3

図3-2

LCスナバを付加したフォワード

コンパータの等価回路

(7)

可司F

第3章 フォワードコンパータにおけるL Cスナバの設計

lwl η

勺ノ』

L

ぐU

E

L

T

+

(d)状態4

lwl

月2lw2

n2LS

E

nE。

(e)状態5

lwl n2/w2 n

今L L qu

E

nE。

νce

(η状態、6

図3-2 LCスナパを付力日したフォワード コンパータの等価回路(つづき)

ー83-

(8)

『司F

第3章 フォワードコンパータにおけるL Cスナパの設計

lwl

η2L

E

_i

LT C

II

νc・ ö+

νce

(g)状態7

lwl 月2lw2 η2Ls

よ1

E

C

nE。

II

i 一ー ー← E

+ Vce

(h)状態8

lwl

n2lw2 今ノ』 L ぐU

E

n�。

+ Vce

(i)状態9

図3-2 LCスナノてをイ寸力日したフォワード コンパータの等価回路(つづき)

(9)

第3章 フォワードコン八一タにおけるL Cスナバの設計

lwl f12lw2 η2Ls

l吋�LJT んl LSて�n�。

C Eー」

lìー

かづ+

Vc

1+

Vce

。)状態1 0

図3-2

LCスナパを付加したフォワード コンパータの等価回路(つづき)

-85-

(10)

第3章 フォワードコンハータにおけるL Cスナパの設計

状態8司 9

トランジス タ カf ターン オンするとスナノく・ キャノてシタとスナノく・ インダク タ で共振回路が形成され、 スナパ・キャパシタは逆充電される。

状態, 0

ダイ オードD12が オフ状態となり逆充電が終了すると、 スナパ・キャパシ タ の電荷はトランジス タ の タ ーン オフまで保持される。

LCスナパの各状態における各部の電流 ・ 電圧波形は図3 - 3 (モード1 ) および図3

-

4 (モード2 )のとおりであ る。 両方のモードでトランジス タ の オン期間にスナバ・キャパシ タの端子電圧は入力電圧Eiを越えない。 このため、

トランジス

の オン期間にダイ オードDl1は導通せず、 昇降圧形コンバー タ で 見られたようなLCスナパから入力へのエネルギ一回生は起こらない。 フォワ ードコンパー タ の場合には、 LCスナパに蓄えられたエネルギーの放出が、 状 態lの期間に出力に向けて行なわれる。 これは、 昇降圧形コンパータとフォワ

ードコンパー タ で、 LCスナバの動作が大きく異なる ことを示している。 図3 -3および図3- 4 か ら、 トラ ンジス タに加わるサジ電圧は状態3の終わり に発生する。 サージ、電圧V

cep

は次式で表わされる。

vcep=Ei+Vc (3-1)

ここで、Eiは入力電圧、V本はこのときのスナパ・キャパシ タ の端子電圧であ

C

る。 状態2および状態3におけるスナパへのエネルギー移動から、 サージ電圧 Vcepは近似的に次のように表わされる。

D I A

/ LT

T

2

I

lw ILS2

Vcep - ι i 十べ /7 ILT + 7 ・ -7

n�

(3-2)

(11)

第3章 フォワードコンパータにおけるL Cスナパの設計

*

F何時

Vc

0

-v/�ーー

-Ei

State 110 1 Î 12 1 3 7 II 9 110 1 Î A

2Ei

νcep

Vce

Ei �ーー一一一ー一一-ー-

v J

O

ILT

IL

図3-3 モードlにおける電圧 ・ 電流波形

-87-

(12)

た*

Ei

Vc

0

-Ei

第3章 フォワードコン八ータにおけるLCスナバの設計

State 11 0 1 1 121 3 4 15 16 119 110 I

νce 1ノcep 2Ei

Ei

VJ

o

l

lLT

LT

IL

A

E

8

図3-4 モード2における電圧

・電流波形

(13)

第3章 フォワードコンパータにおけるLCスナパの設計

但し、 Cはスナパ・ キャパシタンス、

LTはトランスの励磁インダクタンス、

ILT,ILSはそれぞれトランジスタ ・

ターンオフ時の励磁電流と平滑リアクトル

電流である。 さらに、 動作モードの境界条件は、 サージ電圧と入力電圧の関係

[24J

から次のように表わされる 。

f

vαpく2Ei川e 1)

c〆2Ei問e

(3-3)

式(3-2), (3-3)より、 トランジスタに加わるサージ電圧はスナパ・ キャパシタ

ンスの増加にしたがって減少すること、 そのためスナパ・ キャパシタンスによ ってスナバの動作モードが変わることなどがわかる。 この様子を図3 - 5に示 す。

-89-

(14)

フォワードコンパータにおけるL Cスナパの設言十

2 J

EL 一

D 一 O 一 M 一

MODE Î MODE 2

一一 4L 二 n 一一 e -- m y l

VI VE

mm白 A

h x fi{IL TE EL

• MODE 1

第3童

140

ハU ハ/」

(〉)auo 〉

〉 …む 四回平一〔〕 100

む 回」コの

80

2 0 3 0 40

ce.pac i t ance: C [nFJ

1 0 O

Snubber

図3

-

5 サージ電圧に対するスナパ・ キャパシタンスの影響

[

Eo= 5川oニ2 [A], L刊96州,1w==10[μHJ

]

(15)

第3章 フォワードコンバータにおけるしCスナパの設計

rL=

I

[28], [29], [30]

3. 2 フォワードコンバータにおけるし Cスナバの言又計

3. 2.

1 トランジスタの電力損解析

トランジスタの電力損を高周波等価回路を用いて評価する。 解析にあたって は、 トランジスタのlスイッチング周期をターンオフ オフ ターンオン オ ンの4つの期間に分け、 各期間についてトランジスタのエネルギー損失を求め る。 図3-6に各期間におけるトランジスタの等価回路を、 図3 - 7にターン

オフ時とターンオン時のトランジスタの電流電圧波形を示す。

(a)トランジスタ ・ ターンオフ時

トランジスタ

ターンオフ時のモデルは、 時間経過と共に直線的に減少する

電流j原JTと空乏層容量CTの並列回路とする。 この等価電流源、の特性は、 次の式 で表わされるものとする。

{ ( 1 LT + l 1 LS ) ( 1 - i_ 1

t三か

I \ れ f \ tF 1

J

Jr

=

(

I 0

t>ケ (3-4)

ここで、

は電流源の降下時間である。 このトランジスタが能動状態にあると き、 トランジスタのコレクターエミッタ間電圧νceは次式のように表わされる。

ILT+1ILS

νfρ ::::: ��

V

vr

+

.

-

n

. - t2

2 ( C

+

C T ) (3-5)

但し、 VJはターンオフ時電圧のステップ状変化の大きさであり、 前述の スナパ・

キヤパシタ電圧v

;

を用いて次のように表わされるO

I Ei - Vc (Mode 1)

V J

Z

\ (lイ- E川 LT + LL (Mo叫

-91-

(3-6)

(16)

第3章 フォワードコンハータにおけるし Cスナパの設計

Turn-off Off

C T

i!

Turn-on On

+

V f

iI

図3

-

6 トランジスタの等価回路

(17)

第3章 フォワードコンバータにおけるLCスナパの設計

V

J -

- -

v

ce

L _ lρ

ILT + 子 ー し

。 。 今

(a) Turn-off

V 1

E - ce b C

111」l

F、U

E

。 。 f

r

f

(b) Tum-on

図3 - 7 コレクタ電圧およびコレクターエミッタ問電圧波形

ー93-

(18)

第3章 フォワードコンバータにおけるしCスナパの設計

式(3-4),

(3-5)よりターンオフ期間のトランジスタのエネルギー損失Wtの7は、

流電圧積を積分することによって、 次のようになるo

rlJ

Wto万二 I JT.vcedt

)0

fハ f.r 1ハ2

-:::::. V T .一一- ニ+ tr

d H 2 24C 112・j

(3-7)

ここで、 10はコンバータの出力電流を表わし、 C >> Cr,ILS

>> ILT,

JLS

=

1。を仮定した。

(b)トランジスタ ・ オフ時

トランジスタのオフ時のモデルは一定容量の空乏層容量Crとする。 この空乏 層容量は、 オフ期間に入力電圧まで充電されるので、 者ìえられるエネルギーは、

wr j CTEi2

(3-8)

となる。 この誌積エネルギーは、 ターンオン時にトランジスタ内で消費される

が、 損失測定に際してはオフ期間のエネルギー損失として観測される。 ここで は、 解析と実験との整合を取るため、 空乏層容量の主主積エネルギーをオフ期間 のエネルギー損失Wojjとして取り扱うことにする。

(c)トランジスタ ・ ターンオン時

ターンオン時のトランジスタは、 時間経過と共に直線的に減少する電圧源 VTと考える。 この等価電圧源の特ttを次のように表わす。

I Eiー ( Ei -吋

V72 (

I E

I LJ S

、t三tr

t > tr (3-9)

(19)

フォワードコン八一タにおけるしCスナパの設計 第3章

ここで、trはトランジスタのターンオン時間、 Esはトランジスタの飽和電圧で

シ」 T V

源圧

ターンオン期間のトランジスタのエネルギ-í員失礼Ffonは、 者一也 ある。

コレクタ電流lCの積を積分することによって次のように表わされる。

Eつ

L<

W tn l�

LJ l t つ

ton �

t

(3-10)

で、

E

i >>

E

s

定 し

(d)トランジスタ ・ オン時

オン期間は、

オン期間におけるトランジスタのモデルは、定電圧j原ïEsで、あるO

このうち状態8は他の期間に比べ十分短 状態8,9,

10の三つの期聞からなるが、

いので、 状態8の影響を無視する。 残りの状態9および状態10におけるコレクタ

(3 -

1 1

)

(State 9)

(State 10)

電流l Cは、 近似的 に 次よ う に表わされる。

f一夜 n pδ 一位 I J V

E +

ぐU ぐu f-u IU

l

n

l

十 + Tt TI

L L

-11111111111 11111』11111~~

C

ここで、lLTはトランスの励磁電流、lLSは平滑リアクトル電流である。 状態9 トランスの一次巻線電流とスナパ回路を流れる共 コレクタ電流は、

において、

トランジスタのオン期間におけるエネルギー損失Wonは次 振電流の和である。

の式で表わされる。

d E η O T 、j ail--s16

n o w

(3-12)

= ? ι Ton + 2C Es (Ei一川

ここで、T仰はトランジスタのオン期間で、lLTくくU

ム lLSこんを仮定 し たO

-95-

(20)

第3章 フォワードコンパータにおけるし Cスナパの設計

(e)トランジスタのエネルギ-損失

各期間におけるトランジスタのエネルギー損失を合計することにより、 1周 期あたりのエネルギー損失wは、

Ei2 「 I 今

日i =

t..

+

CTEiL

24 1w ' 2 ・

+ 7 vO ω仰0 11 刀1 + 2

Iハ tr 11'ハ、2

+

ν1 ν . 一二.η _:!_ 2

+

24C " tr

n L J

(3-13 )

と表わされる。 この式は、 トランジスタのエネルギー損失がスナバ・キャパシ

タンスCに依存し、 スナパ・インダクタンスLによらないことを示している。

厳密には、 スナパ・ インダクタンスは電圧変化VJを通じてトランジスタのエネ ルギー損失に対して影響を持つが、 それは無視できる程度のものである。

この解析の妥当性を確認するために実験との比較を行なった。 その結果を図 3-8に示す。 ターンオン損失とオフ期間の損失は損失全体から見て十分小さ く、 またスナバの影響をさほど受けないため、 図3-8では省略してある。 解 析結果と実験結果はよく一致しており、 同図よりターンオフ損失およびオン期 間の損失が支配的であること、 オン期間の損失はスナパ・キャパシタンスの影 響をさほど受けず、 一方、 ターンオフ損失はスナパ・キャパシタンスによって 大きく変化することがわかる。 ターンオフ損失のこのような特性は、 図3 - 9

に示すように、 ターンオフ時の電圧変化りがスナパ・キャパシタンスによって 変化することによっている。 式(3-1), (3-3), (3-めから明らかなように、 この電圧 変化VJは動作モードの境界で最小値をとり、 そのとき、 ターンオフ時のエネル ギー損失も最小となる。 結局、 トランジスタのエネルギー損失を最小にするよ

(21)

フォワードコンパータにおけるし Cスナパの設計 第3章

Experiment

A

\

\φ φ � ‘a,

\" φ φ ./"V

VVturnoff

\

A�

...____ /

./

- ..-&.

\

&.

~7

.r;u.

A /正

/'

m

r封、1TI_乙E一回一 _ r.;L ー

よ.J_[!t _,r

- � ..r

\^'

・.on

(寸∞10こ

W

一一一Theory

1 0

W

Won Wturnoff

ののO

5

k( 白 」むCむ ハU ハU

」O干の一のCC」ト

40

capac i t ance: C [nFJ

30

ハU 20

Sïubber

トランジスタのエネルギー損に対するスナパ・

キャパシタンスの影響 図3

-

8

I Eo = 5 [V], 10= 2 [A], L T= 1.1 [mH], l w二2.5 [μH]; I Ltr= 50 [ns], tf= 0.3 [μs], Es= 0.3 [V], CT = 300 [pF]. I

-97-

(22)

フォワードコンパータにおけるし Cスナバの設計 第3章

25

ごてて:

Theory Experiment

巴l

20

にυ

1 0 (〉)「〉い〔]εコ「

む∞ Uヤ 一〔〕 > 5

MODE

1

MODE24→

2 0 3 0 40

capac i t ance: C [nFJ

ハリM F『­pu lhυ 1hu ハU u o h

ターンオフ時の電圧変化に対するスナパ・

キャパシタンスの影響

[Eo= 5川Iρ凡L T= 1.1同, l w= 2.5 [μHl.J

図3

-

9

(23)

第3章 フォワードコンパータにおけるLCスナパの設計

うなスナパ・キャパシタンスは、 LCスナパが動作モードの境界で動作するよ うに選べばよいことになる。 なお、 この条件下でトランジスタに加わるサージ 電圧Vcepは電源電圧の2倍の大きさで、 これは通常のフォワードコンパータと

同程度である。

3. 2. 2

L

Cスナバの最適設計

(a)スナバ ・ キャパシタの最適化

この節では、 最Jiliなスナパ-キャパシタンスとインダクタンスの設計につい て述べる。 前節の議論で、 トランジスタのエネルギー損失を最小にする条件は 動作モードの境界での動作であることが明らかになったが、 この条件はスナバ・

キャパシタンスを調整することによって実現される。 一方、 この動作モードの 境界は平滑リアクトル電流JLSによっても変わることが式(3-2), (3-3)より明らか

である。 従って、 平滑リアクトル電流を考慮した動作モードの境界についての 議論が必要である。 簡単のため、 次の仮定を導入する。

(i)リアクトルの電流リップルは零とする。

すなわち、ILS =んが成り立つ。

(ii)出力電圧E。に与える内部損失の影響は無視する。 すなわち、

Eo

==

(E/n) . ( Tol1 iT s ) ここで75はスイッチンク・周期であるO

以上の仮定と式(3-2), (3-3)から、 動作モードの境界は次のように表わされる。

Ei:::::: LT r 2 ,l w fo 2

一一

l LT 十

一一一一

C η2

この式において、 電流JLTは次のように表わされる。

Ei n E ハ

JLT =

-r _"

T o

= 一ーニ T‘

LT LT

(3-14 )

(3-15)

これはモードlにおける式であるが、 トランスの励磁電流JLTの連続'111:から、

(24)

第3章 フォワードコンパータにおけるし Cスナパの設計

1ν 入 hい店、,A1 A叶 勺コ

式を

戸ヘJ 勺コ

るあで

2

効E

十1思 ~ ~

IIlli--­

l y ぺ 乙

0 1 1

Fl

y

-w 一 2 月

も +

27

o | 可 J 一 月 2

の一

L 一 T Th 境

一!

2

E I

,l'l11111III・

一る

l

C

モ 得 作 を 動 式

(3-16)

これは、 出力電圧E。と出力電流f。の関数である。 この式により、 動作モードの 境界は出力電圧一出力電流平面上で楕円を描くことになる。 この様子を図3

- 1

0に示す。 また、 解析結果と実験結果の比較を図3

- 1

1および図3

- 1

2に示す。 図3 - 1

1

はト

の 漏

れ イ ンクタンスが小さ

場合(

例 1

)、

図3

- 1

2 は漏れ イ ンダクタンスが大きい場合(例2 )であり、 これ以降の具 体的な議論は、 この二つの例のパラメータを用いて行なう。

上記の議論から、 出力電圧が一定に制御されている場合、 出力電流の全範囲 に対してコンパータをモード境界で動作させることは不可能であることが分カ

る。 しかし、 出力電流のある範囲において、 トランジスタのエネルギー損失が あらかじめ決められた値よりも小さくなるようにスナパ・キャパシタンスを選 ぶことができる。 これを、 準最適なスナパ・キャパシタンスと呼ぶことにする。

準最適なスナパ・ キャパシタンスを求めるため、 ここで、 次式で表わされるエ ネルギー損失の正規化表現を導入する。

W

八l =

W1

0 川

m in ( W

但し、 WNは正規化エネルギー損失、 Wloはある出力電流I。に対するエネルギ

(3-17)

一損失であり、 スナバ・ キャパシタンスCによって変化するエネルギー損失 Wloの最小値をmin(・)で示す。 このような正規化の過程を図3

- 1

3に示す。

前述の二つの例についてエネルギー損失 の正規化を行ない、 スナパ・ キャパシ タンス-出力電流平面上に正規化エネルギー損失の分布を描くと図3-14

, 図3-

(25)

第3章 フォワードコンパータにおけるLCスナパの設計

O

E

Mode 2

Mode Î

nE花

f

o

図3 - 1 0 出力電圧-出力電流平面における動作モード分布

-101 -

(26)

フォワードコンパータにおけるLCスナパの設計 第3章

ハU

Experiment .ð.巴。

Theory

一一

& 企』

企』 Á Á

Á

「hu

(〉〕ロU…u四回平一〔〕〉

一←J 0..

-+-'

Cコ

ハU ハU Hu nu -寸L Aal- nμt Hu 4L ハ/」 PU HU r-­ 3 FIE ρU 4k nH A-s nU RU fL AA ハD

: LT= 1.1mH, lw= 2.5μH) 動作モードの境界(例1

図3

- 1 1

(27)

フォワードコンパータにおけるし Cスナバの設計 第3章

&一 回 :C=22nF Theory

Experiment

1 0

「「)

(〉)

DU…umuヤ一口〉

二コ o.._

→J

Cコ二コ

4 5 6

current: 10 [AJ O 3

U

Output

: LT = 0.96nlH, 'w = 10μH)

動作モードの境界(例2

図3

-

1

2

イ03-

(28)

第3章 フォワードコンパータにおけるL Cスナパの設計

A 一 O 一 A 一 3 一 O 一 A 二 一 ηζ

一 ハU -

O 一 一一 一 4l - -

Fん 一 一一 O FIA

Normalization

w N

min (Wlo)

o c

A 一

= 一 2 A 一 3一O O一A一 一 O 司 - -

o一一一一4l ー句 一 一一 。 Ii

-w: N

↓↓J J

1.0

。 C

C

1

2.0 1 1.51

/了シ/イ

九= 1.0

RU G

-

gat eleE』t 2

- -

‘ ‘

lla吋t ‘ 』11

首 Ft' 1・4

。 f

o

図3

-

1 3 トランジスタ ・ エネルギー損の正規化

(29)

フォワードコンパータにおけるLCスナバの設計

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第3章

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トランジスタの正規化エネルギー損(例1 )

[ Eo= 5川ん= 50 [叫う= 0.3 [μS], E s= 0.3川Cy= 300 [pFl. J

図3

- 1

4

-105-

(30)

フォワードコンバータにおけるし Cスナパの設計

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第3章

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トランジスタの正規化エネルギー損(例2 )

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0.3 [V], CT= 300 [pFl. J

図3

-

1 5

(31)

第3章 フォワードコンハータにおけるL Cスナパの設計

出力電流範囲に対し準最Ji&なスナバ・ キャパシタンスを得ることができる。 凶

3

-

1 4 出 力の範囲が 1

----

5 A 正 規化 エネルギ

損失

1.2まで許されている場合には、

準最:ii&なスナパ・ キャパシタンスは13

----

1

8 nF

の範囲から選ばれる。 図3

-

1 5の場合には、 およそ20nFが同条件を満足する スナバ・ キャパシタンスとなる。 これらの結果から、 トンスの漏れインダク タンスが増大するに従い、 スナパ・ キャパシタンスおよび出力電流を選択する

自由度が小さくなることがわかる。

(b)スナパ ・ インダクタの最適化

上述の手順に従いスナバ・ キャパシタンスが決定されると、 次はスナパ・ イ ンダクタンスの選定が必要となる。 トランジスタのオン期間に、 スナバ ・ キャ

パシタ, インダクタ, ダイオードD12' ト ランジスタより半波共振回路が構 成され、 共振電流が流れる。 この共振に関し、 次の二つの拘束条件がある。

(i)共振電流のピーク値は最大許容コレクタ電流を越えない。

(ii)共振はトランジスタのオン期間内に終了する。

これらの条件が満足されない場合、 不完全な共振によるターンオフ時電圧変

イヒの上昇により、 ターンオフ時のエネルギー損失Wtc�刀が増大する。 この二つ の拘束条件は、 次のように表すことができる。

C (炉E

i

2

L

T o

n

m

m

(十 / 一 ;)y 2 C π

2

C口1ax

(3-18)

ここで、

Icmaxはコレクタ電流の最大許容値、 Tonminはトランジスタの最小オ

ン期間を表わし、 具体的な値はそれぞれ使用するトランジスタの定格とコンパ ータの出力電圧から与えられる。 この拘束条件を[cmaxをパラメータとして図

3 -

1 6に示す。 同図において、 最迎なスナパ・ インダクタンスLとは、 前項

- Î 07-

(32)

フォワードコンバータにおけるしCスナパの設計

勺ι

ノ / / / / / / ノ 〆 〆 / / ノ nJ ノつ.u 〆 只JV

Icmax =3.0 A

第3章

主200 2.8

ー」

150 100

了。nmin

50

ハU ハU

」 U AA コ あ

40

capac i t ance: C [nFJ

30 20

Snubber

スナバ・ インダクタンスとスナパ・

キャパシタンスの拘束条件

[ι=5川10=5同]

図3

-

1 6

(33)

第3章 フォワードコンパータにおけるし Cスナパの設計

の手}II買で準最適化されたスナパ

・ キャパシタンスに対し、 最大コレクタ電流 Jcmaxが最もノJ,さいものである。 その値は、 例1の場合におよそ130μH、 例2 の場合はおよそ80μHとなる。

3. 3 実験結果と検討

本節では、 前節で述べた手順でLCスナパを設計し、 フォワードコンパータ についてその有効性を確認する。 LCスナバを採用する本来の目的がスイッチ ング周波数の高周波化にあるため、 特にスイッチング周波数を1MHzとし、 ス イッチ素子にはMOSFETを用いることにする。

スイッチング周波数が、 前節で用いた値の20倍になっているので、 大まかに 言って、 LCスナパを構成する素子の値を1/20すれば、 前節と同様の条件で動 作する。 製作したトランスの漏れインダクタンスの値が前節の例2に相当した

ので、

50kHzで、の最適値の1/20を取って、 lMHzで、の設計値としてスナバ・

キャ

ノてシタンスはlnF, スナノて・ インダクタンスは4μHとした。

試作した1MHzフォワードコンパータの動作波形を図3 -

1

7に示す。 LC スナパの場合、 製作の都合上、 実験で用いたスナパ・ インダクタンスは4.6μH であった。 比較のため、 従来のRCスナパを付加した場合の波形をあわせて示 す。 スイッチンク*周波数が1MHzで、あるため、 RCスナパの最適設計値では損 失が増大し、 非常に大きな電力定格の抵抗を用いる必要があった。 これを避け るため、 実験では、 実用的な観点からRCスナパの値を決定したため、 サージ 電圧を完全に抑制することはできなかった。 実験の場合でも、 RCスナバの抵

抗には12W定格のものが必要であった。 次に、 スナバのサージ抑制効果と効率

改善についてRCスナパと比較した。 その結果を図3 -

1 8

図3 -

1

9に示 す。 サージ抑制, 効キ改善ともにLCスナパの方が有効に動作していることが

-109-

(34)

第3章 フォワードコンパータにおけるしCスナパの設計

.

v ce

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J

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(a) R

Cスナパ(R=100[Q],C二470 [pF],ら=5.0 [A])

200ns/div

(b) L

Cスナパ(L二4.6 [μH], C二1 [nF],ら=5.0 [A])

図3

-

1 7 スナバを付加したlMHzフォワードコンバータの動作波形

日間日o [V]九 二1 [向];

月=2,LT=60[μH],L

s=

23 [μH], C

rr

22 [μF]; I

(35)

{>} § 戸一ω。のい

。>。。」コω

第3章 フォワードコンパータにおけるLCスナパの設計

一←

LC Snubber

-←

RC Snubber

Î 2 3 4 5 6

Output Current: 10 [A]

図3-18 LCスナバのサージ抑制効果

-111-

(36)

F\υ E-

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乞ア

. .

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51

第3章 フォワードコンパータにおけるL Cスナパの設計

-←LC Snubber ートRC Snubber

2 3 4 5 6

Output Current: Io[A]

図3-19 LCスナパによる効ネ改善

(37)

第3章 フォワードコンバータにおけるL Cスナパの設計

わかる。 特に効ネは、 RCスナパに比べ、

10%近く改善されている。

以上の実験結果から、 RCスナパに対するLCスナパの優位性、 特に効本に 関する優位性、 が確認された。

3.

4

第3章の結論

LCスナノてをイ寸力日したフォワードコンノてータについて、 スイッチングトラン ジスタのエネルギー損失を評価し、 このエネルギー損失を最小にするようなL Cスナバの設計について議論した。 以上の議論をまとめると次のようになる。

(i)

トランジスタのエネルギー損失は、 ターンオフ時の電圧変化に依存し、

動作モードの境界で最小となる。

(ji)この動作モードの境界は、 スナパ・ キャパシタンスと出力電流の影響を 受ける。 従って、 出力電流の全範囲にわたってトランジスタのエネルギ ー損失を最小にするようなスナパ・ キャパシタンスは存在せず、 これに 近い準最適なスナパ・ キャパシタンスが得られる。

(iii)トランジスタのエネルギー損失の正規化表現を導入することにより、 準 最適なスナバ・ キャパシタンスが得られた。 スナパ・ キャパシタンスが 与えられた場合、 最適なスナパ・ インダクタンスはスナパの共振特性か ら決定される。

さらに、

lMHzで、動作するフォワードコンパータを試作し、

LCスナバを付加

した場合と従来のRCスナパの場合とを比較した。 電圧サージ, 効率の点で、

LCスナバの優位性が確認できた。

-113-

(38)

第4章 結論

第4章 結論

以上、 L Cスナバを付加した昇降圧コンパータおよびフォワードコンパータ

について、 L Cスナバが各コンパータの基本動作および主スイッチの電力損に 与える影響を明らかにし、 その電力損を最小にするという立場からL Cスナバ の設計について議論した。 その結果、 次の結論を得た。

(i)昇降圧コンパータにL Cスナバを付加することにより、 コンパータの基 本特性が大きく 変化することがわかった

これは、 昇降圧コンバータの 動作において、 本来の、 入力からリアクトルヘエネルギーを諸積する期 間およびリアクトルから出力ヘエネルギーを放出する期間のほかに、 L Cスナバにより入出力とリアクトルがエネルギーのやり取りをしない期 間、 いわゆるデッドタイムが生じるためである。 このようなデッドタイ

ムの発生は、 従来のR Cスナパでは見られなかったことであり、 L Cス ナパ固有の現象であると言える。 具体的な基本特性の変化としては、 静 特性の面では、 コンパータ本体の出力インピーダンスが増加する方向に 負荷特性が大きく変化すること、 また、 昇降圧形コンパータの動特性の 面では、 コンバータの安定性がL Cスナパを付加しない場合よりも改善 されることなどが挙げられる。 最後の安定性の改善については、 実際に は帰還回路の利得を大きくしてコンパータの出力インピーダンスの増大

補償

することを

考え

ると、 L Cスナ

加された昇降圧コンバータ

を用いたスイッチングレギ、ユレータの最終的な安定性にL Cスナパはあ まり影響を与えない。

(ii) L Cスナバを付加した昇降圧コンパータでは、 主スイッチのトランジス

タに加わるサージ電圧の大きさは、 スナパ・ キャパシタンスの平方根に

(39)

第4章 結論

逆比例し、 コンパータのリアクトjレ電流に比例する。 従って、 スナパ・

キャパシタンスを大きくすることによって、 トランジスタに加わるサー ジ電圧を低減できるが、(i)で述べたLCスナパが昇降圧コンパータの静 特ttに与える影響のひとつとして、 同時にサージ電圧を増大させるリア クトル電流を増加させるため、 スナパ・ キャパシタンスの増加によるサ ージ電圧の低減には限界がある。

(iii) 昇降圧コンバータに対するLCスナパの設計規範として、 主スイッチへ のサージ電圧, 王スイッチの電力損 LCスナパの動作条件を選んだ。

このうち、 サージ電圧については結論(ii)から、 スナパ・ キャパシタンス をある程度大きくするとサージ電圧の低減効果が飽和してしまうので、

スナパ・ キャパシタンスはそのときの値よりも大きく選べばよく、 これ は緩やかで達成しやすい規範である。 次のトランジスタの電力損は、 l スイッチング周期中のトランジスタの状態を4つに分け、 それぞれにつ いてエネルギー損を評価した。 その結果、 各状態のエネルギー損のうち ターンオフ時の損失とオン時の損失が支配的であること、 主スイッチの 全エネルギー損はスナパ・ キャパシタンスにのみ依存しスナパ・ インダ クタンスには依存しないこと、 さらに、 全エネルギー損を最小にするよ うなスナバ・ キャパシタンスが存在することがわかった。 従って、 スナ パ・ キャパシタンスは主スイッチの電力損を最小にするように選び\最 初のサージ電圧に関する規範を満足するか検討すればよい。 最後のLC スナバの動作条件として、 スナパ回路が正常動作するための時間的制約 およびLCスナパによりスイッチに流れる共振電流のピーク値を考えれ ば、スナバ・ インダクタンスの取りうる値の範囲が決定される。 以上の 手順により、 昇降圧コンパータに対するLCスナバの設計を行なうこと

-115-

(40)

第4章 結論

ができた。

(iv)昇降圧コンバータと同様にフォワードコンパ-タにLCスナバを迎用し た。 このとき、 フォワードコンパータの変圧器の励磁電流はLCスナパ により処理されるので、 フォワードコンパータの回生巻線を省略で きた。

フォワードコンパータの場合には、 LCスナパを付加したことによりコ ンパータの基本特れはほとんど影響を受けない。 これは、 昇降圧コンパ

ータにおいては、 エネルギ一帯積用リアクトルにLCスナパが接続され ていたが、 フォワードコンパータでは変圧器にLCスナパが接続されて

おり、 フォワードコンバータの基本特性が影響を受けにくいためである。

同じ理南で、 フォワードコンパ-タにおけるLCスナバの動作は、 昇降 圧コンパータのそれとは全く異なり、 2つの動作モードが存在する。

(v)

L

Cスナバを付加したフォワードコンパータの主スイッチへのサージ電

圧は、 スナパ・ キャパシタンスの平方根に反比例し、 変圧器の漏れイン ダクタンスの幸子積エネルギーおよび励磁インダクタンスの容積エネノレギ ーの和の平方根に比例する。 励磁インダクタンスの苓積エネルギーが関 係するのは、 変圧器の励磁電流をLCスナバに より処理するためで、 二 つのエネルギーのうち励磁インダクタンスのエネルギーが支配的である。

また、 昇降圧コンパータの場合と同様にしてトランジスタの電力損を評 価した。 その結果、 各状態のエ不ルギー損のっちターンオフ時の損失と オン時の損失が支配的であること、 主スイッチの全エネルギー損はスナ パ・ キャパシタンスにのみ依存しスナパ・ インダクタンスには依存しな いことなど、 昇降圧コンバータの場合と同様な結果が得られた。 さらに、

二つの動作モードの境界でコンパータが動作するとき、 主スイッチの全 エネルギー損が最小になり、 このときのサージ電圧は電源電圧の2倍と

(41)

第4章 結論

なることがわかった。

(vi)昇降圧コ ンバータの場合と同様に、 フォワードコ ンパータに対するLC スナパの設計規範主として、 主スイッチへのサージ電圧 主スイッチの 電力損, L Cスナバの動作条件を選んだ。 このうち、 サージ電圧につい ては結論(v)から、 主スイッチの電力損を最小にすれば入力電圧の2倍程 度に抑えられ、 これは主巻線と同じ巻数の回生巻線を持つフォワードコ ンパータにおいて電圧サージが発生しない理想的な場合と同程度である。

従って、 主スイッチの電力損を最小にすることにより、 十分なサージ電 圧の低減効果が得られることになる。 次の主スイッチの電力損について は、 これが最小になる動作モードの境界は、 スナパ・ キャパシタンスと

出力電流の影響を受けるため、 出力電流の全範囲にわたってトランジス タのエネルギー損失を最小にするようなスナバ・ キャパシタンスは存在 しない。 そこで、 トランジスタのエネルギー損失の正規化表現を導入し、

出力電流の範囲内でなるべくスイッチの電力損を小さくするような準最 適なスナパ・ キャパシタンスを選んだ。 最後のLCスナパの動作条件と して昇降圧コ ンパータの場合と同様な条件を考え、 スナバ・ インダクタ ンスの取りうる値の範囲を決定した。 以上の手順により、 フォワードコ ンバータに文すするLCスナパの設言十を千子なうことカぎできた。

本論文では、 対象としたLCスナバを昇降圧コ ンパータおよびフォワードコ ンバータに付加した場合について考察したが、 ここで述べた設計手順は、 他の

LCスナバに対しても迎用可能で、ある。

また、

lMHzで、動作するフォワードコ

ンパータを試作し、

LCスナパはスイッチンク'周波数lMHz�こおいて従来のR

Cスナパに比べ十分有効であることが実験的に確認できた。 従って、 スイッチ

-117 -

(42)

第4章 結論

ング周波数lMHzまでは、 ここで取り上げたLCスナバにより、 スイッチング レギュレータの高周波化に対応できるものと思われる。

(43)

謝辞

謝 辞

本研究の題目を与えられ、 その後、 終始ご指導頂いた九州大学工学部電子工 学教室 二宮保教授に心から感謝の意を表わします。 また、 本研究の遂行にあ たって、 終始有益な御討議, 御鞭撞頂いた九州大学工学部電子工学教室 原田 耕介教授、 本論文を凶読して頂き有益な御助言を頂いた九州大学工学部電気工 学教室 野中作太郎教授, 九州大学工学部情報工学教室 西有生教授に謹んで 感謝の意を表します。

最後に、 本研究の遂行にあたって、 終始ご協力, 励ましを頂いた二宮研究室 と原田研究室の助手, 技官, 大学院生の諸兄に感謝いたします。

-119-

(44)

参考文献

参考文献

[1

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(47)
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参照

関連したドキュメント

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