本章では、 昇降圧コンパータにおけるLCスナバの設計について述べる。 ま ず、 LCスナパを付加した昇降圧コンバータの動作解析を行ない、 LCスナバ がコンパータの諸特性に与える影響を調べる。 次に、 コンパータの主スイッチ の電力損について解析し、 その電力損を最小にするという観点から、 LCスナ バの最適設計を行なう。
2. 1 昇降圧コンパータにおけるし Cスナパの動作解析
LCスナパを昇降圧コンパータに付加するとコンパータ自体の動作が変わっ てしまうため、 LCスナパを含めたコンパータの動作解析を新たに行なう必要 がある。 また、 LCスナバを付加したことにより4つの動作モードが現われる
[ 15]
ことがわかっており 、 どの動作モードでLCスナパを動作させるか問題にな る。
本節では、 まず、 LCスナパを付加した昇降圧コンパータの動作モードにつ いて述べ、 昇降圧コンパータに対して適切な動作モードを選ぶ。 次に、 選んだ 動作モードについて静特性, 動特性解析を行ない、 LCスナパの影響について 述べる。 静特性解析の結果を用いて、 主スイッチのトランジスタの電力損解析 を行ない、 その電力損を最小にするという観点からLCスナパの最適設計を行 なう。
-29・
第2章 昇降庄コンパータにおけるしCスナバの設計
2. 1. 1 LCスナバの動作解析[î 4], [î 5J
図2-1にLCスナパを付加した昇降圧コンパータを示す。 このLCスナパ
を付加したコンパータは、 表2-1に示すように、 8つの状態の組み合わせか ら4つの動作モードが可能となる。 各動作モードの動作波形を、 図2-2�図 2 - 5に示す。 同図から、 動作モード2および3では、 トランジスタの電圧に おいてターンオフ時のステップ変化がなく、 スイッチング損失が少ないという ことがわかる。 また、 トランジスタに加わるサージ電圧は動作モード1, 2,
3, 4の順に大きくなるので、 動作モード2と3では、 動作モード2の方がよ り望ましい。 従って、 LCスナパは動作モード2で用いるのが適当であり、 動 作モード2で用いることを前提にコンパータの動作解析を行なう。
LCスナバの動作モードの境界を負荷平面に描くと、 図2-6のようになる。
各動作モードの動作範囲は、 電源電圧Ei' リアクトルの巻線比n, リアクトル の漏れインダクタンス'W' スナパ・ キャパシタンスCに影響を受けることがわ かる。
動作モード2の動作概要は以下のとおりである。 トランジスタQがターンオ フすると、 ダイオードDllが導通状態となり、 スナパ・ キャパシタCによりト ランジスタのサージ電圧が抑えられる。 その後、 ダイオードD2が導通し、 2巻 線リアクトルに蓄えられたエネルギーが2次側に放出される。 次に、 トランジ スタがターンオンすると、 リアクトルへのエネルギー蓄積が始まり、 一方、 ス ナパ・ キャパシタCの存ì積エネルギーは、 ダイオードD12を通してスナバ・ イ
ンダクタLに移されると同時に、 C自身を逆充電する。 その充電電圧が電源、電
圧Eiを越えるとダイオードDllが導通し、 インダクタLのエネルギーが入力電 源に回生される。
-30
-第2章 昇降庄コンパータにおけるし Cスナパの設計
D
円ノ」nυ
n 11 ハυ
+E
E
012
図2 - 1 LCスナパを付加した昇降圧コンパータ
Ei = 24 [V], Eo二5 [V], R = 2.5 Q, Co= 2200μF;
L 1 = 1. 1 3 [mH],η= 4, Ts= l/fs = 20 [μs];
L = 75 [μH], Q: 2SC3058A
ー31-
...--第2章 昇降圧コンパータにおけるLCスナパの設計
表2-1 LCスナバを付加した昇降圧コンパータの 状態と動作モード
状 態 Q 011 012 O2 OFF ON OFF OFF
2 ON
3¥ OFF ON
4 OFF
5 ON OFF ON ON
6 OFF
7本 ON
8 OFF OFF
<-_
*エネルギ一回生が行なわれる
モード1 1-2・4-5-6-8 モード2 1-2-4-5-6-7-8 モード3 1-2-3-4-5-6-7-8 モード4 1-2-3-4-5-6-8
-32-昇降圧コンバータにおけるし Cスナパの設計 第2章
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